フランシスコ・X

●○●2002年 講談社●○●
◆定価1,800円+税◆
(2007年に講談社より文庫化



 島田雅彦が実在の人物をまともに書いたのはこれが初めてではないでしょうか。あの“ザビエル禿げ”で有名なフランシスコの生い立ちから宣教師となり苦労した一生を中心に16世紀の世界情勢?を解説してくれる一冊です。
物語と歴史書の中間(中途半端とも言えたりして)て感じで、珍しく巻末に参考文献がずら〜と並んでいます。そもそも99年10月にザビエル渡航450周年を記念した戯曲『フランシスコ・X』を上演、その後小説にしたようなので、自分で選んだテーマではないみたい(いや、島田雅彦たっての希望で書いたのかもしんないけど)。
歴史に興味のない私は最初、話に入り込めなくて苦労しました。フランシスコの軌跡を記した地図と簡単な世界年表を載せてあればダイブ助かったかも(自分で調べなきゃダメ?)。それでもフランシスコが布教の旅に出てからの苦労の連続にはアホ読者でも引き込まれます。タフにも程があるぞ、フランシスコ!
終始「魂の商人」という言葉の理屈づけに躍起になってるような気がしないでもないけど、最後の章ですべてを説得させられた感じで読み終わったあと「なるほど〜(何が?)」と妙に納得した気分になりました。
こういう史実に基づいた小説は最後まで読めばなんかしらの知識が付くから我慢して読む価値はあると思います。どうしてブラジルはポルトガル語なのか、とか初めて知ったよ。
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