2004.9.3(金)マチネ
主なキャスト:エンジニア・・・橋本さとし/クリス・・・坂元健児/キム・・・笹本玲奈/ジョン・・・岡幸二郎
         トゥイ・・・tekkan/エレン・・・高橋由美子/ジジ・・・高島みほ/タム・・・内田裕希

☆座席1階I列38番

本日は「坂元クリス」&「岡ジョン」初日です!(注*狙ったわけではありません。偶然です。)
では、初見の方々を中心に少し感想など。

坂元クリス。つい先日までジョンを演じてたわけですが、私としては「坂元ジョン」がかなりお気に入りだったので、どうなるのか楽しみでした。
相変わらずいい声です。声量もあるし、ビシビシ伝わってきます。
かと思うと、「神よ何故?」の出だしではうって変わって柔らかく甘い声になります。
そのいろんな声色に思わずドキッとさせられました。歌声でナイーブな心情や、激しい感情を伝えてるという印象をもちました。
ただ、歌い上げるシーンになると特に、演技が止まるというか、歌い上げるほうに集中しちゃいそうな感があったのが気になります。(そういう演出なのかは分かりませんが)
特にエレンへの告白のシーン。視線や仕草にふと「それは今誰に向けて伝えようとしてるのかな」と思う瞬間がありました。
まだちょっと「ジョン」とかぶっちゃんです^^;
もっとキムと出会って「パラダイス」気分の感情や、揺れ動く想いを感じたいです。まだまだ「初日」ですから、これからに期待です♪

そうそう、井上クリスと立ち位置や仕草が違うところがいくつもありました。
「神よ何故?」で、井上さんが椅子に座って歌うシーン、最初坂元さんはベットの角に座って歌ってたり、「君は誰だ?」とクリスがキムに言う時、井上さんは座ってるけど、坂元さんは立ったままだったり。
ジョンに休暇をもらって電話を切る時、井上さんは「やった!」とガッツポーズするけど、坂元さんはしてないし。
「世界が終わる〜」で、井上さんはベットに飛び乗るけど、坂元さんは飛び乗らないとか。
ラスト、幕が降りる瞬間、井上さんはなんともいえない顔でジョンの顔を見てたと思いますが、坂元さんはキムを見たままだったと思いますし・・・。
(坂元さんは、キムのおでこに唇にと何度かキスをしてたように見えましたが、これは他のキャストでも一緒なんでしょうか?)

岡ジョン。最初出てきたときあまりに「ナンパな感じのアメリカン」な感じにビックリしました(笑)ビジュアルから入りました??
なので、クリスが休暇をくれと電話してきた時のきびきびした厳しい岡ジョンに、既に「プライベート」とのギャップを感じて面白かったです。
(余談ですが、クリスに電話越しで言う「はあ〜?!」はオーバーすぎやしませんか・・・^^;)
その為か、「3年後」に違和感があまりなかったような気もします。
なんていうんでしょう、常に目の前の事にまっすぐ取り込む人のように感じたんです。(ちょっと頑固な感じ?)
それを既に感じたので、「ブイ・ドイ」にも違和感がありませんでした。
歌はガツンと響いて上手いし、背は高いし(さとしさんよりも大きいとは・・・)存在感あります。

ここで、ふと前回観た(8/26)の今井ジョンを思い出しました。前回のレポに書いてなかったので、ちょっとここで。
今井ジョンは、とにかく温かみのある優しいジョンなんです。
歌声だけでなく、ふっとした仕草にも感じられるというか。
例えば、「バンコク」のシーン。エンジニアと再会した時のジョンのリアクション。
岡さん(坂元さんもかな)は「なんだお前か」と淡々に言います。事務的というか。
でも、今井さんはふっと小さく半笑いで「なんだお前か」と、人間的な感じ。
キムとの対面も、岡さんは立場的に悩んでる感じがし、今井さんはそれ以上にジョンという一人間として、キムを思いやってる感じがしました。
不思議なもので、ジョンに限らず「(同じ役の)他のキャスト」を観ることによって以前観た記憶が甦り、印象が色濃く出てきたりするんです、私。
正直、坂元クリスを観て、井上クリスが妙に恋しくなったりもしました(笑)

tekkanトゥイ。泉見さんと比べて「普通の青年なんだ」って感じがしてちょっとホッとました。印象が2人とも違って見えました。
泉見さんは「愛国心、親への忠誠心」がより強く感じられ、tekkanさんは「キムヘの愛情」がより強く感じられた気がします。
なので、泉見さんの時感じたような「ぞっとした怖いくらい執着心」みたいなものはあまり感じませんでした。
キムをまっすぐ愛して、追いかけた青年。でも、国の状況が、自分の立場が、キムの「裏切り」が青年を歪ませてしまったような・・・。
tekkanさんの歌は、力強く声量もあると思います。ただ、低音を響かせるときちょっと弱い気がするのと、たまに言葉がぶつ切りになってしまった気がするので、その辺は次回に期待です。
ちなみに、私の好みは、お二人を足して二で割った「トゥイ像」です(^.^)tekkanトゥイを観て、泉見トゥイを思い出して、そしてトゥイのイメージが浮かび上がってきた気がします。
戸井さんも楽しみ!

初見はこんな感じでしょうか。
あ、タム(笑)内田くんでした。タムも制覇してしまいました(^o^)丿
しっかりぎゅっと、キムにしがみつくタムが印象的でした。

その他のキャストについて。
笹本キム。プレビュー以来でしたので、正直前回をしっかり覚えていないのですが(発熱してたから。)「あれ?こんなに激しく歌う人だっけ?」と思いました。
今回は仕草や歌い方が少し激しく強くなってたような気がします。いろんな感情が出てきてると思います。
(たまにちょっときつく聞こえることもありましたが・・・)
相変わらずキレイな声だし、歌も上手い。透明感のある声ですね。
ただ、いろんな悲惨な経験をしてきた哀しみ苦しみ、必死に生きてきたその感情、タムへの愛・・・そういった重み(深み?)がもっと欲しいです。

高橋エレン。
ちょっとグッときたシーンがありました。キムとのシーンです。
最初はキムを目の前にしていても「妻の余裕」が感じられました。波打つ感情を押し殺せる余裕があったんです。
きっと、クリスへの信頼、愛が強く、またキムの存在自体を少し軽く見ていたのかも知れません。
しかし、「タムを引き取って!」と食い下がるキムを目の当たりにして、高橋エレンの表情がはっと動揺に変わりました。
そして、それまで冷静に話していたのに感情が爆発してしまう。「子供を引き取るのは無理!」
その変化に惹きつけられました。
ただ、高橋さん(に限らずですが)、高音がかなりきつそう。
「今、彼女に会った」など、私の好みとしては歌にも「包容力とでも揺れる感情」が欲しいので、その辺りを期待したいです。

そして、さとしエンジニア。
まず、「アドリブ&小ネタ」集から(?)
1.キムとクリスを対面させるシーン。お盆をさっと上げた後、小刻みに後ずさりしながらそのお盆で自分の顔を隠していました。
2.「生きのびたけりゃ」のシーン。その1。キムがとび込んできたとき、さとしエンジニアは「わっ!」と驚いて荷物を抱えたまま避けるんですが、立ち上がる前だったのか、滑ったのか(?)そのまま腹ばいでした。(たまたまでしょう・・・)
3.その2。「ハイ!ホーチミン!チミンチミン♪」(腰を軽く振って)でした。控えめ?(←麻痺してます?^^;)
・・・思わず「この間の「ヘイヘイホー♪」はトゥーマッチ!だったのだろうか・・・と余計な心配をする私でありました(笑)
4.2幕のバンコクの登場シーン。真っ暗な中ライトアップされたさとしエンジニアはビシッとグラサン姿。既に客席から笑いが。
そのなんとも胡散臭い(失敬。)姿から一転、「ど〜も〜!どうですか?イケてますか?」と。
すると、客席からは拍手が。嬉しいじゃないの!私も軽く拍手しちゃいました(^.^)前回リベンジ(謎)
すると、さとしエンジニアは「いえ〜いっ!」と両手でガッツポーズ!
5.その続き。ボスが「客はどうした!」と怒るんですが、さとしエンジニアは客席に手を向けて、
「えっ、今日もそれなりに沢山入ってますけど。」
客席大うけ(笑)
ボス「訳の分からないこと言ってないで、客呼び込め!!」。・・・ボス、焦っただろうなあ・・・^^;でも、上手く切り返しましたね。

さて。勿論、さとしエンジニアはアドリブだけではありません!
全体的に結構、気合が感じられました。いい緊張感があって、ずる賢さやギラギラ感もあり、憎めないお調子者みたいな部分もあり。
正直、前回はちょっとそういう落差というか緊張感が薄くなってしまったような気がして気になってたんです。
欲を言えば、自分の過去を語るとき(アメリカンドリーム)もっと悲哀が感じられるといいかなあ、なんて。
エンジニアのいろんな「顔」を感じてみたい。もっとドキッとさせてほしいなあ、なんて。私の好みですが。
歌は毎回安定してると思います。音域とかさとしさんの合ってるのもあるのでしょうか。
ちなみに、前回「おいっ!」と思ったラストですが(タムを降ろす時)今回はキムの方を見せないように降ろしてました。なので、タムも自然にエレンに向けたと思います。
あと、ラストの表情が妙に焼きつきました。
思わぬ事態にちょっと放心状態というか、絶望感が感じられて、その直前で手を大きく(キムに)差し出していた時の野心いっぱいのギラギラした表情との落差。
まるで、「アメリカンドリーム」のようだったので・・・。

・・・とこんな感じでした。
ちなみにこの日は団体さんやら、学生集団やら、その他にも初めてそうなおばさま方など、ちょっと不思議な空間でした。
(暗転したら、しゃべるのはやめましょう。私の座ってた列でもそういうおばさまが何人もいました。直隣でなかったので注意出来ませんでしたが、かなり迷惑でした。)
開演前のさとしさんのアナウンスの「ミスサイゴン、5時間!」に「えっ、5時間?」と呟いた人がいました(笑)「・・・嘘です、3時間弱でしょうか」に客席から笑いが。
そして、アナウンスが終わると、なぜか再び拍手が。(2階席からだったので、学生さん達かな?)
そんな状態で始まったので、正直客席には緊張感はなく。ちょっといろんな心配をしました。(実際、しゃべり続けてたおばさまもいたし・・・)
でも、さとしさんはかなり客席にウケていました^^;客席によって反応も空気も変わるんだ、と言う事を改めて感じた私です。
でも、つつがなく終わったのはそれだけのステージを皆さんが見せてくれたということも言えるのではないでしょうか。
カーテンコールもそれなりにかなり盛り上がり、さとしさんが盛んに岡さんと坂元さんを中央に押し出そうとしてました。
二人は前に出てきて一礼したり、何度もお辞儀してました。
さとしさんたちが前に出てこようとしたら幕が降りかけてお互い(?)慌てて止まってたり、なぜかそのまま暗転してしまったり(?)ちょっとしたハプニング(?)もありましたが楽しかったです♪