タコス

 

 沖縄市に有名なタコスの店がある。沖縄はタコスの店そのものが多いのだが、その中でもここは老舗の店らしく、「沖縄市に来たのなら一度は立ち寄るべき」とガイドブックにも書かれていた。期待して出掛けたのだが、それほど美味しいとは思わなかった。店の片隅には「とてもおいしかった」という言葉がつづられたノートがあったので、これは好みの問題かもしれない。濃いめの味付けの、どこかファーストフードに近い味だと私には思えた。そもそも甘めのミートソースがあまり好きではないのだが、ここのタコスの具はそれに近かったように記憶している。

 京都で一度食べたタコスはこんな濃い味ではなくて、もっとあっさりしていておいしかった。そのイメージでタコスを作ってみる。市販のトルティージャ(タコスの皮)とサルサ(メキシコ料理に使われるソース。トマト、ピーマン、にんにくなどが入っている)を使えば実に簡単。スーパーによっては、タコス専用のタコソースも売っている。一度トルティージャをトウモロコシの粉から作ろうとしたこともあったが、あまりに面倒だし仕上がりもうまくいかなくて、一度で挫折した。タコスのようにたまにしか作らない料理は、市販品をじょうずに使って手抜きをするに限る。

  1. 牛肉(脂身のないもの)は一口大に切って叩き、塩、胡椒、チリパウダー、すりおろしにんにくをすりこんでおく。

  2. フライパンにオイルを熱して牛肉をさっと焼く。

  3. トルティージャにレタスの細切りをのせ、肉、サルサソース、好みでアボガドペーストを乗せて食べる。

 アボガドペーストは、熟したアボガドをすりばちで擦ってレモン汁を加えたもの。あと少しアレンジして、牛肉とともにゆでた海老を入れても美味しいかもしれない。最初から具をはさんで出すのではなく、手巻き寿司のようにめいめいが具をはさみながら食べると、食卓が華やいだ雰囲気になって楽しい。

材 料
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トルティージャ(市販品)
牛肉
レタス
サルサソース(市販品)
アボガド
塩、胡椒
すりおろしにんにく
チリパウダー
レモン汁

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