「エリザベート」

主なキャスト

エリザベート 一路 真輝  /  トート  内野 聖陽
フランツ・ヨーゼフ  鈴木 綜馬  /ルイジ・ルキーニ  高嶋 政宏
ゾフィー 寿 ひずる / ルドルフ  井上 芳雄  /エルマー 藤本 隆宏



2005年9月30日(金)千秋楽 座席1階C列39番

ついに来てしまいましたこの日が・・・。
今回のレポは「千秋楽記念」(なんじゃそりゃ。)でそれぞれのシーンの流れに添って印象的なことなどを書いて行きたいと思います。
途中、禅さんが登場したり昨年と比べたりしてますが、まあ、御了承ください。

破れた幕の隙間からちらっと見えたロープ。
ああ、始まるんだ・・・そう思った瞬間でした。

一幕

「死者と夢見人たちの夜の世界」

霊廟から出てきた井上ルドルフを観た瞬間、なぜかすごく感情が一気に高まってしまい、うるっときてしまいました。
まずい、冒頭ですでに号泣かよ・・・。
真ん中にエリザファミリーが並んでそれぞれソロを歌うシーンでは、子ルドルフはルキーニの肩に乗ることなくその場で立って歌っていました。
「ママと僕は似ている・・・♪」
私の大好きなルドルフな声。でも、確実に大人な力強い声。それを感じて、またジーン・・・(:_;)
「誰も知らない〜真実・・・」その振りもしなやかで存在感がありました。

「黄泉の国の帝王トート閣下!またの名を・・・死!」

内野トート君臨。
歌声といい、この空気を包むかのような冷たく静かな雰囲気といい、一瞬でその世界に惹き込まれます。


「ポッセンホーフェン城の庭」

シシィママが「重大発表」した時のしゃけさんの驚いた顔が妙に印象に残ってしまいました・・・(笑)
俳優の伊藤淳史さん(この前「電車男」に出てた)の顔に似ている・・・と勝手にツボにはまってしまいました^^;
本編と関係ないですね、すみません。

「冥界」

すーっと現れるうトート閣下、取り囲むトートダンサーズ、差し込む青白いライト。
何回観てもそのシーンは「キレイだなあ」とうっとりしてしまいます。
そして、シシィを観た瞬間のトート閣下の心の動揺、愛してしまったが為の切なさと覚悟、みたいなものがその表情からも感じられて、好きです。

そして(恐らく初演からずっと)私のツボだった、背中の寂しい悪魔ならぬ黄泉の帝王の「後姿」はやっぱり気になります。
「そこにいるのね」と歌うシシィにビクッと立ち止まり、天を仰いだりとちょっとやせ我慢な(?)複雑な心がそのちょっとした仕草から感じられて今日もぐっときてしまいました。

「ウィーンの王宮」

2005年エリザのこのシーンは、妙にフランツの「却下」の言い方が印象的でした。
この日の綜馬さんは飛び出してきた「母親」に駆け寄ろうとしますが思い止まり、背を向けて「却下」でした。
実は先日観た禅さんの言い方が更に印象的で・・・。
立ち上がってはっと文書を見、そしてすごい葛藤の中「却下・・・」と呟くように発しました。

結婚で絆を・・・とのゾフィの言葉に、禅さんは従うように毅然とした姿勢のまま歩いていくのに対し、綜馬さんは「結婚?」と驚きの声を出し、「ちょっと待ってください」と言わんばかりに慌ててゾフィの後ろを走って行く。
このお二人のフランツはそれぞれに違いがあって、でも「フランツ」として説得力があってとても好きです。

「バートイシュル」

「あ〜あちぃ〜」ルキーニが荷物を持って登場するシーン。
何も持たず登場。その後ろを、荷物を持ってシシィが登場しました。
その直後、荷物の上に座ったシシィが何やらルキーニに「不満」を言っていました(笑)
はっきり聞こえはしなかったんですが「もう!重くて大変だったんだからぁ〜!」という感じでした。
その後のシーンではルキーニの帽子でルキーニを扇いでいたシシィ。
すごく微笑ましくて、くすっと笑ってしまいました。

ちなみに、フランツがシシィを選んで周りがフリーズするシーン。
ルキーニがシシィママを突くのが動き出すきっかけなのですが、この日は下手にいたまま、押し出す仕草をして全体が動き出しました。

「天と地の間」

ここでも「二人のフランツ」の違いがよく出てて興味深いです。
禅さんはシシィに感情がもっていかれ気味というか、1人の男性として無邪気にシシィを愛し、でも、はっと自分の立場を意識し、シシィにも伝えようとしている、そんな感じがしました。
綜馬さんはシシィに惹かれながらも最初からきっちり自分の立場を把握してる感じを受けました。

「ウイーンアウグスティン教会」

「すべての不幸は・・・♪」
余談ですが、ここの参列者の振りは結局あまり好きになれませんでした(笑)
「汝の意思であることに間違いはないか。」「・・・はい。」
このシシィの「はい」の言い方、前は「はいっ!」って高めのはつらつとした言い方だったような記憶があったのですが、今回は低めでしっかり言っていたような気が・・・気のせいでしょうか。

「シェーンブルン宮殿」

なんと言っても「最後のダンス」
「最後に勝”つの〜”は〜♪」の音程を今回は変えてたり、「OHOHOH〜♪」健在だったり、「OH〜OOOHOH〜♪」と歌いながら階段を駆け上がったり。
妖しくエロティックでしかもギラついた部分もありもう観てる私は心臓バクバクでした^^;


「エリザベートの寝室」&「私だけに」&「夫婦の絆」

ゾフィとシシィのやり取り(言い争い)の中で、最初は大人しくゾフィの様子を伺っていたシシィが、徐々に「自我」に芽生え変わっていく瞬間が見えて、より感情が表立ってたような気がしました。

「私だけに」、最後のフレーズの歌い方が変わったような気が・・・。
「に〜♪」のしめ方がきっぱり決断したかのような感じに聞こえました。

「ハンガリー訪問」「ウィーンのカフェ」

「エーヤン!エリザベート!」と叫ぶ市民なんですが、いつの間に俵さんに変わったのでしょう・・・。

長女の棺が出てくる時、トート閣下が膝まづいて手を差し伸ばしたのですが、その「膝まづき」が印象的でした。
より屈辱的というか・・・。

そこからカフェに行く前の静かな空気が流れるワンシーン、個人的には出来れば拍手のない状態で感じたかったです。

「ホーフブルク宮殿の廊下」&「エリザベートの居室」

「最後通告」でのフランツの反応が2人とも違うので、妙に印象的でした。
禅さんは手渡された最後通告をふっと見て下ろした後、「何っ?!」というような慌てたような感じでまたその最後通告を目にしてました。その前後の仕草も夫として本当にエリザベートを愛しているということが分かりやすく出てたように感じました。
綜馬さんはあまり感情を表に出すことない感じでした。

「エリザベート・・・いこうよ・・・2人で・・・」トート閣下は机の上に座り、妖しく迫ります。
・・・あんなに寝そべるような仕草だったっけ?
より妖しいんですけど・・・^^;

「ウィーンの街頭」

「ミルク」
・・・井上さんが出てるのを観たかった(-_-;)
それはさておき、どのアンサンブルシーンにも俵さんがおいしい位置で出てることを改めて発見。

「エリザベートの更衣室〜鏡の間」

「私だけに三重唱」
エリザベート登場シーンで客席から拍手がありました。
それにしても、これを聞くと、初演を思い出してしまう私。
「愛してる〜♪」のトート閣下と「エリザベート〜♪」のフランツ。
最後の伸ばすところがどうしてもフランツの声に隠れてしまっていた内野さん。
今ではすっかり対等にしっかり聞こえてきます。・・・うれしい。

「私に〜♪」の「に〜♪」がいつもより少し長く伸びていたような気がするのは私だけでしょうか?


2幕

ブダペストのカテドラルの前」

「キッチュ!」
客席に降りるのはなかったです。楽だから「グッツ」配るかなあと思ったのに残念(笑)
あと、ルキーニが黄色い紐をひっぱると幕が開いて戴冠式の様子が出るのですが、この日は自動でした。

「戴冠式」

「さらば悲しみよエーヤンエーヤンエリザベート〜♪」
しゃけさんと歌う俵さんですが、前より声が出ていない気がしたのは気のせいでしょうか・・・。

「今のうちだけだぜ〜♪」
実がここにいくつかMYツボがあります。
その一。「お前自らが撒いたのだ〜♪」の「のだ〜♪」の時の手の振り。(←マニア?)前からすごい気に入ってて・・・。
※振り上げた右手を左斜め下に振り下ろし、そのまま軽く上げて右斜め下に振り下ろす振り。)
・・・すみません(汗)
その二。「止められやしないさ〜AH〜♪」のハイD。
その三。馬車に乗り込んだトート閣下が、市民に手を振るエリザベートの姿をちらっと見た後見せた、天を見ながらのあざ笑うような笑み。(してやったり、みたいな感じ。)
その四。「私が踊る時」のイントロが流れた時、トート閣下が後ろを振り返ってエリザベートを観ますが、その時「Haa〜」と吐息のような声を出し、人差し指でエリザベートの顎辺りを持ち上げるような妖しい仕草(?)をしていました。
その吐息のような声もその仕草も私は初めて観た様な気がしたのでびっくり。
楽にして即効ツボになってしまいました。

「ルドルフの部屋」&「ウィーン近くの精神病院」

精神病院ですが、患者がバイオリンを引く前にルキーニがその患者に引かせるように手をバイオリンに持っていかせてましたが、今回は患者が自主的に引く格好に入ってました。

ここにも真ん中に俵さんが・・・うつろな表情でずっと天を仰いでいたのが印象的でした。

「ゾフィのサロン」&「マダムヴォルフの館」

ここでの私の楽しみはなんと言ってもグリュンネ@はるぱぱ伯爵(笑)
平静を装っていても、首のリボンをイジイジしながら既に心は「紳士の社交場」だし(笑)
やってきたらやってきたで、白いハンカチで汗をふきふきしてるし、マデレーネが登場したらかるーく右手を上げて指を動かして(ハ〜イ!って感じで。)るし。
もう、男って・・・(ばく)

「エリザベートの体操室」

老人ドクトルがエリザベートと会話をしていく中でふとしゃきっとして「トート閣下」に変わっていく、その変化が結構好きです。
「陛下とて男です」か「でもないさ!」あたりからでしょうか。
「私自由になれる♪」でベットの上に立っているトート閣下が「はっ!」とあざ笑うように言うのがMYツボ。
(以前は「はっはっ!」だった。それもツボだった:笑)

「・・・それは俺だ!」下手の黒い壁にエリザベートを追い詰めるトート閣下。
「だ!」がエコーなのか言い方を荒々しくしてるのか、メリハリがあってぞくっとしました。
一瞬の間の後「違う!」拒否するエリザベート。
この間が前公演では個人的に不自然な間に感じていたので、それが取れてよかったです。

「ゾフィのサロン」&「安らぎのない年月」

フランツが怒りをゾフィにぶつけます。「あなたの策略どうりだ!」と。
ここのシーンで印象的だったのが「あなたの意見をもう聞かない」と決別する前の綜馬さんの仕草。
ゾフィの手を静かにとって手の甲にキスをしてから決別の意を述べる。
母親を愛してる気持ちは変わらないし、敬意を表してる、でも・・・という感じが観えました。

そして「ゾフィの死」
寿さんの表情を観ていたら、もう泣けてきました。
それまでは「かなり厳しく母親としての愛情があまり見えてこない」ゾフィ像に思えたのですが、最後の最後にとても悲しそうな、切なそうな表情で歌っていたのです。
その「最後の最後に見せた瞬間の表情」と想いを訴えるその歌声にもううるうるしていました。
感動しました。

「コルフ島アキレイオン荘」&「ホーフブルグ宮殿の廊下」&「憎しみ」(HASS)

宮殿の廊下。井上ルドルフ登場です。
ここでのフランツとのやり取りですが、綜馬さんが新聞を捨てる仕草は日替わりですか・・・?(笑)
何回か観たのですが、なんかいつも違う気が・・・。
破って捨てたり、丸めて投げたり。

フランツに対して訴える井上さんのその後姿も言い方も「大人なルドルフ」に感じました。
周りに振り回されていうより自分の確固たる意思で行動している。そんな強い意志を感じました。

HASSが終わった後、ルドルフがフリーズしてる市民に次々訴えかけようとし無視されるシーンですが、上手で最後に声を変えて無反応だった時、その市民の胸に顔を軽く埋めてたのですが、その仕草が好きです。
必死なその想いがその後姿から伝わってくるようで・・・。

「ルドルフの部屋」&「ハンガリー独立運動」

ここのシーンは井上さんばっかり観てました^^;
上手でうなだれるルドルフ。トートの声に、静かにゆっくり顔をあげ、放心したまま遠くを見つめ、ゆっくりトートのいる方に顔を向け、静かに微笑む。「と〜もだちを〜♪」・・・。
ぽっかり空いた心の隙間にすっと入ってきたトート。
苦悩の中、トート閣下の思うがままに決断していくルドルフ。
その心の流れが観えるようでした。
でも、決して流されただけではなく、そこに「自分の意思がある」そんなルドルフに思いました。
そして、やっぱり井上さんのルドルフな高音が好き。

「ラビリンス」&「マイヤーリンク」

エリザベートの表情を観てると、「冷たい」というより、彼女自身病んでて、人の話をちゃんと聞ける状態ではなかった、そんな感じでした。
去るエリザベートの目はかなり虚ろでした。

「ママも僕を見捨てるんだね・・・」
そう言いながら自然に吸い込まれるようにトートダンサーズに手を差し出すルドルフ。
その表情は放心状態から苦しみに変わり、泣き顔になり、完全に翻弄されてるように感じました。
両腕を捕まれて回されてる時や、上着を脱がされて、心臓を捕まれた時に聞こえた声といい、もうなんだか壮絶で・・・。
両手を広げて踊りながら一つずつトートに近づいていくルドルフの顔はもうぐちゃぐちゃです。
「もう嫌だ!」と言っているのか、「死にたくない!」と言っているのか・・・。
音楽が止んで、トートが現れた時、思わず息を飲んでしまいました。

そして死の口づけ・・・。
トートの胸をつかむ様にあったルドルフの左手が印象的でした。
そして、銃をゆっくり持ち、引き金をしっかり入れ、ゆっくり自分の頭に・・・。
その一連の「静かな間」が、こんなにもドラマティックに感じたのは、正直井上ルドルフが初めてかも・・・。
引き金を引いた直後の井上さんの表情があまりに穏やかで無防備だったので、可愛そうなのかある意味よかったのか分からなくなってしまいました・・・。

「葬儀」&「キッチュ」

「この罪は消せない・・・」の後、去年までは号泣していたエリザベートですが、今回は放心状態という感じでした。これがかえって切なかったです。

「これ以上・・・待たせないで・・・死なせて・・・♪」
その表情に「自分をまだ愛していない!」と怒るトート閣下の表情がめっちゃ怖かった。

そんなエリザベートにフラッシュを浴びせるルキーニ。
昨年まで「いやあっ!!」と叫んで逃げていったエリザベートでしたが、「ああっ」と虚ろな状態のまま逃げていってました。
そういう後半のエリザベートの姿が(昨年以上に)かえって切なくて苦しくなりました。

「キッチュ」の映像にて本物のエリザベートの絵を観せる形ですが、映写機の側面(片面)に何枚もエリザベートらしき肖像画が貼られていたのに初めて気付きました(笑)

「コートダジュール」&「悪夢」

「夜のボート」
ここは正直、禅さんフランツが好きなんです・・・。
一言一言が静かに染み込むというか、より深く愛を感じるので・・・。

「悪夢」では、フランツが階段を降りてきてルキーニに帽子等渡してました。

「♪早くルキーニ 取りに来い!」

「ああっ!刃物だ!!」と叫ぶ綜馬フランツもツボですが、それ以上に「やめろおおぉぉっ!!」と叫ぶ禅フランツが大きなツボだったりします。

「暗殺」

死霊たちが見守る中、エリザベートがやってきます。
そして、ルキーニがエリザベートに刃を向けると、それを観ていた死霊たちが「あああっ!!」とうめき声のような驚きのような声を出し、その後シシィパパ&ママが最後まで残ろうとしてルキーニが押し込めるシーンなのですが、シシィパパ達は自分たちではけて行っていました。
いたしかたないのですが、最後まで粘るシシィパパをやっとの事で押し込めるルキーニ、というシーンが実は好きでした。

ラスト。
胸に飛び込む前のシシィのタメが気のせいか長かったような・・・。
その分解き放たれたその想いが強く感じたし、トート閣下の幸せそうな表情といったら、もう。
胸が震える想いという感じでした。

そして、終わってしまいました・・・。

そして
カテコに続く。