アンナカレーニナ 前楽&千秋楽(名古屋中日劇場 )
4/1ソワレ・座席 1階10列23番  4/2マチネ・座席 1階7列41番

1ヶ月半ぶりの「アンナ・カレーニナ」でした。
東京では正直、モヤモヤした部分も残っていて、自身がどんな風に思うのか半信半疑という感じでした。
ミュージカル役者さんとストプレ役者さんがそれぞれの持ち味が強く出てる(いい意味でも悪い意味でも)っていう印象があったのがひとつ。
そして、アンサンブルさんハーモニーが、イマイチまとまって聞こえない気がしていました。(私だけかもしれませんが・・・)
「JOURNEY TO MOSCOW」を聞くたびに、なぜか少し違和感。それぞれの個性が強く出すぎてるような、ちょっと・・・。

でも、この名古屋ではそんなモヤモヤも解消。全体的にしっくりまとまっていたような気がしました。
その分、重厚なハーモニーとして響いてきたように思いました。最初からドキドキしました。

そして、私の目はやっぱりスティーバ@小市さんに・・・(笑)
瞬間的にふと見せる「いつもと違う表情」から、そのスティーバの心情がぐっと伝わるんです。
キティの部屋でアンナと再会したヴロンスキーの表情を見た時のスティーバの表情。
客席からはブロンスキーの表情は見えないのですが、スティーバのその驚いた表情から、ブロンスキーの表情が想像つくようでした。
偶然の再会にただ驚いただけではない、それ以上の感情が瞬間的にヴロンスキーの表情からは溢れていたんだろうなあ、と。
ダンスパーティでの、キティには目もくれずアンナと踊るヴロンスキー(そしてアンナ)を見た瞬間のはっとしたスティーバの表情は、瞬間にして「危機感」を感じてるかのようだったし。
その後もすごく気にしている表情だったし・・・。
「その後」を危惧し、妹を心配するその表情がすごく心に残っています。
キュートで軽快、そしてとても愛に溢れてて。でもきっとこの登場人物の中では誰よりも冷静で、周りがよく見えていて。そんなスティーバを観た気がしました。
そして、ラストでのヴロンスキーを見送るスティーバの後姿に、またしても涙。私としては、このシーンでの泣き率100%でした。
前楽までは、ヴロンスキーを抱きしめるシーンに涙でしたが、楽では上手という位置もあり、ほぼ真後ろから見る格好になったのですが、下を向いて涙を堪えてるであろうその姿にすでにスイッチが入ってしまいました。
本当に、繊細な表情をする方だなあと。仕草も言い回しも、多くを語らなくてもその感情やその人の性格が伝わってくるかのようでした。

そして、キティ@新谷さん。
東京では後半地声を多用していたように思いましたが、また高音は裏声に戻っていました。
しかし、確実に上手くなっていました。これにはびっくり。
確かに、「ミュージカル」というレベルの中ではまだまだ不安定ではあります。特にこのキティのナンバーは高いし難しいような気もしますし。
でも、私は新谷さんのキティが大好きです。
あのキャラ、コミカルではあるけど真っ直ぐで素直で明るいキティにかなり救われた気持ちでした。
そして、(レィヴィンもそうですが)あまりに不器用なので(笑)観ていて微笑ましいやら、おかしいやら泣き笑い状態になるやら。
(なぜか、黒板の一連のシーン、泣き笑い状態になる私。無意識にうるっときちゃうんです。)
そして、ラストのシーンでの「私を見て。」の辺りですが、東京ではまだそれまでのキティを引きずってる感じがして、もっと大人になったキティが観たいなあと思っていたのですが、名古屋ではキティの明るさを保ったまま、でも確実に大人になっているキティを見ました。

楽では、二人のシーンにハプニング&アドリブがありました。
レィヴィンの求婚があまりにすごい勢いだったのか(?)後ずさりしたキティが尻餅をついてしまいました。
でも、レィヴィンは歌いながらさりげなくキティを抱き起こしていました。
黒板でのシーンでは、キティがアルファベットを書いた後ろに「」マークを書いていました。
前楽ではキティがすごい勢いで黒板消しをパフパフ(?)させてたり面白かったなあ。
 そういえば、最初にレィヴィンの求婚を断る時の「できませんわ。」の言い方が変わっていました。
東京では迷いながらも割ときっぱり言っていたように思ったのですが、名古屋では「でき・・・ません・・わ。」とかなり躊躇いがちな感じでした。
・・・個人的に、小動物のようにチョコをむさぼり食べるキティがツボ(笑)

レィヴィン@葛山さんの勢いが増していたのでとてもおかしかったなあ。

勿論他の皆さんもそれぞれの個性を出しながら物語の中に溶け込んでいました。
アンナ・ヴロンスキー・ニコライについては、東京では完全に山路さんの創るニコライ寄り(?)になっていた私ですが、名古屋ではそういうこともなかったです。
それは、山路さんの創るキャラに少し変化があったのか、それともアンナ・ヴロンスキーの表現が更に豊かになったのか、それははっきり分からないのですが、いいバランスになっていました。
誰からのキャラが飛びぬけて、というよりそれぞれがそれぞれの思いを充分に伝えていたという感じを受けました。演技からも、歌からも。
なので、それぞれの立場から「この時、一言こうしていたら」とか「あ、でも、しょうがなかったのかな・・・」とかいろいろ考えていても当然結論は出ず(笑)
「正解もないし、誰が悪いのでもない。」そう思えました。

アンナ@一路さんの変化は、壮絶でさえありました。
あれ程明るくて、誰よりも真面目で、知性的だったアンナ。
不安になっていく様子もそうですが、ヴロンスキーの母親を罵倒するシーンが以前より「酷く」なっていたように思え、逆に切なくなってしまいました。
こんなにも変わってしまうなんて・・・と。
愛を知った幸せから、どんどん崩壊していくその様子はいたたまれなかったです。
我に返った時は、素直にヴロンスキーに「ごめんなさい。」と言えるし、キティの幸せを心から喜び、そして自分の為にキティ達に嫌な思いをさせてはいけないという心遣いもある。
でも、心から愛するヴロンスキーとセリョージャの間で心が引き裂かれてしまったかのようで・・・。

ヴロンスキー@井上さんですが、前半の愛する思いに浮き足立って突っ走るその感情も、アンナを気遣いながらも微妙に変化していく感情、現実とアンナの精神不安定な状況にうんざりしかけてる感情もよく出ていました。表情もそうですが、その台詞の発し方、トーンも変えていましたし。
ラストの、アイデンティティを失ってしまってるというか、もう死に場所を求めることしか彼の中では考えられなくなってしまってるその憔悴しきったヴロンスキーには切なくなりました。
歌もすっかり安定していて、聞いていて心地よかったです。
ちょっと気になったのは、少し台詞が歌っているように聞こえたこと。
ミュージカルとはいえストプレ要素が多かった舞台ですし・・・正直、それが気になりました。

そうそう、楽では繩田さんとのフェッシングシーンでアドリブがありました。
繩田さんが片手で側転をし、「あれ?(剣は?)」というシーンで、井上さんが剣を取って渡すのですが、真顔のまま淡々と「どうぞ。」と(笑)
繩田さんも一瞬動揺の後が^^;そして「あ、ありがとう。」と。

アドリブといえば、春風さんも。
アンナを探し、ベランダ(かな)にもたれかかるヴロンスキーの耳元に「ふっ」と息をかけるシーンで、「わっ!」と脅かしてたり。
楽ならではでした。

カテコは、前楽も楽も大盛り上がりでした。
舞台上のちょっとした段差から降りてはける時、春風さんがジャンプして降りたら、続いて小市さんもジャンプ、そして井上さんもジャンプ。時には手を広げて、時には手を結んで。
そして、その三人組(?)は下手の一路さん・山路さん・新谷さんの動向を伺いながら、時には「そっちもやりなさいよ。」と言わんばかりのリアクションを(笑)
前楽では、一路さんに押し出された山路さんが逃げ腰になりながらも結果、(一路さんの手を握ったまま)ちっちゃくかわいいジャンプを(爆)
楽では、新谷さんも笑顔でジャンプでした(^^)
あと、上手にいた優ちゃん(いつの間にかアンナの手を離れ、ヴロンスキーに連れ去られた:笑)もかわいいジャンプ。
上手三人組(勝手に命名。)は面白すぎました。いつの間に、こんな盛り上がりに!(笑)

ちなみに、千秋楽でのカテコの挨拶。詳しくはアンナHPに載っていますが、印象に残った方を少し。
(アンナHPを参考にはしています。)

山路さん「(優ちゃんに対して)よくご挨拶できました。長老と呼ばれてはや4ヶ月。・・・今日でこんなまじめな役は終わりです。明日からいい加減な人間に戻ります。」

・・・戻るんかい(笑)

そして、新谷さん。
もう大号泣でした。私ももらい泣きをしてしまい、ポロポロ(;_;)止まりませんでした。
「大人なのにこんなになってすいません・・・。初舞台ってわけでもないんですけど(泣き笑い状態。)、新鮮なことばかりでお客様の拍手や笑い声がこんなにうれしいんだと改めて思いました。・・・本当にありがとうございました。」

・・・10年位舞台をやってるはずの新谷さんでもいろいろ思うところがあったんでしょうねえ。
そんな感情が一気に溢れてしまったという感じでした。本当にお疲れ様でした。

春風さん「すいません。噂ばっかりしていて・・・。」には爆笑でした。
「またこの作品でお目にかかれたらいいなぁ〜って。」には、もう客席のすごい拍手でした。

小市さん「えー、なんかあっという間でした。・・・今日とても素敵な時間でした。・・・はい。」と一通り挨拶をしたら、一瞬間があり、いきなり後ろを向いて春風さんに何やらリアクション。
春風さんが、「え、えっ?!」と焦っていましたが、瞬間その意図が分かったのでしょう。
春風さんが突然、「よ、谷村新司さん!!」と掛け声(笑)
「ありがとぅ!(谷村新司のモノマネで。)」

・・・アドリブで前フリをした割には、あまりにスムーズな展開で^^;普段からめっちゃ楽しい現場なんだろうなあ、と思えてすごくあったかい気持ちになりました。
小市さんは最後まで素敵だった

井上さん「えっと・・・谷村さんの後でしゃべりにくいんですが(笑)僕は不倫するという初めての役で、難しい役で、どうしたらいいのか全然わからなくて・・・。これは実生活も不倫かな、なんて。それは言えないんですが(笑)」

・・・で、結局どのようにして掴んだのでしょう?(笑)それはさておき、とても冷静で落ち着いた挨拶でした。


なんども客席から「一路さん!!」の声があったため、「(笑いながら)地元なんでスイマセン・・・。」と笑顔で恐縮する一路さんが可愛らしかったです。
   
そして卓実君も来ていて舞台袖から登場したのですが、新谷さんと山路さんにハンカチを渡していて、場内爆笑でした。

一路さん曰く、「もう、このカンパニーで彼(卓実)が一番大人でした。」
優ちゃんは緊張しながら時には詰まりながら挨拶をし、その後一路さんに飛びついていましたが(かわいかった!)きっと、卓実君は自身の楽では落ち着いた挨拶だったのでしょうね。

かなりかいつまんでしまいましたが、皆さんが共通しておっしゃっていたのが「スタッフもキャストもいい人ばかりであったかくて」という愛情いっぱいだった中での舞台だったということでした。
それがよく表れていた舞台だったとも思います。
また観たいなあ。