バタフライはフリー
BUTTERFLIES ARE FREE

作:レオナルド・ガーシュ
 訳:黒田絵美子
演出:小池修一郎
音楽:石川洋

出演者 役 名 役どころ
井上芳雄 ドン・ベイカー ミュージシャン志望の盲目の少年。細身でハンサム。
高橋由美子 ジル・ターナー 女優志望の少女。奔放な性格で、19歳にして離婚歴がある。
范 文雀 ベイカー夫人 ドンを溺愛する母親。児童文学の作家。
山賀教弘 ラルフ・オースティン オフ・ブロードウェイの演出家。ジルの友人。

STORY

ニューヨーク・マンハッタン東南部にあるアパートの、最上階の一室。夏の初め、たった一日の物語。
ミュージシャン志望で盲目のドン・ベイカー(井上)は、度々かかってくる母親からの電話に辟易しながらも、一人暮らしを満喫
している。
 6月のある日、テレビの音量にクレームをつけたことをきっかけに、隣室に引っ越してきた女優志望の少女ジル・ターナー
(高橋)がドンの部屋にやってきた。生まれも育ちも全く違う二人。保守的な上流家庭で育ったドンと、ヒッピーのような暮らし
をしていたジル。
ジルは、明るく純粋な彼に新鮮な興味を覚え、ドンもまた、好奇心旺盛で自分自身に正直なジルに心を開く。
 二人は瞬く間に恋に落ち、ピクニックのように床に広げた食事、甘い時間。。。そんな幸せな時間を過ごすが、そこへ、ドンの
母親・ベイカー夫人(范文雀)が抜き打ち訪問。
半裸の2人を見て唖然。そして正気を取り戻すや否や二人の交際に大反対。
激しいドンと母親のやり取り。
そして、ドンが買い物に行ってる間に交わされたジルとベイカー夫人との会話。
それぞれの思いが入り混じる中、ジルの友人で演出家のラルフ・オースティン(山賀)も巻き込んで、事態は思わぬ方向へ…。
 果たして最後に二人は、“蝶々のように”自由に飛ぶことができるのか?
 それとも、若い二人の恋は、たった一日で終わってしまうのか・・・?

・・・これは、たった一日で、恋をして、傷ついて、少し大人になった少年と少女の物語。


感想。2002.3.30(席:X列25番)/3.31D列25番)※いずれも昼公演。 パルコ劇場にて。

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本日(3/30)はMY初日。しかも端の方とはいえ、最前列。(上手)
なんだか、自分自身が緊張してしまってました(苦笑)
思った以上に舞台と近い。手を伸ばせば舞台に手が着きそうだ。しかも、そんなに舞台が高くない。あまりにも間近、なのだ。
(近すぎて、直視出来ないよー。)

 最初はあまりに(距離が)近すぎるドンの姿と(?)、あまりのジルのテンションの高さに圧倒されてしまい、固まっていました^_^;
徐々に舞台の世界に入って行き、やり取りの面白さにくすっと笑ってしまったり、ドキマギしてしまったり、なんだか今までの舞台
では経験した事のない気持ちになっていきました。
ドンのはにかむようなあどけない笑顔、小声で「やった!」と興奮、嬉しさを抑えきれない表情や、‘蝶々のように’自分に正直に
生きるキュートなジルを観ていると、なんだか胸が熱くなったりして。
しかも、「ピクニック」の時、ドンが、この一人暮らしを薦め、ギターを薦めたある女の子の話を嬉しそうにすると、顔を悔しそうに
顰めてワインを一気に飲んでるジルの表情がかわいい(^o^)嫉妬、しちゃってるんだね、きっと。

そういう、なんていうのかな、ちょっと前(昔?)に経験した思いとか、忘れかけそうになるドキドキ感とか。
計算なんてない、自分の気持ちに正直におこす行動、ピュアな気持ち、というか。。。
・・・なんだか、少々、気恥ずかしい気持ちもしたりしたけど、(見てはいけないものを見ちゃってるような?
・・・だって、 笑いどうしだったと思うと、急に見つめあって自然にキスを交わしたり。(ジルを抱えあげたまま、
キスをするドン。すごーい。)・・・数時間経ったら二人とも半裸(下着姿)だし・・・。そんな二人の恋を観ている
わけだし^_^;)
久しぶりに透明な気持ちになったような(?)すごく新鮮な気持ちでした。

無邪気にその(下着)姿のまま過ごす二人。それが、全然嫌らしくない。すごく幸せそうだし、かわいい。
そして、それが逆にドキドキしてしまうんだよなあ。おかしいかな?私。
色っぽい、大人のシーンを観るドキドキとは全然違う種類の「ドキドキ」。
いや、むしろ今日の方がかなりドキドキ。(?)

そこへ不意打ちのママが登場。香水の香りで気付いたドンは「空中ベット」(ロフトのように高い所にベットがある)の上で
ギターを抱え(しかも、下着姿)「ハロー、ママ・・・」そしてジルは下着姿のまま冷蔵庫を開けている(固まっている)。

このママ、ベイカー夫人、范 文雀さんがすごくいいなあ、って思った。
あくまでも冷静で、でもドンを離したくなくって、真顔で結構言いたい放題。だけど、それが時に笑ってしまった。
空気の掴み方っていうのかな、なんだか惹きつけられた。
ドンへの深い愛も、大人になりつつあるドンを認めたくなくて強引に連れて帰ろうとする思いも、そのきっかけをつくった「二人目
の女の子」、ジルへの苛立ちっていうのかなあ。。。そんな複雑な思いがその表情や言葉から溢れてくるようだった。

ジルが自分の部屋に戻り、ドンとママが二人っきりで話し始める。当然、話はかみ合わない。
(真顔で「あのこ(ジル)はバカよ!」には思わず大爆笑してしまいました^_^;
ベイカー夫人、ずっと真顔なんだけど、時々ふっと笑ってしまう。そして、すぐに切なくなる・・・。)
強引に荷造りを始めるママに、ドンは激しく言う。「そのスーツケース、帰して!!」尋常じゃない態度で。。。
激しく反抗するドンに衝撃を覚えるベイカー夫人は、驚きを隠せないままの表情でスーツケースをドンに渡す。

そのショックを抱えたまま、ベイカー夫人は、ドンが今夜のジルとのディナーの為買い物に出かけた後、「ピクニック」の
後片付けをしながら思わず大きな声でジルの名を呟く(っていうか叫んでる?)。
その声に反応して出てきたジルと意を決して二人っきりで話をし始める。

ジルは正直にベイカー夫人へ思いをぶつける。そしてベイカー夫人も・・・。
ジルって面倒な事が嫌いな女の子。傷つけるのもつけられるのも嫌。縛られたくもないし、この先なんて分からない。
そんなジルに、またドンは傷つけられるのではないかと不安になるベイカー夫人の思い。
(なんせ、結婚生活6日の人だし。しかも、ドンとの間は深刻にならない、とか言ってしまってるし。)
「ドンは貴方に恋をしている。もし、貴方にその気持ちがないのなら、今の内にやめてちょうだい!・・・長くいればいるほど、
別れた時ドンの傷は大きい・・・」

ジルは、ベイカー夫人もドンを傷つけているんだ、と言う。
「ドンに必要なのは、自信だったんだ!・・・出て行くのは、あんただよ!ベイカー夫人!」
そしてそう言い放つ。も、ジルの表情には明らかに迷いが・・・。

でもきっと、ベイカー夫人は大人になって自立していこうとしている息子を認めなくてはいけないとも、きっと思ってる。
そして、ジルの言葉が辛くも、否定できない事も、きっと。
そして、息子にとっての「自由」とは・・・。
そんな葛藤が感じられた。

夕方。ディナーの時間は過ぎている。ベイカー夫人はまだ部屋にいる。明らかにさっきとは違う態度のママが、ドンには気になる。
だって、家に連れ帰そうともしなくなった。ジルがなかなか来ない事にドンよりイライラし、心配している。
あげくに、自分の作った歌を「いい歌ね。」と誉める。。。(ジルから「ドンが歌を作れる事も知らなかったでしょ?」と言われ、
ジルが去った後、ベイカー夫人は一人でじっとその歌を聴いていたのだ。)

そして、ちょっとした事から、自分のいない間にジルとママが話をしていた事を知り、怒るドン。
そこへ大幅に時間に遅れ、演出家の(超カルイ)ラルフと酔っ払いながらジルが現れる。
明らかに緊張しているドン。いかにも軽い女を装い、今すぐに荷物まとめてラルフの所に引っ越すんだ、と言い出すジル。
心配そうに見つめるベイカー夫人。。。

ラルフが「表で待ってる」と消え、ジルは荷物をまとめる為に部屋に戻り。
パニックになり「家に帰る」と興奮しだしたドンに、ママは「ちゃんと話し合った方がいいと思うの」と諭す。
ママは一刻も早く連れて帰りたい気持ちを必死に抑えて、大人になっていくドンを認めようとしている。
もう、自分は必要ないんだと理解しようとしている。
負けて帰ってきてほしくない、乗り越えて欲しいと。
きっとドンに自由にはばたいて欲しいのだと思う。(私は。)
そして、ジルの気持ちも、(この状態の)きっかけを作ったのが自分である事も分かっている。

・・・そんな(自分を思う)ママの気持ちをひしひしと感じたのか、ドンは帰りかけたママに「来てくれて・・・ありがとう・・・」と。
その言葉に思いが溢れたのか、手を広げ、小走りに切なそうにドンを抱きしめるベイカー夫人。
「愛してるわ、ドン。」
なんだか、切ない。

その後、ジルを呼ぶドン。
お互い、気持ちを激しくぶつけ合う二人・・・。
ドンは、ジルが自分の事を愛してる、でも(障害をもっている自分を愛する事を)恐れているんだ!と訴える。
ラルフのことなんて好きじゃないだろう、と。
心が未発達だから、結婚とも向き合えない(責任を持てない)、と。

「君は心に障害を持っている。良かったよ、僕は障害が目だけで!」

必死に否定し、ごかまし続ける(ように見えた)ジル。半ば喧嘩腰で逃げるようにドンのもとを去っていく。

一人になったドン。ソファにつまづき、ドアの前で泣き出す。泣いたかと思うと笑い出す。それがまた切なく苦しい・・・。
電気のスイッチを乱暴に消すと、靴がすでに片方脱げて、片足が裸足のドンは泣き喚き、あちこちのものをぶつけ、
投げ出し、のたうちまわる。
不意に流れ出すラジカセからの自分の作った歌。
そしてそのカセットテープを取り出すと、激しくテープを引っ張り出す。(や、やめて〜)
テープが手に絡んだまま、仰向けになって泣き続ける・・・。
このシーンはかなり息苦しくなった。切な過ぎて。

・・・そこへそーっとジルが入ってくる。どうしていいか分からない表情でたたずんでる。
そして、持っていたペンダントをテーブルにわざと落とす。
「誰だ!」はっと体を起こすドン。そこへ「グットニュースがあります!ママではありません!」と明るく言うジル。
でも、無理矢理明るく言っただけ。すぐに下を向き、戸惑っている。
ドンは信じられない表情で立ち上がり、手を差し伸べる。そしてその手にジルも・・・。
ドンはジルを抱き上げたまま、キスを交わす。幸せな表情で。


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なんせ、MY初日なもので^_^;記憶違い、勘違い(?)等あると思いますが、そのへんはご勘弁を。

とにかく、近すぎ(爆)上手で井上さんが床に座ると、目線がちょうど自分の目線と同じ位になるし。
こんなに近くで井上さんを見た事が無かったので。
最初は本気でドキドキしてしまい、直視出来ずに^_^;固まってました。
とにかく、表情がよかったです!あどけない表情も、激しく怒る表情も。そして切なく苦しむ泣き顔も・・・。
心から人を愛する気持ちが、全身から溢れ出すようで、がんがん伝わってきたかな。
そして、高橋さん。かわいいー!ほそーい!ちっちゃーい!色白ーい!(?)
同姓から見てもすごいキュート。台詞回しも動きも可愛かった。
そして、自由に生きたい、という思いが全身から伝わってくる。
このカップル、かわいいなあ、と素直に思っちゃいました。

カーテンコールは、一人づつ出てこられて、皆さんで一礼。
うーん、確かに、井上さんだけ、左足が少し前に出てる(爆)
そして、2回目に幕が開き、また幕が下りかけると、幸せそうな表情の井上さんは(緊張してるのか、ニコニコではなかった)
そのまま、突然?手を振ってくれました。
なんだか、ちょっと照れが入ってたかな??(^○^)
そしたら、高橋さんはジル風に可愛い投げキッスをしてくれました。

なんか、ぼーっとしました。暫く。明日が、MY楽(そして東京楽)。もう少し、冷静に観られるかな?(爆)

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そして、本日、東京楽です!

昨日(3/30)と違ったところ。
ジルとドンが半裸の所へベイカー夫人がやってきて、その後、ジルがシャツをドンに着せてあげる。
そして、シャツのボタンをドン自身が留める・・・のだけれど、昨日はボタンを掛け違えてました(笑)一段ほど。
私は初めて観たので、そういう演出なのか?とか思っていたけど、今日は普通にボタンをかけていたから、昨日が恐らく
間違えたんだろうなあ。
でも、個人的には昨日の方が可愛い気がして好きだけど(笑)
あと、ジルが去っていって暴れるシーン。今日は靴、脱げてなかった(爆)・・・という事は昨日は偶然脱げてしまった、という
事?(笑)でも、これも片足裸足の方が、私は好きなんだけど^_^;
(昨日って、ハプニング続きだったの??)

それから、カーテンコールについて。

最初は昨日と同じ。一人一人出てきて、一礼。
でも、井上さんの表情は昨日よりニコニコしてたかな。笑顔で手を振っていました。
そして、2回目。ちょっとしたハプニング。
開いたばかりの幕がすぐに閉まりかけました(笑)丁度、井上さんの頭あたりで止まって、また上がっていき(?)井上さんも
上目遣いでそれを見てました。
そして、沢山の拍手が鳴り止まない中、山賀さんが何か話し始めたのです。
「?」止む拍手。
「えー本日はお越しいただきありがとうございました。・・・出演者から一人ずつ挨拶を・・・」というような事をおっしゃって。
山賀さんから。(なんだか、高橋さんとか既に笑ってる。??)
「・・・出番が10分程なもんで、まだ体力が有り余ってますけど、もっと沢山話しましょうか?」には大うけでした。
あと、「どんなに一生懸命練習をしても観に来てくださるお客さんがいないとダメなんです。これからも、もっと沢山舞台を
観に来てください」とも、おっしゃってました。
(なぜか、会場から男性の声で「観に行くぞー!」の声^_^;)
それと、「人気者の井上君にこれからもついていこうと思います(笑)」に井上さんは盛んに手をブンブン振って、下を向き、
「とんでもない!やめてやめて!!」と言いたげに照れて困ってました(^o^)丿
范 文雀さんは、自由とは何か、を考えてやってきた、と。皆さんもいろいろと思ってくださったと思います、というような事を
おっしゃってました。
そして、高橋さん。
「えー・・・えー・・・・・・・・・・・・・・・」(笑)なかなか言葉が出てこない様子。そして、「こういうの苦手なんだよなあ」(^o^)
しかも、最後に言葉をしめるのにも戸惑っていて、「もう!山賀さんが沢山話すからー^_^;」って笑ってました。
そして、井上さん。
4年前上京してきて・・・と話し始めてすぐに「・・・この話、長くなってもいいんですか?」(爆)
会場も大きい拍手で「いいぞ!いいぞー!」という意思を(?)すると慌てて手をブンブン振ってました。
(ウソウソ。と言わんばかりに。)
井上さんは、4年前上京してきた頃は、こんな風にストレートプレイをしかも、こんなパルコ劇場のような所で出来るなんて
思ってもいなかった、と話してました。
そして、東京でまず千秋楽を無事迎えられてほっとしていたようでした。
(あ、いつもいっぱいいっぱいで^_^;僕にできるのかな、とか悩みながらやっていたとも言ってました。)
また、ドンと一緒に少しずつ、成長できたかな、とも。
・・・皆さんが口々におっしゃってたのは、やはり、素敵な出演者、スタッフなどに助けられてやってこれた、という事でした。

そして、幕が下ります。井上さんは両手を振って笑顔でした。
昨日だったら、ここで終わりです。
でも、拍手は止みません。
そして、再び幕が開きます。(そこには誰もいません。)
すると、下手から井上さんが登場。そして、上手より高橋さん。そして、二人でそれぞれ自分の出てきた方向に手を差し出すと、
山賀さん、范 文雀さんが登場してくださいました。
幕が下りるときの井上さん、両手をあちこちの向きで振っていました。うーん、ルドルフ(?)←失敬。


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・・・そして、パンフレットの中の小池修一郎さんのコメントの一部。
「ドンとジルが今も結ばれているという保証は何もない。しかし彼らがどんな大人になっていようとも、
21世紀の若者たちにこう伝えるのではないか?「人は蝶々のように自由に生きる権利がある」と。
そしてそれはとりもなおさず「自由に傷つく権利がある」ことでもある。愛を求めて傷つき、涙し、それでも
人を愛することを止められないのは、生きていることの証なのだから。」

・・・成る程、と素直に思いました。
大阪は行けないけど、きっと素敵な舞台を繰り広げてくれることでしょう。期待している私です(^o^)丿
素敵な時間をありがとう。

・・・今度は山賀さんが沢山出てる舞台を是非(爆)

おまけ。「バタフライはフリー」の原作、映画、今までの公演情報など「予習」(?)したものはここに
移しました。(クリックして入ってください。)