ゴーヤのナムル 00.6.18

 

 島田雅彦が書いた『郊外の食卓』という料理本を友人からもらった。あとがきによると、「私は家で料理をし、狭い庭をいじり、日曜大工をし、買物をし、子どもの遊び相手を務め、そして余った時間に小説を書いている。もし、小説を書くのをやめたら、主夫になるしかないという恐怖があるからである」だそうである。余った時間に小説を、というのは謙遜が混ざった言い方だとしても、書かれていることはほぼ実情なんだろう。学生の時から小説を書き続け、普通の意味での社会に出たことがないという、そんなんで小説が書けるんだろうかというような、しかし好きな小説を書いて好きな料理をできる毎日なんて正直なところ羨ましいような、そんな境遇である
 個人としては、こんな生活よろしいなあと思う。毎日の仕事に追われて、文章を書いたり本を読んだり好きな料理を作ったりすることもままならない生活なんてつまらない。けれど小説家としては、これじゃああかんのとちがうかねと思う。
 料理の本を見て興味が沸いたので、島田が好きだという友人に面白かった小説を紹介してもらい、さっそく本屋で探して見た。ぱらぱらと内容を見ていたが、買って読もうという気にはなれなかった。小説家としてはやはり無縁の人かもしれないと思う。ただし料理の方はなかなか好みが一致しているので、これから大いに重宝させてもらうことにする。

 まず第一段は、ゴーヤ(苦瓜)のナムル。これはゴーヤ好きにとってはなかなかのヒット作。レシピではゴーヤのみを使っていたが、少しアレンジして、ゴーヤと豆腐のナムルにする。

  1. 木綿豆腐はしっかり水切りしておく。

  2. ゴーヤは半分にきって中のワタを取り除き、3ミリくらいの厚さにきる。

  3. 沸騰したお湯にかつお出汁の素を入れ、ゴーヤを入れて1分ほど茹でる。

  4. ボールにすり胡麻、にんにくのすりおろし、ネギのみじん切り、ゴマ油、砂糖少々、醤油、塩を入れて混ぜる。

  5. ゴーヤと水切りした豆腐を4で和えて、出来上がり。

 これはきっと酒の肴によいと思う。私は豆腐とゴーヤの組合せが好きなので豆腐を使ったが、ゴーヤだけでも美味しいらしいので、豆腐は好みで入れても入れなくてもどちらでもよいと思う。

材 料
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ゴーヤ(苦瓜)   小1本
木綿豆腐      半丁
すり胡麻      大さじ3
にんにくのすりおろし 小さじ1/2
ネギのみじん切り 大さじ3
ゴマ油       大さじ1
しょうゆ       大さじ1.5
砂糖        小さじ1
塩          少々

かつお出汁の素 適宜

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