[56−03] 罪数に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。

1. 夜間,路上で,二人連れの通行人甲,乙に対し,「金を出せ。」と言って甲,乙の顔面をそれぞれ殴打し,甲,乙から現金を強取した。その際甲と乙の両名に傷害を負わせた場合は,強盗致傷罪の併合罪である。

2. 郵便局の窓口で,偽造の郵便貯金払戻請求書1通を他人名義の貯金通帳とともに郵便局員に対し黙って差し出し,これにより郵便局員をして正当な権利者からの払戻請求であると誤信させた結果,貯金払戻名義下に現金を受け取った場合は,偽造私文書行使罪は詐欺罪に吸収され,詐欺罪のみが成立する。

3. 業務として,自動車を運転中,前方不注視により自車を対向車と衝突させ,その結果自車の同乗者1名と対向車の運転者とを死亡させた場合は,業務上過失致死罪の併合罪である。

4. 通行人から金品を強取しようと企て,通りかかった甲に近づいたところ,甲が相当めいていしていたので,まず甲のポケットから財布を抜き取って窃取し,引き続き,甲に暴行を加えて甲のはめていた腕時計を強取した場合は,窃盗罪と強盗罪との併合罪である。

5. 殺意をもって人の腹部をあいくちで突き刺し,これによってその人の着衣を破損するとともに,その人を死亡させた場合は,殺人罪と器物損壊罪との観念的競合である。

[56−06] 甲,乙,丙は,窃盗を共謀し,深夜,A家に侵入してそれぞれ別の部屋に分れて物色を始めた。ところが,丙は居間のタンスの引き出しを開けた際に,そのそばで寝ていた子供の顔を見てわが子を急に思い出し,心から後悔して,そのまま何も取らずに立ち去った。その後,乙は応接間にあった置時計を盗み,甲は,寝室で寝ていたAを起こし,Aに暴行を加えてその反抗を抑圧し,Aが金庫内から出してきた宝石を強奪した。しかし.乙は甲がAに暴行を加えた事実を全く知らなかった。

乙及び丙の罪責に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。

1. 乙,丙ともに,置時計及び宝石の強盗の責任を負う。

2. 乙,丙ともに,置時計及び宝石の窃盗の責任を負う。

3. 乙,丙ともに,置時計の窃盗の責任を負う。

4. 乙は置時計及び宝石の窃盗,丙は,置時計及び宝石の窃盗中止犯の責任を負う。

5. 乙は,置時計の窃盗,丙は置時計の窃盗中止犯の責任を負う。

[56−09] 犯罪の主観的要件に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。

1. 強姦致傷罪の成立には,傷害の結果について認識していることは必要でない。

2. 営利誘拐罪の成立には,営利の目的のあることを認識していることが必要である。

3. 鎮火妨害罪の成立には,火災の際であることを認識していることが必要である。

4. 殺人罪の成立には,実行着手時に殺害の客体として必ずしも特定人を認識していることは必要でない。

5. 犯人蔵匿罪の成立には,犯人が犯した罪の具体的内容を認識していることは必要でない。

[56−12] 賍物罪に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。

1. 甲はカメラ屋の店長乙から店頬でカメラを買い受け,10日後それは乙が横領したカメラであると知ったが,そのまま自宅に隠しておいた。この場合には,賍物寄蔵罪は成立しない。

2. 甲は,詐欺犯人乙が騙取した金で購入したテレビであることを知りながら,乙から「このテレビをやる」と言われてこれを受けとった。この場合には賍物収受罪が成立する。

3. 甲は,乙が万引してきた反物の売却周旋方を乙から依頼され,その情を知りながら,友人丙を紹介して,同人にこれを買い取らせたが,乙から何らの謝礼ももらわなかった。この場合賍物牙保罪は成立しない。

4. 甲は,乙が他人のために偽証した謝礼として受け取った高級腕時計であると知りながら,乙からこれを格安に買い受けた。この場合には賍物故買罪が成立する。

5. 甲は,窃盗犯人乙が盗んできたステレオを盗品と知りながらもらい受け,これを自動車で乙方から自宅に運搬した。この場合には贈物収受罪の他に,賍物運搬罪が成立する。

[56−15] 甲が乙に対し窃盗を教唆したところ,乙は,その教唆により強盗を決意し,丙と強盗を共謀した上,丙とともにA方に侵入し,乙,丙こもごもAに暴行を加えて現金を強奪した。その際,この暴行によってAは重傷を負い,その傷が原因となって数日後死亡した。甲,乙,丙の罪責は,住居侵入の点を除き,次のうちどれにあたるか。

1. 甲は強盗教唆罪,乙は強盗致死罪,丙は強盗罪

2. 甲は強盗教唆罪,乙,丙ともに強盗致死罪

3. 甲は強盗教唆罪,乙は強盗致死罪,丙は強盗致傷罪

4. 甲は窃盗教唆罪,乙は強盗致死罪,丙は強盗致傷罪

5. 甲は窃盗教唆罪,乙,丙ともに強盗致死罪

[56−18] 「文書偽造ノ罪」に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。

1. 会社の代表取締役が,個人として会社から貸付を受けていた債務についての抵当権抹消登記手続をするため,ほしいままに代表取締役名義の債権放棄書を作成したときは,私文書偽造罪にならない。

2. 医師が患者に頼まれ,その勤務先の民間会社に提出する診断書に虚偽の病名を記載したときは,虚偽診断書作成罪になる。

3. 出版社に売り込む目的で,有名女優である本人に無断で,本人の名前でその少女時代に関する手記を作成したときは,私文書偽造罪になる。

4. 抵当権抹消のために預かった委任事項欄空白の委任状の同欄に,行使の目的で新たな抵当権設定手続を委任する旨記入したときは,私文書偽造罪にならない。

5. 架空人名義で銀行に預金している者が,その預金の払戻を受けるため,その架空人名義の預金払戻請求書を作成したときは,私文書偽造罪になる。

[56−21] 公然事実を摘示して人の名誉を毀損する行為があった場合に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。

1. 捜査中の刑事事件の被疑者に関する事実については,もっぱら私えんを晴らす目的に出た場合であっても,その事実が真実であることを証明すれば,処罰されることはない。

2. 市議会議員の候補者に関する事実については,市議会議員としての適格性に関するものであれば,それが摘示された後,その候補者が落選した場合であっても,その事実が真実であることを証明すれば,処罰されることはない。

3. 国会議員に関する事実については,もっぱら公益を図る目的でなされた場合には,その事実が真実であると否とにかかわらず,処罰されることはない。

4. 私人に関する事実については,それが摘示された後,その私人が死亡した場合には,その事実が真実であることを証明すれば,処罰されることはない。

5. 公務員に関する事実については,その公務員の公務と関係のない身体障害の事実であっても,その事実が真実であることを証明すれば,処罰されることはない。

[56−24] 次の記述のうち,わが国刑法の適用がないものはどれか。

1. 外国人が,外国で,日本の株式会社の株券を偽造した。

2. 日本人が,外国で,外国人所有の財物を窃取した。

3. 外国人が,外国で,日本人所有の住居に放火した。

4. 日本の公務員が,外国で,外国人から収賄した。

5. 外国人が,外国の領空を飛行中の日本航空機内で,外国人を殺害した。

[56−27] 次の記述のうち,横領罪が成立しないものはどれか。

1. 甲は,乙と金を出し合って宝くじ10枚を購入し,これを所持していたところ,そのうち1枚が当せんしたので,これを換金して,その全額を自己の用途に費消した。

2. 甲は,乙に某画伯の絵画を売却して代金を受領したが,その絵画がなお自己の手もとにあるのを奇貨として,更にこれを丙に売却して引き渡した。

3. 甲は,宝石ブローカーであるが,乙から適当な買い手を捜して100万円以上で売却してほしいと頼まれ手渡された宝石を保管中,友人丙にもうけさせてやろうと思い,同人にこれを80万円で売却して引き渡し,その代金を乙の銀行口座に振り込んだ。

4. 甲は,乙に頼まれて,丙方に寄附金を受け取りに行き10万円を受領したのに,乙には「5万円しか受け取らなかった。」とうそをついて,残り5万円を自己の用途に費消した。

5. 甲は,乙から手形裏書譲渡の形式で手形金取立の委任を受けて,丙から手形金を取り立てたが,その現金を乙に手渡さないで自己の用途に費消した。

[56−30] 次の行為のうち,器物損壊罪(刑法261条)が成立しないものはどれか。

1. 甲は,乙が飲んでいる高級ウイスキーのグラスにすきをみてたばこの吸いがらを入れた。

2. 甲は,乙所有の山林に植樹された杉の苗木を掘り返した。

3. 甲は,自己の自動車を乙に賃貸中,乙が貸料を支払わないのに憤慨してその自動車のタイヤをパンクさせた。

4. 甲は,乙方を訪問した際,乙が中座したすきをみて,乙の机の引き出しを開け自己作成名義の借用証書を取り出しその場でこれを破り棄てた。

5. 甲は,いやがらせの目的で,乙の家の木製表札の名前に黒色マジックインキで×印をつけた。

[56−33] 女子大生乙を拐取して乙女の両親から身代金を取ろうと計画した甲が,順次行った次の各段階の行為について,( )内の結論が正しいものはどれか。

1. 乙女が大学から下校するときをねらって,乙女を縛るための麻縄等を積んだ乗用車を運転して大学正門付近の路上で乙女を待ち受けた。(犯罪は成立しない。)

2. 乙女が大学から出て来たので,乙女に声をかける機会をねらって,道路を歩いて行く乙女の後から乗用車で追尾した。(身代金目的拐取罪の着手がある。)

3. 人目の少ない場所に来たので,乙女のすぐそばに乗用車を止め,乙女に対し,「お父さんが交通事故にあって入院したので迎えに来た。」と虚偽の事実を話したが,同女は,これを信用せず,帰りかけた。(身代金目的拐取罪の着手がある。)

4. 帰りかけた乙女の着衣をつかんで引きずりながら,同女を乗用車まで連れて来て,乗車させるため同女を抱きかかえた。(身代金目的拐取罪の既遂になる。)

5. 乙女を乗用車に乗せてホテルの一室に連れ込んだ後,その両親あてに身代金を要求する手紙を書いたが,投かんする前に逮捕された。(身代金目的拐取罪の既遂になり,かつ,拐取者身代金要求罪になる。)

[56−36] 公職選挙法第226条2項は下記のように定めているが,同条項の規定する犯罪に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。

「国若しくは地方公共団体の公務員,中央選挙管理会の委員若しくは中央選挙管理会の庶務に従事する自治省の職員,選挙管理委員会の委員若しくは職員,投票管理者,開票管理者又は選挙長若しくは選挙分会長が選挙人に対し,その投票しようとし又は投票した被選挙人の氏名の表示を求めたときは,六月以下の禁錮又は十万円以下の罰金に処する。」

1.中央選挙管理会の委員が,その職を辞した後に,選挙人に対して,投票した被選挙人の氏名の表示を求めたとしても,本項の規定する犯罪を構成しない。

2.選挙人が自分の投票した被選挙人の氏名を進んで表示したとき,選挙長がこれを聞いたとしても,本項の規定する犯罪を構成しない。

3.投票管理者が,選挙人に対して,その妻の投票した被選挙人の氏名の表示を求めることは,本項の規定する犯罪を構成する。

4.本項の規定する犯罪は,選挙の前後にかかわらず成立する。

5.本項の規定する犯罪が既遂となるためには,選挙人が被選挙人の氏名を表示することを要しない。

[56−39] 犯人蔵匿罪に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。

1. 過失致死罪の犯人を蔵匿したが,その後犯人が起訴猶予となった場合には,犯人蔵匿罪は成立しない。

2. 侮辱罪の犯人を蔵匿した場合には,犯人蔵匿罪が成立する。

3. 暴行罪で罰金刑を言い渡された者が,その判決の確定後に罰金を納付しないで逃走した場合に,その者を蔵匿しても,犯人蔵匿罪は成立しない。

4. 器物損壊罪の犯人を蔵匿しても,犯人蔵匿罪は成立しない。

5. 勾引状の執行を受け留置中の証人がすきをみて逃走した場合に,その者を蔵匿すれば,犯人蔵匿罪が成立する。

[56−42] 正当防衛に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。

1. 甲は散歩中,たまたま通りかかった乙から,乙の犬をけしかけられ,かみつかれそうになったので,その犬を足蹴にしてこれに傷害を与え,難をのがれた。甲の行為は,正当防衛ではない。

2. 甲を背後から切りつけようとした乙を目撃した丙が,甲を救おうとして乙の腰を蹴飛ばしたので,突然のことに驚いた甲は,丙を突飛ばして逃げ出した。甲の行為は,正当防衛である。

3. 甲は,乙と口論中に上着のポケットに手を入れたところ,これを見てナイフで攻撃してくるものと勘違いした乙から雨かさで突きかかってこられたので,驚いて乙に足払いをかけて転倒させ,全治3日間の傷害を与えた。甲の行為は,正当防衛である。

4. すいかどろ棒を防ぐため,甲は自分のすいか畑に有刺鉄線を張りめぐらし,強い電流を流しておいたところ,ある夜,甲の畑にすいかどろ棒の目的で侵入しようとした乙が,この電流に触れ,重いやけどを負った。甲の行為は,正当防衛である。

5. ノートを盗まれた甲は,数日後,登校途中の電車内で自分のノートを持っている乙に会い,その返還を求めたが,乙が応じなかったので,やむを得ず,力ずくでそのノートを取り返した。甲の行為は,正当防衛である。

[56−45] 国立大学の人事課長甲は受験生乙の父親である知人丙から,「乙を合格させるため,入学試験を担当する部局の係員丁に,乙の点数の水増し操作を依頼したいから,仲介の労を取ってほしい。」と頼まれこれを承認し,その謝礼として現金100万円を受領した。甲は丁からひそかに乙の成績を聞き出したところ,合格圏内にあることが判明したので,丁に水増し操作を依頼しないで丙に100万円を返還した。甲の罪責は,次のうちどれか。

1. 犯罪不成立

2. 単純収賄罪

3. 請託(受託)収賄罪

4. 枉法(加重)収賄罪

5. あっ旋収賄罪

[56−48] 次のうち,強盗罪(準強盗罪を含む。)が成立しないものはどれか。

1. 甲は,窃盗の目的で乙方住居に侵入したところ,乙に発見されたので暴行脅迫を加え,その反抗を抑圧し,その直後乙の気付かない間に乙方住居内にあった財物を取った。

2. 窃盗犯人の甲は,被害者乙に追跡されて肩に手を掛けられたので逮捕を免れる目的で,相手の手を振り払って逃走した。

3. 甲は,強姦の目的で乙に対し暴行脅迫を加えたところ反抗を抑圧された乙がやめてほしいと哀願したので,金員を要求し,乙からこれを受領した。

4. 甲は宝くじを取る目的でこれを販売している乙に対し暴行脅迫を加え,その反抗を抑圧したところ,乙はすきをみてその場から逃げ出したので,その直後に売上金を奪って逃走した。

5. スナックの主人甲は,でい酔させて金品を取ろうと思い,ミックスジュースを注文した女性客乙に対して強い洋酒を混入したジュースを飲ませてでい酔させ,乙の財布から現金を抜き取った。

[56−51] 「刑ノ執行猶予」に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。

1. 拘留については,執行猶予を言い渡すことができない。

2. 禁錮以上の刑の執行猶予期間内に犯した犯罪について罰金に処するときは,再度の執行猶予を言い渡すことができない。

3. 執行猶予の期間は最長が5年である。

4. 禁錮以上の刑の執行猶予期間内に犯した犯罪について再度の執行猶予を言い渡す場合は,必ず保護観察に付さなければならない。

5. 執行猶予期間内に更に犯罪を犯し,禁錮以上の実刑に処せられたときは,裁判所は,裁量により執行猶予の言渡を取り消すことができる。

[56−54] 次のうち,往来危険罪(刑法第125条)にあたるものはどれか。

1. 始発駅に停車中の無人電車を暴走させる行為

2. 人の現在する郊外電車に投石し,客席の窓ガラスを破損する行為

3. 酒によって電車線路をうろつき,終電車を一時停車させる行為

4. 航空保安施設を損壊する行為

5. 国道を障害物でしゃ断する行為

[56−57] 次の各罪のうち,未遂が処罰されるものはどれか。

1. 請託(受託)収賄罪

2. 業務上横領罪

3. 脅迫罪

4. 偽造有価証券行使罪

5. 保護責任者遺棄罪

[56−60] 次のうち,目的犯でないものはどれか。

1. 誣告罪

2. 淫行勧誘罪

3. 公正証書原本等不実記載罪

4. 強制執行不正免脱罪

5. 逃走援助罪

[56−63] 甲は,宝石強盗を計画し,乙,丙をそそのかして「乙は自動車を運転してA宝右店付近で丙を降ろし,そこで見張りを担当する。丙は,宝石店に押入って宝石を強取する。甲は自宅で待機し,宝石の売りさばきを担当し,売得金は三人で分配する。」という相談をまとめた。共謀共同正犯の理論によれば,次の記述のうち,正しいものはどれか。

1. 上記の相談に基づいて,乙がA宝石店付近で丙を降ろし,丙は宝石店へ向けて歩きだし,乙はその場で見張りを始めた。この段階において甲,乙,丙は強盗未遂罪の共同正犯となる。

2. 上記の相談に基づいて,乙はA宝石店付近で見張りをし,丙は宝石店に侵入して宝石を強取し,逃走しようとしたが追跡してきた警備員に逮捕されそうになったので乙が警備員を殴りつけて,傷害を負わせ,警備員がひるんだすきに車で逃走した。この場合,乙,丙は強盗致傷罪の共同正犯,甲は強盗罪となる。

3. 乙は,車を運転中,犯意を喪失したが,その意思を秘してA宝石店付近まで行き,丙をおろし,丙が店内に入る前にその場から逃走した。丙はそのことに気付かないで宝石店に侵入し,宝石を強取した。この場合,甲,丙は強盗既遂罪の共同正犯,乙は強盗帯肋罪となる。

4. 乙は,車を運転中,犯意を喪失し,A宝石店付近で丙を降ろしたところで,丙に「おれはやめた。」と告げただけで直ちにその場から逃走した。丙は宝石店に侵入し,宝石を強取しようとしたが,警備員に逮捕された。この場合,甲,乙,丙は,強盗未遂罪の共同正犯となる。

5. 乙,丙は車で現場に向かう途中,「甲に分け前をやるのは馬鹿らしいから,宝石は二人で分けよう。」と話しあい,前の計画通り,乙は見張り,丙は実行を担当して宝石を強取したが,甲宅へはもどらず,宝石を二人で分配した。この場合,甲は強盗教唆罪,乙,丙は強盗既遂罪の共同正犯となる。

[56−66] 次の記述のうち,甲について,詐欺罪が成立するものはどれか。

1. 甲は,乙のマンションを訪ねて,管理人に対し,乙から頼まれた旨うそを言って誤信させ,乙の居室のかぎを開けてもらい,その室内から乙のテレビを持ち出した。

2. 甲は,乙から立木の売却方を依頼され,その立木を100万円で買うという丙を見つけ,丙と共謀の上,乙に対し,丙が80万円で買値をつけたとうそを言って誤信させ,乙に売却代金として80万円を渡し,差額20万円を甲,丙で山分けした。

3. 雇主乙から丙に対する売掛代金債権の取立を依頼された経理係甲は,丙の利益を図るため,丙からの入金がないのに,あったように帳簿に虚偽の記載をし,その旨乙を誤信させて,事実上丙の支払を免れさせた。

4. 甲は,プロ野球公式戦の行われている野球場の出入口で入場券を改めていたアルバイト学生に対し,球団関係者であるとうそを言って誤信させ,入場券なしに球場内に入れてもらい,野球を観戦した。

5. 甲は,飲食店乙方で飲食した後,代金の支払を免れようと考え,暴力団員ではないのに,乙に対しあたかも暴力団員であるようなふりをしてすごみ,暴力団員であると乙を誤信させてこわがらせ,乙に飲食代金の請求を放棄させてその支払を免れた。

[56−69] 「住居ヲ侵ス罪」に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。

1. 家主が,賃貸借契約終了後も居すわっている借家人を追い出すため,その借家人の意に反して,その借家に侵入したとしても,住居侵入罪は成立しない。

2. 不法に人の住居に侵入したところ家人から退去を求められたにもかかわらず,これに応じなかった場合には,住居侵入罪と不退去罪とが成立する。

3. 住居侵入罪は,侵入行為自体を処罰する罪であるから,その未遂罪はあり得ない。

4. 万引の目的で顧客を装ってデパートに立ち入った場合には,住居侵入罪が成立する。

5. 建物管理者から退去の要求を受けたにもかかわらず,その建物に居すわっている者に対し,食糧を供給するなどして,その居すわりを継続させた場合には,不退去罪の共犯が成立する。

[56−72] 次のうち,没収の対象にならないものはどれか。

1. 窃盗の見張りをしてやった謝礼として受領した現金

2. 窃盗犯人が犯行のため用意して行って使用しなかったドライバー

3. 窃盗犯人が他人の家に侵入するために使用した合かぎ

4. 窃盗した金銭で買った腕時計

5. 窃盗した米で作ったせんべい

[56−75] 罪刑法定主義に関する次の記述のうち誤っているものはどれか。

1.刑罰法規をさかのぼって適用できないのは,罪刑法定主義の要請である。

2.既に無罪とされた行為について再び刑事上の責任を問われないのは,罪刑法定主義の要請ではない。

3. 行為

4. の時に少年であった者が裁判の時に成人に達していれば成人に対する通常の刑を科する旨を規定することは,罪刑法定主義に反する。

4.犯罪後の法律によって刑の変更があった場合に軽いものを適用することは,罪刑法定主義の当然の帰結ではない。

5.長期と短期を定めて.言い渡される不定期刑は,罪刑法定主義に反しない。

[56−78] 放火罪に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。

1. 犯人が他人の現在する航空機に火を放ってこれを焼燬した場合は,現住建造物等放火既遂罪が成立する。

2. 犯人が一人で居住する賃借家屋を焼燬した場合は,非現住建造物等放火既遂罪が成立する。

3. 犯人が他人所有の現住建造物に延焼させるつもりで,これに隣接する他人所有の物置小屋に火をつけたが,通行人の消火活動によりその物置小尾を焼燬したにとどまった場合は,非現住建造物等放火既遂罪が成立する。

4. 犯人が夫婦二人暮しの友人と共謀して,その妻が観光旅行に出かけたのを奇貨として友人所有の家屋を焼燬した場合は,非現住建造物等放火既遂罪が成立する。

5. 犯人が他人所有の非現住建造物に放火したところ,隣接する他人所有の非現住建造物に延焼した場合は,延焼罪が成立する。

[56−81] 次のうち親告罪でないものはどれか。

1. 公衆の面前で,他人に対して「このどろ棒野郎」とののしった。

2. 12歳の少女をおどして,強いて姦淫した。

3. 結婚の目的で17歳の少女を略取した。

4. 商売の邪魔をするため,店の前で「この店の菓子には有毒添加物が入っている」旨の内容虚偽のビラをばらまいた。

5. 弟が隣家に住んでいる姉の指輪を盗んだ。

[56−84] 通貨偽造罪について誤っているものはどれか。

1. 取引先の信用を得るため,見せるだけの目的で通貨を偽造した場合通貨偽造罪は成立しない。

2. 行使の目的なしに偽造された通貨でも偽造行使の客体となり得る。

3. 偽造通貨収得罪は,偽造通貨であることを知った上で行使の目的で収得する場合に限って成立する。

4. 借金の返済に苦慮している友人に対して,その返済のために使用させる目的で偽造通貨であると伝えてこれを渡した場合,偽造通貨等交付罪が成立する。

5. 通貨偽造の目的で資金を用意し,技術者を集めた場合には通貨偽造準備罪が成立する。

[56−87] 刑の免除に関する次の記述のうち,正しいものはどれか。

1. 甲が内妻の財布から現金を盗んだ場合は,刑が免除される。

2. 甲が出張中妻の実家に立ち寄り,妻の父から現金をだまし取った場合は,刑が免除される。

3. 家出中の甲が,弟を呼び出し現金をおどし取った場合は,刑が免除される。

4. 甲が遊興費ほしさに,同居中のいとこから借りていたカメラを入質した場合は,刑が免除される。

5. 甲が,会社組織で父親の経営しているカメラ店の経理を担当中,自己の利益を図るためその任務に背いた行為をして,同カメラ店に財産上の損害を加えた場合は,刑が免除される。

[56−90] 暴行に関する次の記述のうち,誤っているものはどれか。

1. 狭い部屋で人に対し日本刀の抜き身を振り回した場合には,暴行罪にいう暴行に当たる。

2. 警察官が密造酒を押収するため家屋を取り巻いたので,そっと屋内に入って密造酒のたるを破壊し中味全部を流出させた場合は,公務執行妨害罪にいう暴行に当たる。

3. 恋がたきが婚姻届を戸籍係の窓口に提出しようとする際,これを阻止するためにその手から婚姻届を奪い取りその場に破り捨てた場合は,強要罪にいう暴行に当たる。

4. 多人数で建物の窓ガラスに投石行為をした場合は,騒擾罪にいう暴行に当たることがある。

5. 警察官が被疑者の着用している衣服を引き裂いた場合は,特別公務員暴行陵虐罪にいう暴行に当たる。

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