政府は、所有者が分からない土地に公園や店舗などを作れるようにする制度の概要を固めました。

 知事が事業者に10年間の土地利用権を与え、所有者が現れない限り利用権を延長できます。
 制度を創設するための特別措置法案を3月上旬に閣議決定して今国会で成立させ、来年夏の施行を目指します。

 所有者不明土地は、多くの場合、持ち主が亡くなっても相続登記が行われていない。有識者らでつくる民間の「所有者不明土地問題研究会」(座長・増田寛也元総務相)の推計では、全国で約410万ヘクタール(2016年)に上り、九州の面積を上回る。土地利用には所有者の承諾が必要で、再開発や災害復興の妨げになっています。

 新しい制度では、事業者が所有者不明土地を活用したい場合、知事に事業計画を提出する。審査の結果、知事が事業に公益性があると判断した場合、「地域福利増進事業」に認定し、10年間の一時利用を許可します。自治体や企業、NPO法人などのほか、個人の利用も想定しています。

以下、新聞記事

国土交通省は5日、所有者が分からない土地の有効活用に向けた新法案の骨子をまとめた。所有者不明の空き地に5年以上の利用権を設定し、公園や農産物の直売所など公益性のある事業目的に使えるようにする新制度の創設が柱。公共事業を進めやすくするため、国や自治体が土地を取得する手続きを簡素化する内容も盛り込んだ。政府、与党の調整を経て来年の通常国会に提出、2019年度の施行を目指す。

 所有者不明地を巡っては、民間有識者が九州の面積を上回る約410万ヘクタールあるとの独自推計を公表。市街地活性化や復興事業の妨げになるケースも相次いでおり、対応が急務となっていた。

 新制度は、事業を計画する市町村や企業、NPOなどが都道府県知事に土地利用を申請し、公益性が認められた場合に利用権を設定する仕組み。公園や直売所のほか、イベント広場、建て替えの際の仮設保育園などを想定している。

 利用期間は、骨子では「5年など一定期間」とされたが、国交省は有識者の意見も踏まえ、5年以上の期間を新法案に明記する方向で調整する。

 事業者は、利用開始に際し、所有者が現れた場合に備えて、賃料相当額を補償金として法務局へ供託。明け渡しを求められれば原状回復した上で返却する。

 公共事業用地としての取得では、所有者を捜す聞き取り調査の対象を親族のみとし、手続きを迅速に進める。所有者確認のため、固定資産税や地籍に関する情報、電力会社や水道事業者などが保有する記録も利用できるようにする。

 所有者が見つからなかった場合は、国や自治体に所有権を移転するのに必要な都道府県収用委員会の審理をなくし、知事の判断で公有化を決定できるようにする。

 国交省は、有識者検討会が同日了承した報告書を新法案骨子と位置付けた。これとは別に、土地の登記制度を所管する法務省も有識者研究会を設置済みで、相続登記が適切に行われるよう促す方針。


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