萬スタジオ  るぼわーるproduct No.9「GAME-罠」

作・演出 浅沼絵理子  製作総指揮 木村康弘  音楽監督 山 貴優

CAST
 
千葉洋紀/林佳世子(AUN)
彦松洋介/田口慶子/木澤智之(RME)/千葉ひろき
鈴木 香/木村康弘/つさかたくじ/渡辺文絵/太田智子/石川真利子(un-even)
辻井良介/児玉貴子/寺田麻結/宮野由佳/あやし 他

STAFF

音楽監督 山 貴優/音楽 小山ツトム
振付 饗庭大輔(un-even)/振付助手 宮川英子(un-even)
照明 高野亜紀子((有)ハングオーバー)/音響 岡田 悠(Sound Cube)
舞台美術 千葉ひろき 児玉貴子/衣装デザイン あやし
舞台監督 岡田洋介/宣伝写真・美術 武田和香
制作 Office Review/企画・製作 るぼわーる

あらすじ

大正浪漫あざやかに華咲く帝都東京。
うだるような晩夏のある日、生まれながらの詐欺師と称する尾崎(千葉洋紀)は
「綾乃」と名乗る女(林)と出会う。
人をも己をも欺くことになれた男、騙されるには不慣れであった。

詐欺師が落ちた真の恋

落ちた恋のその先に、張り巡らせた幾重もの罠

もがくほどに手足に絡みつく罠の先に、闇夜に浮かぶ狐火が見えた。
時代に取り残され、苔むす社の狐が見せた晩夏の幻


”割を食うのは好みじゃないが お前だったらよいかもしれぬ”
2005年9月30日(金)観劇 A列5番

・・・近い^^;
とても小さいスタジオなので、目の前で役者さんが演技しているっていう感じでした。

それはさておき。感想です。
観に行ったきっかけは饗庭さんが振付として参加しているということでしたが、とても面白い、興味深い物語でした。チャンスがあればまた観たい、と思いました。
照明や音楽、ステージングもその空気をうまく創りだしてよかったと思いました。
でも・・・。
ちょっと、役者さんの演技にぐっとこなかった・・・。(全部じゃないけど。)残念・・・。←それが肝心なのでは・・・^^;
あと。
初日とはいえ台詞噛み過ぎです・・・(特に主役の方。)
・・・うーむ・・・。
観終わった後、思った正直な感想。
「別のキャスティングでも観てみたい、かも。」
・・・苦言ばっかりでごめんなさい。
魅力的な物語、ステージだっただけに、とても気になっちゃいました。
でも、単につまらなければ「面白くなかった。」で終わっちゃうし、こんな風にレポも書かないと思います。
この物語自体、また観てみたいなあ・・・。

物語と印象深かった方などを。

物語としては、遊女の綾乃が逃げ出してきた中、偶然出会った男(名前忘れちゃった。尾崎と瓜二つの男で、千春(彦松)らに追われている人物。以下「男」という表現をします。)に恋をし、その男が大事にしていた「お守り」を強引に自分の手に納めてしまったところから始まります。
私を連れて逃げて、という綾乃に、「それは出来ない」と言いつつも「また必ず逢いにきて」という綾乃の想いに男は首を立てに振る。


そして。
いろんな女性の前でそれぞれいろんな男を演じ、見事にお金をだましとる詐欺師の尾崎。
その尾崎を見て、↑のの名を呼ぶ涼子(田口)。
その涼子に恋してアタックしまくるもうざがられ(?)ついには詐欺師の尾崎に弟子入り志願する大学生の和馬(千葉ひろき)。

※この和馬役のひろきさんがなかなか印象深かったです。袴姿の大学生がよく似合ってて、コミカルで(でも実は頭がよい。)なんかそのままアニメになれそうな(?)感じ。涼子に対する、不器用で真っ直ぐな感情が好感でした。そして、なんだか憎めないキャラでした(^^)

そして、涼子の他にも尾崎を別の男の名で呼ぶ千春、そして森下。
千春はその男の同僚であり、親友。森下は上司。
千春は激しく動揺しています。なぜなら、その男を追いかけていたのも、殺したのも千春だったから・・・(ただし、最期を見届けてはいない。)
どうも開発された細菌兵器を持って逃げたのがその男らしい。任を受けて追ったのが千春。しかし、千春は個人的にその男に「嫉妬」していたという感情も絡んでいる様子。
優秀で、人もいいその男を、自分は超えられない・・・。

森下はそのことを知らない。でも、何か疑ってかかっている。
あの日あの時、男が「細菌」を持ったまま逃げ出した時、逢うはずだったのは森下だったのだ。
千春はごまかし嘘を重ねていくけど、結局ばれてしまう。

※正直、一番印象に残ったのがこの森下役の木澤さん。表情が細やかで、台詞も落ちついてるし、その彼の時代背景やその性格、感情がよく伝わってきたように思います。
最初、千春とやりとりしてる時の森下は、冷静でじっと千春を見据えててすべてを見透かしてそうな目線で、ちょっといやーな感じでした(笑)いろんな事が明らかになって、その男を思う森下の感情がその表情から観えた時、ちょっとうるっとしまいました。くっと噛み締めて涙を堪えたその表情、大げさでなく繊細で深く感じました。

尾崎はどんどん巻き込まれていくが、半分承知の上。
なぜなら、その男の最期を見たのが尾崎(偶然)。自分と瓜二つのその男に託された1枚の手紙。
これも何かの縁、と引き受けたのだった。
その手紙の内容は、ある神社で綾乃に逢いあるものを受け取り、それを森下に渡してほしい、というもの。
綾乃がその男を引きつける為に強引にとったその「お守り」こそが皆が探している「細菌」だった。

いろんな事が繋がっていき、綾乃と尾崎も出会うこととなる。
でも、尾崎には見えるその風景も、一緒に着いていった和馬には何も見えない。寒くて耐えられなくなる位不気味な空間でしかない。

※こういった一連の物語の中に度々織り込まれているのが「神社」のシーン。これが好き。
綾乃を取り囲む狐達。この狐達のダンスがかっこよくて素敵でした。
軽やかで、時にはシャープに、時には何かを包み込むような空気を創りだしていて、まさに「狐」でした。
この中にun-evenの石川さんもいたのですが、姿勢や動き自体がとてもキレイでした。そしてダンスだけでなく、発する声もなかなかよかったです。しっかり落ちついてて響く声でした。この人、もしかして舞台向きなのかな?とちょっと気になりました。

綾乃は決してここ(神社の中)から出ては行けない。だから尾崎(綾乃はあの時逢った男だと思っている)を引き止めるために、なかなか「お守り」を返してくれない。
あの時言ってくれた言葉をまた言ってくれたら返してもいい、と。
そんな綾乃に尾崎は、君が逢いにこい、と言う。
綾乃はその想いの強さに、狐たちとの約束を破ってここを出て行こうとする。
格闘の末、飛び出す綾乃。でも、それは同時に命の終わりでもある。
時代に取り残された苔むす社の狐たちの中でしか綾乃は「生きて」いられなかったのだ。

・・・・とうる覚えではありますがこんな感じではなかったかと思います。(自信ありませんが)

申し訳ないことに、肝心の綾乃と尾崎の「恋」のシーンが印象薄くて・・・。
どうして尾崎は恋に落ちたのか、そこにどんな感情の変化があったのか、そして綾乃への想いは・・・そういった感情が私にはよく分からなかった(伝わらなかった)です。
あと一連の流れの中で、ちょっとくすっとなるような台詞がいくつもあったんですが、くすっとなれなかったり。
台詞の言い回しや、演技の深さとかでかなり左右される気がするのですが、私にとってはちょっと・・・。
台詞噛み過ぎのせいもあるのかなあ(苦笑)

綾乃ですが、鬼気迫る感情の出し方はうまいと思うのですが、恋に胸震えるその感情の深さがあまり私には伝わってこなかったです。

なので、その二人の恋より、ぶきっちょながらも真っ直ぐな告白をし、とうとう涼子の気持ちを振り向かせた和馬の方が印象的で、ぐっときてしまった、と・・・^^;

あと、余談ですが客席マナー悪かった〜。舞台を観に来てるというよりTVを観に来てるみたいな人が何人もいてがっかりでした。

そんなわけで複雑なまま感想、終。(笑)