請願チボリ


 短答式試験問題の公開を要望する請願を司法試験管理委員会に提出したいと思っています。趣旨に賛同される方は氏名および住所を明記したメールを私あてに送ってください(氏名および住所の記載は,請願法2条により請願の要件とされています)。

 1998年4月30日到着分の氏名・住所を記載した上で,できれば5月1日に配達証明付きの書留郵便で送付するつもりです。4月30日と期限を切ったのは,98年度試験問題の公開を試験実施前に求めたいからです。

 氏名は,姓と名の間にスペースを入れて記載してください。また,住居表示は「何丁目何番何号」と最後まで正確に記載してください。丁目・番・号を−(ハイフン)で省略することは避けてください。難読地名には括弧書きひらがなで読みを入れてくだされば助かります。例えば,「椴法華村(とどほっけむら)」のように。

 請願書には下記の請願文を記載した上で送付します。

 なお,この請願に賛同したことによって司法試験の受験,答案の採点その他の関係において差別待遇を受けることは一切ありません(憲法16条,請願法6条)。念のため。

司法試験短答式試験問題の公開を要望する請願書

1. 昭和36年度以降の司法試験短答式試験問題を全部公開することを要望します。

1. 1998(平成10)年度以降,司法試験短答式試験問題を試験終了後一両日以内(即日または翌日)に公開することを要望します。

公開を求める理由

一 法曹志望者の勉強の方向付けのために

 法曹資格を得るため,毎年相当数の国民が司法試験を受験しますが,古来より,およそ試験というものに合格するためには,過去において当該試験に実際に出題された問題を解いてみるのが最高の試験準備と言われています。司法試験も例外ではないはずです。

 ところが,司法試験短答式試験の場合,試験問題が公開されていないことから,法曹志望者はやむなく各種営利団体発行の「再現問題集」「過去問集」なるものを購入して準備せざるを得ないのが現状です。

 しかし,この「再現問題集」「過去問集」なるものが本試験出題問題と内容が同一であるという保証はどこにもありません。法曹志望者は内容の同一性が保証されていないものを本試験問題とみなして試験準備を行っているというのが現状です。果たしてこれで法曹志望者に適切な試験準備の方向付けがなされていると言えるのでしょうか。司法試験受験期間の長期化および合格者年齢の高齢化是正のためにも司法試験短答式試験問題の公開が必要であると考えます。

二 法学部学生の勉強の方向付けのために

 各種営利団体発行の「再現問題集」「過去問集」なるものは,ひとり法曹志望者に限らず,従来より広く法律学学習者に演習書として利用されています。とりわけ法学部学生には学部のゼミ・法学演習その他において広く利用されています。指導教員の中には「再現問題集」「過去問集」の利用を薦める者も相当数存在します。

 しかし,内容的に同一性の保証が何もないものを司法試験短答式試験の実際の出題と思い込んで利用することが,果たして適切な法学教育と言えるのでしょうか。法律学学習者の混乱を避けるためにも,司法試験短答式試験問題の公開が必要であると考えます。

三 国家試験としての公正と権威を確保するために

 「非公開に公正なし」,「批判にさらされない者に権威なし」という命題は,ひとり刑事裁判に限らず,近代市民社会における重要なコンセンサス(共通了解)であると考えます。これは司法試験の問題にもあてはまる命題のはずです。すなわち,非公開である限り,短答式試験は公正さが担保されておらず,国家試験としての権威を持ち得ないものと言わざるを得ません。しかるに,なぜ司法試験管理委員会は短答式試験の問題を非公開にしているのでしょうか。非公開の理由すら非公開にしているのはなぜなのでしょうか。

 受験界では「出題ミスの発覚を恐れて非公開にしている。」とまことしやかにささやかれています。もしそのような理由で非公開としているのであれば,とんでもないお門違いであると言わざるを得ません。ミスは隠そうとすればするほど永遠に無くなりはしないものです。むしろ,ミスを隠そうとせず積極的に公開し,各方面からの批判にさらすことによってミスを減らすためのノウハウを蓄積すべきです。ちなみに,各種営利団体発行の「再現問題集」「過去問集」なるものの解説文を読んでも,出題ミスである,あるいは出題の妥当性に疑問があると指摘された問題は数年に1問有るか無いかというのが実情です。したがって,もし「出題ミスの発覚を恐れて」非公開にしているのだとすれば,それは現実論としても成り立ち得ないということになります。だとするなら,短答式試験問題の公開になんら障害は無いのではないでしょうか。隠そうとすればするほど下司の勘繰りを受けるだけです。下司の勘繰りを受けるようなものに誰が国家試験としての権威を認めるのでしょうか。白日の下にさらけ出されることを拒むものに誰が公正さを感じるのでしょうか。国家試験としての公正と権威を確保するためにも,短答式試験問題の公開が必要であると考えます。


四 情報公開法の趣旨の先取りを

 1998年3月末現在でのマスコミ等の報道では,政府は2000年の実施を目指して国会に情報公開法案を提出したとのことです。ごく少数の例外を除き,原則として行政情報は公開すべきであるとの内容の法案です。司法試験管理委員会は情報公開法の成立・施行を待たずとも,同法の趣旨を先取りし,進んで短答式試験の問題を過去に実施されたものを含めて公開することを要望します。

 国公立高校・大学の入学試験問題が公開されていることに鑑みれば,短答式試験問題を非公開とする合理的理由などどこにも無いと言わざるを得ません。また,短答式試験の問題を公開することによって重要な国家利益が損なわれるものとは到底思えません。現にアメリカ合衆国においては,法曹選抜試験の問題が公開されていますが,これによって重要な国家利益が損なわれたとか,法曹養成に支障が生じたなどと言う話は聞いたことがありません。

 ところで,近時の短答式試験の問題は,かなりの長文問題が多数出題されていますが,各種営利団体発行の「再現問題集」「過去問集」なるものは,これら長文問題も正確に再現してあると断言しています。実際,これら「再現問題集」「過去問集」なるものに掲載されている問題には,私が現に受験した年度の問題に限って言えば,明らかに再現ミスと思われるものは一つもありません。しかも,どの営利団体発行のものも判で押したように内容は同一です。とても実際の受験者からの聞き取り調査によって再現したものとは思えません。受験界では,各営利団体が探偵を雇って小型カメラで巧妙に撮影してしているとか,検事を含め法務省内には某大学内の受験指導団体の出身者が多いので,その筋から問題文が流れているなど,様々な流言飛語が飛び交っています。このように,一方で,非公開でありながら本物と寸分違わぬ再現問題集が販売され,その理由をめぐって様々な流言飛語が飛び交い,他方で,にもかかわらず本試験と内容の同一性に関して何の保証も無いものが法学教育の現場において演習書として堂々とまかり通っているという現実は,異常としか言いようがありません。国家試験でありながら,その施行過程の公正さに疑いを持たざるを得ません。情報公開法の目的は行政過程の公正確保にあると思われますが,このような異常な現実を是正し,短答式試験の公正を確保するためには,司法試験管理委員会が情報公開法の趣旨を先取りし,問題文を公開すること以外にはあり得ないものと考えます。

以上

        畠山 敦哉    北海道函館市湯川町2丁目46番16号

本請願に賛同の意を表明した者の氏名・住所

        <氏名>    <住所>


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