InterDiscount

9月17日(火)、今日も快晴だ。 Andermattの朝は寒い。 氷点下近いと思う。 朝食前に近くを少し
散歩する。 昨日は余裕が無くて気が付かなかったが、美しい町だ。 道路は全て石畳になっており、
Gasthausのすぐ横には川が流れていた。 アルプス山中にあるためか水量は豊富で、乳白色の美しい
色をしている。 町の中を歩いていると、まるで中世にタイムスリップしたかのようだ。

朝食を取り、Gasthausを出発してOberalpassへ向かう。 昨日に続いてアルプス越えのツーリングを堪能する。
ライダーが多い。 そのほとんどがビッグバイクで、2台に1台くらいの割合でタンデム。 ライダーの年齢層も
40〜50歳代が中心だ。 バイクツーリングは大人の趣味として認知されているのだろう。 日本とはバイクを
取り巻く環境が余りにも違いすぎる。

Churに着きバイクを停めて、通りがかった人にカメラ店の場所を
聞くと、「あそこだよ。」と指差してくれた。 InterDiscountという店は、
ちょうど日本の郊外の家電量販店といった感じで、広い店内には
ありとあらゆる電気製品が揃っていた。

日本製のカメラで手頃な物があったので見せてもらう。
ノーマルタイプでセルフタイマーも付いていて、私の三脚も使えて
CHF 73.90 Andermattにあった同じようなカメラよりかなり安い。
私はこのカメラを買った。 ついに新しいカメラをGETした。
Andermattの彼女に感謝したい。

Churのオープンカフェで昼食。 ヨーロッパは何処へ行っても必ずオープンカフェがある。 これが実に
快適で、旅行者にも人気があるようだ。 私もツーリング中の昼食は、毎日オープンカフェで取った。
日本でも最近は都市には増えてきたが、ツーリングで田舎に行くと見つけるのは難しい。

今日はST.MORITZ経由でイタリアに入国する予定だったが、時間的に難しいと判断、Churから高速に乗り
北上してリヒテンシュタインを通りオーストリアに入国する事にする。 ヨーロッパの高速はマナーも良く
走り易い。 ただし日本よりかなり流れが速い。 追越車線は150kmくらいで流れており、200km以上で

飛ばしている車もいる。 追越には注意が必要だ。 前回はネイキッドの
ゼファー750だったので追越には気を使った。 追越車線に後続車が
いないのを確認して追越を始めても、速い車にすぐに後ろに付かれた。
しかし今回のバイクはZZ−R1200。 追越中に煽ってくる車は
いなかった。

リヒテンシュタインを通りFELDKIRCHからオーストリアに入国、国境を
越えても停められる事も無くフリーパス。 もはやEUは一つの国といった
感じだ。 BLUDENZからは188号を通り、また明日からのアルプス
越えを考え、Schrunsという小さな町のGasthofに泊まった。

(ガストホフ EUR 29.)


美しき迷宮、メラン

9月18日(水)、今日も快晴、ヨーロッパに来てから5日連続で晴れだ。 昨日は疲れのピークだったようだ。
昨夜の8時から今朝の7時まで寝てしまった。 これまで時差ボケのせいか2時間おきくらいに目が覚めていた

が昨日はぐっすり眠れた。 そのせいか今日は調子が良い。 今日は
イタリアに入国する。 Schrunsを出発し188号を進むと料金所があり
EUR 10.20も取られた。 道はその直後からいきなり急な上りに。
ここはHOCHALPENSTRASSE、つまりドイツ語で「高いアルプスの道」
という意味だ。 走ってみると確かにその名の通りのワインディングで
氷河を頂いたアルプスも見え、美しい所だった。

Landeckから180号で南下しイタリア国境の峠へ。 イタリアへ入国
すると、いきなり美しい湖と氷河を頂いたアルプスが。 あまりの
美しさに息を呑む。 Reschen湖と言うらしい。 湖の前のパーキング

にバイクを停め、湖を見ると湖上から教会の先端が突き出ている。
一体何の目的でどうやって建てたのだろう?

その湖からは、なだらかな下りの快適な道が続く。 イタリアに入ると
急に道が悪くなるとか、運転が荒っぽくなるとか聞いていたがそうでも
ない。 おそらくまだドイツ語圏だというのもあるのだろう。 走っている
車もドイツのナンバーが多い。

38号を走りMeran(メラン)という割と大きな町に入った。 ツーリング中
に少し大きな町に入ると、走るのに気を使う。 田舎は一本道なので、
右側通行にさえ気を付けていれば後は楽だ。 でも大きな町は交通も
複雑になり、目的地を見つけて迷わずその方角へ進むのは、結構大変だ。 Meranの町は緑が多く、まるで
公園の中にあるような美しい町だった。 でもその景色に見とれている余裕はない。 夕方になっていたので

さっさとMeranを通過して、小さな町で宿を見つけたかった。 ところが
とても簡単に通過できるような町ではなく、完全に迷ってしまう。
輪嘶舎メンバーの林さんがヨーロッパツーリングをした時に撮った
ビデオに、この町で迷いまくっている様子が収録されているのだが、
その理由が分った。 まるで迷宮のような町なのだ。

2度のヨーロッパツーリングで多くの都市を通過したが、こんなに複雑な
所は初めてだ。 バイクを停め、近くにいた人に道を聞いたら親切に
地図を書いて説明してくれたのだが、さっぱりわからない。 でも
Jaufenpass(ヤウヘンパス)を目指せ、と言ってくれたので、次々に

現れるロータリーにさしかかる度にJaufenpassを目指して走ったら、
やっと脱出できた。 バイクを停めた場所からMeranを脱出するまでに、街中だと言うのに5〜6箇所も
ロータリーがあった。 なんて町だ。 外国人が自力だけで通過するなんて、絶対不可能だ。

Riffianという小さな町のペンションに泊まる。 夕食は近くのレストランに入り、イタリアに来たらパスタが
食べたいと思っていたのでトマトソースとゴルゴンゾーラチーズのペンネ、ビールを注文する。 出てきた
ペンネはとても美味しかったが、例によってヨーロッパサイズ、1人前とは信じられないくらい巨大な皿に
盛られていた。 彼らはどうしてこんな量を平らげられるのだろう? やはり胃袋のサイズが違うのだ。

頑張って食べたが、やはり残してしまった。 ウェイトレスが「下げてもいいですか?」と聞いてきたので、
「とても美味しかったが、もう満腹です。」と片言のドイツ語で言うと、まわりの客からどよめきが上がった。
それはとても温かみのある笑いで、「言葉の不自由な外国人が、よくドイツ語で話したね!」というニュアンスが
感じられた。 ヨーロッパでは田舎に行くと皆親切だ。 ホテルやレストランで食事をしても、知らない人にも
必ず「おはよう。」「さようなら。」といった挨拶をする。

私のドイツ語は挨拶程度のひどいものだが、それでも少し意思疎通が出来ただけで、なんだか自分が
もっと自由になれた気がする。 先のウェイトレスに「もう満腹です。」と言うと、「カイン・プロビレーム
(ノー・プロブレム)」と言ってくれた。

(ペンション EUR 25.)


Timmelsjoch

9月19日(木)、昨日までの快晴とは打って変わって、朝からどんよりと曇っている。 今にも雨が降り出し
そうだ。 今日はイタリアから再びオーストリアに入国する。 昨日イタリアに入国したが、ドイツ語圏の為か

あまりイタリアに来たという気がしなかった。 でも、このペンションの
部屋を見ると、ドアやカーテン、ソファなどがオレンジで統一されている
ので、ああ、やっぱりイタリアだなぁ〜と思う。 スイスやオーストリア
の宿にはこのような色使いは見られない。

Timmelsjoch(ティムメルスヨッホ)を走りオーストリアに入国することに
する。 Timmelsjochはすごい峠だ。 ほとんど垂直に切り立った崖を
上がっていく。 まっすぐ上り180度ターン、又まっすぐ上がり180度
ターンを繰り返す。 道は狭くコーナーはアウトに振らないと、とても
曲がりきれない。

トラックやバスは切り返しをしながら曲がっていく。 対向車がコーナーに侵入してくると、こちらは手前で止まり
待っていなければならない。 ガードレールはない。 ちょっとバランスを崩して倒れたらおしまいだ。
よくこんな所に道を作ったものだと思ってしまう。

峠を上りきるとオーストリアとの国境になり、イタリア側とは打って変わって
なだらかで雄大な風景が続く。 ライダーも多い。 Söldenというスキー
リゾートの町で友人へのお土産にTシャツをまとめ買いし、昼食、再び
走り出すとついに雨が降り出した。 バイクを停めてレインウエアを着る。

まあ、これも仕方ない。 ロングツーリングに雨はつきものだ。 しかし
しばらく走ると雨が上がったので、レインウエアを脱いで、再び走り出す。
186号から132号を通りLandeckへ。 ここからは197号を通り、
明日ツーリング最終日にArlbergpassの峠越えを楽しみに取っておこう
と考え、その手前の町で宿を探すことにした。

Flirsch、Schnannという小さな町でZIMMERを捜すが、何処も満室だと断られてしまう。 満室なんて嘘だ。
どの町も観光客などほとんどいなくて閑散としている。 そうしたらまた雨が降り出した。 こういう時は

本当に心細い。 次の町Pettneuでも何件か断られ、次の町へ
行こうとしたら、町外れにGästhaus(ゲストハウス)があった。
停まってどうしようか考えたが、一応バイクを降りて聞いてみた。

「こんにちは。 部屋は空いてますか?」
すると高校生くらいの少年が出てきた。
「ハイ、空いてます。」 助かった。
「でも今、お母さんが近くまで出てるので、料金は分らないんですが。」
なにぃ〜。 お母さんが戻ってきて「うちは満室よ。」なんて又断られる

んじゃないのか。怖そうなお母さんだったらどうしよう? とにかくこの少年に決定権がない事だけは確かだった。
「お母さんはいつ戻るの?」
「後1分くらいだと思います。 すぐ近所に行っているだけなので。」
「それじぁ、待たせてもらうよ。」

するとお母さんが戻ってきた。 「こんにちは。 部屋は空いてますか?」・・・
「ハイ。」 その言葉とその人の顔を見て安心した。
とても優しそうな人だ。 シャワーを浴びて、近くにレストランがあるか
訊ねた。

「あそこに教会が見えるでしょう。」
「はい。」
「ここの道を降りて行って教会を目指して歩くの。 そうするとトンネルが
あるから、そこをくぐってまた少し歩くと教会に出るから、そこまで行けば
すぐに見つかるわよ。」

「歩いていくと10分くらいかかるかしら。 でも今はシーズンオフだから営業しているかどうか分らないけど・・・」
「ははあ。」

どうやらドイツ語でそんな事を言っているらしい。 雨の中10分も歩いて営業していなかったらどうしよう、
と思ったが、傘を借りてとりあえず行ってみた。 そのレストランは営業していて、すぐに見つかった。
その店の料理はとても美味しかった。 肉とポテトにはいい加減うんざりしていたが、この店の牛肉の
料理とフライドポテトは味が良かった。 前回のツーリングでも感じたことだが、オーストリアは料理が美味しい。
もちろんフランス、イタリアも料理は美味しい。

ドイツはひどかったが、オーストリアは同じゲルマン民族なのになぜか料理の味付けが繊細だ。 それと
ヨーロッパサイズへの対応策も分ってきた。 料理を注文した際「クライネ・ビッテ(スモール・プリーズ)。」と
付け加えると、日本人には程よい量になって出てくるのだ。 サラダバーも付いていて、ビールも注文して
EUR 11.80だった。

(ゲストハウス EUR 29.95)


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