2001年を考える
構成
1 20世紀を振り返る(20世紀の100年はどのような時代だったか)
2 企業をとりまく経営環境の激変(日本経済の状況)
3 21世紀はどのような時代になるか
4 外食産業市場の変化
内容
............................ 1 20世紀を振り返る
1901(M34) 1912(T元) 1917(ロシア革命)
1926(S元) 1939(2次大戦開始)
1989(H元)(東欧革命) 2000(H12)
キーワード 明治維新〜近代国家の成立
第2次世界大戦終結 軍事国家〜資本主義国家
金融ビックバーン 1国経済〜世界経済
IT革命 時間と距離の短縮 企業中心〜人間中心
地球環境問題 人類共通課題の誕生
20世紀を振り返る
20世紀の前提
・19世紀後半は、アメリカ、ドイツ、イギリスを中心とした、鉄鋼、化学、石油、内燃機関、電気などの産業分野で、第2次産業革命といわれるほど重要な技術革新を受け、発展した産業資本主義の新時代であった。この技術をいかし、工業原料を大量に消費することで、20世紀の製品の大量生産、消費型の資本主義が形成される前提が出来上がった。
・大量生産を継続可能とするために、有力企業、銀行が販売提携、合併をおこない、巨大資本を成立させた。19世紀末には世界が、各産業分野の有力銀行を中心に数グループの巨大企業を成立させるにいたった。
20世紀の特徴
・ 産業発展のための資源の確保、製品の販売市場の拡大のために、欧米列強の植民地政策が強化された。巨額な資本投下がされ、鉄道、運河、港湾、通信設備が整えられ、更に競争が激化した。その結果、資本主義国の利害があらわになり、植民地支配をめぐり、世界規模の戦争を招く。
・第1次世界大戦(1914~1919)第2次世界大戦(1939~1945)
・ふたつの戦争、第一次世界大戦中に ソ連が成立(1917)
第2次世界大戦後に 中華人民共和国成立(1949)
・ 資本主義国と世界を2分する勢力として、社会主義国が成立
・ 20世紀の世界秩序をもたらす。
アメリカとソ連の覇権争い
・第2次世界大戦後 戦後処理、新秩序をめぐり、米ソの対立が濃厚、 鉄のカーテンがしかれ、ベルリンの壁が築造され、対立は決定的に。
・軍拡競争により、ソ連は疲弊し、経済的にゆきづまりをみせる。
・ゴルバチョフ登場 ペレストロイカが始まる80年代後半から、各社会主義国内の政権が揺らぐ。ソ連崩壊 東欧革命 (1989)ベルリンの壁崩壊。
・冷戦終了をみこし、アメリカは80年代後半、経済再生政策の準備をおこなう。国家的「巻き返し」戦略。情報通信産業、金融産業にてとりくむ。
第3次産業革命 1990~アメリカ主導
・自由主義的市場経済のグローバル化、金融自由化 IT革命がアメリカ主導によって推進される。これによって、アメリカは製品はアメリカ以外で安くつくり、安いもの、欲しいものを世界中から輸入し、貿易赤字を累積しながらも、金融産業によって資本を国内に集中させる。その資本を世界中の新興市場にて運用し、利益を生むシステムを導入した。しかもIT革命はその利益をかつてないスピードで獲得できる、同時性(時間と距離の短縮)を可能とした。
日本の20世紀
・遅れた列強国として、アジア地域の植民地獲得戦争に参加。
アメリカに敗北する ポツダム宣言 (1945)
・戦後は、自由主義国の一員として、アメリカに政治的、軍事的な主導権を奪われる。経済に力を集中させ、自動車、工作機械、エレクトロニクス、半導体メモリー、カメラなどの製造業分野で世界一の市場占有を誇る。
・80年代後半から90年までの経済の絶頂期を迎え、バブル経済の崩壊(90年代初頭)にいたり、90年代は、製造業では、勝利は困難と判断したアメリカの新戦略によって、日本は経済の主導権を奪い返され、金融業界の不良債権処理、国債の累積により、国力が低下する。「失われた10年」を迎えた。
・金融とITの分野で、日本がアメリカに10年でおいつければ、製品開発における随一の技術力をもつ、日本の復活も可能ではないか。
地球環境問題
・19世紀後半から新段階に入った資本主義国による産業発展により、地球環境は激変しました。地球温暖化がその主原因ですが、これは、発電所、浄水場、廃棄処理場、下水処理場での燃料使用、自動車のガソリン使用、物品の製造時のエネルギー使用などによる二酸化炭素の発生によってもたらされました。
二酸化炭素の温室効果によって、地球はこのままでは、2100年までに気温が2度上昇されると考えられます。
・気温が2度上昇すると海面の上昇による人口密集地、産業地の水没。異常気象の増加。自然環境の悪化。食料生産の不安定化。健康被害、公害の加速などがおこり、生活環境が危機にさらされます。・こうした地球環境問題は、20世紀における人類共通の課題であり、戦争と競争の100年から共存共存の100年へと21世紀はむかうのではないか。
2 企業をとりまく経営環境の激変(メガコンペティション)
金融ビッグバーン(1996)アジア金融危機(1997)
ロシア金融危機(1998)ブラジル金融危機(1999)
アメリカ ニューエコノミー(1990〜)
ジャパンプレミアム(1998)
金融業界(銀行)再編(1999)
損保と生保の垣根を越えた統合(2000)
失われた10年 経済低成長 2%
赤字国債 760兆円
リストラ(日産リバイバルプラン)
キーワード 規制緩和 顧客ニーズの多元化 成熟社会 情報化
ボーダレス化 リスクの巨大化
90年代初頭のバブル崩壊によって、日本経済は、財政再建と不況の克服に迫られています。しかもその課題を 同時に金融緩和、市場開放策をとりながら行わなければなりません。このような経済環境はそのまま経営環境 にも直接影響します。
3 21世紀はどのような時代になるか
未来像 ITによる情報の世界のスピード化と集積化と一体化
電化製品、電子機器すべてがインターネットで結ばれる
(端末による遠隔操作が可能)
ビジネス環境、生活環境がより効率的になる
生活環境 快適なアメニティの出現
地球環境の悪化 科学技術の進歩により環境の復元が可能?
医療技術の進歩 遺伝子治療 予防、免疫学の進歩
⇒高齢化社会貧富の差の拡大 セーフティネット構想
日本経済予測 経済成長率 2% ⇒1%へ 輸出減 輸入増 貿易赤字国へ
国債残高 939兆円(2035)
社会保障負担の増加におよる国民負担率の上昇
失業率の上昇 3.5%から4.6%へ(2035)
貧富の差の拡大 セーフティネット構想
21世紀はIT革命の進展と科学技術の更なる進歩が予測され、生活は情報化がすすみ快適になり、人は生活空間にゆとりを求めることが予想されます。しかし一方で、ビジネス環境は競争が激化し、貧富の差が拡大し、ゆとりが欲しくてももてないことも予想されます。
4 外食産業市場の変化
現在 将来
市場規模 29兆円 市場規模 34.4兆円(2010年予測)
FCの市場占有率 2.9兆円 10.4% FCの市場占有率 5.1兆円 15%
チェーン店市場占有率 9.3兆円 32% チェーン店市場占有率 14.7兆円 43%
その他市場占有率 16.8兆円 57.6% その他市場占有率 14.6兆円 42%
一般家庭外食比率 39% 一般家庭外食比率 44%
食環境の見直し、衛生管理システムの導入 食品原料の厳選 衛生管理システム導入義務化
経営環境の激変、IT革命の影響、化学技術の進歩、雪印事件にみられる
消費者の衛生意識の変化は外食産業にも少なからず影響がでる