ベトナム風生春巻き 2009.1.14改訂

 

 ベトナム料理の特徴は、そこらへんに生えている「草」を食べていると言いたくなるほど、クセのつよい野菜をたっぷり使っていることだ。屋台をちょっと立派にしたような下町の食堂で食べた春巻きは、レタスの上に何やらよくわからない数種類の葉っぱをのせて、その上に牛肉の春巻きをのせて包んで食べる。数種類の草の強い香りと牛肉の味が混ざって、なんとも不思議でワイルドな味がした。これがとてもおいしかった。
 それ以来、日本でつくる春巻ではなんとなく物足りなくなった。ベトナムのクセの強い野菜が手に入らないことには、あの味は再現できない。けれどもこの間ふと思いついて、日本で手に入る香りのつよい野菜を使えば、ベトナムで食べたものに近い味が出せるのではないかと考えた。とりあえずどこでも手に入る野菜として、三つ葉と大葉と春菊(その他、セロリの葉やクレソンなど香りの強い野菜なら何でも)を使うことにした。

  1. 春菊と三つ葉はざく切りにしておく。

  2. ゴマ油を入れて熱したフライパンで薄切りの牛肉を炒め、さらに椎茸も加え、塩・こしょう・五香粉でやや濃い目に味を調え粗熱を取っておく。

  3. ライスペーパーを水にくぐらせ、皿の上においてしんなりするまで1分ほど置く。しんなりしたら2の牛肉と春菊、三つ葉、大葉、あれば香菜を適当にちぎったものを端っこの方を少し空けて乗せる。端を中に織りこみ、手前からくるくるときつめに(破れない程度に)巻く。巻き終わりを下にして少し置いておく。

  4. タレを作る。ナンプラー、ねりゴマ、砂糖、好みでおろしニンニクをよく混ぜ、みりんを好みの量加えて甘みを調節する。

  5. 春巻きにタレをかけてそのまま食べてもよいし、好みでレタスで巻いてもよい。

 ベトナム旅行からだいぶ時間がたってしまったから、ベトナムで食べた春巻きの味は忘れてしまった。けれども、いかにも野生の草を食べているというワイルドな雰囲気はそれなりに再現できたので、満足している。
 香菜は苦手な人も多いので、春巻きの中に入れず、各自が好みで食べられるよう横に添えておいてもよい。

材 料 4個分
・・・・・・・
ライスペーパー 4枚
牛薄切り     100〜120g
しいたけ     2〜3枚
五香粉      適宜
塩・胡椒     適宜
ゴマ油      適宜
三つ葉      1株
大葉        8枚
春菊(またはセロリの葉、クレソンなど香りの強い野菜) 1株
あれば香菜   適宜
(好みで)レタス 適宜
〔タレ〕
 ナンプラー(または醤油) 小さじ2
 ねりゴマ           小さじ3
 砂糖             小さじ1〜2
 おろしニンニク       少々

 みりん            適宜
 

INDEXへ    料理手帖INDEXへ