ナイロン100℃ 22nd SESSION
『ノーアート・ノーライフ』

パリのカフェに夜な夜な集まる「自称芸術家」の日本人達。ヒモ同然の生活をしながら、あるいは犯罪を犯しながら創作活動を続ける男達のどうにもならない人間模様。ケラリーノ・サンドロヴィッチ初の男芝居は、シャープペンシルに力を入れまくり、猛烈な筆圧で描き切る「才能と世の中の折り合いについて」の激しく愚鈍極まりない物語。(キャッチコピーより)

CAST

 役名 出演者 私から観た限りの役柄説明^_^;
ヒライ みのすけ 愛妻家でオブジェ専門の芸術家。キャラ的にはスマート。
オケタニ 三宅弘城 かなりおばか(失礼)キャラの画家。虫好き。(謎)
メグリ 大倉孝二 背の高い、一見気の弱そうな人(笑)でも実は贋作やさん。
モズ 廣川三憲 売れない小説家。フランス語ペラペラ(?)一見冷静な人だけど、まきこまれやすい。
トニー 大山鎬則 やり手の個人美術商。普段は何があってもにっこり冷静。
スケダイラ 吉増裕士 スティーブの後輩。最初はチンピラキャラ。
スティーブ 温水洋一 「今日から」バイトのバーテン。あくまでも日本人(笑)
タイナカ 山崎一 ヒライとは学生時代からの親友。ちょっといやらしい(Hということではない)キャラ。


こんな感じだったかも(?)レポ。 観劇:2001.11.11 下北沢本多劇場/12.8 パルテノン多摩にて。

突然、大きなスクリーンが現れ、音楽と共に映像(絵画と出演者を混ぜたような)が流れ、役者紹介が始まった。
そして、白い文字でタイプライターで打ったようなフランス語とその下に日本語訳が現れ、このストーリーは・・・という説明が
始まる。70年代のお話らしい。なんか、これからお洒落なフランス映画でも始まるの?という感じがした^_^;

そして、パリの「カフェ」。
いんちきくさい画商、売れない作家、自分に何が出来るのかわからないままなんとなくいる人、贋作専門の画家。etc・・・

「昨日ここで荷物を置き忘れた」と必死にスティーブに詰め寄るメグリ。「聞いてませんね」と繰り返すスティーブ。
カバンと、風呂敷包みを持ってきて、なぜ帰りは手ぶらで帰ったのだ?メグリ・・・(笑)
しかも、「じゃあ、また(マスターのいる)10時に来ます」と言ったはいいけど、その腕時計は3秒に1秒分進むというヘンな
時計。スティーブに「じゃあ、3をかければ時間が分かりますね!」などとアドバイスされるし、しかも、今日持ってきたカバン
をまた置いて帰るし・・・。(笑)

※温水さんは存在そのものがすでにインパクト強^_^;
最初から台詞、間、がおかしくてしょうがない。
ちなみに客は最初モズ一人。必死に小説を書いてるけど、周りにペーズを乱されてしまうのだった。
そんなこんなで・・・。

タイナカとオケタニが何やらもめながら入ってくる。
タイナカの絵(林檎とバナナ)を、ヒライがオケタニをおしたら、オケタニがフォークを持ったまま真ん中を破ってしまった。
「とても長い期間かけて書いた(本当は30分)んだから、保証費払え。2万フランでいい。友達だからな(?)」
とタイナカがオケタニを責める。
オバカな(?)オケタニは誓約書まで書こうとしている。
モズがせっかく「だまされるな、詐欺だ」て言ってやってるのに、「俺がタイナカを売れる画家にするんだだから払う!」
(アホや・・・。)
オケタニはタイナカを親友だと思ってる。でも、タイナカは「違う!」オケタニ「じゃあ、友達以上恋人未満?
(なぜそうなる・・・)
あげくには、「人間以上林檎以下」という事で話がまとまってしまっている・・・。
そこに。
トニーとヒライが談笑しながら登場。
ヒライに、ディーラーというトニーを紹介されるタイナカ。
それまでは散々いい加減なことをいって威張り散らしていたタイナカが急に下手にでる。
「僕(ヒライ)とタイナカは親友なんですよ」そうヒライが言うと、「え!?二人は親友なの?」と驚くオケタニ。
「そうだよ」
オケタニはトニーが「よろしく」と近づくと「わー」っと逃げ出してしまう。
(悔しいのか?オケタニ。・・・トイレで泣いていたらしい。)

※そうそう。
誰よりもお店に詳しいモズは、何かとお酒の場所の在り処を聞かれる(バーテンのスティーブに)
お客が飲み物注文するととっさにモズを見る・・・。
「何段目の何本目!」
その内、スティーブだけでなく、みんなも一斉にモズに視線・・・。
「なんで俺に聞く!」
(オケタニが、頼んだオレンジジュースを一気に飲んだ時も、「おかわり!」とモズに言ったり。)

そこへ。
チンピラ風の男が登場。作詞の仲介?モズに1日締切日を間違えて教えてたのに、開き直ってる。
モズもみんなもびびってる。
メグリがぼそっと「自分が悪いんじゃ」っていうと「あーん?」って感じで男が
ゆっくり近づく。
スティーブにしがみつきながら、「どんどん大きくなってきます」「あれっていうかもうこれです」
2回目はチンピラ風の男は凄く早く近づく。
男「・・・先輩!俺ですよ俺、スケダイラですよ」
スティーブ「ばかやろー早く言えー」(急に態度がでかくなる)
男「いやー先輩全然変わりませんねー」
「変わりないなら早く気づけ・・・」(ぼそっとメグリ。)
何でも、「はざまぐみ」の先輩後輩の間柄。。。スティーブは「やめろ!昔のことは」みたいな事を言っている。
もしかして、やー・・・・?
みんな急に青ざめて視線をはずしてびびる。
急に態度が逆転してしまうのだった。

ちなみに、その「作詞」のもと曲は「およげたいやきくん」
これに歌詞をつけるのだとか。
モズともう一人候補がいてどちらかが採用になるんだと。
みんな回りは「歌ってみろよー」とモズをはやしたてる。いや、そんな・・・といいつつその気になるモズ。
でも、その歌詞はどろどろしてる・・・。海にしずんでとける、とかなんかホラーっぽい。


「13本目の指」(およげたいやきくんの曲でどーぞ?)
13本目の指が次第に頭に生えてきた
失われた夢、失われた娘、研ぎ澄ました肉体
私の肌に黄色い粉がぶちまけられる「溶けてゆく!」
ケンカして海に飛び込んでゆく「溺れるギャー!」
・・・・・・(後略)

みんな、反応にぶい・・・。トニーはにっこり笑って「吐いてきます」
スティーブは意外にも「良かったよ!」と誉め、気をよくしたチンピラ風の男とモズはレコード会社の人に会いに行った。

後半、オケタニがタイナカの部屋の女の裸の絵の事を話し始める。
(女の裸、に反応するスティーブ。「私にも書いてる所見せてくださいよー。未だ見たこと無いんです!」)
胸に3つのほくろがあった」と言い出すオケタニにうろたえるタイナカ。誤魔化そうとしている。
3つのほくろ・・・。
(実はその前に、トニーにヒライが妻について語っていて、ダンサーをやめさせた、とか愛してるとか。
クリスチーヌの胸の上にある2つのほくろが実は3つある事が分かったんですよ」
などとのろけていたのだ。)
「嘘だ!」と怒鳴るヒライ。「すまない」と土下座しながらも事実を話すタイナカ。
(後ろでは勝手にスティーブとオケタニが見に行く日を決めている。前で揉めてる事に気づいていない。)
つかみ合いの喧嘩が始まる。
(慌ててスティーブは止めに入るも、「私はどんな女でもいいんですよー揉めないで下さい」みたいな的外れな
事を言ってビンタされる。スティーブは「私はただ・・・女の裸を見たかっただけなんですよお」と泣き崩れる。
とにかく、あっちこっちでいろんな事が繰り広げられているのだ。)


「クリスチーヌを僕に下さい」タイナカは頭を下げる。
「(付き合ってたのは)4年前から・・・」と告白するタイナカにヒライは「ちょっと待て・・・僕がクリスチーヌと出逢ったのは2年前だ」
??????
「浮気されてたのはどっちなんだー」

切れるヒライ。
お店にある自分の創ったオブジェをおもむろに(白いビーチボール大のものに、いろいろ刺さっている
テーブルに持ってきて、次々にオブジェを壊す。刺さってるものを抜き出しては折ったり、捨てたり。
凍りつく空間。
最後にその白いものを両手で持ち上げ、床に落す。
「あ、壊れちゃうかも」と思ったら・・・「ぐしゃ?」・・・。
すいかだ」(爆)
一目散に走って喰い続けるオケタニ。
シリアスな場面が続いてるっていうのに、後ろで食い続ける。
喧嘩が続く。
オケタニは食いつづける。
そしてひとりまたひとりカフェから去ってく・・・のに、オケタニはーっと喰い続けて挙句にはそのまま床に
幸せそうな顔で寝てしまう。

何も知らないトニーは戻ってきたらこういう状況になっていたので、驚く。
「死んでませんよね?」

 実はスティーブがメグリのすべての荷物をすべて足元に隠していて、こっそりお金を盗むは、トイレから戻ってきた
トニーに絵を値踏みさせるは(売るつもり)ひどいのだ。そしておきっぱなしになってたタイナカの「リンゴとバナナ」も
いちお、いくらで買うか聞いてみると更に高値が。(破れてる所がいいんだと)
すると、値踏みさせた贋作であるその絵を思いつきでフォークでやぶって価値を落としてしまう。
そこへ帽子を忘れて取りに来たメグリ。
「あーっ!!」
詰め寄るメグリに、スティーブはとっさに(絵を突き破ったままの状態で)フォークでメグリの腕をさっくり刺してしまう。
「あーっ!」
起きだしたオケタニにメグリがその腕を差し出すと、オケタニ、「わー!」とフォークを抜いてくれるんだけど、
また刺しちゃった(笑)
「あーっ!!」
どたばたしたまま暗転。

※実ははざまくみとは大学時代の映画研究会だった。
(「はざまさん」が監督だったから「はざまぐみ」なんだと。)
急に態度がでかくなるメグリやその他の人たち。
なにがなんだか分からずにおろおろするスティーブ(笑)
ずーっとすいかの甘い香りに包まれて前半は終わるのだった(笑)

2年後。(再びスクリーンで経過が説明される。)

和気藹々の店内。モズは「めんごめんご!」などと2年前とは比べ物にならない位、とっつきやすくなっている(笑)
出所したメグリ(贋作は罪。)もいる。
(何時の間にか、スケダイラ(チンピラ風の男)はバーテンになっていた。)
そこへ、すっかり何もかも失い薬におぼれるヒライが。何事にも喧嘩腰。
目の焦点はあっていない。
固まる空気。
「クリスチーヌはタイナカに取られる、その後やっと出会えたアマンダ(だったかな)はこいつ(オケタニ)に取られる!」
(おいおい・・・。)
「それはいいっこなしだぞ」ボケボケのオケタニ。
「とらないでえ!僕の女、取らないでえー!!」(BYヒライ)
(爆)シリアスになると思いきや、こんな感じの繰り返しなのだ。
挙句にはモズにからむヒライ。
(ジュークボックスで「およげたいやきくん」をかけるのだ。流れるその歌(歌詞は当然、モズの作詞ではない。)
は「およげたいやきくん」。要は古傷をえぐってるのだ。)
泣き出して、お店を飛び出すモズ。

(そんなヒライに 「なんでみんな仲良く出来ない!」
「人は弱いんだ、失敗したりもする、だからいとおしい・・・」とヒライに説教(?)するオケタニ。
めずらしく(?)好い事言ってるぞ!と思ったのもつかの間、後が続かず(苦笑)
「だからといって強い人間がいとおしくないかといったらそうじゃないんだけど」とか言い出し、
横から注意されてるオケタニ。しかも、途中で(自分が何を言ってるのか分からなくなり)
言葉がつまってううーーとか。)


あの絵(※「リンゴとバナナの絵」。やぶれたのが奇抜でいい!とトニーに買われたのだ)をきっかけに
奇抜なものばかり書き続け売れっ子となったタイナカがやってくる。
みんなタイナカを毛嫌いする。
「してあげる」などという発言ばかり。してくれなくても、いい!
怒りは露骨にタイナカに向けられる。
でも、タイナカは書きたいものをかけず苦しんでいた。
でも、嫌味な態度がますますみんなを怒らせる。
オケタニ「タイナカはもうおれがいなくても売れてるからもういらない!」

いろんなやりとりがあったり、、詐欺まがいの事をして笑ってるスティーブやオケタニ、ヒライに
「人間が小さすぎる!」と説教(?)するメグリの言葉を聞いたりしてるうち。
「書きたいものしか書かない」
タイナカは決意をみんなの前で固める。

そこに一本の電話。
スケダイラがとる。「ウィ。・・・ウィ??ウィー!?」(うるさい!と周りに起こられる。)
「モズが!」
(瞬間、暗転。)
「2時間後」。
モズがトラックにはねられた、というのだ。体は全く健康だけど、意識がない、とな(?)
(スケダイラが病院に行っている。)
心配なみんな。責任を感じるヒライ。ヒライは薬をすべてトイレに捨て、まともになっていた。
そこへスケダイラが帰ってくる。
今日はもう家族のみで、面会は明日でないとだめだという。
みんなはただ無言で座って酒を飲んでいる。
そこへトニーがやってくる。

すでに一枚の絵を送りつけていたタイナカに、トニーは、「いつもの奇抜さがないですね。(買えません)」
それでも気持ちを貫こうとするタイナカ。
絵の具を持ってくるよう、スケダイラに指示するトニー(上から滅茶苦茶にぬるつもり)。

「そういえば、モズさんはどうしたのですか?最近は来ていないのですか?」
「・・・いえ・・・来てますよ・・・」ヒライは低いトーンで答える。
日本に帰国した時「およげたいやきくん」が大ヒットしていた、という話をし始め、「(モズの)歌詞は採用されなかった
んですねーまあ、あれじゃねえ」・・・とモズをバカにするような発言をする。

あんな歌(モズの歌詞)、とばかにするトニーに、モズの内ポケットに入っていたというあの歌詞をひったくって
ジュークボックスで「およげたいやきくん」をかけ、歌い出すオケタニ。一人また一人と歌いだし、そこにいた全員、
大合唱でトニーにせまる。

「な、なんなんですか」戸惑うトニー。ジュークボックスのコンセントを抜いてしまう。
「・・・あ、絵の具は用意できましたか」スケダイラが用意した絵の具(小さいバケツに入った)を手にとろうとした瞬間、
絵の具をひったくって(トニーに)頭から浴びせるオケタニ。
トニー、ついに怒る。
タイナカに「個人ディーラーだからってバカにしては困りますよ!・・・もう1日だけ待ちますよ。」というような内容を言い、
そして、体を洗ってくるからそれまでに体を拭くものを用意すように言い残し、はける。

スティーブは「あいつが戻ってくる前に店閉めて真っ暗にしちゃえ」と提案。
戸惑う人もいたけど、1人、2人とその案にのっかる。
「じゃあ、先にあの店に行ってるからな!」スティーブも出て行く。
メグリ、スケダイラ、タイナカを残し、暗幕。


そして、みたびスクリーンが出てくる。その後のみんなを説明している。
ちなみに、クリスティーヌはタイナカとヒライが大喧嘩をした夜、冷めたシチューを残し家出、2日後にとっとと別の
男性と結婚したそうな(笑)
モズは何年か後に奇跡の生還をしたらしい。
日本に帰った人あり、残った人あり、成功した人あり・・・・。

################「オケタニ」話(?)上記で伝えてない1シーンなど。##############
※これがこーだから虫を愛しいと思うんだよ、と訳の分からない例えを語る(失敬)オケタニ。
その後もたまたま出てくる会話の中の「むし」に反応しすぎ(笑)

※オケタニは似顔絵(ぺん画)を外でも書いているらしいが、メグリがたまたまそばにいたとき、頼みもしないのに
勝手に書き始めて、しかもそれは隣にいたおばちゃんの顔にそっくりだったらしい(爆)
オケタニタッチ、とみんなは言うけど・・・^^;(1幕)
そのオケタニ、2幕頭で後ろに座っているモズを見ながら真剣に似顔絵を書き始めている。
「出来た!」と広げたその絵はなぜか思いっきり前で座ってたスティーブの顔(しかもそばにビンがあってそれが
顔の正面にかかれている)。殆ど視界に入らないはずの顔をなぜそっくり書けるのだ、オケタニ・・・。
さすが、オケタニタッチ(爆)

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※これが当然すべてではないし、記憶違いの部分等もあると思います。
(こういう舞台はどう言葉で説明していいか難しくて分かりません^^;)
もっと沢山内容があるのだけれど、記憶の中でシーンが前後したり、はっきり覚えてなかったりするので・・・。
支離滅裂でごめんなさいm(__)m
いちお、余談みたいな内容は「※」印をつけて改行してます。
あくまでも、「こんなシーンがあったんだー」とか「こんな感じだったのかー」くらいに留めて置いてくださいね。
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ちなみに。余談。「劇中の音楽」

劇中のゲンズブールの曲は、オープニングとカーテンコールで使っているのが、「dujazz dans le ravin」というアルバムの中の
『おかしなタイプライター』という曲。
劇中で温水さんが掛ける曲は「couleur cafe」というアルバムの中の『コーヒーカラー』と『唇によだれ』という曲。
休憩直後の映像で使ってる曲は「couleur cafe」の中の『うまうまマンボ』という曲だそうです。

特に『おかしなタイプライター』という曲がすごい気になっている私です。
観劇されてない方ももし興味があったら是非聞いてみてください(^o^)丿


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