月影十番勝負第七番「愛の嵐」

作:河原雅彦 演出:池田成志 
出演 
藤壺朱美/高田聖子
 城直人/佐藤アツヒロ
城徳男/ 池田成志
田所チエ/前田昌代

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とある屋敷の地下室。眠りから目覚めた朱美は、自分が手足を拘束されていることに気づく。
そばのロッキングチェアには見覚えのない青年が座っていた。そして青年が仕切られたカーテンを開けると、
そこには…。奇才・河原雅彦が、不器用な大人たちによる歪んだ恋愛を独自の視点で綴る。

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2002.9.27 青山円形劇場にて観劇。座席Fブロック35番

畳敷きの床。ロッキングチェア。小さい階段があって、カーテンが引かれている小さい部屋。そこで物語は始まります。

23歳の直人は朱美が好きで、彼女を幸せにするために監禁してしまう。
その主旨というのが、朱美が片思いしているチエを(朱美はレズだったのです。)3ヶ月前から監禁し、徳男
(直人のお兄さん)が、朱美さんを受け入れられるように?チエを調教中し、直人は直人で朱美をサ○ィストに
調教し、結果、朱美さんとチエさんが結ばれたら、朱美は幸せになり、それはイコール直人の幸せである、と
いうもので、正に「非常識」極まるお話^^;

最初の1時間位?は朱美と直人がメインでした。
その後少しの時間が徳男とチエがメインで、その後はまた朱美と直人メインに戻るという構成。
時々、階段をあがった向こうにあるガラス張りの部屋(普段はカーテンが引いてある。)が直人によって明らかに
されるんだけど、(「今はこの(調教の)時間だっ」とカーテンを開ける。)すると、パンツ一丁の徳男と下着のみ
のチエがその都度いろんな格好をしていろんな事をしているという・・・。
しかもこのバカ兄弟(笑)ブリーフに大きくひらがなで名前が書いてある、という・・・(-_-;)
しかも、徳男、殆どずっとパンツ一丁でした。。。成志さん・・・。

朱美はというと、さすが高田さん、ぶっ壊れ大暴れモード炸裂(爆)
最初は確かに緊迫したシーンだったけど、徐々に・・・。そこまでするか!という位壊れてました。
涙出るほど大爆笑してました。
そして、直人の指示で、SM女王みたいな衣装に着替える朱美、生着替えでした(汗)
でも、高田さん色白くてスタイルいいし、きれー。
で、後ろのファスナーが締まりきっていなくて、朱美は直人に向かって、
「ウィルソン」
直人は、「は?」
「ウィルソン」
・・・。
「チャック!」
・・・あーチャック・ウィルソン、ね(笑)

そして、直人の指示で、直人は縛られ(?)目隠しされ、朱美に羽根攻撃とか、蝋燭とか、コールドスプレーとか
(??)やたらとしつこくされてました。(笑)おひおひ・・・。
そのシーンはなんか素のようだった。本人笑ってるんだもん。
「あちっ!」「冷、あちっ!」(←蝋燭の後、コールドスプレーをかけられて。)これはきっと日替わりメニュー?^^;

そしてそんな爆笑の監禁時間が過ぎ(?)、ある時、直人が同じようにカーテンを開けると、なんとそこには
調教ではなく、明らかに「恋人同士」の徳男とチエの姿が現れる。
呆然とする朱美、直人。今のは一体何・・・・。

そして、それからすぐに開かないはずのドアをドンドン、と叩く音が。
ドアノブのついているそのドアを上にスライドして入って来たのは(そりゃいくら朱美が叩いても開かないわな。)
服を着た徳男とチエ。「悪いお兄ちゃんだった!」「朱美さん、さようなら」
二人は猛ダッシュ。呆然とする朱美と直人を残し、暗転。

実は朱美と直人のシーンと、徳男とチエのシーンがリンクしていて、時が戻りさっきのシーンが今度、徳男とチエ
側から始まる。
実は監禁してすぐにこの二人はできちゃっていて、しかも妊娠している事がそこで判明。
直人がカーテンを開ける時間をなぜかお尻で察知する変態兄(失敬。)は、「調教」を取り繕う為に、その都度
そのふりをしていた、というわけ。
普段は礼儀正しい直人は一旦キレルと手がつけられない事を知っている兄は、その事実を言いたせずにいて、
チエにつっつかれている。
しかし、盛り上がっちゃった二人は最後の最後で、そのシーンを朱美と直人の前に曝し出してしまい、あせって
脱出を試みた(が、いちお弟思いの兄は、挨拶してから去ろうと思い、さっきの暗転直前のシーンに至った、と。)
#このシーンの間は、逆にガラス張りの部屋の内側に朱美と直人がいて、さっき繰り広げられたシーンを再現
(というのか、音は無しで)している。

再び暗転。
そして、直人と朱美がまたそのメインの部屋にいる。
朱美が「過去の罪」を告白する・・・保育士の朱美は、過去に自分の不注意でチエの子供、守を死なせていた。
遊んでいて、高い所から転落したのだ。朱美は、他の女の子の鼻をかんでいて目を離してしまい、その間に
守が転落、死んでしまった、私の不注意なの!という。
しかし、直人は知っていた。朱美が女の子の鼻などかんでいなかった事を。危ないのを知っていてそのままに
していた事を。落ちた後、口先が笑っていたように見えたことを・・・。
彼は、すぐ「そこに」いたのだ。やっと直人が自分の知っている直人だと気付く朱美。(園児だったのだから)
直人は、それからというものなぜだかそんな朱美を好きになってしまい、ストーカーまがいの行動をおこし、
日記を盗んだりして、朱美のすべてを知ろうとしていた。そして、そんな彼女の思いを実らせたいと、歪んだ愛情
が引き起こしたのがこの「監禁」だったのだ。
そして、また朱美も守が怪我をすれば、また一歩深いところでチエと接する事が出来るのではないかと、ふと
思ってしまった、その歪んだ愛情が、罪を作ってしまった、と。決して死んでしまえと思ったわけではないと。
そんな時、義母にさっき頼んだものが届く。(天井からザルが降りてきて、直人の頼んだものが入っているという。
義母がそんな直人の引きこもりを支えてしまっていたのだ。)
入っていたのは「呑」(日本酒←さっき朱美がリクエストした。)と「どんべえ」。
こんな時に飲めるわけないですよね、と言う直人の手から呑をひったくった朱美は、それを一気飲みして、
そのまま床に大の字になってしまう。寂しげな声で黄桜のCMの歌(あの河童の。)を歌いだす朱美。
普通なら笑えるはずなのに、すごく苦しかった。悲しい気分。。。
「死んでしまいたーい」

結局、朱美は去っていってしまった。直人を残して。

・・・とこんな感じだったと思います。前半は大爆笑しっぱなしでした。でも、後半はつらーい気分に・・・。
あと、朱美は鯖が大好きで(?)いろーんな鯖料理がいっぱいの「居酒屋ぶり」(なんでやねん。)で酔っ払って
道路に寝ていた所をあっさり監禁されたようですが(苦笑)そんな話をしていた時、朱美が真顔で語った自分の
モットー。
「酒を飲んだら飲まれます」
は、かなりストーリーと関係ない所で、かなりツボにはまりました(爆)

そして終わって、拍手の中、高田さんが一言御挨拶されました。
「お足元の悪い中、ありがとうございました。まだ雨は降っているようですが・・・濡れて帰って下さい」(笑)
というような挨拶で、笑っちゃいました。
後ろで成志さんが笑いをこらえてるのも面白かったです。
正直、アツヒロさんの台詞回しに不安は残るものの、なかなか満足の舞台でした。
やっぱり高田さんはいい。成志さんの変態加減もいい。(あ、失敬。)
#成志さん、来年帝劇に出るんだよなあ・・・。(ぼそっ。)