機材の自作や改造 -D70Sで拡大マクロ時にAEしたい

 絞り連動環のないF80系やD70/50系では、電子接点ないMFレンズやベローズ、リバースを装着した時に露出計が動かない。それでも、F80などの銀 塩カメラはストロボ撮影時には(露光時のフィルム面の反射光を測るので)TTL制御されるが、D70/50系ではすべてをマニュアルモードに設定しなければシャッターも切れなくな る。不便すぎる。このためカメラにCPU内蔵レンズを装着しているようダマす、マクロ撮影専用の中間リングを作成した。

手元に酷使し、コーティングが剥がれ、ハレーションの激しい旧タイプAF28mmF2.8nがある。もう使わない。
これを有効活用するのと、D70Sで超マクロ撮影時に露出計の作動とi-TTLストロボが使えるような気がする。
まずは分解してみることにした。
このレンズは、AFタイプであるため、ボディとの連動電子接点が5ピンある。
Nikkor AF28mmF2.8N

分解途中の様子。


電子接点の裏にはこのように小さなICが取り付けられている。


このチップ(CPUと呼ぶには、、、)の付いたこのマウント部を装着しただけでD70系やF80系は露出計が動き出す。
ただし、28mmレンズを装着していると認識される。←このことが撮影時の微調整に重要かも?
つまり、このマウント部をマクロ用の中間リングに移植すれば、カメラを騙すことがデキる。

レンズやヘリコイドなどを取り外し、ICの付いた電子マウントをつけ戻し、レンズと装着部には径52mm-0.75メスのフィルターねじを組み込んだ。
すでにこの状態でD70Sは露出計が動いている。


わざわざ52mmネジ仕様にした理由は、現在使用している接写撮影群にいくつかバリエーションがあるから。
(1)ニコン純正のAFマクロレンズ以外に、
(2)ニコンMFレンズをリバースさせたものや
(3)OMマクロ装置などを
状況に応じて使い分けている。
OMレンズ群に付ける場合は、52mm→OMメスマウント変換リング(自作)を装着する。


これを使って、OM Zuiko 1:1 Macro 80mm F4 (Old-preset type)を装着してみると。


また、ケンコー製の52mmOMリング(オス-オス、メス-メスのセット)のオスを使ってAi28mmF2.8Sをリバース装着。


上記のいずれの組み合わせでもD70Sの露出計は動き、またAモードで自動露出撮影ができた。
ニコンの場合は、純正でリバース時になどに自動絞り化(機械式)をすることができるようにするアダプタオートリングBR-6が発売されている。
これでダブルレリーズ併用による擬似的な自動絞り&自動露出が可能となった。


この組み合わせで、サンパックのPZ-40XNiをバウンスTTL発光で撮影した。


アダプターのクセやストロボ制御の方法などがだいたい分ったので、一応の完成ということに。

こちらは、OMレンズと可変長中間リングを装着した状況。


この可変長中間リングの変わりにOMベローズ(絞り連動レリーズ穴付)を装着すれば、OMレンズ群でも自動絞り&自動露出が可能になる。

2005.12.03 新規記述
2005.12.11 補足修正
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©2005 T. Kuwahara