[H03−41] 以下の( )内に同一の語を挿入した場合,( )犯に関する記述となるが,AからEまでの記述のうち,誤っているものは何個あるか。

A ( )行為としては,( )すれば足り,( )行為の当時,実行者まで特定している必要はない。

B ( )に基づく犯罪行為の客体は,( )行為の当時に現に存在している必要がある。

C ( )に当たっては,特定の犯罪行為について,その日時・場所・方法等を具体的に指示することまで要しないが,犯罪の日時・場所・方法等が指示された場合には,被( )者がその指示どおり実行しない限り( )犯は成立しない。

D ( )行為は,被( )者に一定の犯罪を実行する決意を生じさせるのに適したものであることを要するので,明示的なものでなければならず,黙示的な方法による( )はあり得ない。

E ( )は,特定の犯罪を実行する決意を生じさせるものであることを要するので,犯罪の日時・場所・方法等を具体的に特定して( )しなければ,( )犯は成立しない。

1. 1個   2.2個   3.3個   4.4個   5.5個

[H03−42] 次の記述は,AとBとの会話の一部であるが,[ ]に下記aからhまでの語から最も適切なものを選んで入れた場合,使用回数の最も多い方から二つを取り出したとき,使用回数の差は何回か。

A 「君は[ ]の[ ]を肯定するが,現行刑法は[ ]を中心にしており,[ ]は[ ]には適用し得ないよ。」

B 「しかし,刑罰法規の中には,[ ]に対する[ ]を規定しているものもあるから,[ ]の[ ]を否定する根拠とはならないよ。」

A 「[ ]は[ ]と違って行為はできないし,刑法のとる[ ]の見地からは,規範に直面して倫理的な決定もできない者に倫理[ ]をなし得ないというべきだ。」

B 「そもそも,[ ]の[ ]を否定するならば,[ ]に[ ]を科すことも認められないはずだが,現に[ ]などによって[ ]を科すことも認めているわけだし,[ ]はないが受刑主体たり得る,というのはむしろ君のいう[ ]に反するのではないか。」

A 「でも[ ]の見地からは,[ ]も[ ]に対してのみ科せられるべきだと思う。」

B 「それは,[ ]にしか[ ]がないということを前提にしているからで,[ ]には[ ]がないとする実質的説明にならないよ。社会的事実として[ ]の活動があることは明白だし,私法や行政法などの領域では[ ]の行為があることは一般的に承認されているよ。」

a 非難  b 自由刑  c 法人  d 責任主義  e 犯罪能力

f 財産刑  g 自然人  h 両罰規定

1.1回  2.2回  3.3回  4.4回  5.5回

[H03−43] 相当因果関係説の「相当性」判断の基礎とすべき事情に関し,次のABC3説がある。これらを下記事例に当てはめた場合,最も適切でないものはどれか。

A 行為の当時において,行為者が認識していた事情及び認識できた事情が判断の基礎となる。

B 行為の当時において,行為者が認識していた事情及び認識できた事情並びに一般人ならば認識できたであろう事情が判断の基礎となる。

C 行為の当時に存在したすべての事情のほか,行為後に生じた事情のうち一般人ならば予見できたであろう事情が判断の基礎となる。

〔事例〕甲は,乙と口論の末,その顔に軽い暴行を加えたところ,乙は,かねてから脳に梅毒による病的変化があったため,脳組織が崩壊し,数日後に死亡した。

1. 乙の脳梅毒についての甲の認識及び一般人の認識可能性の有無にかかわらず因果関係を肯定できるのは,C説による場合だけである。

2. 甲が行為の当時に乙の脳梅毒を認識していなかった場合でも,一般人がこれを認識できる事情のあるときには,B説によれば因果関係は肯定される。

3. 甲が行為の当時に乙の脳梅毒を認識していなかった場合,A説によれば因果関係が肯定されることはない。

4. 乙の脳梅毒について,一般人に認識可能性がない場合でも,甲に認識可能性があれば,ACいずれの説によっても因果関係が肯定される。

5. 一般人に乙の脳梅毒についての認識可能性がある場合,C説によるときはもとより,B説によっても因果関係が肯定される。

[H03−44] 侮辱罪の保護法益について,A説は名誉毀損罪と同じく客観的な社会的名誉と解し,B説は主観的な名誉意識ないし名誉感情と解している。次のうち,A説からB説に向けられた批判ないし問題点の指摘といえないものはどれか。

1. 現行法上,侮辱罪の成立要件として,被害者の面前で侮辱行為を行うことは要求されておらず,むしろ名誉毀損罪と同様に行為の公然性が要求されていることと相客れない。

2. 侮辱罪と名誉毀損罪は,法定刑において著しい差があるが,この点について事実摘示をしたかどうかという行為態様の違いだけで説明することは難しい。

3. 一個の行為で社会的名誉と名誉感情の両方を侵害する場合には,理論上,名誉毀損罪と侮辱罪の観念的競合と解する余地があり,そうすると,名誉毀損のほとんどの場合に両罪が成立するという不合理な結果となる。

4. 幼児や法人は,名誉感情を有しないから,これらの者について侮辱罪が成立しないという不都合が生じる。

5. 摘示事実が真実と証明され,名誉毀損罪として処罰されない場合でも,名誉感情を侵害していれば侮辱罪として処罰される余地があり,名誉毀損罪における事実証明の制度の趣旨が損なわれることになる。

(参照条文)

刑法第230条第1項 公然事実ヲ摘示シ人ノ名誉ヲ毀損シタル者ハ其事実ノ有無ヲ問ハス三年以下ノ懲役若クハ禁錮又ハ千円以下ノ罰金ニ処ス

第231条  事実ヲ摘示セスト雖モ公然人ヲ侮辱シタル者ハ拘留又ハ科料ニ処ス

[H03−45] 殺人予備罪の共犯の成否に関し,次の二つの考え方があるものとして,下記の記述のうち誤っているものはどれか。

@  殺人予備罪も構成要件化されているから,「実行行為」を観念することができる。

A  「実行行為」は基本的構成要件に該当する行為であり,殺人予備罪についてはこの「実行行為」を観念することができない。

1. @の考え方によると,予備行為も刑法第60条にいう犯罪の実行にあたり,共同正犯が成立しうる。

2. Aの考え方によると,殺人予備罪については,その幇助犯も成立しないとするのが,論理的に一貫する。

3. @の考え方をとっても,丙を殺害する決意を固めた甲の依頼により,青酸カリを甲に交付した乙は,甲が乙の青酸カリを使わず丙を絞殺した場合には,殺人予備罪の共同正犯又は幇助犯は成立しない。

4. Aの考え方では,甲と乙が丙を殺害するために,共同して青酸カリを購入した場合には,それぞれ単独犯としての殺人予備罪が成立するとするのが論理的である。

5. @Aのいずれの考え方からも,丙を殺害する決意を固めた甲に青酸カリを手渡した乙について,甲が単独で実際に丙を殺害した場合には,殺人幇助罪が成立し,殺人予備罪の共同正犯又は幇助犯として処罰されない。

[H03−46] 以下の文章はある最高裁決定であるが,本決定に関するアからオまでの各記述のうち,明らかに適切でないものの組合せはどれか。

「被害者の女性が被告人らによって注射された覚せい剤により,錯乱状態に陥った午前零時半ころの時点において直ちに被告人が救急医療を要請していれば同女が年若く(当時13年),生命力が旺盛で,特段の疾病がなかったことなどから,十中八九同女の救命が可能であったというのである。そうすると,同女の救命は,合理的な疑いを超える程度に確実であったと認められるから,被告人がこのような措置をとることなく漫然同女をホテル客室に放置した行為と午前2時15分ころから午前4時ころまでの間に同女が同室で覚せい剤による急性心不全のため死亡した結果との間には,刑法上の因果関係があると認めるのが相当である。したがって.原判決がこれと同旨の判断に立ち,保護責任者遺棄致死罪の成立を認めたのは正当である。」

ア   本決定は,不作為犯の行為と結果との因果関係について,期待された作為かなされていれば結果が生じなかったであろうといえる場合には,その因果関係を認めるという考え方に従ったものである。

イ   本決定は,期待された作為がなされていれば,全く結果が生じなかったであろうということが証明できなければ,不作為犯の行為と結果との間の因果関係は立証されていないとしたものである。

ウ   本決定は,自らが覚せい剤を注射して相手の人間を錯乱状態に陥らせた者に,いわゆる先行行為に基づく保護責任を認めたものである。

エ   本決定は,覚せい剤を注射しても錯乱状態にならなかった者も含めて,保護責任者遺棄罪の客体である病者に該当すると判断したものである。

オ   本決定は,いわゆる置去り行為をも刑法第218条第1項の遺棄行為に含める可能性を認めたものである。

1. アウ   2.アオ   3.イオ   4.イエ   5.ウエ

−[H03−47]から[H03−48]まで−

次のAからEまでの文章は,自己の運転する自動車を衝突させ,自車後部荷台に乗車していた人を死亡するに至らしめた場合における業務上過失致死の成否に関する記述であるが,これを正しい順序に従って並べると「(ア)のであって,(イ)場合,(ウ)から,(エ)としても,(オ)。」という順序になる。これに関して[H03−47]と[H03−48]に答えよ。

A 運転者が自己の運転する自動車の衝突により( )の( )を生ぜしめた以上,( )( )の罪責を免れない

B 同罪の注意義務は道路を走行中の車両が運転者の制御に服さなくなることによって生じる人の生命身体を侵害する高度の( )を( )するために車両の運転者に課せられている

C 自動車の運転者において,自動車後部荷台に人の乗車している事実を( )していなかった

D 同罪の注意義務を怠って自動車を運転走行させて自車を制御することができなくなる( )により,これを暴走させ衝突事故を発生させた

E 自車の( )更には( ),他の車両の運転者及びその( )等に対する( )の( )を惹起せしめる( )のあることは自動車運転者として当然( )しうべかりしところである

[H03−47] 上記の文章の( )の中に,下記aからjまでの語句を適切に挿入した場合,1回のみ使用される語句の数は何個あるか(但し,すべての語句は少なくとも1回使用するものとする)。

a 歩行者  b 同乗者  c 認識  d 過失  e 防止  f 結果

g 危険   h 致死   i 死傷  j 死亡

1. 2個   2.3個   3.4個   4.5個   5.6個

[H03−48] AからEまでの文章のうち,適切なものを一つずつ選んで(ア)から(オ)に挿入した場合,(イ)と(エ)に入る組合せとして最も適切なものはどれか。

1. BC   2.BD   3.DC   4.CE   5.DE

[H03−49] 下記の各文章を次の( )内に正しく入れると,債権者を殺害した場合における「財産上の不法の利益」に関する一つの見解となる。(イ)と(エ)の組合せとして正しいものはどれか。

「思うに,(ア)。しかし,(イ)。なぜなら.(ウ)。かくして,(エ)。これに対しては,(オ)。しかし,(カ)。」

A 債務者が債務の支払いを免れる目的で債権者を殺害し,これによって債権者自身による債権の行使を免れたとしても相続人等が履行期の到来後直ちにその債権を行使することに何らの支障を来さないような場合についてまで,債務者が財産上不法の利益を得たと解するのは,明らかに広きに失する

B 例えば,債務者が,履行期の到来し又は切迫している債務の債権者を殺害したときは,債権者自身による追求を絶対的に免れるだけでなく,債権の相続人等による速やかな債権の行使をも,当分の間不可能ならしめて,債権者による相当期間の支払い猶予の処分行為を得たのと実質上同視し得る現実の利益を得ることになるのであって,かかる利益を刑法第236条第2項にいう「財産上不法ノ利益」から除外する理由は見当たらないからである

C 債務者が債務の支払いを免れる目的で債権者を殺害した場合において,その殺害の結果,相続人等において,これを行使することが不可能若しくは著しく困難になったときは,債務者が債権者による債務免除の処分行為を得たのと実質上同視し得る現実の利益を得たという意味において,財産上不法の利益を得たと認め得るのは当然である

D 債務者が債務の支払いを免れる目的で債権者を殺害し,債権者自身による債権の行使を事実上不可能ならしめたときは,そのこと自体によって財産上不法の利益を得たと解すべきであるとの主張がある

E 債権者を殺害することにより債務者が財産上不法の利益を得たと認め得るのを,その場合に限定するのは,やや狭きに失して妥当でない

F 債務者が債務の支払いを免れる目的で債権者を殺害した場合においては,相続人の不存在又は証拠書類の不備等のため,債権者側による債権の行使を不可能若しくは著しく困難ならしめたときのほか,履行期の到来又は切迫等のため,債権者側による速やかな債権の行使を相当期間不可能ならしめたときにも,財産上不法の利益を得たと認め得るものと解するのが妥当である

1. AB 2.AF 3.DB 4.EC 5.EF

[H03−50] 不能犯について次のA,B,Cの説があるものとする。

A:行為当時において行為者が認識していた事情を基礎とし,一般人が結果発生の危険を感じる場合を未遂犯,そうでない場合を不能犯と解する。

B:行為当時において一般人が認識し得た事情及び行為者が特に認識していた事情を基礎として,一般人が結果発生の危険を感じる場合を未遂犯,そうでない場合を不能犯と解する。

C:行為当時に存在していたすべての客観的事情を基礎として,客観的に結果発生の危険のある場合を未遂犯,そうでない場合を不能犯と解する。

未遂犯か不能犯かが問題となる下記の5個の事例につき,A説によれば殺人未遂となるものの数,B説によれば殺人未遂となるものの数及びC説によれば殺人未遂となるものの数の合計は何個か。

@  甲は砂糖でも人が殺せると考え,殺意をもって角砂糖10個をとかしたコーヒーを乙に飲ませた。

A  甲は病院の死体安置所に置かれていた死体がまだ生きていると誤信し,殺意をもってこれに切りかかった。

B  甲は乙を殺害しようと思い薬品会社の毒物の保管庫から毒薬の入ったびんを取り出そうとして,たまたま水が入っていた毒薬のびんを取り出して中の水を乙に飲ませた。

C  甲は交通事故で重傷を負い,病院に担ぎこまれた乙に殺意をもって切りかかったが,検死の結果,甲が切りかかる直前に出血多量により既に死亡していたことが判明した。

D  甲は10ccが致死量である毒薬を9cc,殺意をもって乙に投与した。

1.  5個  2. 6個  3. 7個  4. 8個  5. 9個

[H03−51] 次のAとBの会話は下記の1から5までのどの事例に関するものか。なお甲は息子を有名公立高校に入学させたがっている親,乙は進学塾の教師,丙はX高校の校長であるとする。

A:乙の罪責を考えるにあたってまず甲から受けとったその現金の占有はどうだろうか。

B:これは乙に移ると言わざるをえないだろう。

A:甲が乙に渡した現金の所有権はどうだろうか。

B:民法上は乙のものとされるが刑法上は甲のものと考えていいと思うよ。

A:しかし甲が現金を渡した目的が公序良俗に反しているからこのような場合には刑法上も所有権は乙に反射的に移るのではないか。

B:そのように考えたとしても乙の側に専ら不法の原因があるときは所有権はなお甲にあるということにならないか。

A:この事例では不法の原因が専ら乙にあるといえるんじゃないか。

B:まあ,その可能性が強いようだね。そうなると横領罪になるね。

A:乙に不法領得の意思があることには問題ないね。

B:そうだね。

1.  乙は,甲から「息子を是非X高校に入学させたいから,丙に現金を届けて便宜をはかってくれるように頼んでほい」という依頼を受け,封をした封筒に入った現金300万円を甲から受けとった。ところが,乙は,この300万円を自分の借金の返済に充ててしまった。

2.  乙は,甲から「息子を是非X高校に入学させたいから,丙に現金を届けて便宜をはかってくれるように頼んでほしい」という依頼を受け,甲から現金300万円を受けとった。ところが,乙は,この300万円を競馬に使ってしまった。

3.  乙は,甲に対し「丙に300万円出せば息子さんを合格してもらえるのでそうしたらどうか」ともちかけたところ,甲がこれにのって300万円をもってきたのでこれを受けとった。ところが,ちょうどその日に支払いがあったため,丙には,翌朝自分の銀行預金から300万円を引き出して届ければよいと考え,300万円を支払に充ててしまった。

4. 乙は,甲に対し「丙に300万円出せば息子さんを合格してもらえるのでそうしたらどうか」ともちかけたところ,甲がこれにのって300万円をもってきたのでこれを受けとった。ところが,乙は,丙に届ける意思はなく,この300万円を自分の借金の返済に充ててしまった。

5. 乙は,甲に対し「丙に300万円出せば息子さんを合格してもらえるのでそうしたらどうか」ともちかけたところ,甲がこれにのって300万円をもってきたのでこれを受けとった。ところが,乙は,この300万円を自分の借金の返済に充ててしまった。

[H03−52] AからEまでの各文章を正しい順序にならべると,無主物を客体とする放火の場合の刑法第110条の適用に関する判決の一部となる。正しい順序の組合せはどれか。

A 本件において,被告人が焼燬した判示の発泡スチロール,段ボール等のいわゆる廃棄物は,所有者によって不要物として処分されたという点に着目すれば,所有権が放棄されるということによって,無主の動産になったと観念することもできる。それゆえ,このまま物件に放火した被告人の判示行為は,自己所有物に対する放火に準じ,刑法第110条第2項の放火をもって問擬するのが相当である。

B ところで無主物に対する放火については,刑法は格別明文を設けていない。したがって刑法第110条第1項第2項の適用に関しては,犯人の自己所有物でない限り一律に同第1項の罪が成立し無主物の場合も例外でないと解する余地がないではない。

C すなわち,非現住建造物等の放火罪を定めた刑法第109条,建造物以外の物に対する刑法第110条の各規定に徴し明らかなように法は放火の目的物が自己の所有にかかるときは,公共の危険を生じない限り不可罰とし,公共の危険が生じ処罰すべき場合でも,他人の所有にかかる場合に比し格別に軽い法定刑を定めるとともに,刑法第115条において,他人の財産権の侵害を伴う場合には,自己所有物に対する放火であってもこれを重く処罰する趣旨を定めているのである。

D 放火罪は公共危険罪であって危険にさらされる公共の生命,身体,財産が包括的に保護法益とされるのであるが,放火の目的物に関する個人の財産権も二次的にせよ保護法益とされることはいうまでもない。

E しかし,無主物を客体とする放火は他人の財産権の侵害を伴うことはないのであるから,前述の刑法各条の立法趣旨に徴しても自己の所有物に対する放火に準じ,同条第2項の罪を構成するにとどまると解するのが無理のない解釈というべきである。

(参照条文)

刑法第110条第1項 火ヲ放テ前二条ニ記載シタル以外ノ物ヲ焼燬シ因テ公共ノ危険ヲ生セシメタル者ハ一年以上十年以下ノ懲役ニ処ス

第2項  前項ノ物自己ノ所有ニ係ルトキハ一年以下ノ懲役又ハ百円以下ノ罰金ニ処ス

1.ABDCE  2.ACDBE 3.BCDEA

4.DBCAE  5.DCBEA

[H03−53] 刑法第36条の正当防衛に関する次の見解のうち,明らかに誤っているものは何個あるか。

A 正当防衛は侵害に対する反撃行為が何らかの犯罪構成要件に該当する場合以外には,いかなるときにも認める余地はない。

B 正当防衛は侵害行為が何らかの犯罪構成要件に該当する場合以外には,いかなるときにも認める余地はない。

C 正当防衛は過去または将来の侵害に対しては認められないから法益が現に侵害されている場合しか認める余地はない。

D 正当防衛は侵害という故意行為に対して認められるものであるから,過失行為に関しては認める余地はない。

E 正当防衛は反撃行為が急迫不正の侵害に対する防御手段として相当性を有する必要があるから,反撃行為によって侵害された法益が侵害されようとした法益より大きい場合には成立する余地はない。

1. 1個  2.2個  3.3個  4.4個  5.5個

[H03−54] 中止未遂に関し,下記TないしVは,実行行為の終了時期についての見解であり,@ないしCは,具体的事例における中止未遂の成否に関する結論である。TないしVの見解と@ないしCの結論とを組み合わせた場合,正しいものはどれか。

T 実行行為として企図していたことを遂行した以上は,実行行為は終了したとみるべきである。

U 本来既遂に達し得べき行為をした以上は,実行行為は終了したとみるべきである。

V 客観的には実行行為を続行する必要がある場合において,続行できるのにしなかったときには実行行為は終了したとみるべきではないが,できなかったときには実行行為は終了したとみるべきである。

@  ピストルを2発撃って人を殺害しようとし,1発目を撃って当たらなかったところ,2発目を撃つのをやめた場合,中止未遂が成立する余地はない。

A  1発だけ撃てるピストルで人を殺害しようとし,これを撃ったが当たらなかった場合,中止未遂が成立する余地はない。

B  ピストルを2発撃って人を殺害しようとし,1発目を撃ったが当たらなかったところ,2発目を撃つのをやめた場合,中止未遂の成立する余地がある。

C  ピストルで人を殺害しようとし,1発目を撃ったが当たらなかったところ,2発目はないと思って撃たなかった場合,中止未遂の成立する余地がある。

  TUV    TUV    TUV

1. B@C  2.A@B  3.CAB

2. ABA  5.@A@

[H03−55] AはB農業協同組合の経理課長として預金の保管・管理・払戻し等の業務に従事した者である。

事実1 ○月○日,,Aは自己の用途に充てるため,ほしいままにB組合の普通預金口座を有するC銀行から現金を払い戻した。

事実2 ×月×日,Aは自己の用途に充てるため,ほしいままにB組合の普通預金口座を有するC銀行から自己の普通預金口座を有するD銀行に振替入金させた。

以上の事実についてのAの罪責に関する次の(a)から(e)の記述のうち,誤っているものは何個あるか。

(a) 上記事実2につき,横領罪の成否に関して,Aに預金に対する占有ありとする考え方をとった場合,B組合の普通預金口座からAの普通預金口座に振替入金した時点で業務上横領罪が成立する。

(b) 上記事実1につき,横領罪の成否に関して,Aに預金に対する占有ありとする考え方をとらなかった場合,たとえAが現金を払い戻して着服したとしても,業務上横領罪の成立は考えられない。

(c) 上記事実2につき,横領罪の成否に関して,Aに預金に対する占有ありとする考え方をとったとしても,ただ振替入金があっただけでは,横領罪が成立する余地はなく,振替入金されたAの自己の普通預金口座から現金を払い戻し着服した時点で業務上横領罪が成立するにすぎない。

(d) 上記事実2につき,横領罪の成否に関して,Aに預金に対する占有ありとはいえないとする考え方をとったとしても,背任罪は成立する。

(e) 上記事実1につき,横領罪の成否に関して,Aに預金に対する占有ありとはいえないとする考え方をとったとしても,背任罪は成立する。

1. 1個  2.2個  3.3個  4.4個  5.5個

[H03−56] 次の文章は女性が抵抗したら殺害しても姦淫の目的を遂げようと考え,実際に女性を強姦するとともに殺害した場合について,強姦罪と殺人罪の観念的競合が成立するという見解のA,強姦致死罪と殺人罪の観念的競合が成立するという見解のBによる対話である。それぞれの立場の理由付け又は相手に対する批判として最も適切でないものはどれか。

1. A 刑法第181条の強姦致死罪は結果的加重犯であり,結果的加重犯は結果についての故意がある場合を含まないと解されるから,この場合殺意がある以上は強姦致死罪の成立を認めるのはおかしいと思うよ。

2. B 刑法第181条は死亡の結果を伴う場合に適用されるのであり,それが故意によるものか過失によるものかを問わないと考えてよい。現に刑法第240条後段の場合は,故意によるものと過失によるものとを問わないし,殺意があっても強盗殺人一罪とされており,それからすると当然自分の見解となると思うよ。

3. A しかし,君のように殺人罪の成立を認める以上強姦致死罪の成立まで認めるのは1人の人間の死を二重に評価することになると思うよ。

4. B 観念的競合は,1個の行為が2個の罪名に触れる場合をいうのだから,異なる構成要件からみて一つの結果あるいは行為をそれぞれ別の観点から二重に評価してもおかしくないと思うよ。

5. B それに刑の均衡という観点からは,結果的加重犯には故意のある場合を含まないという君の立場でいくと強姦罪と傷害罪の観念的競合ということになり,強姦致傷であれば法定刑の短期が懲役3年なのに懲役2年ということになってしまって不合理だろう。

(参照条文)刑法第177条 暴行又ハ脅迫ヲ以テ十三歳以上ノ婦女ヲ姦淫シタル者ハ強姦ノ罪ト為シ二年以上ノ有期懲役ニ処ス十三歳ニ満タサル婦女ヲ姦淫シタル者亦同シ

刑法第181条 第百七十六条乃至百七十九条ノ罪ヲ犯シ因テ人ヲ死傷ニ致シタル者ハ無期又ハ三年以上ノ懲役ニ処ス

刑法第199条 人ヲ殺シタル者ハ死刑又ハ無期若クハ三年以上ノ懲役ニ処ス

刑法第240条 強盗人ヲ傷シタルトキハ無期又ハ七年以上ノ懲役ニ処ス死ニ致シタルトキハ死刑又ハ無期懲役ニ処ス

−[H03−57]から[H03−58]まで−

次の文章に関して[H03−57]及び[H03−58]の問いに答えよ。

「本件のように2人以上の者が他人に( )を加えることを共謀し,かつ,共同してこもごも( )に( )を加えたようなときに,( )の1人あるいは一部の者の( )が認められるのは,( )しようとした者がまず自己において( )に( )を加えることをやめ,かつ,自分にはもはや共謀に基づいて( )を加える意思かなくなったこと,すなわち共犯関係から( )する意思のあることを他の( )らに知らせるとともに,他の( )らに対してもこれ以上( )を加えないことを求めて,現に加えている( )をやめさせた上,以後は自分を含め( )の誰もが当初の共謀に基づく( )を継続することのない状態を作り出している場合に限られ,このような場合でなければ,仮に( )の1人が自分としては共犯関係から( )する意思を抱いて自ら( )を加えることをやめたとしても,その後に他の( )らのいずれかが引き続いて( )を加え,その結果( )が死亡するに至ったときは,( )しようとした者を含め( )全員が( )の( )としての責任を負わなければならないものと考えられる。」

[H03−57] 上記の文章の( )内に,次のaからfまでの語の中から適切なものを選んで入れると,「共犯関係からの離脱」に関する一つの見解となるが,使用した語のうち最も多く使用したものと最も少なく使用したものの使用回数の差は何回か。

a 傷害致死   b 離脱   c 暴行   d 共同正犯

e 共犯者    f 被害者

1.4回   2.5回   3.6回   4.7回   5.8回

[H03−58] 上記の見解に関する次の記述のうち誤っているものは何個あるか。

1  この見解によると,暴行の共謀に基づいて実行に着手した場合,自分が暴行をやめその場で共犯者にも現に加えている暴行をやめさせた以上,それ以後の暴行については「共犯関係からの離脱」が認められることになる。

2  この見解によると,暴行の共謀に基づいて実行に着手した場合,自分が暴行をやめ,以後の暴行に加わらない旨を他の共犯者に知らせて了解を得ただけでは,それ以後の暴行については「共犯関係からの離脱」が認められることにはならない。

3  この見解によると,本件で「共犯関係からの離脱」が認められれば,離脱した者については中止犯が成立する。

4  この見解によると,本件で「共犯関係からの離脱」が認められれば,離脱した者については,傷害致死罪の共同正犯は成立しないこととなる。

5  この見解によると,暴行の共謀に基づいて実行に着手した場合,共犯関係から離脱した者がどの段階で離脱したかにかかわらず結果として共犯者の暴行によって被害者が死亡してしまった以上,傷害致死罪の共同正犯の罪責を免れないこととなる。

1.1個   2.2個   3.3個   4.4個   5.5個

[H03−59] 刑法第6条の刑の変更に関する次の記述のうち,正しいものは何個あるか。

1  公文書偽造・同行使・詐欺のような科刑上一罪であっても,刑法第6条の適用に当たっては,個別の犯罪とみるべきであるとする考えに立てば,公文書偽造から同行使・詐欺までの間に法律が改正され,刑の変更があったときには,新法も適用される場合がある。

2  人を不法に監禁中に法律が改正され,刑の変更があった場合,監禁罪は継続犯なので,常に新法が適用される。

3  処罰条件が犯罪成立要件そのものでないとする考えに立てば,犯罪行為から処罰条件が成立するまでの間に法律が改正され,刑の変更があっても,新法が適用される余地はないこととなる。

4  労役場留置は刑の執行方法であり,刑そのものではなく,かつ.刑法第6条の刑の変更とは刑そのものの変更をいうとする立場に立てば,犯罪後に法律が改正され,労役場の留置期間の変更があっても,新法が適用される余地はないこととなる。

5  詐欺罪において,欺罔行為から財物騙取までの間に法律が改正され,刑の変更があっても新法が適用される余地はない。

(参照条文)刑法第6条 犯罪後ノ法律ニ困リ刑ノ変更アリタルトキハ其軽キモノヲ適用ス

1.1個  2.2個  3.3個  4..4個  5.5個

[H03−60] 住居侵入に関する次の記述のうち正しい組合せはどれか。

ア  侵入の意義について,居住者,看守者の意思に反する立ち入りとみる意思侵害説と住居等の事実上の平穏を侵害する態様での立ち入りとみる平穏侵害説とがあるところ,

@  住居の平穏を害するような立ち入りは,ほとんど住居権者の意思に反するであろうし,また住居権者の意思に反したかどうかが,住居の平穏を害したかどうかの重要な判断資料になるから,両説での処罰範囲は実際上かなりの部分重なり合うといわれている。

A  これらの見解は,住居侵入罪の保護法益に関する対立とは直接対応するものではないといわれている。

イ  囲繞地であるためには,

@  その土地が,建物に接してその周辺に存在し,かつ.管理者が外部との境界に門塀等の囲障を設置することにより,建物の付属地として,建物の利用に供されるものであることが明示されれば足りる。

A  その土地が,建物に接してその周辺に存在すれば足り,建物の付属地として,建物の利用に供されるものであることが明示される必要はない。したがって.外部との境界に門塀等の囲障を設置するまでもない。

ウ  住居等に不法に侵入した後,住居者等から退去の要求があったにもかかわらず,退去せず,そのまま居続けた場合,

@  住居侵入罪を状態犯と理解すれば,不退去罪は成立しない。

A  住居侵入罪を継続犯と理解すれば,不退去罪は成立しない。

エ  夫の不在中,姦通目的で妻の承諾のもと住居内に立ち入った場合,住居侵入罪が成立するかについては,

@  住居侵入罪の保護法益を住居権と解し,住居権は家長たる夫が専有するという,戦前の判例の考え方に立たないと,積極的に解せられない。

A  住居侵入罪の保護法益に関する対立と必ずしも一致しない形で,積極消極両説がある。

  アイウエ    アイウエ    アイウエ

1.AA@@  2.A@A@  3.@@@A

4.@AA@  5.@@AA

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