ミュージカル「アンナ・カレーニナ」

原作 レフ・ニコライビッチ・トルストイ
脚本・作詞 ピーター・ケロッグ
音楽ダン・レヴィ−ン
修辞・訳詞 小池修一郎
演出鈴木裕美

アンナ・カレーニナ 一路真輝

アレクシス・ヴロンスキー 井上芳雄
コンスタンティン・レイヴィン 葛山信吾
スティーバ(アンナの兄) 小市慢太郎
キティ・アレクサンドロヴィーナ(アンナの義理の妹)新谷真弓
プリンセス・ベッティ(ヴロンスキーの従妹)春風ひとみ

ニコライ・カレーニン役(アンナの夫) 山路和弘

乾あきお/佐久間義也/中山昇/繩田晋/ひのあらた/伽藍琳/高畠ゆうみ/中村友里子/福麻むつ美/BELLE/ももさわゆうこ

セリョージャ 夏目卓実/真嶋優
2006年2月9日(木)☆初日 座席1階16列17番 ※セリョージャ:夏目卓実

2006年2月11日(土) 座席1階2列18番※セリョージャ:夏目卓実

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〜STORY〜
※2回の観劇を通しての自分なりのレポです。ネタばれだらけですし、勘違い等もあると思いますので、その辺りを了承出来る方のみご覧ください。なお、かなりダラダラ長いです(笑)

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1幕

雪が深深と降る中で(とてもキレイでした)、汽車に乗る為にいろんな人が交差していき、その中にアンナやブロンスキー、レイヴィンがいます。(アンサンブルに混じって小市さんも。)
「JOURNEY TO MOSCOW」
「なんて退屈!」とブロンスキー。「何て楽しい!」とアンナ。そして「プロポーズするぞ!」とレイヴィン。
そして、出会ってしまったアンナとブロンスキー。ブロンスキーの心はその瞬間からもうアンナに釘付けです。
このナンバーの最後の方で全員で歌う歌詞を改めて観て聞くと、なんだかぞくっときました。
この先を暗示しているかのようで・・・。

冒頭の出会いが「出会えた!」というより「出会ってしまった・・・」という印象で、すでにちょっとした緊迫感が私の中にあったのでした。

しかし。
スティーバが現れた瞬間、私の心は解け(?)笑わずにはいられないのでした。
明るくて、お茶目で、ちょっとノーテンキなお兄さん。自分の浮気疑惑で妻が怒ってるっていうのに、なぜそんなに明るい?(笑)
アンナが上手く説得したようで、一件落着、と思いきや「酒だ酒っ!(^^)」。周りの冷たい視線(?)に「・・・今すぐ妻の下に行った方がいいよね・・・。」って。スティーバ・・・素敵すぎる(笑)
アンナとの仲良さはとても自然で、いい兄妹って雰囲気がすごく伝わってきました。
ノーテンキだけど、あったかくて楽しいスティーバと、そんな兄をとても慕っている明るく真面目なアンナ、っていう感じで、二人のやり取りも楽しかったです。(「THERE’S MORE TO LIFE THAN LOVE」

そして、キティ。新谷さんキャラ爆裂で面白かったです(笑)
田舎の青年風レイヴィンは、不器用に、かなり回りくどくキティにプロポーズ(してるつもり)。
まんざらでもない様子のキティですが、ブロンスキーが現れた途端、態度急変。
そして、ブロンスキーも優しく肩を抱いたりして。レイヴィンの様子から察してもよさそうなものですが、ちょっと勝ち誇ったような表情に見えたのは気のせい?
新谷さん、あのキャラのまま歌い上げるにはかなり大変だとは思いますが、もう少しがんばってほしいな。(「HOW AWFUL」

で、そんなブロンスキーは、アンナが現れた瞬間、もうアンナしか見えていません。
可愛そうなキティ。置いてけぼりです。
舞踏会のシーンでも、ブロンスキーはアンナ一直線。キティはやっぱり置いてけぼり(笑)

アンナはそんなブロンスキーの情熱に揺さぶられながらもいけない事だと逃げ出します。
予定を早めて逃げるように帰宅したアンナ。
しかし、カレーニンは仕事重視でその言動からは愛を感じることは出来ない。
そんなカレーニンの相変わらずの態度にアンナの心は更に揺れて変わって…。(「NOTHING HAS CHANGED」

合間に出てくるレイヴィンに少しほっとしたりして^^;
キティに振られても、立ち直ろうと自分を励ましながらバーベルあげるレイヴィン。面白い(笑)「クズマ」と呼ばれている執事(?)さん(ひのあらたさん)もかなりいい味出していました。
「I SHALL WORK」

パーティには来るはずではなかったアンナの登場に、ブロンスキーも、その場にいた「噂好き」のベッツィも驚きます。
いつもからかう様に笑っているベッツィもその瞬間だけは「のめりこまなければ。」真顔でブロンスキーに・・・。
しかし、ブロンスキーの愛はもう誰にも止められず、忠告しに来たはずのアンナも、そんなブロンスキーに抱きしめられ、踊ってしまいます。
「WE WERE DANCING」


駆け引きとかそんなことではなく、ただ高まる思いに正直にアンナにぶつけてゆく感じのブロンスキー。
最初から「彼女を自分のものにしたい」という感じではなく、本気で愛してしまったのと同時に「この人の傍にいなくてはいけない。それが正しい道だ、僕ならなんてかしてやれる」みたいな感じで・・・。
でも、アンナの背負っているものの大きさ、深さを心から理解はしてあげられなかったまま、愛のままに突っ走ってしまった感が・・・。

アンナは一旦ブロンスキーを振り切って帰宅しました。
しかし、世間の噂や中傷に怒りを露にする夫:ニコライ・カレーニン。
カレーニンは事前にどうアンナに伝えるか(警告するか?)‘リスト’をあげていました。どう話せば、説得できるか・・・という感じでしょうか。
しかし、カレーニンの言動はアンナを引き止めるどころか、日に油を注いでしまったようで・・・。
ニコライが寝室に戻った後。
「(パーティの場に)戻るわ。手袋を忘れたの。・・・私が行かなくてはいけないの。」
止める教育係を振り切って飛び出したアンナ・・・。彼女の気持ちはもう止められない…。(「I’M LOST」

アンナがなかなか自分に飛び込んできてくれない・・・そんな傷心のまま友人:ヤーシュビン(繩田さん)と気晴らしするようにフェッシングをし、酒を飲むブロンスキー。荒れてます(笑)
そんな中、「尋ね人」。追い返そうとしたブロンスキーでしたが、「ご婦人」だと分かると態度急変。
執事(?)さんに「早く!走って!」と追い立てるわ、ヤーシュビンには「裏門からそっと帰ってくれ。そしてこのことを一言でも漏らしたら殺す。」と言い出すわ。そんなブロンスキーにいやな顔せず笑顔で陽気に「がんばれよ!フォ〜ゥ!」と去っていくヤーシュビン。素敵です(^^)

そして、アンナとブロンスキーは抱き合い、自分の思いのままその愛に踏み出しました。(「WAITING FOR YOU」


2幕。


セリョージャと楽しく遊ぶアンナ。そこへブロンスキーが尋ねてきます。
アンナはセリョージャをお稽古事にやって、二人っきりに。
アンナの様子の異変にブロンスキーは気づきます。「言ってくれ!」必死に訴えるブロンスキーに答えるアンナ。
「赤ちゃんができたの。」
喜ぶ二人。しかし、そこへ、ニコライが帰ってきます。
冷淡に罵倒するニコライ。アンナを「こんな女」呼ばわりし、ブロンスキーはニコライにつかみかかります。
そんなブロンスキーをなんとか返し、ニコライと話をつけようとしますが・・・。

「もう無理だ 続けられない これ以上・・・」
アンナ・ブロンスキー・カレーニンの三重奏。(「THIS CAN’T GO ON」

そして、アンナはブロンスキーの元へ・・・。

1人残ったニコライは、世間の好奇の目から逃げるように・・・。

「噂をご存知?」1幕から繰り返されるベッツィーのナンバー。世間と一緒に、その直後の「アンナとブロンスキーの様子」を垣間見ます。

アンナの絵を描くブロンスキーと、モデルになりながら幸せそうに微笑むアンナ。
「私たち駆け落ちしたんですものね・・・」悲観的な事を言い出しそうなアンナに、ベッツィーは「うんうん。」とうなずきながらワクワクして聞き耳を立てています。
「・・・でも、信じられない位幸せよ。」と続けるアンナにベッツィーはガクッ。
かなりラブラブなお二人がそこにはいたのでした。
しかし。
「(お稽古事について)飽きっぽいんだよね」と何気なく言ったブロンスキーの言葉に、瞬間凍りつくアンナ・・・。


さて、一方キティは「病気」で部屋に篭りっきりです。
チョコをやけ食いしたり(リスのようだ・・・。:笑)自暴自棄。
そこへ心配したスティーバがやってきます。そして、確信します。
それにしても、「もう私にプロポーズしてくれる人なんていない!」と暴れる(?)キティに、手がつけられなくなったスティーバは、「あとはよろしく!」とメイド(ももさわさん)に押し付けて逃げていくのでした(笑)

スティーバは、レイヴィンと一緒に狩に出かけ、以前は負けていたのに「賭け」を申し出ます。
スティーバには「秘策」があるのでした。
レイヴィンが撃とうとすると、スティーバはレイヴィンが驚くようなことを言い出します。動揺して変な所に発砲してしまうレイヴィン。
それは、アンナのこと、そしてキティのこと・・・。
賭けには負けたレイヴィンですが、胸は高鳴る(?)のでした。


幸せな生活をおくっていたはずのアンナとブロンスキーですが、様子が段々変わってきます。
無事女の子が誕生したというのに、心は晴れず、むずがる赤ちゃんをあやしながら思い出すのはセリョージャのこと。
はっとして、赤ちゃんを再びジーナ(養育係:BELLEさん))に押し付け、モルヒネに手を・・・。
そこへブロンスキーが帰宅します。
アンナは「何をしていたの?誰がいらしてたの?」矢次に質問してきます。
情緒不安定で悲観的なことばかり口にするアンナ。そんなアンナを優しく宥めるブロンスキー。
ブロンスキーがいれば他に何もいらない、このままでいいと言うアンナに対して、ブロンスキーは正式に結婚したい、するべきだとうったえる。このままでは自分の娘なのに、戸籍上はニコライとアンナの子となっている・・・と。


キティはメイドと黒板を使ってフランス語のレッスンをしています。
楽しく大騒ぎしているところへ、レイヴィンが尋ねてきます。
慌てるキティ。なんとか平静を装って、レイヴィンの言葉を待ちます。
しかし、相変わらず回りくどいレイヴィン(笑)
意味不明な(?)黒板を使ってのやり取りと、キティの「はい。」と言っているのに「有り得ないが・・・」と人の話を聞いていない(?)レイヴィンのプロポーズには笑わずにはいられませんでした。(「WOULD YOU?」


ブロンスキーがとうとう、(スティーバを通して)ニコライと話をつけてきました。かなり寛大な対応をしてくれたと言うブロンスキー。ただし、セリョージャの事を除いては・・・。
「(セリョージャ以外の事なんて)どうでもいい!」
アンナは投げやりな態度のまま。挙句、「貴方を別の女と結婚させようとしている。無情な人!」とブロンスキーの母親に対する批判までしてしまいます。
そんなアンナに、ブロンスキーはついに声を荒げてしまい、次の瞬間はっとして顔を覆います。

ブロンスキーはブロンスキーなりの愛情と責任を持ってアチコチ動いていろんな手続きの準備をして幸せな家庭を持とうとして頑張っている。
アンナは、自分の気持ちが判ってもらえない事に苛立ちを感じている。
・・・そんな感じでしょうか。
「今日か明日旅立ちたい。それが出来ないのならもう行かない」。アンナの、一見支離滅裂と思われる「わがまま」にも、アンナの中にはちゃんとした理由があるけれど、ブロンスキーは解らない。
それでもなんとかしようとしたブロンスキーに「もう、どうでもいい・・・」とアンナ。
そんなアンナにブロンスキーは「・・・いい加減にしてくれないか・・・」。静かに、怒りを抑えるかのように・・・。

ブロンスキーが出かけた後、アンナは「ごめんなさい・・・」と呟きます。
そこへ訪問者が。
その訪問者を招きいれる前に、アンナは急いでブロンスキーへの手紙をジーナに託します。

訪問者はキティ。
レイヴィンとの結婚を報告するためでした。
心から喜ぶアンナ。そして、自分も結婚すると伝えます。
大喜びのキティ。そんなキティの様子を見つめるアンナの表情は・・・。
しかも、ブロンスキーからの手紙の返事に落胆の色を隠せません。

「明日はセリョージャの10歳の誕生日」
アンナは、セリョージャに逢いたい気持ちを抑えきれず、カレーニンの元へ向かいます。

その頃、セリョージャは聖書を暗記させられていました。
覚えていたはずなのに、父:ニコライの前では思い出せずにいます。
うなだれ、呼び止める父の声にびくつくセリョージャ。
そんなセリョージャにニコライは「・・・お前は頭もいい。よくやっている」淡々とながら、暖かい言葉をかけます。
そんな父の姿に、驚きを隠せないセリョージャ。そして、父の元に駆け寄って抱きつきます。
優しく抱きしめるニコライ。


セリョージャとニコライが寝室に戻った後、アンナが尋ねてきます。
「よくこの敷居がまたげたものだな」淡々と言い放つニコライ。
しかし、アンナはどうしてもセリョージャに逢いたい、と、あの子は私を愛している、貴方はセリョージャを幸せに出来ないと止めるニコライを振り切って階段を上がろうとしますが、ニコライに掴まれた後衝撃的な言葉を聞きます。
「お前は死んだ事になっている。」
ショックを受けるアンナ。

「セリョージャを幸せにすると約束してくれるなら、このまま出て行きます・・・。」
カレーニン家を出て行こうとするアンナに、言葉を詰まらせながらニコライはこう告げました。
「お前が戻るのなら、受け入れよう。」
しかし、アンナには受け入れることが出来ず・・・。

そんなニコライの心の中は・・・。(「ONLY AT NIGHT」

セリョージャに逢えず、絶望の中で(「SERYOZHA」)アンナは走ってくる汽車に近づいて・・・。


アンナのことを考えてしまうというレーヴィンに赤ちゃんを授かったキティは「私だけを見て!幸せなんだから」。
微笑むキティを抱きしめるレイヴィン。

一方、アンナを失ったブロンスキーは戦地に赴く事に。
娘は、ニコライが引き取ったとのこと。しかも、半ば喜んで引き取ったかのようだと・・・・。

見送るスティーバ。「早く戻って来い!」「・・・どこへ?・・・」
そんなブロンスキーをスティーバは力強く抱きしめます。それ以上何も言えないまま・・・。

そして、キティとレイヴィンは新しい命と共に幸せの第一歩を踏み出したようです。

暗転。