エリザベート 2004.4.3(土)ソワレ観劇 座席1階I列24番(当日購入。)

内野トート&石川フランツ&パクルドルフ&今エルマー

予定してなかったんですが(笑)ついつい近くまできたもんですから(日記参照。)^^;

当日だというのに、9列目のセンターブロック下手寄りが取れてしまい、複雑な心境の私。
まあ、1人だからっていうのもあるんでしょうけど。
それとも、組み合わせによっての人気の度合いっていうのもあるんでしょうか?

そして、死霊たちが出てきて初めて私は本日のWキャストに気付いたのでありました。

どうしても気になること。
シシィが木から落ちるシーン、益々すぐモノクロになって消えていった感じがしたのですが・・・。気のせいでしょうか。
なんだか、観ててすごく雑な印象を受けてしまんです。
今更演出変えられないから、とっとと終わらせちゃいました、みたいな。(すみません、毒はいてます^^;)
せめて、シシィの落ち方、もうちょっとリアルにならないものでしょうか?

「愛と死の輪舞」、やっぱりシシィを初めて観たときのトート閣下の表情と、生き返ったシシィが「そこにいるのね?」と歌ってるときのトート閣下の背中、やっぱりツボです^^;
特に、「背中」ですが、冷静に去っていこうとするのに、シシィの声に反応してしまい、ビクッと動き、ほんのちょっと左を向いてました。
振り返りたいけど、振り返らない。トート閣下の、「愛のタブー」に踏み出したその強い想いが伝わってくるかのようで。
内野さんはホント、繊細に表現するなあ、と何度観てもうっとりです。

シシィとフランツの世界、「天と地の間」ですが、シシィが「幸せになりましょう♪」と歌うと、それに対して石川フランツは「ああ!」とか笑顔ではっきりした声で相槌を打っていました。
操り人形のようにただ淡々とゾフィに従ってきたフランツが、初めて自分の意思を通し、心が解放されたというか、幸福を感じた瞬間のように思えました。
あ、そういえば「最初に一つ言っておかなければいけない」の前に「シシィ、いやエリザベート」と言っていたのですが・・・ちょっと気になりました。

ここの部分の歌詞、前公演と「逆」になってるんですよね。
前公演は不安なシシィにフランツが「馬に乗って・・・ 2人で世界を回ろう・・・」と言って、シシィが結婚に少しずつ前向きになっていく、という歌詞。
今公演は最初聞いた時、最初からシシィが主導権を握ってる(?)ような歌詞だなあ、と思ったんです。(「幸せになりましょう 2人で馬に乗り〜」)
「どっちがシシィの心情に近いんだろう?」と何度聞いても考えてしまうのです。
実際のエリザベートは、「事の大きさに不安をもらし、そのベールの下の表情は青ざめていた」と聞きます。(本で。)
あー、でもそう考えると、もしかして今回の演出の方がよりリアルなのでしょうか。
結婚式の時には無表情で操り人形のようにウエディングドレスに着替えさせられてるわけですし。
「幸せになりましょう〜」はエゴからくるものではなく、ただ「希望に胸ふくらませる幼い少女」という事でしょうか。
・・・って、レポ書きながら自問自答するなよ、自分(笑)

そして、心拍数急上昇の(?)「最後のダンス」。
「最後のダンスは〜♪」と1フレーズずつちょっと吐き捨てるように歌うのは同じですが、益々ロック色が強く、挑戦的で妖しかったです。
「最後のダンスは俺のものOHOHOH♪」の歌い方、結構好きです。
ラストに行く前の間奏でも「AH〜」や「OH〜」と、ノリノリで雄叫びのようにエロティックに声を出してるし(@_@)
そして、階段を駆け上がって「お〜〜〜れえ・・・さぁ!!」。
さて、本日の「さあ〜♪」ですが(笑)「さあ〜♪〜AH〜♪」って感じでしょうか。(どんな感じだ。)
一瞬ガツンと「さぁ〜♪」を歌いかけてすぐにファルセットで上げていったのです。
その分、私が前回聞いたよりも、ファルセットで伸ばす時間が長かったと思います。ちょっときつそうな感もありましたが、なかなかだったのではないでしょうか。
そして、私はやっぱり暫く心臓はバクバク(爆)

「最後通告」
扉の前で歌う石川フランツの、その歌声の表現力っていうんでしょうか、すごく豊かだなあと思いました。
疲れきって、お願いだから今日だけでも傍に居て欲しいという訴えかける心情が、歌い方から伝わってくるようでした。聞いていて切なくなりました。

相変わらず、キスをしようとするトート閣下の表情は怖いです。獲物を捕らえるような、「食われちゃいそうな」感じ。
でも、なんだかツボになってきたのはなぜ(笑)
ここで、キスをしていたら。
トート閣下は至福の時で。エリザベートは苦しみ半分で最高の美しさのまま楽になれて。ハプスブルク家も違う展開になっていたかも知れない。
でも、エリザベートは生きることを選択した。それはトート閣下にとっても何かを決めたというか、腹をくくったというか。
だからこれ以降、トート閣下はこれまで以上にとことん強気で挑発的で、どんなに拒否されても動揺せずに平然としているのかなあ、と。
私の中では、ここがターニングポイントのような気がしてます。トートにとってもエリザベートにとってもハプスブルク家にとっても。

今更ながら、「私だけに三重唱」のエリザベートのラスト「私に〜♪」と歌い終わった後、扇を広げ、自分の顔を隠すのは、今公演からですよね?
前公演では胸の前で扇をびしっと持っていたような気が・・・。


そして2幕。

「戴冠式」&「私が踊る時」
馬車に乗って鞭をふるトート閣下の表情にまたもや釘付けです。
ちらっとフランツの方に視線を向けるのですが、その表情一つでトート閣下の思いが伝わってくるようなんです。
歌のとおり、「今のうちだけだぜ〜」ってあざ笑ってるんです。
そして、馬車が止まって結んでいた髪をほどいてエリザベートを見るそのトート閣下の表情も余裕たっぷりで挑発してます。

「私が踊る時」、最初に聞いた時よりも、だいぶお2人ともしっくりきてる気がしました。メロディもほぼ頭の中に入ってきました(笑)
ただ、やっぱり私は個人的にそんなに好きなナンバーではないのだと思います。
そう言いながら、数回聞いてメロディが頭の中に入ってくるんですから、リーヴァイさんはさすがだなと思います^^;

「エリザベートの体操室」
老人ドクトルは一番最初に観た時より、老人加減が押さえられていたように感じました。
そして、「陛下とて男です」までは老人なのに(エリザ:「真面目な方♪」)「でもないさ!」できっぱりトート閣下になって切り捨てるように言い切るところは、やっぱり私のツボのようです。
その後のエリザベートの歌詞、やっぱり前公演と変わっていました。「別れるわいっそのこと・・・」が「王宮から出ていくわ・・・」になってました。
語呂は別にして(笑)、意味としてはこっちの方がよりリアルでしっくりきました。
気になったことその2。「私自由になれる♪」でベットから飛び起きて手前に逃げるエリザベートですが、ちょっと足が滑った気が・・・^^;
そして気になったことその3。ベットの上に立っているトート閣下の「ごまかすなよ〜♪」の前にかすかに「はっ!」ってあざ笑うような声が聞こえた気がしたんですが・・・。
私のツボが生み出した幻?(笑)
この日の公演を観た方、教えて下さーい。

そして、「お初」パクルドルフ登場。
歌い出しを聞いてすごくびっくりしました。
声、すごくキレイ。歌、すごくうまーい。正直、写真で見た感じと声とのギャップがあって^^;(す、すみません!!)
ちょっとだけ声が井上さんに似ててどきっとしちゃいました。
「友達を〜(忘れはしない)♪」とか「よく(見てください!)」とかあの辺の音程(笑)←前公演を観てない方、すみません^^;
あと、すごく印象に残ったのは、すごく言葉を大切にして発してるところ。すごく聞き取りやすかったです。
「闇が広がる」、迫力もありすごくよかったです。
あ、トート閣下が塔の脇の棒をつかってスルーッとすべり降りてくるシーン、益々早く自然に下りてきてちょっとビックリしました。
「ラビリンス」&「マイヤーリンク」で、私は今までの「ルドルフ」とは違うちょっと大人なルドルフを観た気がしました。
母に、必死に甘えるようにすがるルドルフではなかったです。
正直、一つ一つの表情や私にとっての声の心地よさはどうしても井上さんがピカイチなのですが。
でも、もっとパクルドルフを観てみたいって強く感じました。

「悪夢」
で、またしても感情豊かな石川フランツを観ました。
刃物を取り出すトートに対して「やめろ!何をする!」と叫びながら詰め寄るんです。周りに阻まれて、もがくんですが、必死にエリザベートを守ろうとするフランツが印象的でした。

とにかく、石川フランツは喜怒哀楽が結構はっきりしていて、分かりやすいなあと思います。仕草も歌声もその想いが伝わってくるかのようです。
若き日の淡々とした弱弱なフランツから、歳をとり、かなり起伏の烈しい頑固なフランツまで。
私の中では、綜馬フランツと石川フランツが合わさって1人のフランツって感じがしてます。
綜馬フランツの心の中を表してるのが石川フランツっていうか・・。
どんどん石川フランツにも惹かれてます。歌声は綜馬さんが好みですが、トータルすると石川さんの方が好みかも。
トート同様、タイプがはっきり違うので両方観るとおもしろいと思います。益々楽しみです。

最後に、「カーテンコール」について。
盛り上がりました―!
内野さんはお茶目だし。音楽に合わせて両手を振ったり、いろんな動き(?)をしてたりニコニコしてました。
音楽がとまっても拍手は続くし、(今公演では初体験)私もそうだけど、スタンディングオーベーションがあちこち。
実は「ブラボー」と何度も叫ぶ男性がいてそれに乗せられたって話もあります(笑)えらい盛り上がっちゃいました。
再び幕が開いたら、なぜか、伊東さんが一路さんにからかわれるように内野さんとの間に引っ張られて、さかんにおろおろしてました(笑)
センターになってしまった伊東さんは「んもう!」と言わんばかりに一路さんを叩くフリをしてて、一路さんは笑ってるし、内野さんも笑ってました。
しかも、あのセクシーな衣装なので、村井さんが自分の上着をかけてあげてました。
その上着の片方が落ちそうになったので、それを内野さんがフォローして、肩を抱く形になってました(@_@)
幕が締まる瞬間、なぜか伊東さんは土下座してて(爆)会場爆笑。
なんだか幸せな気分になった私でした。いいなあ、このカンパニー。
観劇のはしご(しかも3時間休憩なしで観た1時間後にこの公演を観ていました。)の疲れもなんのその。
現実に戻りたくなーい^^;