革命的なシステム群 
アールタイプ
名作グラディウスの影響を受けながらも、その斬新なアイデアは誰もを驚愕させた。シューティングの異端児であり、名作でもある。    

 OLD GAME LINK  
■お薦め攻略サイトへ
■支援サイトへ
タイトル紹介ヘ
■メーカーHPへ  
トップページへ  
  
 TEXT:石井ぜんじ   

00.9.22up 

 

名作への挑戦が生んだ傑作

 

 RーTYPEは、名作グラディウスの影響を受けながらもそれを超える斬新な工夫を加えた希有な作品である。開発者はグラディウスの熱烈なファンで、当時すでに名作の誉れ高かったグラディウスをいかに超えるかに工夫を凝らしていった。その結果、稀に見る傑作が生み出されることになったのである。
 
●ゲーム性の根本、“フォース”のゲーム性の高さ
 まずゲーム性の基本である操作系では、オプションを超えるシステムとして前後に着脱可能で遠隔操作もできるフォースを採用した。
グラディウスのオプションは、自機の動きに対応して絶妙にフォーメーションが可能なものだったが、フォースはその独立性をさらに高め、独立した生物として設定。操作は複雑になったものの、より個性的なものとした。さらにバリアとしての機能を同時に持たせたことがゲーム性をより深くした。ひとつのものにふたつの機能を持たせるのはゲーム性を高めるひとつのポイントである。
 結果的に、フォースは攻撃方向の選択、バリア位置の選択、発射して画面上の特定の場所への集中攻撃といろいろな要素が可能になった。リアルタイムなゲームの極致であるシューティングでは、同時に複雑な操作をいくつも行うことが難しい。そこで、複数の機能を統合することが、ゲーム性の高さと奥の深さを生み出すことになるのである。
 さて、そのフォースは開発者の意図では、もっと進化した形のものを考えていたようだ。開発段階では、フォースの着脱箇所が4カ所、最終形に進化すると触手がついて相手を捕捉して攻撃という形も考えていたらしい。いろいろな理由でシンプルにしてこのような姿になったが、触手という概念は以降の作品、『Xーマルチプライ』に反映されている。

●あらゆる点に斬新さが光る
 フォースこそがゲーム性の根本ではあるが、その他にもさまざまに斬新で類を見ないシステムを持っていることも忘れてはならない。
ため撃ちの存在、巨大戦艦、反射レーザーと枚挙にいとまがない。右に列挙していこう。

●ため撃ちのシステム
 ため撃ちのシステムはそれまでにキャラクターゲームではまれに使われていたシステムだが、シューティングに使うという発想が当時はまったくなかった。現在では非常に使用頻度が高く、当たり前のシステムではあるが、当時の開発者に与えた衝撃は大きかったといえるだろう。結果的にパワーアップのない段階でも威力の高い攻撃が可能になったため、やられてパワーアップを失った際のゲーム性が高くなった。この点でもグラディウスを超えているといえる。

●巨大戦艦の存在
 それまでにダライアスという度胆を抜いた作品もあったが、ダライアスは3画面の作品であり、ボスは1画面におさまるものであった。その常識を完全に打ち破ったのがSTAGE3の巨大戦艦である。1画面におさまり切れない巨大な敵というのも衝撃的ながら、ステージの最初から最後までがボス戦という展開も前代未聞。この発想には誰もが驚いた。そのような概念自体がそれまでに存在していなかったのだ。それ以降、『エリア88』(カプコン)など巨大戦艦と戦うというシーンがはやり出すことになる。

●印象的だった反射レーザー
ゲーム的にはそれほど大きな位置を占めない反射レーザーだが、プレイヤーにとっては非常に印象的な武器であったのも確かだ。すべての地形にしっかり反射してリアルタイムに複雑な図形を描く反射レーザーは、実用度以上に美しい。軌道が予測できる単純な武器と違い、自分で図形を創造しているかのような楽しみが味わえる。このレーザーに惚れてR-TYPEを始めたプレイヤーも多かったのではないだろうか。レーザーへのこだわりにもグラディウスの影を感じることができる。


 

1986年/アイレム
 

 
■操作方法■
方向レバー+2ボタン

Aボタン ショット
Bボタン フォース着脱

■特殊操作
波動砲:Aボタン押しっぱ
    なしで離す