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 その 164 NHK行 2000年11月18日

海の底に隠した宝物 (1977年 秋)

海の底に隠した宝物
行き着いた場所なのに誰も知らない
部屋に飾ったプロペラグライダー持ち出し
頭の上で放してみれば
冷たい足を拭きながら見守って
地図にしてしまえば蘇る

海の底に隠した宝物
恋人に話したら少し笑ってた
いつか海と空が変わる時 僕らは出かける
海の星 空から眺めてみたいもの
顔中髭もじゃの海賊キャプテン・ジミ
海の底で笑ってる


 その 166 NHK行 2000年12月2日

ひとり   (1974年 夏 二十歳)

何にも出来ないこの俺が
一人で何かをやるには
一人になるしかない

遠いあの町の愛すべき人達よ
馬鹿な奴だと思わないでくれ

今宵の雨を忍ぶれば明日の空は青い


高鳴る大粒のこの雨が
大地に穴をあけそうな雨が
一人でいる事の証

遠いあの町の愛すべき人達よ
無茶な奴だと思わないでくれ

今宵の雨を忍ぶれば明日の空は青い
今宵の雨を忍ぶれば明日の空は青い
今宵の雨を忍ぶれば明日の空は青い
今宵の雨を忍ぶれば明日の空は青い


 その 169 NHK行 2000年12月19日

ゼンマイオモチャのひとり言  (1978年 夏)

不思議な光に導かれ
積み木の家をいくつも数え
大通りの向こうへ暖かな心で
駆けてみた
背中いっぱいのゼンマイが
歩かなけりゃ転んじゃう

まつげに櫛をとおされた
マジックウェアーの女の子
黒い瞳輝いて遠くから
見ていたよ
赤いパンプス脱ぎ捨てて
白い足伸ばしてる

僕の手には負えない僕は
だんだん力が抜けてきて
僕と僕のなきがらを拾って
止まる
僕のまぶたに影絵を映す
君の瞳まぶしくて

僕達もっと近ければ
そっとまぶたに指のせて
あなたの悲しさ少しだけ
分かるような
知っているよセンチメンタル
一人ぼっち慰めた
 その 172 NHK行 2001年1月2日

ライラックの木の下で  (74年 初夏)

ひじを打つあなたの横顔は
とても淋しそうなので
いつか夢で見た目が合って
涙流してしまったから
学校の帰りでも声をかけて
いつか仲良しの二人になれたら
一生懸命相談にのってあげる

だけどだけど

声をかける時には かける時には
もっともっと優しい顔をしてくれなくちゃ
もっともっと優しい顔をしてくれなくちゃ
何も言えないから


本を読むあなたを見たのは
ライラックの木の下で
私がかつて空想にふけって
休んでいたところなの
思い思いの夢を抱き
そっとつぼみに息を吹き付けてみるのよ
読書するあなたの顔は辛い夢

だけどだけど

この私だってこの私だって
もっともっともっと幸せにならなくちゃ
もっともっともっと幸せにならなくちゃ
この私だって

 その 177  NHK行 2001年1月24日

女の子   (1975年)

きみさ 女の子
イチゴの種をプチッて鳴らして
ビックリさせて笑わせて

スプーンを持つ手をじっと
見守っていたはずなのに
君はどうしてそんなに可愛いの?

知ってるくせに 知ってるくせに
知らないふりをするんだね
女の子


きみさ 女の子
甘酸っぱいイチゴの秘密が
耳元で永遠にはじけた

君はどうしてそんなに可愛いの?
って聞いたように
君はどうしてそんなに可愛いの?

知ってるくせに 知ってるくせに
眠ってるふりをするんだね
女の子

だけど今は 眠れ 眠れ


 その 183 NHK行 2001年2月19日

シャムプーがないプー (1977年)

黒い髪で隠してる
おでこをポンと叩いて
裸になったのは良いけれど
大変!

シャムプーがないプー


長い髪を手の中で
結んで繋いでおリボンを
遊んでいるのは良いけれど
大変!

シャムプーがないプー


お風呂の小窓をチョット開けて
両肘ついてどうしょう
お月さんは良いですね
つるんつるん!

シャムプーがないプー


月の光のこんな夜
悩める乙女の声聞いて
ロマンとシャンプー高らかに
おかぁさん!

シャムプーがないプー
ないプー ないプー

 その 188  NHK行 2001年3月10日

春は風に乗って   (1974年)

いつも私の 隣にいるようで
地球の裏側で 埃を立てている
帰って来た素振りも 見せないで
私に横顔だけを 見せる
煙草の煙だけが気楽な 雰囲気

言いたい事なんて言えない
知らん振りなんて出来ない

私 風が好き


いつか私の 隣に来ていて
不思議な幸せ 届けてくれる
鈴蘭ぴゅーと鳴いて 過ぎれば
私にもう一つの 幸せ
読書の人が笑って 挨拶

言いたい事なんて言えない
知らん振りなんて出来ない

私 花が好き


いつも私と 歩いているようで
ブラウスの両袖を 摘んで捕まえた
胸の中何かを しでかすか
私が心配だから だから
私と私ではない 確かさ

言いたい事なんて言えない
知らん振りなんて出来ない

私 風が好き
私 花が好き
私 彼が好き

 その 192 NHK行 2001年4月2日

スペリオパイプ    (81年)

急いで帰って しまったあなたに
言い忘れた言葉が 口を尖らせる
(スペリオパイプ) あなたの家は分からない
(スペリオパイプ) 忘れ物箱へ入れて

春休みが終わるまで 鳴らないけれど
私が一つ 鳴らしたよ ピーィ


あんなに急いで 帰ってしまって
もっと大切な物 落としてないかな
(スペリオパイプ)  あなたの家は分からない
(スペリオパイプ)  忘れ物箱へ入れて

春休みが終わるまで 鳴らないけれど
私のパイプ 鳴らして帰ろう ピーィ


後ろから駆けて来て 追い越して行ったよ
スペリオパイプ 手にしっかり握って
(スペリオパイプ) 気がついてくれた
(スペリオパイプ) 私が見つけてあげたの

何処か近道を してきたらしい
そしてもう一度 駆けて行くよ ラララン

一度止まって 鳴らしてごらん
急いで帰ってしまっても
言い忘れた言葉聞こえて
言い忘れた言葉聞こえて
言い忘れた言葉聞こえてくるかも

 その 196 NHK行 2001年4月27日

夕焼けの悲しさ     (1975年)

オーケストラの指や腕が 次々と鳴り
余りよく知らないで 聴いてるの
その人も何んにもしないで 私を 私を
見ている気がして………

何んにもしないで黙ってて いるだけ
何んにもしないで黙ってて いるだけ
何んにもしないで黙ってて いるだけ
ただ一度だけシンバルを見事に 染め上げて


夕焼けは膝の上で 目覚めた夢
まだ眠りのカーテンが 揺れていて
泣きながら母の胸にうずめたの 夢の 夢の
続きはそのままで………


ピアノには積み木が流れ でももう崩れそう
あの時に乱れた髪も そのままで
カーテンの向こうになるのね 顔も 胸も
シンバルの響きも………

内緒で愛したら涙が 止まらない
内緒で愛したら涙が 止まらない
内緒で愛したら涙が 止まらない
ただそれだけの事で信じたの 馬鹿な私
内緒で愛したら涙が 止まらない
内緒で愛したら涙が 止まらない

 その 203 NHK行 2001年5月25日

    (1973年)

泥んこ遊びの 帰り道
田んぼの蛙も 遊び好き
また明日ねと 声をかけ
お父の顔が 目に浮かぶ

今日の帰り道 長い道

お使い行った 帰り道
田んぼの蛙が また呼ぶよ
昨日の今日じゃと 声をかけ
約束拳万 また今度

今日の帰り道 近い道

夕焼け照れる 帰り道
田んぼの蛙は 何処行った
怒ったかなと 声をかけ
約束やぶって 針千本

今日の帰り道 遠い道

 その 206 NHK行 2001年6月10日

    (1973年)

一匹のアリが 指に絡み付く
かじっても痛くない とくに指先は
だけど巣を ほじくると
アリが うじゃうじゃいて

身震いする
アリめ!

一匹のアリが 指に立ち止まる
目を凝らしじっくり 見ると
硬い鎧を 武装した
兵士 みたいで

身震いする
アリめ!

一匹のアリが 指にかじりつく
二匹でも痛くない 何匹いても
だけど巣に 手を置くと
骨と皮だけに なりそうで

身震いする
アリめ!

 その 208 NHK行 2001年6月23日

   (1973年)

夏風そそぐ 木立に座り
飛まつを拭い 耳を澄ますと
そのままスーッと 吸い込まれるように
幼い頃が 目に浮かぶ

蝉の声

川音も遠く 青葉に閉ざされ
振り向いただけで 静けさが深まる
樹木に耳を 眼を見張り
見えた青い 生命が

蝉の羽化

七年の沈黙を 脱ぎ捨てて今
真っ只中の 夏を歌う
まるで煮えたぎる 生命を
声に託した 挽歌

蝉の声

※六年よりも七年の心を抜粋

 その 210 NHK行 2001年7月8日

少女と小猫    (1977年)

テーブルに写る 童顔の
ねんごろの 小猫のように
運が良かったとしか 言いようのない

戯れのように 振舞っても
生きるように仕向ける何かが
ヘッドホーンに 浮かれている顔に
一つ二つと 生まれてくるのかも


ハミングしている 歌声に
傾く小猫の 耳のように
運が良かったとしか 言いようのない

若い日の一時で あっても
追憶のメロディー 流れてくれば
悲しいとまでは 言えない涙が
今日は一人で 過ごさせるのかも


気紛れな午後の 陽射しの中で
伸びをする 小猫のように
運が良かったとしか 言いようのない

何でもない日々の 繰り返しの中で
小猫はいったん 起き上がってから
何をするのかが 決まるのかも
少女の膝の上で 小猫は小猫のように

 その 215 NHK行 2001年8月5日

きの子    (1975年)

許されていいのなら
お庭のこの樹を切りたいの
私が生まれたお祝いに
桜の苗を植えたのに
私の名前はきの子なの


産声とともに
空ではキノコの雲咲いて
桜がキノコに変わり果て
私が悪戯するたびに
キノコの事を語り出す

月に行くには帆を張った
船で行くと思ってた
そんな小さい頃から


許されていいのなら
桜のこの樹を切りたいの
母がきの子と呼ぶたびに
近くの子供が笑ってた
私の名前はきの子なの


私の歳を見るために
桜のこの樹を切りましょう
きの子きの子と呼ばれるたびに
幸せになるなと聞こえるの
丸い年輪は私なのに

お空のキノコでない為に
生きているきの子である為に
お空のキノコでない為に
生きているきの子である為に

 その 218 NHK行 2001年9月2日

サリーの君は V (1974年) 
               20××年ミュージック版
芝生はお祭り騒ぎ
黒ん坊マー坊はとくに凄い
コーヒーのお代わり何杯目
海苔のおにぎり食べようよ
海苔のおにぎり食べようよ
ゆっくり座ってさ

サリーの君は風に揺れたら
サリーの君は風に揺れたら
ハレルヤ君は世界一


バイオリンの音色が聴こえる
ミマちゃんは歳を取りたくないと
リュックを背負って山に行っちゃった
僕はダンスの仲間入り
僕はダンスの仲間入り
お手を拝借

サリーの君は風に揺れたら
サリーの君は風に揺れたら
ハレルヤ君は世界一


ロケットを飛ばそうよ
僕には星が見えるんだ
お別れさ地球を離れてみたいんだ
さぁみんな退いててよ
さぁみんな退いててよ
みんなさようなら

サリーの君は風に揺れたら
サリーの君は風に揺れたら
ハレルヤ君は世界一

 その 223 NHK行 2001年10月5日

彼方と彼女と私 (1978年)  ヤフー掲示板9月17日掲載

街で連れ添った あの人の
口紅は彼方の好みの 色で
素敵に優しく動いていたわ
「自己流のダンスを3人で 踊ると
滑稽でしょうね」だって

笑えなくって胸をおさえて
屈んでしまえば
涙がこぼれそうだった

街で偶然に逢った時
お姉さんかと思ったのに 紹介で
彼方と彼女と私と解った
二人だけのデートが3人で そして
悲しみはいつも一人で

暗い部屋での独り言なのよ
誰もテレフォン
テレフォンかけないで

細く しなやかな指先
ターンする時の睫毛の細さ
素敵に優しく動いていたわ
素敵に優しく動いていたわ
素敵に………優しく………

 その 228 NHK行 2001年11月4日

二十四時間のブルース (1979年)

青空をひた隠しに隠した部屋で
宙に浮きそうな長い 夢を見た
辛い夢だったとは 言わない

ただ口笛だけが妙に
手がかりになりそうな
そんな暗い部屋で
二十四時間のブルースを吹き鳴らす

風景のある思い出を辿るような
そんな旋律がほしい 気分に
昨日が無かったとは 言わない

ただ口笛さえ妙に
途切れちまいそうな
そんな暗い部屋で
二十四時間のブルースを口ずさむ

もう二度とは注文したくはない
一日だったとしても それはそれ
何も無かったとは 言わない

ただ夢でもいいから
逢っときゃ良かった
そんな君の為に
二十四時間のブルースを書きたてる

 その 230 NHK行 2001年11月18日

脈打つ心は突っ走れT (1975年)

昨日の夕べ僕の好きな 十五夜なのに
どうして 何時までも丸くはないのだ
ちょっと待ってだなんて 待っちゃいられない
どうして 何時までも丸くはないのだ
吃驚するほど驚いているんだ 僕は
吃驚するほど驚いているんだ 僕は
夜空にポツポツ 穴開けてさ
夜空にポツポツ 穴開けてさ
誤魔化そうたって駄目さ
脈打つ心は 脈打つ心は 脈打つ心は ンンン

満月がもう直ぐ其処に 来てるというのに
どうして こんなに白けちゃっているんだろう
お待たせしましただなんて ケチ臭いんだね
どうして 何時までも丸くはないのだ
がっかりするほど飽きちゃってるんだ 僕は
がっかりするほど飽きちゃってるんだ 僕は
煙草をスパスパ 吸ってさ
煙草をスパスパ 吸ってさ
隠れようったって駄目さ
脈打つ心は 脈打つ心は 脈打つ心は ンンン

ほらもうそれっぽっちで 丸くはないんだね
それは 空耳にしか聞こえないし
正直そらし切れない 鋭さは 
僕は とても苦手なんだ
脈打つほどに楽しみだったんだ 僕は
脈打つほどに楽しみだったんだ 僕は
誰かさんに 頬染めてさ
誰かさんに 頬染めてさ
全くなっちゃいないよ
脈打つ心は 脈打つ心は 脈打つ心は ンンン

輪ゴムを持っているんだ 一本だけど
意外と 痛いんだよねこれは
脅迫してるだなんて 言わないでくれ
伸ばしてる だけなんだからさ
お祈りなんて出来ないんだ 僕は
丸くなあれだなんて さぁ
御伽のように 落っこちれ
御伽のように 落っこちれ
腹立てて丸くなれ
脈打つ心は 脈打つ心は 脈打つ心は ンンン
脈打つ心は 脈打つ心は 脈打つ心は ンンン

 その 233 NHK行 2001年12月9日

脈打つ心は突っ走れU (1975年)

いけない事をしてしまい
穴があったら隠れたい
白い蒲団と掛け布団
僕は便箋で中に入る
明日はきっとお月さん

あー 僕は持て余し過ぎている
だから 諾い諾いましょうとねんねこせ

風が頬を切り裂き
足はズタズタすり減らし
稲妻が僕を焦がし
闇が僕を孤独にする
月に行くまで尽きるみたい

あー 僕は夢の中で洒落を言う
だけど 余りの不味さにあちこち痒くなる

目が覚めると月だった
我 お月に佇まん
流れ星が飛んできて
我 お月に戯れん
逃げても逃げ切れないで

あー 僕は穴の中にいるみたい
だけど 夢の中で落ちがついてあちこち蒼くなる

流れ星に刺された
ところが赤くなって
痛くはないのにと
つねって試してみる
よく見ると輪ゴムの痕が

あー 「御伽のように落っこちれ」などと
僕の 声が聞こえてくるけどもう落ちは付きました
 その 237 NHK行 2002年1月5日

脈打つ心は突っ走れV (1975年)

やっとの思いで這い上がり
星が綺麗で目がくらむ
地球はあちこち騒々しい
笛や太鼓がピーヒャラドン
御神輿担ぎたくなるような

僕は金魚掬いが
とっても上手いんだけど
ふるさとはお祭りのような
心持

飛びゆく流れ星に
乗っかって久遠の旅へ
地球はあちこち騒々しい
寝ないで走る人がいる
UFO見てる奴もいる

グラスを交わす変な人
月見て怒る馬鹿もいるけど
僕の顔によく似てるような
心持

決して沈まぬあの月が
地球に隠れて沈んでゆく
あんなに信じていたのにな
心が通じていたのにな
夕焼けの悲しさは沢山だ

月が月が沈んでゆく
けれどすぐまた下から
顔出してあなたはとても
よい人だ〜よい月だ

星がみんな落ちてゆく
天の川に落ちてゆく
綺麗だけで満たされる
今夜は星がザワザワと
天の川の流れの中で

誰かさんと誰かさんが
逢引きだとさ
ふるさとは七夕のような
心持

 その 240 NHK行 2002年1月24日

月の夜  (1978年)

いわゆる月の夜
野原にUFOが 降りてきた
ススキを摘んでいた
僕の手は止まり 長い間見ていた

何故かしら見られている
気がしてならないのは
似合っているのだろう
そのままで そのままで
突っ立ってた

テレポートのように
降りたUFOも そのままで
風に騒がれて
ススキが踊り 手の平を丸くする

向こうにまん丸の
お月様が見えるのが
安心させる
グットデフェンス グットデフェンス
フイーリング

虫の知らせが
今夜は酔いたくない 夜だった
悲しくもないのに
涙が溢れ そっとうなずく

やがて目の前に
光の帯が引かれ
六方を踏んで
行くべきか 行かざるべきか
For You

 その 241 NHK行 2002年1月31日
 
脈打つ心は突っ走れW (1975年) 

甘いんだ天の川の流れの中は
じっとしていないと壊れちゃいそうで
悪戯が好きなこの僕でさえも
手に汗を掻いて星を溶かしてしまう

星の列車は二人乗せて 天の川を
星の列車は二人乗せて 天の川を
流れてゆく 甘い香り乗せて
流れてゆく 甘い香り乗せて

何処までも流れていくんじゃないんだってさ
離れて行く後は花火のように
それでも輝きはぐーんと増して
香りも乗せてまた飛んでいく

流れ星は僕を乗せて ずっと遠くへ
流れ星は僕を乗せて ずっと遠くへ
飛んでゆく 甘い香り乗せて
飛んでゆく 甘い香り乗せて

 その 242 NHK行 2002年2月7日

脈打つ心は突っ走れX (1975年)

行末も何も無く
美しいだけに魅せられた僕は
そのもどかしさに涙が滲めば
僕も一粒の流れ星

流れ星の流れの中で
ひときわ目立つ涙星
微塵になって落下して
地球の粗末なところへ
落ちて行く
落ちて行く
落ちて行く
落ちて行く 身も心も
落ちて行く
落ちて行く
落ちて行く
落ちて行く





思い出は 空の上
思い出は 空の上
思い出は 空の上
思い出は 空の上


*いちおう完成だけど、「落下水」という作品に続く。
落下水は吉田氏の洛陽という曲にひっくり返されている。

 その 243 NHK行 2002年2月14日
 
冬の遊歩道 (1975年) 

風の吹くとおり来たんだ
 おまえんちの裏庭に
柿ノ木に登り よく起こしに来たっけ
 夜遅く

 旅立つ金をピアノに化かし
 モグラになっちまってよ
 好きだったあの子の歌を
 あぁもう沢山だ

ピアノの音が聴こえる
「少女と猫」を奏でる午後は
駆け出して来るぜ 淋しんだよおまえも
 俺も

 黙ってたって玄関を
 飛び出して来るんだよ
 ほら背中見せてもうおまえは
 いつもの遊歩道へ 遊歩道へ

暮らしがあるくせに
 淋しい背を見せてさ
風 風よ吹くな 呼び止める 声も
かじかんでくるよ 聞えない
冬の遊歩道 俺の気持ちも知らないで
冬の遊歩道 俺の気持ちも知らないで

来たのが間違いなんだ
「キャンニャンハウス」で笑ってりゃ良かった
コインを入れりゃ 笑えるんだよおまえも
 俺も

 黙ってたってメロディは
 流れてくるしさ
 枯葉見てたら柿をぶつけてやる
 どうせおまえんちのさ おまえんちのさ

渋味があるくせに
 美味しそうな甘そうな
立ち上がる声も 唄ってるよ お腹が
グーだってさ グーだってさ
冬の遊歩道 俺の気持ちも知らないで
冬の遊歩道 俺の気持ちも知らないで

 その 245 NHK行 2002年2月28日
 
春風の言葉 (1978年)

冬を渡って来た私が
握り拳の待ち人達を
暖かくする事は出来ません
春を待ってる優しい人に
ピュー ピューと吹いて行くのは
辛い事です

でもお嬢さん
声をかけてもいいですか?
その前に微笑んでもいいですか?
あなたの好きなあの人が
もうすぐここへやって来ます
振り向いて下さい

ほらね

そんな風ならいつだって
だけど寂しい人の心を
温かくする事は出来ません
春を待ってる可愛い人に
ピュー ピューと吹いて行くのは
悲しい事です

でもお嬢さん
声をかけてもいいですか?
その前に微笑んでもいいですか?
私が通ったその後で
可愛いい小さな芽が出ます
微笑んで下さい

きっと

 その 248 NHK行 2002年3月21

買物  (1974年)

あなたは 「このくらい大きいと似合うのに」と
セーターの胸のあたりを引っ張る

私はおもわず 「小さくても形はいいのよ」と
小さい小さい胸をおさえる

えっ
ハッ

あなたはジーパンの後ろのポケットに
指をぜーんぶ 入れて
私はセーターで顔をうずめ
歩く 帰り道

 その 249 NHK行 2002年3月28日

おはよう  (1978年)

エンピツが君のほうに倒れ
振り向いてみる
まぶしさを背負っていた君は
僕を見つめ 消えた
  まぶしくて まぶしくて
  逃げも隠れも出来なかった

まぶしさの中で一つだけ
咳をさせて
素っ気無く向き直おる人に
君はなれて いない
  まぶしくて まぶしくて
  逃げも隠れも出来なかった

朝には笑わぬ人達の中で
笑顔のおはようの君を
無くしたくなかったから

 その 251 NHK行 2002年4月11日

抜忍  (1977年)

(あっ)というのは驚きで
(いっ)というのは不意打ちで
(うっ)というのは怒涛の如く
(えっ)というのは流れ出る血
(おっ)というのは衰退の響きなら

(悲)しい(気)持ちで(苦)しんで
(消)される(事)も(さ)さ(知)らないで
(全)てに(精)一杯 (そ)して(戦)い
(力)(尽)くし(て)(共)に(名)のある(忍)者に
んー(抜)忍め!

(眠)る(の)も(は)ばかり(必)死に(二)人で
(変)身の(方)法を
(ま)ったく(見)下げた奴だ
(胸)の(目)印を(も)う一度見よ!
(優)しさ (勇)気 (よ)もや忘れまい

(ラ)ッキーで(利)口で(類)のない(連)中が
(労)を誉め(笑)っている 
(を)まえという奴は……………………ん

 その 254 NHK行 2002年5月2日

素直さ  (1976年)

雨が向こうで 泣いているから
意地っ張りは君なのだと 付け加えて
雨支度をして 会いに行こうか

天気予報がもうすぐ 来るってさ

髪を梳かす君は 面白いね
大人のような 子供のような
可愛いでしょって撫でて 嫌よって振り払う

ただ見つめている だけなのに

砂糖より甘く 仕事より辛いのは
そんな問いかけが オモチャになってしまう
君は笑ったり 手を叩いたり

咳払いが出そうに なる

君の睫毛を 押し上げて
一から教え 込もうか
僕の目の前には わからず屋の子が

君の目の前には イイ男が

腕を握ったら 黙ってた
肩を抱いて 髪を分けたら
瞳が閉じていた 本気になったけど

君の横顔は 別人のよう

自転車を引こうとする 君をさえぎって
後ろにまたがり 顔を沈めて
後ろ髪に 笑われて

それでも自転車は 前へ前へと

ジグソーパズルの 破片が落ちてる
泣き止んだ空が 笑いすぎてさ
広い空から 落ちてきたのか

拾う手もとどかないし ましてや

君はいつも 笑っているんだね
そうそう君はいつも 笑っているんだね
悲しい時は どうするんだろう

君の横顔は 笑っている

 その 255 NHK行 2002年5月9日

から さよなら (1974年)

僕がとても大事にしてた
お姉さんへの思いで
僕がとても大事にしてた
お姉さんへのあこがれ
触れる事のないままで
遠くへ行っちゃった

長い長い髪に埋もれて
何時の間にか眠りに そんな夢も
僕の涙で濡らしたドレスで
消えた

お姉さんの優しい香りも
今はこの部屋にさえ
 お姉さんが育てた花も
 今はミツバチにさえ
日記帳に見つけたのを
信じていたのに

「今は愛する人が居ないから
すべての人を愛します」と書いてたのに
学校の授業中に
盗られた

坂から続くこの長い道も
忘れられない夏の思い出
 駆け出したお姉さんは
 坂からずっと黒髪が
揺れる揺れるこの川より
綺麗に流れていたし

いつもいつも何時までも
二人でいたいと思ったのに
学校の授業中に
盗られた

僕の僕の愛のほうが ずっとずっと大きいのに
僕の僕の愛のほうが ずっとずっと大きいのに
僕の僕の愛のほうが ずっとずっと大きいのに
僕の僕の愛のほうが ずっとずっと大きいのに
僕の僕の愛のほうが ずっとずっと大きいのに

 その 269 NHK行 2002年8月16日

日曜の午後は晴れてくれなきゃ困る '1978年)

なんという憎たらしい 厚かましい外の雨
雨だれさえも雨のように 激しく激しく

こうして膝を抱いて 君のメールを読み返しても
「雨が降ったら会うのはよしましょう」と書いてある

日曜の午後は 晴れてくれなきゃ困る
日曜の午後は 晴れてくれなきゃ困る
日曜の午後は 晴れてくれなきゃ困る
日曜の午後は 晴れてくれなきゃ困る

なんという面白くも 楽しくもない外の雨
僕たちの休みの日は 日曜日しかないのだから

小鳥のさえずり聴いて 朝を迎えたかったのに
照る照る坊主は地面に 叩きつけられている

日曜の午後は 晴れてくれなきゃ困る
日曜の午後は 晴れてくれなきゃ困る
日曜の午後は 晴れてくれなきゃ困る
日曜の午後は 晴れてくれなきゃ困る

 その 272 NHK行 2002年9月6日

涼しさ  (1974年)

蝉の声がコーラをどうぞと
ベンチに座って ひと休み
澄みきった空に 涼しい姿

 白いハンカチで コーラを大事に
 水色のワンピース 真っ赤なサンダル

とても涼しく見えるから
ゆっくり 静かに こぼれないように
長い髪が二つめの ボタンまで

 白いハンカチで 濡れた手を
 そっと静かに 僕のコーラと

あなたはバスを待っている
声を掛けずに 見送ってあげる
声を掛けずに 見送らなければ

 声を掛けずに 見送らなければ
 僕は悲しい いたずら天使

あなたはとうとう行ってしまった
僕のコーラを 飲み干して
知らない町の 知らない人の

 あなたのコーラが そこにある
 蝉の声がコーラを どうぞと

 その276 NHK行2002年10月4日

踊る人生のステップは甘いものさ (1978年)

今日は日曜日 たて髪なびく
君と僕との輪の中で
おっ駆けっこする為の
大事な大事なプレゼント
 両手で大事に包み込み
 これからずっと 桃色人生

踊る人生のステップは甘いものさ
踊る人生のステップは甘いものさ
踊る人生のステップは甘いものさ

今日は日曜日 ツーピース
君と僕との待ち合わせ
後ろに回って包み込み
キスしてキスしてプレゼント
 両手で大事に差し出して
 これからずっと 大事な人生

踊る人生のステップは甘いものさ
踊る人生のステップは甘いものさ
踊る人生のステップは甘いものさ

踊る人生のステップは甘いものさ
踊る人生のステップは甘いものさ
踊る人生のステップは甘いものさ

 その278 NHK行2002年10月18日

誘われたり 振られたり  (1978年)

窓辺に肘を寝かせ
落っこちそうに 顔を置く
いつまでも そうしていたように
秋の指が 瞳を閉じさせる
  誘われたり 振られたり

窓をもう少し開けて
返した手の平 起こしてみる
秋の儘 涙も誘わず
手の平に 虫が乗ってきそう
  誘われたり 振られたり

一刀両断の構え
眠り顔を じーっと見てる
いつまでも そうしていたように
虫の声さえ 寝息に聴こえる
  誘われたり 振られたり
  誘われたり 振られたり

 その 282 NHK行 2002年11月15日

デート デート デート  (1978年)

二人で目を閉じ
君と僕の将来を真剣に
予知してみよう
 デート デート デート
 デート デート デート
 デート デート デート
 可愛いい唇 美味しそう

胸のハートを押し込んで
僕はため息 付くばかり

夢の中のお話
時計が時刻を指すのは分かるが
少し違う
 デート デート デート
 デート デート デート
 デート デート デート
 お尻を刺した チクリ

僕の時計に細工して
君のドアーを 壊したい

そっと目を閉じ
二人でにらめっこしてみよう
一二の三
 デート デート デート
 デート デート デート
 デート デート デート
 ズルイと言っても もう遅い

サンタクロースを呼び出して
君の幸せ 聞きだしたい

 その 286 NHK行 2002年12月13日

あなたは一度だって外に飛び出した事がない
                      (1978年)

駅からの電話は止しました
受話器を上げた途端
口紅の匂いがして
唇を噛む癖のある私は
何時までも口紅は嫌いです
ほら もうこんなに強く
今日はデートなんだから寝ぼけてないで
  あなたは一度だって外に飛び出した事がない
  喜びの鞭 打たれたように
  あなたは一度だって外に飛び出した事がない
郵便ポストを曲がって
私が待ってる喫茶店へ
飛び込んで追いで

皆でキャンプへ行った夏
真っ赤に熟した林檎を
放り投げた時
スカートがめくれたのをあなたは
顔に林檎をぶつけながら
しっかり見たのを知っている
慌てて林檎に飛び掛り転がって
  あなたは一度だって外に飛び出した事がない
  喜びの鞭 打たれたように
  あなたは一度だって外に飛び出した事がない
その夜皆で大笑い
女の子だけで散歩に出たの
星がとっても綺麗で

駆け出したほどなのに
  あなたは一度だって外に飛び出した事がない
  喜びの鞭 打たれたように
  あなたは一度だって外に飛び出した事がない
  喜びの鞭 打たれたように
  あなたは一度だって外に飛び出した事がない
  今日はデートなんだから
 その289 NHK行 2003年1月4日

サリーの君は W (1974年) 20××年ミュージック版

君の
白い白いサリーが風のように
空に向けて走っている
温かそうな その中で
休みたかった

揺れる揺れる僕の心は
地球を地球を背に僕は

ただ行き過ぎる人


君は
白い白いサリーが輪の中で
一際白く映えている
切れた凧のように 踊れば
白いサリーが

叫ぶ叫ぶ山のミマも
小さく小さくなって僕は

忘れない人になる


君の
笑い顔が浮かんで熱いものが
おっと流した水杯
君から貰った おにぎり

君には言えない
燃える燃える僕の心は
地球を地球を背に僕は

鎧う人

 その293 NHK行 2003年2月1日
 
瞑想  (1980年)

見つめているのが 惜しくなり
長方形の箱の中 入ってみた
手を伸ばせば天井にぶつかるが
なかなか広い 運動場

  思い切り突っ走って 体当たり
  箱全体が動くのさ

出口が無いのが 気に入って
暫くは箱の中 入り浸り
腕を伸ばして空中回転
満たされた部屋に 酔いしれる

  思い切り立ち止まって 腕組んで
  箱全体で考える

ここに居るのは 当然で
空っぽの箱の中 考えている
何の為にと問うてはみたが
うまく答えが 見つからない

  あごひげジョリと 撫でてみて
  一服しようと手を伸ばす

指を連ねた 音がして
人差し指のでっかいのが 入ってきた
「チエッ無いのかい」と天井まで響き
クルクル丸めて 捨てられた

  道無き道を抜け出して 這い出すと
  僕が外へ向かってる

 その309 NHK行 2003年5月24日

山ぶどう取り 1974年 「おでこの君は」から

日に焼けた君の 素肌はとても眩しくて
僕が取ったぶどうを カゴに受ける
 つぶつぶのぶどうを取って投げると
 そこに二つのモモが見える
 取って投げる合図も息漏れして
 やけになって細い枝に手を伸ばす
こんなに汗を流してるのに
君ははしゃいでぶどうを受ける

そんな君が好きだから好きだから
いっぱいぶどうを取ってあげる

頑張ってねという 君の声が小さい
上り詰めたらしい 大きな光りが
 ふさふさの枝に寝っ転がると
 とてもとても楽ちんである
 君の声が聴こえる泣きそうな声が
 葉っぱと葉っぱの間に君が見える
膨れた頬はぶどうみたい
おでこの汗を拭いたままの

そんな君が好きだから好きだから
いつまでも君を守ってあげる

※「サリーの君は」のファンタジーに入る前の
「おでこの君は」からの一幕

 その318 NHK行 2003年7月26日

あめんぼ  1974年 「おでこの君は」から

入り江は静か 風が舞う
ボートが一艘 枯れ葉に積まれ
君の為にさと 乗っちゃおうか
夏の賑わいは このおんぼろボート

「もっと早く漕げないの」 って言うから

遠慮せずに 飛んでゆけ
 アーメン号

水の上の忍者 水法師
僕の好きな人が 一驚して
蜘蛛の大群がと 抱きついてきた
あれは蜘蛛じゃないよ あめんぼ

「あーあ 抱きついて損しちゃった」 って言うから

あれはやっぱり 水蜘蛛だよ
 甘えん坊

水の上の忍者 水法師
僕の好きな人が 手を濡らし
あっちへ行けと 水でっぽう
どこにでも居るんだよ あめんぼ

「でもね さっきからついてくるのよ」 って言うから

おーまーえーどこか 飛んでいけ
 あめんぼ

風の中で揺れる 麦藁帽子
僕の好きな人が 目を凝らし
どこを見てるのよと キツイ声
ちょっと貸してねと 帽子取られ

「ねぇ 似合うでしょ」 って言うから

君はポテンシャル&ラグジュアリー
 決まってる

 その321 NHK行 2003年8月16日

打明話 1974年 「おでこの君は」から

僕のかたくなに結んだはずの誤りと
かしこまっちゃうカッコ良さが
君のさらっとした髪の中にあるコンピュータが
何時までも記憶し続けて
理解してくれるのならと思うのです

風に震う名も無い花に
たとえて話している僕です

僕の音の出ないハーモニカを
ポケットからさっと素直に
君の結びきれない唇の中にあるメロディが
何時までも描き続けて
ハモってくれるのならと思うのです

風に揺れる名も無い花に
たとえて話している僕です

僕の頑固なほどの派手やかな思い出と
空し過ぎる抵抗が
君の少女の時のように変わらないかぎりの
大人っぽさと子供っぽさがミックスして
フルーツポンチになるのならと思うのです

風に揺れる真っ白い花に
たとえて話している僕です

 その327 NHK行 2003年9月27日

イカロス 「サリーの君は ミマちゃん1」 (1974年)

子供の頃に絵本を見たの
太陽に立ち向かう男の絵本
それはイカロスとだけ書いてあって
本を閉じ涙流してしまったの

○○○○○○○○○
○○○○○○○○○
あの頂点に達した
コンプレックスの塊を
この目で見たらみんなみんな
溶けてしまいそう

私は二十歳の女の子
夜の街を戯れるのが好きなのよ
けれど心は夜空に盗まれて
流れ星の出る夜は
一つ残らず笑い飛ばすのよ

私は二十歳のお婆さんになりそう
イカロス あなたは何処へ
イカロス 遠くなっていくみたい

※思い出せない、思い出したら載せます。

 その330 NHK行 2003年10月18日

腕を引けば
 1976年 「おでこの君は」から

君はお母さんを 待っていた
湯上りの火照った顔が 大人しく
君を好きだなんて 言いそうで
手拭いを借りて 顔をぬぐった

僕より遠くを見ているような瞳で
この頃の事を懐かしそうに話す

とてもジッとしていられず
細い腕を引き
夕日に向かって駈け出しさえすれば
誰にも負けないで誰にも邪魔されず
ずっとずっと遠い所へ
行けそうで腕を引いた

君は夕飯の 支度より
夕焼けを見ているほうが 好きなんだ
だから「まだいいの」なんて 聞けないし
何時までもこうして いようと思った

僕より遠くを見ているような瞳で
この頃の事を懐かしそうに話す

雨に濡れたばかりの
芝生の上を
駈けた出した足が可愛かったのに
楽しかった事も悲しかった事も
遠くへ行けば想いでになるのか
君は別れを告げた

 その334 NHK行 2003年11月15日

天の川の流れの中で
         「サリーの君は マー坊」 (1974年)

見上げてる ここは ここは
落っこちる
落ちてくる
流される
沈む 世界
白い煙を 吹くと
あの子は
あの子は
あの子は
あの子は 泣いてる

ケンタウルスよ あの子の胸に
届け
届け
届け
弓撃つ あの子の胸に
射され
射され
射され

夢の中
夢の中 
みんな ゆ め の な か

広い夜空 見てる なら
星一つ
星一つ 
星一つ
星一つ 落とせ
白い煙を 吹くと
あの子は
あの子は
あの子は
あの子は 泣いてる

天の川の 流れの中で
見てるなら
見てるなら
見てるなら
天の川の 流れの中で
見てるなら
星一つ
落とせ

夢の中
夢の中 
みんな ゆ め の な か



星が キラキラ 光だけ
星が キラキラ 光だけ
星が キラキラ 光だけ
星が キラキラ 光だけ
星が キラキラ 光だけ

 その338 NHK行 2003年12月13日

イカロスはもう
      「サリーの君は ミマちゃん2」 (1975年)

内緒の話をね
目を閉じて 目を閉じて
内緒の話をね
目を閉じて 目を閉じて 強く

三日月めがけて縄を投げ
上手く架かれば
後ろに引いて グイッと引いて
飛んで行けば
眠くなる 眠くなる 子供のように

内緒の話をね
静かにね 静かにね
内緒の話をね
静かにね 起きたら 逆で

暗がりのスリッパが上手く履けず
上手く脱げず
なめてた飴が何処かへ転がり
見えなくなれば
眠くなる 眠くなる 子供のように

内緒の話をね
あの子にね あの子にね 
内緒の話をね
マー坊にね 話たらね そっと

キッスしてくれたの だから今日の日は
もう おしまい
優しくなって 明日また
紐解くように
眠くなる 眠くなる 子供のように

イカロスはもう
イカロスはもう
 その345 NHK行 2004年1月31日

狂いそうだから 1974年 「おでこの君は」から

涙で暮れた 毎日だった
これからどうして 生きていこう
その時君の 心の手紙が
風に乗って 運んで来た
 君のその優しさに
 君のその優しさに
 触れたい気もする
 触れたい気もする
でも 今 心が 頭が はちきれそうだから
このままずっと眠り続けていたから

一人ぼっちの 毎日だった
これからどうして 生きていこう
その時君は 花束持って
お見舞いに 来てくれた
 君のその微笑を
 君のその微笑を
 信じたい気もする
 信じたい気もする
でも 今 僕 とても 狂いそうだから
このままずっと傍に居てほしいから

 その348 NHK行 2004年2月21日

花の願い2 「サリーの君は」 (1974年)

青い鳥の 綴れ織る
絨毯の 階段を
あなたは一つずつ 登って行く
やがて広い 楽園に出て
太陽をサンサンに 受けて
自由に遊び回る

けれどその 美しい肌を
草や虫に 刺されては
穢れては困る

白い花びらの メモワール
白い花束の メッセージ
どうぞお花になって下さい

やがて風に 慣れてきて
瞬きも 休んで
あなたは少しずつ 目覚めてゆく
風の行方や 緑の輝きへ
あなたは 太陽からも
折り紙をもらっているのに

けれどその 美しい瞳は
澄んだ瞳の 少年を
見つめているどうか

白い花びらの メモワール
白い花束の メッセージ
どうぞお花になって下さい

 その 351 NHK行 2004年3月13日

対 影   (1975年)

夕暮れにもたれてタバコを吹かす
地球に大きな影が出来
私の前にも影が出来
待ってたように歩き出す
前になったり後になったり
その人は忙しないが
足並みだけはピッタリ合わせ
ともすると躓くのはこの私 

車のライトは幻覚魔
私の前であなたは泳ぐ
あなたの前で私が泳ぐなら
私はあなたの周りであなたになって
あなたの私はしどろになって
あなたの足は私の足の隙間から
伸びているのはあなたの私
一瞬あなたは北極へ行き
氷河の先へタッチして
一瞬あなたは消えるから
私はあなたよりオーライで
あなたの私は光の中へ飛び込んで
あなたの私のあなたは南極から飛んで来て
私のあなたは私の下へ滑り込む
あなたの私のあなたは重そうに
「私のあなたじゃなかったか」と
体ピクピク震わせてブツブツと
あなたの私だったはずのあなたは黙って喋る
あなたの私の口から煙草が落ち
あなたの口へと落ちて行き黙ってふかす

煙は真っ赤に萎縮して道路にへばり付き
物凄い速さで猫が道路を横切る
影も残さず

 その 361 NHK行 2004年5月22日

花の願い3   (サリーの君は1976年)

小鳥達も笑って笑って 雨上がり
あなたが外へ 飛び出すのを
見守る 夢に見守る

花になれば 花になれば
花になれば 花になれば
永遠に咲く花の 白い白い
精一杯の 花になる

小鳥達も笑って笑って 雨上がり
あなたが外へ飛び出すのを
見送る 夢に見送る

花になれば 花になれば
花になれば 花になれば
永遠に咲く花の 白い白い
精一杯の 花になる

 その 365 NHK行 2004年6月19日

赤いサンダル履いてた子  (1974年)

赤いサンダル履いてた子
笑って駈けてくる
抱き寄せるとライムの香り
ウーン ほっぺこりん

憶えたての言葉は
指きりゲンマン
かたくなに誓った
今日の失敗

チビちゃん 御伽の国の
チビちゃん チューリップの中の
チビちゃん 可愛いかった

オルガンを弾いていた
もみじのような手で
満ち溢れたんだね
白鍵の隙間から

チビちゃん 御伽の国の
チビちゃん チューリップの中の
チビちゃん 可愛いかった

窓を見下ろせない 小さな体で
長い長い 汽車に揺られて
何処か遠いところへ 行ってしまったんだろう
かくれんぼしてるなら いいのに………
いいのに………
いいのに………

 その 368 NHK行 2004年7月10日

柿食わば  (1974年)

人生に疲れた老人は 高い山に一人登り
そこの山人となり
くる日もくる日も 柿に水をやるのでした
その後姿は 長い人生の 綴れ織のように

七年も待ったのだよ
眼下潤む天の国
下界は惨めでのう
来る年はいよいよお祭りよ
息子の門出に似て

柿食わば
可愛い修撰草紙よ

八年も待ったのだよ
誰にも見つけられまいと
眼下潤む天の国
なのに何故柿色にならぬ
草と虫じゃ肥やしにならぬか

柿食わば
それさえも余生かな

九年も待ったのだよ
前の年より惨めじゃないか
高い処は息が苦しいのじゃ
鞠躬如として定まらず
こんなに老いたというに

柿食わば
愚直おちょくられ

十年も待ったのだよ
命を懸けた甲斐あって
こんなに一杯ありがたい
祭りの用意をするまでに
力一杯熟しておくれ

柿食わば
蛮人ここに新の国

明日は祭りという夜に
熟しきった柿が下界へころころ
何故行ってしまうのじゃ
魂あるなら眉間を見よ
たった一つコツンと

柿食わば
なのにおまえは渋いのか

 その 373 NHK行 2004年8月14日

ぽっぽっぽ  鳩ぽっぽ  (替え歌・2000年)

ぽっぽっぽ 鳩ぽっぽ
豆がほしいか そらマムシ
みんなで仲良く 逃げて来い

ぽっぽっぽ 鳩ぽっぽ
豆がほしいか そらCC
みんなで仲良く 逃げて来い

ぽっぽっぽ ぽつ子さん
豆がほしいか ぽつお君
二人で仲良く ぽっぽっぽ

 その 376 NHK行 2004年9月4日

レインコート   (1974年)

雨傘差して 歩いたの
雨傘差して 歩いたの
傘の中は 暖かく
どこも濡らさず 歩いたのに

帰りは 降ってない

雨靴泥除け 歩いたの
雨靴泥除け 歩いたの
足並み軽く 歩いて
みんな弾いて くれたのに

帰りは 降ってない

雨降るまで 待ってるの
雨降るまで 待ってるの
一番星輝いて
暗くなったら 走っちゃうから

降るまで待ってるの

街路灯 輝いて
街路灯 輝いて
ママが迎えに 来たの
レインコートに 潜ったら

とても 暖かくて

レインコートで 歩くの
レインコートで 歩くの
明日買って もらって
毎日学校に 着て行くの

とても 暖かくて

レインコートで歩くの
レインコートで歩くの
レインコートで歩くの
レインコートで歩くの
レインコートで歩くの

 その 381 NHK行 2004年10月9日

ポチ  (1975年)

とても短い
陽だまりの細い道
暖めるように歩いた
影踏まぬように
なのにその樹は立っていた

ポチのこと 好きだった

長い垣根
押して作った節穴
覗いたらそこは扉
指を入れて触れたら
その人は怒り狂った

ポチのこと 好きだった

扉を開けて
細い肩に手をやると
両目の瞳が濡れた
埋めて来たこの腕で
その人は泣いて言った

ポチのこと 好きだった

 その 383 NHK行 2004年10月23日

いやな日  (1975年)

吐息に震える 海鳥達
埠頭のかしらで 海鳴り待つ
知らないでいた 事だってある
君がいない日 海は青かった

年老いた若者達が 沖へと出かける
荒れるぜ その舟の舟の 行く末は

海の只中で 埴輪の指から
迷いの蝶を 飛ばせ
案ずる事は 何も無い
白い花は 汚れて咲く

浜辺の少年は 波を返している
荒れるぜ その波の波の 行く末は

 その 385 NHK行 2004年11月6日

ママがいない  (1974年)

君の目が 君の目が
風に揺れる アネモネの花に
似ていたから
風に揺れる アネモネの花に
似ていたから

大事な大事なママの
温かい手が無いのは
君の目が萎れてはくれぬ
造花だったから

ママがいない 何処にもいない
ママがいない 何処にもいない


赤い箱の 赤い箱の
金と銀のある 色鉛筆の
買い物籠がない
金と銀のある 色鉛筆の
買い物籠がない

手の中でチョコはもう
どろどろに手の中で溶けて
立ち止まった時ママの手が
するりと抜けた気がした

ママがいない 何処にもいない
ママがいない 何処にもいない

見たことも無い人の
後ろも知らない人
雨傘の下でうじうじと泣く
あの子の顔が憎い

ママがいない 何処にもいない
ママがいない 何処にもいない
ママがいない 何処にもいない
ママがいない 何処にもいない
ママがいない 何処にもいない
ママがいない 何処にもいない

―――道行く人は知らない人、その後ろも、その後ろも、
その後ろも、その後ろも―――
―――雨傘の下で、うじうじと泣くあの子の顔が憎い!
しかもウインドーに映る自分の顔を―――

ママがいない 何処にもいない
ママがいない 何処にもいない
ママがいない 何処にもいない
ママがいない 何処にもいない
ママがいない 何処にもいない
ママがいない 何処にもいない

 その 388 NHK行 2004年11月27日

花を投げる  (1977年)

あこがれのあなたに声かけて
私もキスしたこの花で
あなたも口付けしてほしい
人ごみで見えないあなたなら
花を投げて

当たれ

忘れてないのは花言葉
情熱的なこのトゲで
綺麗な血を流してほしい
十字架は結びきれない
知恵の輪で

退屈

さようならをする為に外された
心置きないその右手が
いじらしいほど小さくて
私は花をも踏むでしょう
花言葉も

忘れ

グラビアのあなたは笑い顔
セーラー服を脱ぎ捨てて
あなたの顔に漂わせ
一握りの長い髪を
今は梳かして

待つの

 その 391 NHK行 2004年12月18日

メリーゴーラウンド   (1975年)

メリーゴーラウンドに 合わせて
手をひっぱるおまえは 可愛いが
ソフトクリームの渦に
目を回しているお父さんは
ベンチで見ているほうがいい

娘よ 回りなさい
娘よ 回りなさい

何も知らない おまえは
手を引き見ていて ほしいのか
口の利けない喉から
厳つく笑うおまえの顔が
これから先も絶えないでほしい

娘よ 愛らしい
娘よ 愛らしい

メリーゴーラウンドは 回り
もしおまえが馬から 落ちても
助けを呼ぶ事は出来ないが
歯を食いしばって耐える事も
おまえにだって出来るんだ

娘よ どうぞ自由に
娘よ どうぞ自由に

  

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