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くゆら織

「くゆら織は偶然なくあふれ出る。
私はコノおのずからあふれ出る時を楽しむ。
自然にあふれることは至然。
そう極まり至ること。
そのオモイに素直になり真実が生まれた。」
Photo:作品「九御座」

Photo:■「桜酔:さくらよい」
2004キューバ世界国際美術展受賞
自由な発想で糸を選び、季節感そのものまで織り込む。
そんな発想で「くゆら織」というオリジナル織物をはじめて8年になります。

既成概念にとらわれないのが「くゆら織」の真骨頂。
初めて作品は海を超えて、遥か異国に渡りました。
2004年、『桜酔:さくらよい』という作品が、キューバ世界国際美術展で受賞しました。

この作品の特色は、経糸には黒のシルク擬麻。
緯糸には、普通は織糸として使用しない素材、例えば、金属・ベネチアのガラスビーズ・ビニール・フランスの刺繍糸・日本古来の組紐・和紙・紙糸・古布・桜の枝・インドネシアの植物皮などまでも織り糸として織り込んであるところです。

何よりうれしかったのは、海外の方々の感想を知り得たことでした。
「日本の風景が感じられ、まるで絵画のよう」
「日本の桜の花を実際に見てみたい」
「華やかな中に日本人らしさの侘び寂びを感じる」…などなど。

作品づくりのきっかけは、高山に旅した折に見た夜桜のあまりの美しさに感動し魅入ってしまったことでしたが、その時の私の小さな感動が「くゆら織」を通じて、世界のひとの心につながっていく。
じつに感動的な経験をさせていただきました。

Photo:作品「桜観夢」と
ジュエリー「ブルーサファイヤ&カイヤナイト」
くゆら織が宝石と初のコラボレーション。
9月のある日
以前からご縁のある宝飾店S社長からの1本の電話から始まった。
2010年のカレンダーにくゆら織を使いたいという。
私にとってもくゆら織にとっても思いがけなくもとても嬉しいお話だった。
S社長はというと希少価値のある宝石を自らの足で世界へ探し求めあるき、オリジナルジュエリーを制作販売するという全国的にも有名なこだわりの人なのです。
しかし実際のところ、宝石の持つ本質的な音色と、くゆら織の音色とが重なったときにはいったいどんなハーモニーを奏でるのか・・・・
なにぶんにも初めてのことなので私自身とても興味深く見つめていた次第。
そして12月出来上がったカレンダーは「凛として麗しい」世界そのもの。
くゆら織『桜観夢U』ペールブルーから桜色のバリエーションの糸で織りなした作品の上には、天空をイメージさせるブルーサファイアとカイヤナイトが美しい。
古くから、サファイアは“真実”や“誠実”のメッセージを持つという。
それらを希求し続ける者同志のコラボレーションだったのか・・・・。
富山弁で「いちがいもん」という言葉がある。
こだわり者、頑固者、正直者、極めた者という意味だそうですが、まさしく「いちがいもん」同志の初コラボレーションは、2010年へ向けてワクワクするような新世界を予感させる楽しいもの。
今後ともくゆら織をよろしくお願いいたしますね。

Photo:作品「翠喜 すいき」
言葉と織物は同じ語源である、ということをご存知ですか?
糸で織ったものがテキスタイル、言葉を織ったものが文章、つまりテキストというわけです。文脈=コンテキストも「共に織りなす」とか「組み合わせる」という意味がありますが、これらはすべて、ラテン語「tex」に由来しています。

古く沖縄の琉球王朝時代から伝わる“読谷山花織(よみたんざんはなおり)”。女性から、プロポーズの返事として、男性に帯や手巾に織って渡したといいます。時として、「織り」は「YES」の“言葉”として機能していたようです。「織りなす」ことで情を交わし、愛情表現の意思を伝える意味が生まれた。「織りなす」過程で浮き出た模様には「いつの世までも変わらぬ永遠の愛・友情・約束、そしていつまでも幸せでありますように」という人の願いや希望までも込めて、心の表現となっていたようです。

私にとって「織りなす=(機(はた)を織る)」ことは、糸とのコミュニケーションです。
織の過程の中で様々な色糸をかける行為は、たとえていえば、おしゃべりする、戯れる、ピアノの鍵盤を叩いて余韻を楽しむようなそんな感じ。

さまざまな緯糸を心おもむくままに入れてみる。薄紅色はどうだろう、とてもキレイ。これでいこう。
続いて優しいローズ色を入れてみる。
そして鮮やかな紫色を・・・
萌え出るようなフレッシュグリーンを・・・
一色一色織りなしていくたびに、ほのかな音色、旋律が生まれてきます。
どの色糸もみな織りなしている過程においてはうっすらとベールをかぶり、最初はか細い消え入りそうな音色である。ひょっとしたらそれが音楽でいうシャープとかフラットとかということなのかもしれない。
そして、とっても大切なのは、その色それぞれが純粋に自分の色を持ち奏でているということです。
色にも音階(色階というべきかもしれませんが)があって、ドとレの間にどれほどの微妙な色があるのだろうかといつも思う。
そんな色糸たちの持つシンプルな音色を大事にして織りなしていけたら素晴らしいと・・・

四季ある日本に生まれたことを感謝し、その季節のなかの微妙な移ろいを心身で感じ素直に織りなしていきたい。生きることは、自分の物語を織りなすこと。世界にひとつだけの物語を綴っていきたいと思います。

Photo:「織機」
「やっと恋人に出会えた!!」
5年前、このフラミンゴ織機との出会いは私の人生を確実に変えた。!
私にとっては思っている以上に大切なモノかも・・
『くゆら織』は全てこの織機で創作している。
この織機は京都の角森さんが、福祉機械として開発したもの。
目の見えない方やハンディのある方でも簡単に織れる
シンプルで画期的かつ優しい構造をしている。
皆さんがよく知っている鶴の恩返しに出てくる高機とはかなり違う。
なんといっても素晴しいのは縦糸はりが楽で時間があまりかからないこと。
そしてシンプルな織機だからこそ、私の「オモイ」がすぐダイレクトにカタチにできる!
これがフラミンゴ織機と私との相性がとってもよい由縁かも・・
またクルクル回転して縦糸をはるというダイナミックな感じが
大雑把な私とはぴったり合うのかも。
ヒトとの出会いだけでなくモノとの出会いもまた
その人の生き方に大きく関わるのだと実感している。
この織機に出会い『くゆら織』を織るために、
私は生まれてきたかも・・・そんなふうに思えるこの頃です。

Photo:作品「クリスマス」
織物はすべて経糸と横糸の交差から成り立っています。
でも、表に見えるのは横糸の色だけなんです。
普通はこの表に現われた部分だけを織りと認識するようですが、私はこの隠れてしまう経糸の存在こそが大事なのではないかと思っています。
タテ糸の経は経典の経と書きます。
ぜったいにごまかせない、なくてはならないモノ。
見方を変えると織りは宇宙の真理、陰陽そのものなのです。
経糸を陰とすれば横糸が陽。経糸が男性ならば横糸は女性。
経糸を伝統とすれば横糸は今を生きる息吹。
この二つが彩なされ織りとなるのです。
「生きる」ということを織りというもの通して実感しています。

Photo:作品「日落」
くゆら織りの「くゆら」とは?
煙がくゆる、炎がくゆれる・・・という香りの表現の一つです。
香りに関わってきた私にとって「くゆら」とは?
目に見えない香りという存在がただそこにあるだけで、心地よい調和感を生み出すという、大好きな言葉です。
織に出会い織と遊び始めた時から「心地よい調和感を生み出す織」そんな織が織れたらいいなあ・・・って思いの元にネーミングを「くゆら織」としました。
また、「く・ゆ・ら」という語感の響きからは心地よい揺らぎと凛とした美しさを感じるのです。
色を「彩なす」、季節の移ろいを「綾なす」、日々の心模様を「織りなす」
ヒトの五感をまる〜くマイルドに・・・
「くゆら織」と共に、活かされ生きる“今”に感謝です。