マンガベストテン

気まぐれに そのうちベストテン は入れ替わります。

講談社版を経てバイオレンス度を増した本編は、もはや少年誌での掲載は不可能。殺戮と強姦の荒野に人間性とは何か、深く考えさせられる。

永井豪 

バイオレンスジャック

日本文芸社 

全31巻

 バイオレンスジャックを初めて読んだのは、今から28年前のこと。関東地獄地震で一人ぼっちで荒野に放り出された少年竜は私と同じ年であった。その少年竜が、不動明・デビルマンの化身ジャックによって命の炎を与えられ、たくましく生き抜いていく。やがてジャックとスラムキングとの最終闘争(人犬と化した飛鳥了とスラムキングは合体し、サタンとして復活する)をへて、関東に平和を取り戻した竜の、年老いてバイオレンスジャックを懐かしむ回顧のラストが感動的である。                

パイレーツの熱狂的ファン多いけど、あっしは、ひばりくん。

江口寿史

ャラ者

双葉社

江口寿史って過去の人? イラストレーターじゃないっていう人。以前より早いペースで漫画書いてます。このキャラ者。絶対読むべし。本当笑えるよ。他の漫画のパロディのサービス(Tシャツに張り付いて血まみれになってるピョン吉)、主人公特殊ぬいぐるみのプックンのキャラには、憎めない魅力あり。さすがキャラがたってる江口さん。

デビュー作 はるかなる朝のラストシーンは感動した。ブルーシティもよかった

星野之宣

宗像教授伝奇考

潮出版社

画がとにかくうまい。同じ手塚賞出身者の諸星さんは独自の画風で独特な世界観を展開しているけど。星野さんは丁寧に史実を追求する姿勢は、漫画界随一。物語も自然に引き込まれる。とくに感動した「白雪姫」や「猪頭伝説」など、伝説や民話が、人々の願いや憎しみの物語であることを強く意識させる

その人間関係の間接性は、永井豪と正反対にある。直接に地をはい、血を流す永井に対するEVAのやさしさは、あっしらの世代では、わかるんだけどやはり豪ちゃんに軍配ありかな

貞本義行

(GAINAX)

新世紀エヴァンゲリオン

角川書店

なぜ、エヴァかといわれそうですが、漫画のエヴァは、シンジが成長していることがわかるんですよ。アニメ版は綾波に引っ張られわからないかもしれないけど。アニメ版にない、たくましい成長を期待したい。少年琢馬竜のように。無理かな。

富江がだんだんきれいになっていくとこがすごい

伊藤潤二

富江

朝日ソノラマ

伊藤潤二さん、うずまきもすごいけど、富江の恐ろしさ、気持ち悪さは並大抵じゃない。有機物となっても男にまとわりつく本能。いったいどういうDNAしてるんじゃ。しかし、本当に管野美穂ににてる。怖いというより、究極のストーカーといったほうがいいね。

スラムダンクのラストシーン30秒間のコマわり、カットは伝説になっている。あんな描写そうそうできますか

井上雄彦

バカボンド

講談社

こんなに売れているのに、静かすぎ、丁寧すぎる武蔵に魅力がなくなってきている。やはりスラムダンクのインパクトが強すぎたのか。でも画がうまい。

比べてはいけないが、「あずみ」のほうが、漫画としてかなりすごいと思う。

画がうますぎてストーリーが死にかけている。

グラップラー刃牙 終了後連載開始。世界の殺人狂、無法者たちとのバトルは空前絶後。

板垣恵介

バキ

秋田書店

文句なし。最高。いろいろ賛否あるが、今ある格闘技漫画で最高峰でしょう。しかし、自由の女神をこぶしでくだく男の鉄拳を数限りなくくらってしなない花山薫。どういう体質してるんじゃ。ガソリンかけられ、火つけられて燃えてもしなないドリアン。貴様もじゃ。

でも漫画だから許す。それ以上にリアリティがある。すごい。

なんとこの本は、荻原さんからいただいたものです。

ならや

たかし

ケンペーくんの鬼畜天誅記

KKベストセラーズ

今のわかもののバカさ加減を描きだす。そういうばか者どもは天誅とばかりに、首をきり血しぶきをあげる。女とてようしゃしない。バカはセックスも結婚も許さんというのには笑える。

このケンペーくんの気持ちわかるんだけど、自分もきられそうで怖い(笑い)

ほっとするひと時

田河水泡

のらくろ漫画大全

講談社

のらくろ 小学校のとき、よく読んでました。アニメ版の大山のぶ代さんの声が忘れられない。しばらくたって、またのらくろやってると思ったら、ドラえもんでした。

SEX も完了していない。どうも描きなおしてるらしい。いまや江口さんよりも遅筆。TO−Y以来一貫して大ファン。

上條淳士

赤×黒

小学館

本当は1位でもよかった。静かすぎる点ではバカボンドと同じなんだど、なぜか上條さんの世界に入りこむ。これを格闘マンガといっていいのか。文芸だよ。こんな高校生いるかい。

いたら尊敬する。これぞ求道者の真の姿だ。