(補足)
作者によるあとがきによると、「ライオンハート」というタイトルは、ケイト・ブッシュのセカンド・アルバム('78年)のタイトルに由来するとの事。ケイト・ブッシュはデビュー・アルバム『天使と小悪魔』は持っていました。才能のある人ですが、ちょっとエキセントリックなところがついていけない感じでした。ピーター・ガブリエルの傑作アルバム『So』の「Don't
give up」という曲で、デュエットとして参加していて、これはとても好きな曲です。
恩田さんは、あとがきで "この小説はロバート・ネイサンの「ジェニーの肖像」への個人的なオマージュである"
とも書いています。この作品はジェニファー・ジョーンズとジョゼフ・コットンの主演で映画化されていて、以前紹介した『聖なる春』/久世光彦 の中でも言及されていて、見たいと思いつつまだ探しあぐねています。
中学1年のとき、本郷の映画館で観た「ジェニーの肖像」という映画があった。目の粗い画布の上に焼きつけられたような、ぼんやりと懐かしい画面の映画だった。私は祖父といっしょだった。暗い映画館の客席で、私は祖父に気づかれないように、咳(せき)に誤魔化しながら泣いた。何度も、泣いた。
『聖なる春』/久世光彦
この小説の構成は、各章の扉に掲げられた絵に続いて、それぞれに短い"プロムナード"が置かれていて、これはムソルグスキーのピアノ組曲『展覧会の絵』の趣向に倣(なら)ったものです。ピアノ独奏でも演奏される機会の多い曲ですが、ラヴェルによるオーケストラへの編曲版も有名です。さらにまたキース・エマーソンにより編曲、演奏されたロック版(『展覧会の絵』/EL&P
'71)により、一層ポピュラーな曲となりました。 |

So '86
Peter Gabriel

展覧会の絵
ベルマンによるピアノ独奏と
カラヤン指揮のオーケストラ
演奏がカップリングされている
|