イカサマ麻雀
まずい、もう1牌

「イカサマ」。それはこの世にコンピュータ麻雀ゲームが出来上がってからというもの、その約半数に備わってるであろうことから、これはもはやコンピュータゲームならではの地方ルールといえるでしょう。無論実際の雀荘などでやると間違いなく出入り禁止になりそうな代物です。なるほど、コンピュータゲームというものは現実に出来ないことを実現させてくれる素晴らしいモノなんだなと改めて思い直されます。イカサマを駆使しての虚虚実実なドラマをどのように演出するかとかいった点はどのゲームでも共通のメインポイントであると思いますが、このイカサマ麻雀はなかなかに画期的とは演出をしてくれます。それはもうゲームをはじめる前から

説明書を開けてみるとなにやら紙が入っているのが目につき、そこには「秘密のイカサマシール」と書かれた456の筒子と宗子のシールが収められています。どうやらそれはいわゆるおまけのようですが、こんな現実麻雀向けのおまけをつけたゲームを見たのは初めてです。脇には声優を当ててる悪役商会氏の写真と共に「秘密のイカサマシール」「真剣勝負にゃなんでもありさ!」「白に貼ろう」とかかれていて、なるほど、真剣勝負には何でもありなんだなと少しはその気にされつつシールの裏を見ることにしました。するとそこには、「使用上のご注意 このシールは娯楽用に作られたお遊びでシールあり実際の真剣勝負等に使用しないで下さい」などと書かれているではありませんか!…大人はウソツキです

気を取り直して、麻雀ゲームをはじめる上で最も重要なルールの確認を説明書で行います。ルールのほうはダブル役満がないことを除けば意外にも至ってオーソドックスでちょっとだけ安心します。ただひとつ、食い替えを認めますというのが大いに気になりますが。さて、問題はイカサマのやり方。説明書を見る限りノーマルモードとアクションモードがあり、ノーマルモードの方はイカサマの選択肢が現れる文字通りノーマルなモードなのでいいのですが、アクションモードの方がなかなかに曲者ぶりを感じさせます。なにしろ格ゲーなどでおなじみのコマンド入力を採用しているのです。暗刻積み込みが←↓↓↓○、ツバメ返しが→↓←↑○などで、あまつさえコンフィグ画面で練習モードまで用意されてる親切ぶりですが、とにかくアクションモードは持ってくる牌を自動でやってしまうので、コマンド以前に思った牌をなかなか引いてこれません。流れを損なわないための発想としては決して悪くないのですが、自由自在なイカサプレイを満喫したい方はノーマルモードでプレイすることをオススメします。

で、いざプレステの電源を入れると製作メーカーであるアイディアファクトリーのロゴが。しかしその直後我々プレイヤー、いや日本国民の大半をまさに驚愕に落とし入れんとするばかりの画面が現れます。それはどこかで見た光景、そしてどこかで見たこと構図。そしてどこかで見たことのあるコップに注がれた謎の緑色の液体、そしてどこかで聞いたことのある「まずい、もう一杯」のフレーズ。あまつさえ画面右下にある「キューサイの青汁」のロゴ!そして「声の出演 悪役商会」が目に入るとともにきっと誰しもが彼の正体について「そうか、こいつかー!」と叫ぶことでしょう。そう、このイカサマ麻雀ではこの上なく豪華な声優を起用していたのです!このわずか1秒足らずの画面だけで多大な精神的に大ダメージを受けることになり、思わず電源を切りたくなりますが、肝心のゲームは未だ始まってないので、そこを耐えてスタートしましょう。

画面内に136牌全てが表示されているのは実に嬉しい心配りです。他にも山牌がきちんと6・5・6に手積みで積まれてる視覚的表現もまたしかりで、他のゲームよりも麻雀をしてる気分にさせてくれます。と、そこへ西家の番の時に西家の手が北家の山牌を取ったあと、南家の捨て牌を経由して自分の手に入れるではありませんか!もちろん捨て灰はすりかわってます。…さすがです、これがプロのイカサマなのですね。あまりの大胆不敵ぶりに思わず見とれてしまいました。しかし次からは見逃さないぞとばかりに、すかさずあらぬ方向へ手を動かす上家のイカサマを指摘。「くだらない真似するんじゃねぇ!俺にじゃねぇ、牌に詫びるんだよ!」とまぁ以上でこの勝負、東2局にて上家の反則負けで終了。ちなみにこのゲーム、対戦相手ばかりでなく自分のイカサマが誰かに指摘されてしまうとその時点で即ゲームオーバーですのでご注意を。

最初の雀荘で相手を負かすと、そいつを「オヒキ」にすることができます。オヒキというのはいわゆる相棒で、イカサマの補佐などをつとめる役割のことを言います。が、このオヒキ、なかなか使い方が難しく、どうでもいいところでイカサマをやってはあっという間にイカサマを指摘されて散って行きます。某知人がプレイしてたときなんかにはゲームスタート直後いきなり親の捨て牌をかっさらってこようとしたところを見つかり、東1局1順目にて即終了などということもやってのけてくれたツワモノです。少なくともオヒキを連れて無事に半荘終了することはまず不可能なので、オヒキを連れてのプレイは上級向けといえるでしょう。

誰にも見破られないイカサマとしては配牌時の積み込みがありますので、これを使えばリスク少なく戦い抜いて行けます。まさに「積み込みこそ芸術」というところでしょうか。対戦相手はあらかじめ組んでいるのか、互いにイカサマを指摘することなく、みな容赦なく捨て牌をすりかえていきます。が、持っていった牌をもとに相手の手牌が大まかに推測できるので実は恐れることはなにもありません。また無理して指摘して失敗すると満貫払いさせられるのでここは好きなようにやらせておきましょう。さて、そうこう考えながら相手の役を考えると4宗は通る、しからば強気でリーチ、そして次に上家の捨て牌の8宗を拾ってきて一発ツモを目指すぜ!…と思っていたそのときです。なんとCPUはリーチ牌の4宗をチーしたと思ったら、たった今チーしたのと同じ4宗を手牌から捨てるではありませんか!そう、先述の「食い替えを認めます」の驚異がここで明らかになりました。食い替えで1発を消すとは、実に狡猾なアルゴリズムです。ルールを最大限に生かしての攻防、これにはシビれました。まさに真剣勝負にはなんでもありなのです!…と思っていたら次の局、対面がロンしたので見てみるとチョンボ。どうやら捨て牌をすり返られたときにそのロン牌を誰かが対面の河において行ったようです。あぁ。

出てくるキャラは男女ともにオヤクザさんな顔っぷりで、あまつさえプレイ中突然口を開いては誰もしゃべってないのに「うるせぇんだよ」「生命保険入っているか」などと言い始めるあたりから、危ない薬にでも手をかけてるのではないかといったところまで想像をかき立ててくれる愉快な面々ばかりです。声がなんだかどれも似ているような気がするのはご愛嬌ということで、本格イカサマ麻雀気分を気軽に堪能してみたい方は、試しにプレイしてみてはいかがでしょうか。

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