2006年工房たより特別特集

2006年8月に、取引先の家具店のお客様情報誌にむう工房を特集として取り上げていただきました。
むう工房の一面がちょっとでも分かっていただければと思い引用掲載しました。
以下、小雑誌の文面通り引用します。

工芸家特集

四季折々の豊かな自然に囲まれた、日本の来たの広い大地に、素敵な家具の工房がありました・・・・。

今回ご紹介するのは、北海道旭川の家具工房、「むう工房」の向坊(むかいぼう)明さん。こちらの工房では向坊さんが、家具のデザインから制作、梱包、営業まで、全ておひとりでされています。
ダイニングテーブルを始め、イスやスツール、デスク、ロッキングチェアなど生活に必要なあらゆる家具・雑貨を手がけてらっしゃいます。
工房の引越しでお忙しい中、たくさんの質問に丁寧に答えてくださいました。

(工房の様子。とても広いです。制作途中の家具のフレームがいくつも置いてあります。)
Q1 モノづくりでいつも大切にされていることはなんですか?

常に、使われる場面を考えながらデザインし、長く使えるように、細部に気配りしながら心地よい物作りをしています。また、普遍性の高い物をデザインして同じ物を作り続けています。

Q2 お使いの素材や塗料について、こだわっていることはございますか?

それほどこだわっていません。お客様のご要望に応じていろいろな材種を使用しています。ただ、木材の素材を活かすため木地仕上げのオイルと蜜蝋ワックスを使用しています。使用しているファスングオイルは帯広で作られていて、天然素材の亜麻仁油などの植物油と松脂などの天然樹脂を主成分とした安全性の高い塗料です。
北海道に暮らして14年が過ぎました。特注でテーブル、椅子、デスクを作ることが多かったため、自然と身近なミズナラ材を使っています。ミズナラは板目は木目が細かく、柾目は虎斑(トラフ)が出て美しく特徴的です。また、硬くて、強靭な性質があり、椅子、テーブルの天板に最適です。

Q3 今まで作られた作品の中で、一番のおすすめはどれですか?

 二つ紹介します。
@ お店で取り扱いの「森のデスク&ワゴン」(画像1) この作品の制作コンセプトは、ミズナラ材の素材を活かした、子供から大人まで幅広く使えるシンプルでデザイン性の高いデスクとして考えました。また、ワゴンはベットサイドワゴンやファックス台などいろいろと使用可能なものとして考えました。デスクの天板下の抽斗は、書類など仕舞い易いように幅広く奥行きも深いものとしました。構造も天板の反り止めとして吸付き蟻桟を(画像2)施していて、その桟を利用して、抽斗を吊桟で取り付けています。吊桟にすることにより、天板下がすっきりと収められます。強度も考え、桟にカリン材、抽斗横板にナラ材を使用しています。デスクは搬送性を考えて、天板と脚部とをノックダウンにして、コンパクトになるようにデザインしています。














(画像1)                              (画像2)

A 当工房の特徴付ける作品として、ペーパーコード張りのスツールと椅子があります。
P・コードスツール(画像3・4)は、1999年度グットデザイン賞を受賞している作品です。年間30脚程度制作していて、今年2006年3月までにトータルで200脚販売となりました(一人で制作販売している工房として多いのかどうかは分かりませんが)。構造的には、両端の持ち手となる部分は、中央部で丸く細くなり持ち易くなっています。数脚並べてベンチとしても使用可能なように、座面持ち手をフラットにしてあります。座面は表裏とも同じように編みこんであるので、適度の弾力性があり、腰に優しいものになっています。
















 (画像3)                         (画像4)

Q4 今のお仕事をするようになったきっかけは何ですか?

日々生活することの一部として、仕事(生活の糧を得る為の物としての狭い意味での仕事)を捉えたかったので、1990年に12年間の東京でのサラリーマン生活に別れを告げ、飛騨高山で木工を2年間習い、東京に残してきた家族と共に旭川に移住して、1992年10月にむう工房を開設しました。

Q5 制作活動をされてきて、今まで一番感動したこと、または心に残ったことをお教えいただけますか?

生活の道具として家具を作っているのですが、息子二人が(二人とも成人していますが)中学からずっと私の森のデスクを使っていることはうれしく感じています。使い続けてもらっているということは、制作者としては一番です。

Q6 近況をお聞かせください。

今年2006年7月に、仮設のプレハブですが新しく工房を設置しました。32坪で一人で作業するには充分の広さなので、入口部分に9坪ほどの展示スペースを確保しようと思っています。来年2007年15周年記念として、間仕切り完成させたいと思っています。また、昨年5月より参加した新宿OZONE(オゾン)工房家具ギャラリーの展示販売にも力を入れたいと思っています。

Q7 これから作りたいものはございますか?

今まで、ダイニング、書斎などの家具制作が多かったので、これからペーパーコードを使ったリビングの安楽性の高いイージーチェアやベンチ、大型薄型テレビ用の無垢の天板を生かしたTV台などをデザインしたいと思っています。既に、頭の中にはできているのですが、従来作品の注文に追われているのでどうなりますか。