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 その 393 NHK行 2005年1月2日

残り火 (1975年) 心象神話集より

風は何もかも ごちゃ混ぜにして
吐き出しそうなドブの中さへ 吹き荒れる
出鱈目な約束事が 飛び交う中で
もしよかったら言葉を宿にして 泊まっていきなよ
ありったけの似顔絵に心を入れて
木戸銭代わりに放っておくれな
きっと上手に燃やしてあげる

旅に旅ぐれ悩み通せたら
本気になれるんじゃないのかい 若い衆(ひと)

雨を見るのが 始めてなのかい
そんなに体ずぶ濡れに してまでも
似顔絵の一番 可愛いかった子だね
ついて来るとは思っていたよ 燃えきれないでいるもの
寝入ってしまった衆(ひと)を見つけほっとしたのか
裸になってムシロに包まって
まったくとんだ向い火だね

猫に口付けされてごらんなさい
とても優しくしてくれるよ おぼこ娘

昨日の嘘が 風に吹かれて
駆け出しそうな朝の気配に 続こうとしている
にじまない露だけが 風を嫌って
ただ一筋の光がほしいと 死んで生きて
朝が来たのも知らず寝入る二人
決まりの為に約束を破り
約束の為に決まりを破り

風に雇われた鳥のフンのように
悪気なんてありゃしない 生きる者

 その 398 NHK行 2005年2月5日

ボートは沖へゆく (1974年)

鳥が海に落ちた摩擦は
ボートを揺るがす
濡れた指が溶けてしまえば
この身を沈めたい

ボートは沖へゆく

忘れかけた子守唄
あらわに甦る
櫂を握るこの力瘤は
かつて優しいものだった

ボートは沖へゆく

泣きもしない海の飛沫
大人しいままで
見慣れない人が居ると思うだろう
やがて見慣れる

ボートは沖へゆく

露骨な骨組みと木理は
力がこもっている
たとえ男波が寄せて返しても
沈みはしないだろう

ボートは沖へゆく

 その 400 NHK行 2005年2月19日

祭雨 (1974年)

雨の中を歩く 待ちくたびれたから
赤い真っ赤な傘が 歩道に円を描く
蹴っ飛ばそうか 手で退けようか
蹴っ飛ばそうか 手で退けようか

赤い真っ赤な傘が ピクッと動いたから
傘の中を覗くと 棒で何かを突いている
白いお腹を 狙いを定め
白いお腹を 狙いを定め

あわや 蛙の死に様を
あわや 死なんとする様を
膝を丸くして乗り出せば
ブスッと動いた


汚れた泣きべその目は 妙に大人っぽく
もう死にかけた蛙を 止めんとする
大きい傘で 囲んであげる
大きい傘で 囲んであげる

傘の外を聴けば 共犯者にさせた君が
知らない男の人と 笑いながら通り過ぎる
鼓動が聞こえる もう沢山だ
鼓動が聞こえる もう沢山だ

今宵の 雨はお祭りだ
今宵の 雨に濡れにぞ濡れし
今宵の 雨はお祭りだ
今宵の 雨に濡れにぞ濡れし
今宵の 雨はお祭りだ
今宵の 雨に濡れにぞ濡れし
振り返ると真っ赤な傘が
ブスッと動いた
今宵の 雨はお祭りだ
今宵の 雨に濡れにぞ濡れし

 その 404 NHK行 2005年3月19日

惜別 (1974年)

叫びきれない その青さを
海を見ようとしない君は 一人花を摘む
港見れば 今日から明日へと続く
この生命を 船の先が印してる

下駄の鼻緒を 確かめて
岬へ振り返る君の 白目は童のよう
さよならだけじゃ 物足りず君は
さぁその花束へ 顔を埋めたまえ

涙を流すのは 君一人でいい
涙を流すのは 君一人でいい


君は小さい 人だから
別れの渦に消えて 見えなくなってしまう
別れの花束 今日の季節聞けば
嗚呼 涙が 瞼が 睫を 頬に

涙を流すのは 僕一人でいい
涙を流すのは 僕一人でいい

君の声が聞こえる 風に乗って
君の声が聞こえる 季節に乗って
君の声が聞こえる 風に乗って
君の声が聞こえる 季節に乗って
君の声が聞こえる 風に乗って
君の声が聞こえる 季節に乗って

 その 407 NHK行 2005年4月9日

夜のポケット (1978年) グットバイ・プレイボーイより

あなたには夜のポケットがあるんだね
お水が凍るように
冷や冷やしながら
硬くなっちゃったね
グラスを仰ぐと右足も上がるのは
あなたには夜のポケットがあるんだね

あなたには夜のポケットがあるんだね
「知らないうちが
花さ」というお花を
あなたは知ってるね
その花探しにボロボロの蝶々がね
あなたには夜のポケットがあるんだね

あなたには夜のポケットがあるんだね
何故か鳴り物入りの
腹鼓が
鳴らなくなったね
切れたらしいよボロボロの調べの緒がね
あなたには夜のポケットがあるんだね

あなたには夜のポケットがあるんだね
カウンターに腰掛け
十八番
「飲んだくれのおいらに
愛想尽かされたって仕様が無いよなぁグラスよ」って
あなたには夜のポケットがあるんだね

 その 410 NHK行 2005年4月30日

と、ブルースを (1977年) グットバイ・プレイボーイより

街はとうに頬かむりの
ポーカーフェイス
古いワインとブルースを

酔いたい程に 心切なく

チェリーを摘んだ僕の指が
優しくて
可愛い悪戯とブルースを

心の心張り棒が 外された

グラスの中のレッドチェリー
ゴキゲンだね
可愛い似顔絵とブルースを

君は飲み過ぎの 処女だね

グラスの中のハイライト
君を飛ばす
流れ星の続きとブルースを

心の心張り棒は 君の悪戯

 その 415 NHK行 2005年6月4日

お酒の香 (1977年) グットバイ・プレイボーイより

知らないんだね 私の事を
夜の道私を置けば 星だって控えめさ
煙草は遊びの 道具
あんたのような 坊やの為の
ほらほら そんなに見惚れてちゃ
咽っちゃうのは 当たり前

こうして遠くを見つめて吸うとね
涙を流さず 済むんだよ

馬鹿な話さ 酔えない夜の
最後の一本膝に抱き 優しく温めて
何もかも 飲んだのに
最後の一滴 待つ間
くるくる 地球が周ってさ
零しちゃったよ ほっぺたに

酔えない夜には涙が付きもの
空には星屑 凄かった

励ましてるんだね 私の事を
勿体つけてる誰かさんと 違うところが可愛いね
威勢良く 飲んで
空瓶できたら こちらに寄こし
ころころ 歩道に転がしてさ
引っくり返るよ 誰かさん

甘い香にも誘われてもみたよ
お酒の香 知るまでは

 その 417 NHK行 2005年6月18日

夢は眠る (1975年) グットバイ・プレイボーイより

言葉も出ないほどに
取り乱したのだから
悲しかったのだから
これから私は毒を飲んで
死んでしまうわ

夢は終わり

窓の外では今日も
夜が来たのだから
物欲しそうな夜が
私には何もあげるものは
何もないのよ

あげるものは総て

心の隙間にそっと
5度目の恋だから
5杯目の毒を
あなたの秀でた頭に腫れ物が
出来るように

夢は終わり

甘い想いに思うのは
効いてきた証拠
もう直ぐ死んじゃうんだから

あなたは優しくなって
私を向かえに来るのよ

夢は……………………………
…………………………………
…………………………………

 その 421 NHK行 2005年7月16日

微熱 (1975年) グットバイ・プレイボーイより

いつまでも笑顔で暮らせる
あなたじゃないのね
知らんぷりの顔は怖い
お酒の匂いがプンプン
部屋中たち込めて
匂うみたいでもう嫌い

カーテンを開けたなら暗い 部屋に朝日が立ち込めて
きっとベッドの上の 私は膨れ顔
ベランダの手摺で鳴いてる 雀もぶくぶく膨れて
きっと公害の所為で 私と同じだわ

何もする気がしない
何も考えたくない
きっと熱があるわ

あなたの帰りが遅いから
風邪を引いたんだわ
金曜日は何時だって遅い
あなたが投げた鼻君が
壁にへばり付いてる
子供が生まれたら見せるわ

君を乗せる船になって 荒海に向かおうだなんて
言ったあなたは ベッドで子供のよう
長い髪を切ったからきっと その所為であなたに
叱られちゃって 風邪を引いたんだわ

何もする気がしない
何も考えたくない
きっと熱があるわ

お食事の用意はテーブルに
昨日のままだから
あなたは起きたら食べるでしょ

何もする気がしない
何も考えたくない
きっと熱があるわ

やっぱり微熱だわ
スタンドを消しましょ

 その 426 NHK行 2005年8月20日

風はいらない (1977年) グッドバイ プレイボーイより

忘れられない名前が一つ
取って点けて飛ばすように
夏の盛りの花火に寄せて
遠くで見送る他人になりたい
配所の月に矛向けて

誰が点けてくれりょうか
誰が点けてたまりょうか
風はいらない

壁に手を掛け踏ん張って
この家潰す分けじゃない
口いっぱいに躍り出るわ
三日三晩の別れ酒さえ
忘れられない断腸花

花火の一つも出やしゃんせ
花火の二つも出やしゃんせ
風はいらない

一度降りた人間が
生まれ変った顔をして
軽率でしたと言い出さず
おはようを二度も言い出せば
疑われるのは当たり前

死んでから泣いてやる
死んでから笑ってやる
死んでから怒ってやる
死んでから花火は点く
風はいらない

 その 431 NHK行 2005年9月24日

私にも分かるように (1975年) グットバイ・プレイボーイより

なんにも知らないあなた
ジュータンでのびている
ヒゲが痒いのかしら
お酒より臭い人
お別れのくちづけ
悲しいのは私
知らない人に愛されて
遠くで暮らすわ

私にも分かるように
生きてほしかった

荒むあなたの心に
花一輪挿して
崩れゆくあなたに
水を挿しているだけ?
あなたの好きな花は
何というお花?
知らなうちに咲いて
萎んでしまったの?

私にも分かるように
生きてほしかった
私にも分かるように
生きてほしかった
私にも分かるように
生きてほしかった

 その 433 NHK行 2005年10月8日

鈴蘭燈 (1976年) グッドバイ プレイボーイより

一人の夜 酔い潰れ
思うがままに 身を任せ
琥珀色の 心は
グラスに なみなみと
 長き髪遊ぶよ
 鈴蘭の花園
 鳥は歌いあの子は駆けるよ

花よそんなに優しく
咲くのなら 咲くのなら 咲くのなら
あの子の あの子の あの子の花になれ

君を凍死に 放浪と
僕の心に 一敗目

手枕で 耳を塞ぎ
見える事の 目の中で
鈴蘭燈の 星が
また一つ 消えゆく
 誰も居ない宇宙に
 にゅーっと顔を出し
 気が遠くなるほどに叫びたい

宇宙に顔を出し崩れ
叫びたい 叫びたい 叫びたい
もっと一人に 一人に 一人になりたい

寝首の花は君影草
僕の心に苦敗目

 その 436 NHK行 2005年10月29日

おまえちょっとこっちへ来い (1980年)

おまえちょっとこっちへ来い
何も言いたい事も無いのだけれど
こっち来てから考える
おまえちょっとこっちへ来い

おまえ酒が好きなんだろう
飲めやまぁそれからの話だ
イケル口が笑ってる
好きそうな顔しやがって

イカの照る焼き食ってみろ
今朝採れたイキのいいのだ
獲れる時に獲ってよ
そうよ懐でかく持ってな

おまえ奴の後釜だろう
酒に酔って自転車転がして
石屋に飛び込んでよ
そうよ懐は港かもな

釣り針風にそよそよすると
何だか釣れそうにない気もするが
餌つけ海に落とせば
そうよ海は男のロマンよ

そうかい海が好きかまぁ飲めや
港には船が一杯入るか
何でも受け入れるか
腕で輪を作ればうん港に見える

そうか海に夢があるさなぁ
ひょっとしてあったかもしれんなぁ
この年になってから
海に振り返る事もある

この頃奴の墓石腰を下ろし
中休みしてから沖へ出るのさ
海はいつでも待っている
おまえ酒に飲まれちゃいけないぞ

 その 441 NHK行 2005年12月3日

東京行ったきり  (1978年)

あの子待つのは 祭りの太鼓
トントトントトント ピーヒャララ
御面被って おいでおいですれば
東京行ったきり
トントトントトント ピーヒャララ
ピーヒャララ

あの子待つのは サーカス楽団
ブンチャブンチャブンチャ ジンタタタ
ピエロ笑って おいでおいですれば
東京行ったきり
ジンタジンタジンタ 踏むばかり
踏むばかり

あの子待つのは 闇夜のカラス
カカァカァカァ わめくけど
何処にいるやら 泣いているやら
東京行ったきり
夜に夜道が 無いじゃなし
無いじゃなし

あの子待つのは お地蔵さん
石にならなきゃ 帰らぬか
青春真っ黒けと 言い残し
東京行ったきり
白い手紙も 寄こさない
寄こさない

あの子待つのは 御輿の鈴
チリンチリリン チリリリン
ワッショイワッショイワッショイ チリリリン
東京行ったきり
首に付けときゃ チリリリン
チリリリン
 その 446 NHK行 2006年1月7日

青空 (1976年)

青空の衣替えに影二つ
面白がって触れ合って
キスしてそのあと はしゃいでる
前を見ながら 後ろに飛んでいき
影は何にも言わないで
一つの長い尾を 引いた

負けん気の硬い頭に瘤一つ
面白がって撫で合って
キスしてそのあと はしゃいでる
前を見ながら 後ろに飛んでいき
拳固のような鉄棒で
もう一つ瘤を 貰ってる

青空を誰も飛びはしないから
いけない事だと思ったの?
笑ったすぐあと 笑ってる
前を見ながら ブラブラさせて
シャツが鉄棒に包まって
腕も足も伸ばしてる フィーリング

あーあー 公園やグラウンドは
子供達の足跡で
一杯で とても
歩きやすくて
走りやすくて
飛びやすくて
ワン ツー ステップ

 その 453 NHK行 2006年2月25日

眠り姫 (1977年)

忘れたくっても忘れられない 彼方の
肩車された時のように
宙に浮いていた日々
嘘っぱちではない裏切りが
そいつがとっても 悲しくってさ涙流してさ

目を閉じればだんだん眠たくなる
この世で1番の優しい贈り物
明日の朝まで 幸せに

煙草咥えたら口も利かない 彼方の
ヘンテコリンな癖がいつか
染み付いて離れない
嘘っぱちではない寂しさが
そいつがとっても 悲しくってさ涙流してさ

目を閉じればだんだん眠たくなる
この世で1番の優しい贈り物
明日の朝まで 幸せに

鏡に映る私のように 彼方の
顔は曇らなかっただけの
ただそれだけの溜息
嘘っぱちではない虚しさが
そいつがとっても 悲しくってさ涙流してさ

目を閉じればだんだん眠たくなる
この世で1番の優しい贈り物
明日の朝まで 幸せに

彼方の見る夢の中で
私は何を仕出かすか
それを探り出すまで
眠り姫

 その 457 NHK行 2006年3月25日

冬ミカン (1977年)

林檎のような愛着はないけれど
サクランボのような可憐さはないけれど
水蜜のような愛らしさはないけれど
スイカのような涼しさはないけれど
パパイヤのような南国風はないけれど

テーブルにコロンと転がした 冬ミカンがいい

イチゴのような栄養はないけれど
渋柿のような渋みはないけれど
レモンのような酸っぱさはないけれど
メロンのような高価じゃないけれど
葡萄のような粒粒ではないけれど

テーブルに並べて1番小さい 冬ミカンがいい

トマトのような赤くはないけれど
パインのような重みはないけれど
バナナのような長くはないけれど
洋梨のようなずんぐりではないけれど
椰子の実のような堅くはないけれど

ひろげて1番小さい房がいい
それを君が口に摘まんだ その時の
君の顔が とてもいい

 その 463 NHK行 2006年5月6日
 (1974年)

この大空にそびえる 盗人は
この録音された 優しい声と
どこか神経を突き刺し
もう身震いをも盗んでしまっている
静かにしかも確実に
静かにしかも確実に

山に山に魅せられて
山に山に憧れて
山に山に包まれた若者達は
数 時 知れず
眠る… 眠る… 眠る。………

この大空にそびえる ろくでなしは
この大それた 迷路と目色で
どこか遠くへ導き
もう此処より他の場所にしてしまっている
静かにしかも確実に
静かにしかも確実に

山に山に魅せられて
山に山に憧れて
山に山に包まれた若者達は
数 時 知れず
眠る… 眠る… 眠る。………

 その 469 NHK行 2006年6月17日

十字路のアイソタイプ 前編 (1974年)

十字路のアイソタイプが シンボルの扉を開け
映画でも観ようかなと考え イスに座る
12時には少し間がある 今日は天気がいい
今日は気分もいい 今日は日曜日
琥珀色のホットが 意味有りげな波を立て
砂糖を垂らすと 嗚呼とうとう沈んじゃった
ステンドグラス張りの 窓の外では
走馬灯スライド模様 色を変えて動く
お店の時計を見ると 長針は12時を指し
長い髪を分けながら 君は入ってくるだろう

彼女も人を待っているのか 時計を見ながら
そわそわしている 向かいの女の子
壁にはモナリザの 複製がかかっている
優しい微笑みが 僕の目を奪う
それにしても君は遅い 遅れた事はないのに
化粧をしているにしても 余り変わらない顔
2本目のタバコを取り 何気なく火を点ければ
恋人が入って来るって よくあるストーリーなのに
君は何故か来ない 時間も場所も合っているのに
壁に掛かった時計が 容赦なく急ぐ

電話をかけようか 外に出てみようか
車に轢かれたのではと 要らない心配をする
向かいの女の子も 待ちきれないらしく
小銭を取り出し 電話をかけている
十字路のアイソタイプが シンボルのマッチを取り出し
シーハーシーハー 暇を持て余す
向かいの女の子も 通じなかったらしく
怪訝そうな顔をして 僕の顔を見つめる
カウンターのウィンザーチェアーが 
さっきから座っていた男が
急に引っくり返り ビックリするじゃないか

それでなくったって 神経は苛立ってるのに
何故来ない何故来ない コーヒーは冷えるばかり
あれから1時間2時間 待っても現れない
それでも待ち続ける 向かいの子も待っているから
カウンターのマスターも 怪訝そうな顔をしだして
僕と向かいの子を ジロジロ見つめ出す
お店は混んでいるのに ボックスを独り占めしてるから
何だか居づらくなって 出ようかなと思ったら
親切なウェイトレスが 同じ待っているのなら
「御一緒の席で お待ちになっては」と言う

いくらお店が混んでいるからって
見ず知らずの人と座るのは
何かと都合が悪い 「でもいいですよ」
こんな処見られたら 誤解されるだろう
だけどスリルがあるし 第一君より可愛い
お互い下を向いて ちょっと白けるけれど
こんな時僕は 一人前に人見知りする
赤いミニのスカートと パッチ付きのジャケットが
バッチリ決まっている 何かと観察をする
それから1時間待っても 君は現れない
彼女も待ち続けて お尻が痛いらしい

もしかすると聞き違いで 場所を間違えたのでは
それでも待ち続ける かたくなに待ち続ける
カウンターのウィンザーチェアーが さっきと同じ男が
急にひっくり返り ビックリするじゃないか
仕舞いに壊しちゃって 本当に人騒がせだ
それでも僕は 相変わらず待ち続ける
僕達の休みの日は 日曜以外ないのだから
来れないなら来れない 理由を述べるべきである
それでも待ち続ける 僕は信じてる
君はきっと来るだろう いつまでも待ち続ける
 その 475 NHK行 2006年7月29日

トマト食えば (1978年)

  北にも負けず 南にも負けず
  西にも負けず 東にも負けない
  ユートピア
  忘れな草を君に投げて
  駆け出す僕を忘れないでね

クシャミを飲み込んで しまった人が
失敗したような 顔をしながら
笑っていると ピエロも一緒に
笑っているよ 指なんか指して
「笑うな 誰かが 泣く」

  トマトにマッチを刺して
  火を点け騒ぐのは誰?

いけない事とは思いつつ
ついつい手が出る女の子
御免なさいも言わないで
握る乳房の柔らかさ

  トマトにマッチを刺して
  火を点け騒ぐのは僕?

長い髪が伸び 乳首に触れても
とっても痒いのは 分かるけど
乱暴に掻いては いけません
そっと摘んで 右に回せば
「トマトは 真っ赤に 熟します」

  トマトにマッチを刺して
  火を点け騒ぐのは誰?

瞳閉じれば宇宙を覗き
這い出したいのはやまやまで
鼻に詰めてたチリ紙を
地面に投げれば爆発する

  トマトにマッチを刺して
  火を点け騒ぐのは僕?

 その 478 NHK行 2006年8月19日

ツクツクボウシ (1978年)

ツクツクボウシ って 知ってるかい
ツクツクボウシ というのはね

ツクツクボウシ というんだよ

ツクツクボーシ
ツクツクボーシ
ツクツクボーシ


ツクツクボウシ って どう書くの
ツクツクボウシ というのはね

ツクツクボウシ と書くんだよ

ツクツクボーシ
ツクツクボーシ
ツクツクボーシ


ツクツクボウシ って どう鳴くの
ツクツクボウシ というのはね

ツクツクボウシ と鳴くんだよ

ツクツクボーシ
ツクツクボーシ
ツクツクボーシ

 その 482 NHK行 2006年9月16日

対 夏 (1975年)

朝から
早起き支度をしてギラギラ太陽天辺に
上がらぬ内にと
夏には辛いものがイイインドカレーの
マル優を使う
グツグツと溶けてただれてく
林檎に卵に人参玉葱
煙草を一服お肉にカレー粉 みんな入れたし
味見て辛子に味見て醤油
煙草を一服お肉に胡椒 味付けも出来たし
日が昇る時間が無い
林檎に卵に人参玉葱
煙草を一服お肉にカレー粉 みんな入れたし
味見て辛子に味見て醤油
味見てお塩に味見て胡椒 味付けも出来たし
お皿に開けて底が付いて食べる内から
これしか無いのは
何故でしょね

昼から
折りからの胸焼けで何もする気がしないで
時々ゲップが出て
もう直ぐ天辺に来る御天道さん
吃驚仰天滝のような汗が流れる
ぶるぶると震え痙攣
頭痛に動悸吐気に高熱
煙草を一服汗疹に目眩 温度は急上昇
神社の御水にキャンデークリーム
煙草を一服シェイクにビール 一歩も退けはしない
日が昇る時間が無い
頭痛に動悸吐気に高熱
煙草を一服汗疹に目眩 温度は最高潮
神社の御水にキャンデークリーム
煙草を一服シェイクにビール 一歩も退けはしない
着ている服が汗で歩きずらくて転びずらくて一声
叫んだよ

あれから
早起きはもう止めて押入れの中で
ジッと待つ事に耐える
目元真っ黒髭ボーボー引かれ者の
哀れみをさらけ出して
ビービーと顔のわりに可愛く
林檎に蜜柑にチェリーにカレー粉
煙草を一服蓮根辛子 何やら思い出し
神社の御水に味見て醤油
煙草を一服キャンデークリーム 
何やらヒヤリとする
一声叫んでみたら
頭痛に動悸吐気に高熱
煙草を一服汗疹に目眩 再び震え出す
馬鹿のアホの間抜けの火男
メンコのチョンコの被れのチンポコ
色々言っみる
襖を開けて外を覗きながらも
ビールに手を出したそうに
待ちますか

 その 486 NHK行 2006年10月14日

沖へボートはゆく (1975年)

あなたの部屋の片隅に
膝を丸くして窄んでいたのは
塵を被った醜い
熊の縫いぐるみだけじゃない
君こそが化石なのだ

美しいのだよパーフェクトなのだから
そしてまた沖へボートはゆく
むんずと櫂を握り
沖へボートはゆく
ボートはゆく
ボートは沖へゆく

思いやりが溢れるほどに
思いやりに満ち溢れ
重い槍を突き刺してそして
ブロンズ像になりたいと
正義の為の真空投げ

美しいのだよパーフェクトなのだから
そしてまた沖へボートはゆく
むんずと櫂を握り
沖へボートはゆく
ボートはゆく
ボートは沖へゆく

沖へボートはゆく
ボートはゆく
ボートは沖へゆく
 その 503 NHK行 2007年2月10日

すれ違ったまま  (1977年)

あなたにも分かるお話を
陽だまりの歩道と
道行く人が居ればいい
春から生まれた君なら
分かってもらえる筈さ
分かってもらえる筈だ

考えてもみなくても淋しがりやさ
広いこの世で
たった一人の自分だもの
分かっていた筈さ
分かっていた筈だ

君とすれ違ったとともに
君を好きになってしまったから

君のその微笑を
絵にしたけど
いくら描いても駄目だった駄目だった
ゆらりゆらり
ゆらりゆらり

ゆらりゆらり
ゆらりゆらりと
陽だまりの歩道を歩く自分に出会い

君と会って何を話せばいいのかも
君の事は何一つ知らず

知らない人に頬見せてあの日
すれ違ったまま

 その 511 NHK行 2007年4月7日

横目チラチラ (1973年) 

どうしてこんな気持ちになったんだろう
もう何もする気がしない
只 君の事思っていたい
只 君だけを見つめていたい
何を見ても君の顔に見える
歯磨きも歯ブラシも君の顔に見える
人の声が君が僕を呼んでる声に聴こえる
こんなに君の事夢中なのに
何故横目チラチラ笑っているの

ロングヘアーの君は風さえ誘う黒髪で
そして静かに夢の中で休ませ
だから右から左の目に駆けてゆく
君はとても和やか
ポテトチップ好きの君に
ポテトチップも贈ったし
後は優しく愛の告白をするだけ
そしてだけどそして
だけどこんなに君に夢中なのに
何故横目チラチラ笑っているの

いつまでもこんな気持ちでいたのなら
僕の心は髭がボーボー
只 君の事思っていたい
只 君だけを見つめていたい
だって恋はいつもすれ違い
立ち止まって譲り合ってこんがらかって
みんなそうでも君と僕は違う抱きしめちゃう
こんなに君の事夢中なのに
何故横目チラチラ笑っているの

咳をすると直ぐに風邪薬を持っていってやり
雨の日は傘をさして僕は濡れ坊主
寄らずばなるまい悪い虫を
僕はつり目で睨むのです
ポテチという君の犬にも
ポテトチップを贈ったし
後は優しく愛の告白をするだけ
そしてだけどそして
だけどこんなに君に夢中なのに
何故横目チラチラ笑っているの

星のちらつく新しい夜 心抑えて
冷静さを取り戻そうと気張って
激しい呼吸を整えて
君をベンチに優しく座らせて
君の前に地べたにひざまずいて
君の優しい手に僕の手を合わせて
嗚呼僕は君を愛してる
嗚呼僕は君を幸せにする
嗚呼僕は君を信じてる
嗚呼僕は君を幸せにする

こんなに君の事夢中なのに
何故横目チラチラ笑っているの
こんなに君の事夢中なのに
何故横目チラチラ笑っているの

 その 528 NHK行 2007年8月4日

痛いほどしょっぱい物語 (1981年)

何かに躓いて何十歩もつんのめり
結局転ばなかったからといって
サバの空き缶に指を入れたら 抜けなくなったとか
ホットコーヒーストローで飲んで 火傷をしたとか
鼻の穴に紙縒りを入れて クシャミを連発させたり
小石に躓いて やっと転びましたとか

およそお前は世話しなさが尽きない
一つ山へ入り修行をしなさい

滝に打たれていたら流木が
頭に落ちてきたからといって
小鴨は尻尾の後ろで 排他的な泳ぎをするとか
ウサギの耳が温かいのは 敏捷性にマイナスだとか
カラスが鳴くのは お調子に乗っているからだとか
川に波紋が出来ないのは 所在が流れているからだとか

およそお前は狂おしさが尽きない
一つ山を下りて旅をしなさい

日一日と寿命を縮めるように
歩くのが辛いからといって
宇宙に取り残された孤児のようで 寂しかったとか
隕石が落ちてくるような気がして 怖かったとか
太陽が西に沈んだら東に走れば 早く朝に会えるとか
浜辺を駆け出して駆け出して 海はやっぱり広かったとか

およそお前はアホらしさが尽きない
一つ旅は辞めて遊んでみなさい

生まれ出たのが間違いなら
グレた人生で釣り合いが取れるといって
3―63―6と唱えて6―3を買って 連勝単式だったり
上げ底の靴に挟まったパチンコ玉を打ったら オール7が出たとか
国民的行事のダービーが取れなかったのが 悲しかったとか
宝くじ券が風に舞って郵便ポストに入り 選外になったとか

およそお前はだらしなさが尽きない
一つ遊びは辞めて海へ出なさい

 その 533 NHK行 2007年9月8日

夏に逢えば   (1977年)

あん 汗を拭き拭き心抑えて
木陰を抜ける
想い 想われたいならジッとしていろと
地蔵が言う
汗の顔で駆け込んで行けば
人は何事かと自分の汗も忘れて
これが恋なのだ
夏に逢えば 夏に逢えば
夏に逢えば 夏に逢えば
敵うもんか

あん 御輿上げれば意気も揚がるよ
汗が空を飛ぶ
祭りだ 廻し廻され犬は吠え狂い
子供ははしゃぐ
誰一人御輿を潰す事は出来ぬ
何人も御輿の上に立つ事は出来ない
それが祭り
夏に逢えば 夏に逢えば
夏に逢えば 夏に逢えば
敵うもんか

あん この道行けば何時も逢える
素敵な人
地球が 丸るく感じる瞬間
君を見つけた
太陽を鏡にしていい顔してる
太陽に娘がいるなら抱きしめて
しまいたくなるように
夏に逢えば 夏に逢えば
夏に逢えば 夏に逢えば
敵うもんか

 その 543 NHK行 2007年11月17日
葉っぱ流れの浅道を   (1973年)

葉っぱ流れの浅道を歩く
葉っぱの流れがメロディアス
あの子は着物の裾を軽く上げ
ジャブ ジャブ ジャブ
そして僕の 心を水浸し
あの子ははしゃいではしゃいではしゃいでる
あーぁ あーぁ あーぁ

葉っぱ流れの浅道を歩く
葉っぱの流れがコンチェルト
てんとう虫葉っぱの上に軽く乗せ
ゆーら ゆーら ゆーら
いざや冥加 夢見ろ植民地
あの子はしゃがんで葉っぱにシーしてる
あーぁ あーぁ あーぁ

葉っぱ流れの浅道を歩く
葉っぱの流れがテロリズム
あの子の泣き顔目に浮かぶ
むか むか むか
テロルの視線で チョイ待ちな
あの子は笑って澄まして笑っている
あーぁ あーぁ あーぁ
 その 557 NHK行 2008年2月23日

恋のスーパーバイザー (1981年)

何もかもがすべてが
それどころではなくなって
僕は彗星のように
駆け出したのさ

何時ものんびりしてたけど
躓き転びそうになって
其の儘駆け出した僕は
恋のスーパーバイザー

恋の為に 恋の為に 恋の為に
ポポパンポ パンバパン

何もかもがすべてが
青春次第のこの時に
僕はあの子に会う為に
駆け出したのさ

何時ものんびりしてたけど
そういう気分になれなくて
とりあえず駆け出す事が
恋のスーパーバイザー

君の為に 君の為に 君の為に
ポポパンポ パンバパン

恋のタイム 計っておくれ
熱々の心 燃え尽きそう
胸の炎で テープを切るさ
君が好きさ 君が好きさ 君が好きさ
ポポパンポパンバパン

恋のスーパーバイザー
バイザー バイザー

 その 573 NHK行 2008年6月14日

素敵な夜の森  (1981年)

素敵なフクロウが森に居りまして
途方にくれた旅人嘆いていると
素敵なフクロウ ホウと言って
興味ありそうにもう一度ホウと鳴くよ

いつもいつでも想っていると
いつでもどこでも友達

素敵な旅人森に居りまして
森の静けさフクロウ嘆いていると
素敵な旅人 おうと言って
何かを話したそうにもう一度おうと言うよ

いつもいつでも想っていると
いつでもどこでも友達

素敵な夜が森にありまして
大きな声の旅人素敵な声で
のん気なフクロウ 足踏みしながら
葉っぱ達も道を開け覗くのはお月さん

いつもいつでも想っていると
いつでもどこでも友達

素敵な朝が森にありまして
瞳を閉じた旅人小さくて
起きだした旅人 とても大きくて
とても昨夜の御伽噺は語れそうにない

いつもいつでも想っていると
いつでもどこでも友達

 その 581 NHK行 2008年8月9日

僕の音楽の部屋  (1973年)

悲しい心で 淋しい心で
扉を開けて 狭くて暗いけど
悲しい心で 淋しい心で
扉を開けて そこには救いの世界が
悲しい淋しい心を
打ち明けると優しく聞き入れてくれる
小さい部屋だけど愛すべき僕の
音楽の部屋

楽しい心で 嬉しい心で
扉を開けて 狭くて暗いけど
楽しい心で 嬉しい心で
扉を開けて そこには夢の世界が
楽しい嬉しい心を
打ち明けると優しく聞き入れてくれる
一人の部屋だけど愛すべき僕の
音楽の部屋

一人の部屋だけど愛すべき僕の
音楽の部屋

※曲らしい曲の付いた私のファーストソング、
配信に載せるかも

 その 599 NHK行 2008年12月13日

赤いサンダル突っ掛けて  (1977年)

赤いサンダル突っ掛けて
プイと出たきり一生過ごす
色んな事があるだろう

けれど兎に角サンダルで

赤い果実丸かじり
甘い汁が飛び散って
ついでにサンダル磨いちまって

無闇やたらと凄んでみる

やけに眩しい夕暮れに
ニヤケた視線交わす奴がいる
振り向きざまに片目に見えた

そして何時も火の車

いつも見慣れた街路樹が
今宵は何故か愛おしい
おまえは何時も其の儘で

万歳しながら揺れている

何故か気になる女の子
連れ出す前に一工夫
何か事をやらかして

そして二人で大逃亡
 その 607 NHK行 2009年2月7日

御月草紙 前半 1974年

雪のない 年の初めは
お寺の鐘も 遠くに聴こえ
捉えるより先に 聴こえてきた風鈴が
お酒を啜る 勢い音に
チリンと鳴れば チャリンとお得よと
沁みやがる 旅人なればこそ
月が笑ってるよ 月が笑ってるよ
悲しいねって 月が笑ってるよ
悲しいねって月

雪のない 年の初めは
お寺の鐘も 遠くに聴こえ
しばれる事も ないのだろうこの街さえも
風鈴の 釣鐘撞いて
チリンと鳴れば チリンと鳴れば
正月は終わる 旅人なればこそ
月が笑ってるよ 月が笑ってるよ
淋しいねって 月が笑ってるよ
淋しいねって月

隣の人は 何する人ぞと
巷もどきの 売り言葉
買っちゃいけねぇ 忘れたはずの言葉は
横顔見せて 仰ぐ月も
白けた心に 白けた心に
この罰当たり 旅人なればこそ
月が笑ってるよ 月が笑ってるよ
虚しいねって 月が笑ってるよ
虚しいねって月

 その 631 NHK行 2009年7月25日

仮題 愛 (1981年)

時々こちらを振り返る君は
まだ何も話してくれてはいない
時の流れの一コマなのだから
聞くともなしに見るともなしに

君はロッキングチェアを揺らしてる

ほらまたこちらを振り返る君は
本を閉じ寝返りをうつ僕に
何の抗議かチェアを揺らす
ニヤリともせずに噴き出しもせず

僕は疲れたように目を閉じる

眠ってしまった夕暮れの目覚め
夢の中で君は僕にこう言った
「あなたを愛する理由はなくて
ガーネットは花ではなく石」

静かに眠る君にそっと口づけ

 その 664 NHK行 2010年3月13日

御月草紙 後編 1974年

のれんを分けると 千鳥足
身動き出来ないと 弱気になる
それもまた いいだろうと道からそれて
冬に生きる 草や木に
小便かけて 小便かけて
春をあげる 旅人なればこそ

月が笑ってるよ 月が笑ってるよ
ほろ酔いだねって 月が笑ってるよ
ほろ酔いだねって月

風呂上り 気分がいいので
手拭いを 頭に巻いて
片目を瞑って 下駄の片足ちょいと上げりゃ
カンラカラカラと お待ちなせぇ
風が知らん振りで 赤くなると
月がゲラゲラと ゲラゲラと笑う

旅人なればこそ 旅人なればこそ
月が笑ってるよ 月が笑ってるよ
良かったねって月

橋の真ん中で 立ち止まる
もたれた肩が とても重い
訳の分からない 荷物を背負ってるようで
川の中へ 自分を映すと
月が真下に 真下に浮かんでた
駆け出した 駆け込み駆け出して

駆け出して 駆け込み駆け出すと
月も横で 流れてゆく
笑っちゃったゲラゲラと笑っちゃった
笑っちゃったゲラゲラと笑っちゃった
可笑しいねって月
  その 863 NHK行 2014年12月4日

空の上に畳を敷いて (1978年)

空の上に 畳を敷いて
寝っころがってみたい
生まれたばかりの 空気を吸って
ううん いい気持ち とっても
いい気持ち

雲がもくもく体を くすぐるので
私は眠れない

空の上に 畳を敷いて
窓を付けて寝たい
雲が畳を 持ち上げてるようで
ううん いい気持ち とっても
いい気持ち

雨がザァザァ 寄せて来て
私は溺れそう

空の上に 畳を敷いて
屋根を架けて寝たい
聴こえてくるのは 優しい声
ううん いい気持ち とっても
いい気持ち

眠りの精が変に 抱きしめてきて
私は眠れない

空の上に 畳を敷いて
二部屋にしたい
あなたそっちで 私こっち
ううん いい気持ち とっても
いい気持ち

広い大空の 雲に抱かれて
やっと眠れそう

  

打出の小槌を隠したね (1978年)

君の声で 目が覚めて
昨日からも 生きている以上
今朝の目覚めも 芳しくない
君は猫と じゃれ合って

猫の尻尾と 君の顔を 踏まないように
お腹が空いてて 歩けやしない

ねぇ君 打出の小槌を隠したね
君がいつも 使ってるやつ ウゥーン


とても美味そうな 真っ赤な林檎
熟した林檎は 一度空に
ポーンと 放り投げてから
一齧り したいもの

朝の食事 君の好きな メニューにしよう
林檎一つじゃ 持ちゃしない

ねぇ君 打出の小槌を隠したね
君がいつも 使ってるやつ ウゥーン


猫も君も 目が回る
朝から 騒々しいのは
きっと今日は 日曜日で
何にもしたく ないんだね

昼の食事 君の好きな メニューにしよう
僕はもう一度 眠るのだから

ねぇ君 打出の小槌を隠したね
君がいつも 使ってるやつ
ねぇ君 打出の小槌を隠したね
僕がいつも 使ってるやつ
ねぇ君 打出の小槌を隠したね
君がいつも 使ってるやつ
ねぇ君 打出の小槌を隠したね
僕がいつも 使ってるやつ ウゥーン




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