焦り

刻々と経過する時間と病状に焦りが膨らむ
人間とは弱く勝手なものでいつ死んでも悔いはないと
思っていても生きているかぎり自分自身を心配してしまう
この病気の実態を知った時から始まった時間への焦りは
年を追うごとに増し続けときには自分を見失わせた
はじめは二十歳までの命と思い込み高校生活に不安を抱いていたのが
実際は高校を卒業して二十歳を過ぎても元気であった
気管切開の時期についても思っていた以上にもってくれた
進行性の病気と言うのが焦りを生み出し未来を恐怖に変えていた
先の事より今を大事にしなければと・・・
しかしそういった焦りが一日一日を大切にしてくれたのも確かである
焦りというのはその生活が充実しているから起こるものだし
それだけ生きる希望が強い事を意味するものだと感じた
絶望からくる焦りは悪い方にも良い方にも作用して
生きていく事の尊さと難しさを感じさせてくれた
この詩を書いている時点では一日がとても短く
時間の流れの速さに生きる事の焦りを感じる
午前は二時間の詩集作りに午後は一時間の自由時間しかないけれど
僕にとっては充実した日々である
在宅で家族との生活に時間があっという間に過ぎていく
でも今は充実した日々を送っているから焦っているけれど
いずれ寝たきりの状態になった時今度は時間を長く感じるだろう
生きがいを失う事の絶望感と張り合いのない生活が
一日を長く感じさせ「死」を待つだけの切ない時間に変わる
生きる事に対して焦りを感じなくなった時 人生の終わりだと思う
きっとこれも焦りからくる思い込みなのかもしれないが・・・