カメレオンズ・リップ

作・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ

CAST

ルーファス・T・ファイアフライ    堤真一
エレンディラ/ドナ(二役)    深津絵里
ナイフ・ハーフムーン       生瀬勝久
ガラ・トメート           犬山イヌコ
ルドルフ・ハッケンブッシュ大佐  山崎一
ビビ・シングルカスク      余 貴美子
モーガン・スーパーブレンド医師  木村悟/シャンプー・ニューワース  林田麻里

物語

人里離れた森の中の洋館に住む男は、実は稀代の詐欺師。屋敷を訪ねてきた謎めいた女と騙し合ううち、二人の間には奇妙な愛が生まれていく。
そんなある日、化粧品会社の女社長が男を連れてこの屋敷を訪れたことをきっかけに、屋敷に仕える使用人たちをも巻き込んで、意外な事態が引き起こされて……。

(シアターコクーンHPより)

ケラさん談より

「軸となるのは、堤くん演じる詐欺師と、絵里ちゃん扮する謎の女の間の、騙し合うことで愛し合うという、ある種屈折した恋愛関係。
セリフでやりあうわけではないですが、「オレを騙してくれないお前なんか魅力がない」「私を騙してくれないなんて!」みたいな
かけひきがある。そんな二人の関係を、詐欺師に仕える生瀬さんと犬山、屋敷を訪れる女社長の余さん、女社長に淡い恋心を抱く
山崎さんといった周囲の人々は理解できず、全員が全員を騙し合ううちに、事態が複雑化して…という展開を考えています。」
(シアターコクーンHPより)

・・・・・・ケラさん・・・・。内容が違うんですけど(笑)↑
まあ、シアターガイドには実際の舞台の設定が載ってますが・・・。

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2004.2.21(土)マチネ観劇。 座席中2階MR列6番

てなことで(?)イメージしていた物語と展開が違うのでびっくりしました^^;

まず深津さん演じるエレンは屋敷を訪ねてきたのではなく、冒頭から既に屋敷にいました(笑)
きっかけは、エレンが列車の中でルーファスにスリをはたらいて、それを車掌に見つかり捕まりかけた所を、なぜか
ルーファスが夫だと名乗って助けた(?)事から、ここにかくまってやってるという。(確か。騙されてる?:笑)
生瀬さん達は使用人ではなく。生瀬さん演じるナイフは、ルーファスの姉ドナ(深津さん:二役)の元夫。
ドナが行方不明になり「死んだ」ことになってるため、その墓を立てて忘れたい、という名目のもと、実はこの屋敷を手に入れる為に今の妻ガラ(犬山さん)とやってきた、と。
余さん演じるビビは、女社長として屋敷に来ますが、それはルーファスを騙す為ナイフ夫婦とエレンと手を組んでいた女優。
学生時代にナイフと同じ演劇部(?)にいたらしい。
山崎さん演じるルドルフ(!)大佐は、凶暴で困ってる自分の犬(体がドーベルマン、顔がブルドックの名がモモちゃん)
を射殺するためにうろうろしていた所、偶然屋敷の庭先で眼科医(木村さん)をぼこぼこにしていたナイフを見つけ、
助ける為に発砲したところをエレンに誤解され、屋敷に連れてこられた。
(軍人なんだから手当てをしてあげて!と奪われた銃で脅されて)実は警察官?

・・・と設定が既に違う部分が多いようで。
物語についてもどこからどう説明していいやら、複雑&謎。
ちなみに、舞台は上手に庭とテーブル・チェアなど。下手に屋敷。ベランダから庭を見る格好になってます。
そして、屋敷の中のシーンになると、その屋敷が回転して部屋の中が現れる、という形。
なので、私の席からはチェアに座って語ったり何かしてるシーンは見切れてしまうので、すごく観づらい。
もうちょっと配置を工夫して欲しかったです。

冒頭は、堤ルーファスが姉ドナを語る所から始まり、屋敷の中で深津ドナと堤ルーファスの会話が繰り広げられます。もうボケとツッコミ、会話のやりとりが面白かったです。
小さい頃から嘘つきで人を騙し続けてきたドナ。その極意?を馬鹿正直な弟ルーファスに語ってます。
ドナ「失意のズンドコ・・・ズンドコ・・・あ、本当はどん底なんだけ(ど)・・・」ル「わかってるよ!」
ドナ「なんて呼ばれたいの?」ル「なんでもいいよ!」ドナ「なんでもいいのね?焼き鳥でもナントカでも(この辺自信ない^^;)・・・じゃ砂肝!」
ドナ「今度から姉さん、貴方を砂肝と呼ぶわ。」そして、本当に「ねえ、砂肝?」と呼んだり。
そんな会話がポンポン出てきて面白かったです。
そして、ドナが「私がもしいなくなったら・・・」と言い出してルーファスは「どこにいくんだよ!」と必死。
ドナは笑って冗談めかしますが、ルーファスは必死。「いかないでくれよ・・・」
泣きそうな顔で懇願してるその表情は子供なのか、姉弟愛を越えた愛情なのか私には判断つかないほど。
そして、そんな弟をドナは優しく抱きしめて。
「私が貴方に対して嘘をついたことがある?」
そして、ドナはいなくなった。そして、ルーファスは詐欺師になった。

そして10何年後?ドナの命日?に生瀬ナイフとオラウータンみたいなぬいぐるみ(チッチモンドくん)を子供のように抱いている犬山ガラが、この屋敷を訪ねてくる。
(偶然あった眼科医に送ってもらったらしい。おまけにその眼科医を騙している。)
そして、ドナと瓜二つのエレンを見て2人は酷く驚き、ガラはエレンをひっぱたく(ドナはナイフの元妻だから)。
ルーファスはしてやったりの顔。でも、実はナイフ達とセルマ(とエレンはナイフ達には名乗ってる)はルーファスを騙してお金を巻き上げようとしていた。
そこへ、ドナの大学時代の友人シャンプーがやってくる。でも、エレンを見て酷く動揺に走り去ったら崖から落ちたらしく、瀕死の重傷で戻ってる。
そして、シャンプーはドナを憎んでいたし、ドナも嫌いだった事が分かる。

「墓を立てたい」そんなナイフにルーファスは耳を貸さない。早く帰ってもらえ、とエレンに言う。
しかし、ガラに脳腫瘍の疑いがあることが分かり、安静が必要だとのこと。がっかりルーファス^^;
最初は疑っていたナイフ。でも、嘘でないと感じる。眼科医に明るく(?)告げられたナイフはブチ切れてその眼科医をボコボコにしてしまう。
そこにやってきた山崎ルドルフ大佐が、それを止める為に発砲。が、一発目がベランダにいたシャンプーに当たってしまう。またもや傷増える^^;
そして、2発目がナイフの足に当たる。そこを薪を取りに行ってたエレンに誤解され、銃を奪われ屋敷に連れてこられた。

そんな中、ナイフ達はナイフの先輩で女優のビビを社長にしたてて屋敷にこさせ、ルーファスを益々騙しにかかる。
ビビとセルマ(と名乗るエレン)も知り合い。セルマはドナとそっくりの顔に整形をしてこの屋敷に潜り込んだようだ。
しかし、途中のちょっとした会話でビビはセルマに対してふと疑問に思う。「私、この事セルマに話したわよね?」
でも、巧みに交わすセルマ。
そんな中、ふとしたきっかけでまずガラが地下(庭のある深い穴と屋敷の地下が繋がってる)の中の死体を発見する。でも、誰にも言わず知らないフリ。
でも、後半その穴に偶然落ちた眼科医がひょっこり部屋の床から顔を出し、その存在を伝える。そこにいたルドルフ大佐が自分が見てくるとその穴に入る。
その死体はセルマ・・・?

ガラの具合が悪くなっていき、ガラがいかに大切か気付いたナイフはこの計画から下りる、とビビに言う。
「今更なによ」ビビは予定外の行動を起こす。
ナイフは、医者を探しに外へ飛び出す。ガラも追いかけようとするが、セルマ(エレン)に「(ナイフから)電話があるから」と諭され、部屋の中で待機させられる。
ビビが帰ろうとしたところ、扉が開かない。鍵もかけてないのに。
部屋の中が突然騒ぎ出す。蓄音機は鳴り出す、おサルのブリキのおもちゃ(?)は動き出す、部屋中はガタガタ言い出す・・・そして静かになって扉が開く。
ビビは恐怖に怯えてすぐさま屋敷を出て行く。

すると、全身傷だらけのシャンプーが銃を持って降りてくる。エレンをドナだと信じ(?)撃ち殺そうと引金を引く。
そこに電話の音。ガラが「電話だ!」と慌てて駆け寄ると、エレンではなく、ガラに当たってしまう。
放心状態のシャンプー。ルーファスが銃を奪うところでセットが回転。

庭の穴からルドルフ大佐が出てきて。なぜか体が穴にひっかかり抜け出せずに困っていた。
そこへエレンとルーファスがやってくる。
「何があったんだ?!銃声が2発聞こえたぞ」というようなことを言います。
(2発?ということはシャンプーも・・・?)
逃げ出そうとした眼科医はルーファスに撃ち殺されます。
そして、大佐は死体の存在と、それがセルマであること、そして昔、記憶を失った女性が施設(病院?)に収容された話をします。
その女性は嘘つきで巧みな話術で毒を奪い、他の収容者の食事に毒を盛っていて、他の収容者の中にはそれを知っていて進んで食べた、みたいな話をします。
そして、その女性は脱走した。名を自称エレン。そして、本物のセルマを監禁し餓死させたのもエレンだと。
追い詰められたエレンは大佐に銃を向ける。「撃って下さい、と言いなさいよ!」
当然言えません。でも、エレンは嘘つきです。ルーファスまで煽ります。暫くのやりとりの後、追い詰められた大佐は「撃って下さい、お願いします!」と言ってしまう。そして、銃声・・・。
その大佐の死体を、ルーファスは静かに穴の中に落す・・・。

ルーファスは自分の幼い頃の話をエレンに話す。雨が降り出します。
ドナはこんな雨の日、コートを脱いで庭を走り回っていた。怒られるのを分かっていながら姉弟はずっとはしゃいでいた。
でも、案の定その後母親に怒られ、殴る蹴るひどい仕打ちを受けた、と。そんな母親だったと。
父親はいい人だった・・・。
君もよく覗いていたアルバムにある笑顔の4人の写真は幸せそうに見える?とエレンに聞くルーファス。
即答できずにいるエレン。「どうして?誰が見ても幸せそうに見えるよね。君はどうしてそう感じないんだ?」とルーファス。
そしてその写真は父親とその愛人と姉弟であり、父親の最後の写真だと。父親と愛人は銃で撃ち殺された。
そして銃で撃ち殺したのが姉のドナだと、新聞でも報じられ、幼い子の為罪に問われることなく過ぎたある日。
(幼すぎて)それを知らなかったルーファスがその新聞の切り抜きを見つけ、それをドナに問いただした。
そして、ルーファスは確信した。これは姉がやったことじゃない、母親が姉に罪をなすりつけたのだ、と。

「どうしてそんな話をするの?」雨の中、エレンは聞く。
そして、「私にも弟がいたの」と話し始める。
そして、弟の入れてくれるお茶は美味しかった、中身はハーブ(だったかな?)と・・・あ、記憶が定かじゃない、私と母親では
中身が違っていたんじゃなかったかしら、というような事を言っていたと思います。(全く自信がない。)
その会話の中に、ドナの為にルーファスが母親に復讐(毒殺?)したのだと感じたのですが・・。

そして、大雨の中、じゃれあう2人。
ナイフが帰ってきても、平然と「そうか。早く屋敷の中に入った方がいいぞ」と言う。
そして、抱き合って、キスして・・・雨の中をくるくる踊って。屋敷の影に消え、戻ってきた数秒の間にエレンの姿がドナの姿に変わっていてちょっとびっくり。
そして、ドナとルーファスは・・・?
そのまま暗転。
お互い騙し、騙され続けることで、この愛を貫けるってことなんでしょうか?
2人とももともとお互いを愛していたのでしょうか?ルーファスはいつから気付いていたんでしょうか?
疑問、謎だらけのままです(>_<)しかも、こうレポしててもきっと誤った解釈、勘違いが沢山あるに違いないと思ってたりします。すみません。

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こんな内容だった気がしますが^^;
とにかく、前半は大笑いしてました。会話のやりとり、テンポ、とっくみあいなど皆さん上手い!
そして、スクリーンをうまく使ってのキャスト紹介、途中経過(さっきの場面から同日○時間後、とか。)はナイロンでもお馴染み。
後半は思っても見ない惨劇にちょっとびっくりしてしまいました。
心理的な駆け引き、騙しあいの中で事が複雑になって・・・と思ってて、人が銃で撃ち殺されるとか、そういう展開になるとは思ってなかったのです。
ふと、ナイロンの「すべての犬は天国へいく」と「フローズンビーチ」を思い出してしまった。なんでかな。

惹きつけられた役者さんはまず犬山さん!面白いですー。チッチモンド(ぬいぐるみ)を子供のように大切に抱き、会話してます。時には本気で喧嘩してます(笑)
とっくみあいも迫力あるし、なぜか同じことを繰り返してボケ倒してるし^^;生瀬さんとのコンビもばっちり。
挙句には、怒りのあまりその屋敷にある熱帯魚を食べちゃうし。
ビビとの喧嘩の中でチッチモンドを暖炉の火に捨てられ、本気で号泣し、ナイフ(刃)を振り回したり。
普段は馬鹿やったりしてナイフに怒られたりしてるけど、心からナイフを愛している事がすごく伝わってくるし。
ボケボケと狂気とシリアスとをすごく自然に演じてるなあって思いました。
この作品の中で犬山ガラが1番好きです。
私のツボは、ナイフとガラの喧嘩シーン。ナイフはチッチモンドを人質(??)にとってナイフ(刃)をあてます。
「あ〜やめてえ〜」と慌てるガラにナイフは不敵な笑みでチッチモンドを弄ぶ(?)という。。。
犬山さんのボケに生瀬さんのツッコミ。好きです(^^ゞ
生瀬さんは迫力がある(謎)笑いどころ満載。同じ人物なのに嫌な奴にもいい奴にも見えてしまう。
余さんは、豪快で面白かったです。
ビビが台詞の練習をナイフに付き合ってもらってる時、(その内容がいかにもナイフをくどいてる台詞。)
偶然階段からガラが、扉からルーファスが入ってきて、状況を誤解して静かに慌てて去っていくシーンはおかしかった。
山崎さんも言い回しや仕草が思わずふっ、と笑ってしまいました。でも、私としては使われ方が少々物足りなかったかなあ。
堤さん、かなり笑わしてました。そしてさすが、絵になります。仕草、視線、表情。ファンならずもドキドキした方も多かったのでは?
(私は「素敵だなあ」と思いつつ、かなり冷静:笑)
深津さんはとにかくその多面性に感心。ドナとエレンの演じ分けもそうだし、堤さんとの会話のかけ合いも面白い。
変な顔(?)も思い切りのよい仕草や台詞まわしも下品にならず、かわいいし、おかしい。
声もキレイに通るし、魅力的な女優さんです。
ルーファスとエレン(=ドナ?)のラストは、雨に光が当たってキレイだったし、抱き合って、キスしてじゃれあうシーンも美しかったです。
でも、幸せには感じなかった。苦しくて切ない。

とにかく、誰が飛びぬけて、というより皆さん上手いし、テンポや間もさすが。
ケラさんの作り出す会話ってその時は意味不明だったりしても(笑)後々ちゃんと繋がってたりするし、意味不明と思いつつなぜかおかしかったりするし。不思議です。
例えば、ナイフ達がやってきて、ルーファスが熱帯魚の餌の話をしました。「カメレオンを食べるんですよ。まとめて捕まえて奥の部屋に置いてるんですよ。」
ナイフ達は「そんな分かりやすい嘘をつきやがって」という態度をしめし、ルーファスも「やっぱりばれた?」というような表情で笑います。
そんななんてことのない会話ですが、覚えておくと楽しかったりする^^;
後半熱帯魚が暴れ、エレンが「あら、お腹が空いたのね。」と持ってきた餌は本当にカメレオンだったりします^^;
そんな感じで、実際観て感じないとなかなか伝わらない気がします。限界です(爆)

最初の方で、ルーファスとエレンがリビングの中でじゃれあっていて、エレンが、ルーファスの足にプロレス技みたいのをかけて、
その後階段で去っていく直後に鏡越しにドナが出てきてルーファスと話してたり。
ラストでは雨の中2人がくるくる踊ったりじゃれあったりして屋敷の陰に隠れた数秒後にエレンドナの姿になってたり。
「おおっ」と驚くトリック(?)もあったりしました。
まあ、それはそれで謎のままでもいいのかな、と。
物語自体が謎だらけなもんで。私のレポもあんまり信用しないでください(笑)