相続 民法改正案国会に提出予定 

法務省は平成30216日に提出された要綱をもとにした「民法改正案」を今国会に提出予定。これは、家族の多様化に対応したものです。

配偶者が自宅に住み続けることができるよう「所有権」と「居住権」を分割して新設した「配偶者居住権」により、配偶者は預貯金などの遺産を現行制度より多く相続できる見込みです。

改正要綱のポイント

・所有権を取得しなくても自宅に住み続けられる「配偶者居住権」を新設

・配偶者が生前贈与を受けた自宅は遺産分割の対象外に

・6親等以内の親族(いとこの孫まで)が介護などに尽力した場合、相続人に金銭請求可能に

・遺産分割前に預貯金から生活費などの引き出し可能に

・遺言書の財産目録はパソコンの印字でも可能に

問題点

・相続から短期間で高齢者施設などに入所することになった場合、「居住権」を現金化するには、「所有権」を持つ他の相続人に買い取ってもらうか、相続人の承諾を得て第三者に貸すしかない。

・居住権を持つ配偶者と所有権を持つ子などの相続人の関係が良くない場合、現金化できない可能性がある。評価額の算定や処分手続きを明確にする制度整備が必要である。

・事実婚や同性婚などの法律婚以外の結婚はこれまで通り、相続の対象外。

・多様な家族のあり方を認める社会保障制度とのギャップを感じます。遺族基礎年金や遺族厚生年金、遺族補償年金などを定めた法律は、内縁の配偶者にも受給資格を認めているからです。

・長年、夫婦同様に暮らしていたのに、相続で理不尽な扱いを受ける人は珍しくない。

・事実婚の場合は判断力があるうちに遺言書を作成し、遺産の分配を決めておくことが大切である。

・介護などに尽力した相続人以外の親族が、相続人に金銭を請求できる制度にも課題があります。現行法では相続人について、「特別な寄与」をした場合に優遇する制度があるが、同居する家族の介護は扶養義務の範囲と見なされ、裁判などで認められないケースも多い。新制度でも同じ問題が起こる可能性があり請求できる基準を明確にすることが必要である。

 

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