『雨が来る』


作・演出 赤堀雅秋
出演:日比大介 児玉貴志 多門優 野中孝光  福田暢秀
客演:温水洋一 みのすけ(ナイロン100℃) 松田弘子(青年団) 新井友香(HIGHLEG JEJUS)

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不慮の事故で下半身不随となった妻を持つ男、遠藤。訪れる介護センターの職員、知人、友人、妻の事故の
加害者などの奇妙な面 々に翻弄される日々?。彼は妻の足を治すべくありとあらゆる手を使う。
西に良い薬があると聞けば飛んで行くし、東に良い祈祷師がいると聞けば金に糸目は着けない。
しかしいっこうに妻の足は回復せず、ついに彼はある手段をとる。

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下北沢ザ・スズナリにて 座席10番D

不思議な空気とリアルなセット。
生活感が溢れてくるアパートの中の6畳(たぶん)一間。CDがやたら吊るされたベランダ。そこにある黒い傘。
グレーな空。
部屋と玄関(こっちからは見えない)の間にキッチンや洗濯機などがある(ようだ)。そこに一度も使われることの
ない車椅子。
その部屋で、入れ代わり立ち代りやって来る人と不慮の事故で下半身不随となった妻、そしてその夫を中心に
繰り広げられるお話、って感じかな。
結構ポイントポイントで笑っちゃったり、最後にはちょっと切なくなったりしました。
でも、全体的には何を伝えようとしていたのかつかめなくて、ちょっと消化不良かなあ・・・。
なかなかアンケートも書けなかったりして・・・。

みのすけさんはボランティアの中山役。眼鏡に看護士のような恰好(白衣の)がとてもよく似合ってました。
台詞や空気のテンポとかさすがだなあ。思わず笑っちゃったり、ぞっとしたり。
表情とか感情がなんだか伝わってくるようで、観てて気持ちよかったっていうか気持ち悪かったっていうか(笑)
にっこり笑って声をかけるんだけど、明らかに人が悪そうだ(笑)

夫:登が大嫌いなカラスを退治するため(?)買ってきた空気銃(かな?)を中山に向けても打っちゃうものだから
(しかも無表情で)後半、中山は包丁を持ち、しかもなぜか妻:智子の義妹に切りつけている。しかも、「御主人
(登)は関係ないんですからあー」って言いながら、「あれ(銃)本当に痛かったんですよー」と言ってみたり。
意味不明だぞ^^;しかもその姿、表情は何も特別な事をしているわけではないようなフツーの態度。
それが逆にぞっとして怖くて、でもなんだか面白かったです(?)
みのすけさんって、本当にいろんな役が出来るんだなーって改めて思った。
シリアスに真面目な役も怖い役も、オバカな役も(笑)

登に「(その銃を)捨てろ」って包丁を突きつけ、やっとこさベランダから捨てさせたのに、事情も知らずあっさり
拾ってきてしまったインチキ(?)祈祷師、温水さん(笑)
かなりおどおどしてて、怪しい、いかにもインチキくさいんだもん。笑わずにはいられません。
でもなんだか勿体無かった気が・・・。せっかくいい味出してるのに、なんだか温水さんを生かしきれてないって
いうか・・・#生意気言ってるなあ。
温水さん自身はかなり面白かったのに・・・んーうまく言えませんが。

あと、THE SHAMPOO HAT自体初めてで、存じ上げない役者さんが殆どだったのですが、安部役の日比さん
はなかなか印象深かったです。
加害者で、連日智子のもとに足を運んで端に正座して、智子が絵を書くと言えば、言われるがままモデルとなって
いろんな恰好、表情をして。
全然関係ない話に自分で勝手にもっていっては勝手に号泣してるし。
誠意があるのかずーずーしいのか不思議なキャラ(笑)
でも、ラストに、登が「野菜炒め」を作っている間に、智子の前で、ふらーっとベランダに向かって行き、ベランダの
上で広げた傘を持って立ち、そのまま飛び降りてしまった時は本気で焦りました。
おいおい、そういうオチかよ!って。
登は何事もないように野菜炒めと麦酒を持ってきて、智子と二人、いつもの野菜炒めをつっつく。
「ちょっと塩入れすぎちゃって、しょっぱいな」って言いながら。
智子は泣きそうになって、お箸を持つ手も震えている。不思議な状態。おもーい空気・・・。
・・・暫くして。

「痛ー!!痛いっすね。(俺が落ちたら)烏もばーっと逃げちゃいましたよ」っていうような事を、屈託のない
傷だらけの笑顔で(?)言いながら戻ってきた安部・・・。全身ボロボロ、あちこち血だらけ^^;
なんだか、思わず吹き出しちゃった。
そして何事もなかったかのように、登は「一緒に食べる?」安部も「はい!」
そして、「しょっぺー」と言いながらもがつがつ食べる安部。
暗転。

チラシなどにある「あらすじ」と実際の舞台に違和感があった気もしますが、あの不思議な空気はなんだか
気になりました。

余談:本番中、登は何度も麦酒(ある発泡酒だけど^^;)を飲むシーンがあるのだけど(本当に飲んでるんだよ
なあ?プシュッ、とか言ってるし)それを観て一言。
「みのすけさん、登さんの役だったらよかった?(笑)」