平成19年9月10日コラム

711日日経夕刊に『「サブプライム担保証券」格付け大手、米で大量格下げ、ヘッジファンドに打撃』という記事が出ていました。信用度の低い借り手向け住宅ローンの担保証券のことです

米サブプライムローンとは信用度の低い借り手向け住宅ローン担保証券のことです。これはローン債権を「証券化」したものです。この「証券化商品」には世界中の金融機関、投資家が資金を拠出しており、影響が国際的な広がりを見せています。例えばドイツ銀行が信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題に絡み7―9月期に巨額の損失を計上したと発表しています。日本にもサブプライムローン債権を組み込んだ金融商品を購入している機関投資家は存在します。但し、サブプライムローン債権だけで運用しているわけではなく、日本への影響は限定的と見られていますが、実体は決算発表までわかりません。

日本にもこのような住宅ローンを証券化したものがあります。例えば、銀行のローン債権を住宅金融支援機構が買取り、証券化(小口化)して一般投資家に売却します。生保や農林中央金庫、地銀、信用組合等が購入しています。小口化してマンションの管理組合にまで売却されています。

銀行のローン債権は既に投資家に売られていますので(銀行から見れば既に精算・現金化していますので)、長期固定金利が可能となり、フラット35のような商品が可能になります。

ローンの元利返済金は投資家(ローン債権を証券化した商品の購入者)に分配されます。

このような証券化商品には他にもたくさんの「証券化商品」があります。「不動産の証券化」、「車のローン債権」、「著作権の証券化」、医療請求債権の証券化」等等です。

「サブプライム問題」の実体経済への影響について報道され、騒がれていますが、ここでは、不動産証券市場と実物不動産市場への影響について考えたいと思います。

以前、5,6年位前にこのホームページで「不動産の証券化」の話をたくさんさせて頂きました。「サブプライム担保証券」と「不動産の証券化」は同じ「証券化商品」になります。

5,6年前、プライベートファンド(私募ファンド)は発行されていましたものの、一般投資家向けの「JREIT」は未だ残高「ゼロ」でしたが、今や、時価6.1兆円の市場規模です。(20076月末現在でプライベートファンド6.7兆円と合わせ12.8兆円です。)

JREITは日経の株式欄にあり、毎日取引きされています。1株50万円で、一般的に、ミドルリスク・ミドルリターンの金融商品と紹介されていましたが、当時、私はローリスク、ミドルリターンと思っていました。なぜなら、平成12年の投資信託法等の改正(最終改正は平成1910月施行)によって実現可能となった商品で、投資家保護、倒産隔離、情報公開など法律が整備されたからです。現在は、元本もかなり値上がりして、利回りも当時の56%程度から3%程度に落ちています。ゼロ金利時代の56%と金利上昇局面での3%ですから実感はかなり下がっていることになります。当時は、元本値上がり期待もありました。

今は、「ローリスク、ミドルリターン」から「ミドルリスク・ミドルリターン」になったと思いますが、今後は少しずつリスクが増えていくものと考えられます。

その理由は、

1.「サブプライム担保証券」の不安により、

@日本の金融機関の収益劣化からローン金利上がり、審査も厳しくなる→分譲マンション等売れ行き不振→安値売りへ→デベ ロッパーは次に土地を買うとき安値で買う→不動産値下がり→バブル再崩壊か?

A不動産証券市場への資金流入減少→J−REIT時価下落→不動産価格下落。

2. 910日夜NHKで、サブプライムショックで国債、長期プライムレートの金利が下落したと報じていましたが、      私は、今後、市場金利は上昇していくものと思います。  

∴@マンションなどの不動産の売れ行き落ちる。

AJ-REITも調達金利が上がれば元本価格下がり、

B「金利負担の上昇」と「賃料の値下がり」で収益(配当)も落ちます。

従って、不動産の価格も賃料も収益も下落していくと思います。

(以下、3.4.は江副浩正著「不動産は値下がりする」から抜粋しました。)

3.前回バブル崩壊のとき、マンション購入者は金利下降で救われた面があるが。今回のバブル崩壊あれば、金利上昇するので  、破産者は前回を上回ることになる。

4.一方で、調整インフレで貨幣価値下がり、不動産の価格上昇を予測する面もあるが、その場合でも、場所の好い所だけです  。(今後は、「見極める目が大切」になります。)

以上

                   topヘ