2004.9.18(土)マチネ この公演はいくつか団体さんも入ってました。2階席はかなり空席あり。(しかも、ボツボツではなく、1ブロックの1列がずらったと空いてたり。それが何箇所も。ちょっと寂しい。) 開演五分前のアナウンス、さとしさんの「それではミス・サイゴン5時間!・・・嘘です」にはこの日も大うけ。 「5時間!」と言った瞬間後ろから「えっ!5時間?!」とかすかに声が(笑)「嘘です!」には客席からどっと笑いが出てました。 私にとって石井クリス&新妻キムは初見です! まず、石井クリス。 「火がついたサイゴン」でさとしエンジニアに目を奪われてた私は(笑)耳にした石井クリスの声にドキッとしました。なぜか一瞬井上さんかと思ったんです。 繊細でスマートな歌声。そして声量もハリもある声。 裏声や静かに歌うところで(急に弱く感じて)たまにかくっと歌の流れが切れそうな感じがあったような気もしましたが、全体的に説得力がありました。 気になったシーンは、 *「ウエディング」のシーンでは、キムが「婚礼に歌う歌」と言った時のリアクションが結構好き。 軽く驚いた後、優しくふっと微笑み軽く頭を振ってました。キムをいとおしく思ってる気持ちが伝わるようで。 *悪夢に魘されるシーンでは、他の二人のクリスは「キム!」って叫んで起きますが、石井クリス「うーっ・・・キム!!」と起きる前に唸ってて、魘されてる姿がかなりリアルに感じました。 *ヘリが到着して無理矢理乗せられるシーンは、私が観た3人クリスの中で一番無理矢理乗せられた感じが出てました。すごく自然でリアルでした。 *私が勝手に「はあ〜?」のシーンと言っている^^;ジョンに向かって「キムをバンコクに残してタムを援助しよう」とエレンと歌うシーンですが、正直初めて「はあ〜?」と思わなかった(?) 勿論言ってる事には「はあ?」なのですが(笑)石井クリスは一生懸命考えて、彼にとってはそれしか思いつかなかった、彼なりの精一杯だったんだな、と思えたんです。(あれ?エレンの腰じゃなく肩に手を置いて歌ってたっけ?) 優しさ、苦悩、誠実さ・・・いろんな思いが伝わってきて思わず「しょうがなかったんだよね・・・」と思ってしまうクリスです。 やるべきことはすべてやって苦しんでたどり着いた果ての事なんだと。なんか、説得力ありました。 新妻キム。 歌上手い!特に高音はキレイにのびてました。力強いし。「身の上話、今聞きたいの〜」ではちょっとうるっときちゃいました。 でも、低音になると弱い気がするのと、あのビブラートのかけ方はかなり好みが分かれる気がします。 私にとってはちょっと違和感があったかも。うーん、微妙。 全体的に、出来は悪くないと思います。もう、好みも問題でしょうか。 どうして、急に言葉が濁ってしまったかというと・・・。 4人のキムを拝見して思ったのは、正直、私の中でどうしても「このキムが気になる」という人がいないんですよ。 ところどころで「ここのシーン、この人いい!」というのは沢山あるんですが・・・。 飛び抜けて「この人上手い」とか「このキム、印象に残る」とか「もう1度このキム観てみたい」とかそこまで印象に残らないんです、私・・・すみません・・・。 ところで。ハプニングがありました。 新妻キムが泉見トゥイにタムを見せた後。逆上したトゥイがタムを奪おうと(殺そうと)してキムが「タム逃げて!」と銃を構えた時、 「バーン!」 撃っちゃいました・・・^^; 後ろ向きだったトゥイは(その弾は反れたが驚いたように)耳を塞ぎながら振り向き、「俺を打つのか〜♪」(もともとその歌詞のシーンでした)、と。 初見だったら「こういう演出なのか」と思う位自然だったので驚きましたが(笑)この後どうなるのかハラハラしちゃいました。 本来打つべきところでも「バーン!」とちゃんと銃声がしてましたが、何発でも撃てるようになってるのか、どうなのかは分かりません。 ちなみに、挙句、泉見トゥイは「誤射」の直後からマイクがおかしくなり(入ってない)声がこもって聞こえ、ところどころ聞こえず。(多分、生声だったんじゃないかと。) これでは、泉見トゥイは死んでも死にきれないのでは・・・。 もし、本当にマイクが入ってなくて生声だとしたらすごいけど。2階の私の耳には(全部ではないけど)届いてたし。 その泉見トゥイですが、最初に観た時よりキムヘの愛情が観えました。 一番最初に観た時はともかく「怖い!執念の塊?」という部分がかなり強く感じてました。 でも、観る度にそれだけでない、「真っ直ぐ生きてきた」部分や「キムに対しても愛情がちゃんとある」部分が観えてきたように感じます。 存在感もあるし、歌も上手い。 高橋エレンですが、よく声が出てたと思います。 どうしても「今、彼女にあった」は高音がきつそうだし、不安定な部分もありました。 でも、彼女の持ってる精一杯が伝わってくるようでしたし、また演技でそれをカバーしてたようにも思いました。 そういえば、キムが尋ねてくる前のエレンの様子が変わってました。 最初に観た時は、冷静な状態でベットの上で雑誌を読んでいて、ノックの音にも普通に「どうぞ。」と言ってました。 でもそれが、(ベットに雑誌はありますが)不安げで落ち着かない様子で手を組みながらクリスの帰りを待ってる、という感じでした。 ノックの音がすると、身を乗り出すようにそのドアに向かって振り返ってました。そしてクリスじゃないと分かるとガッカリ・・・そんな感じでした。 私としては、こっちの方がしっくりきます。 いくら過去の事とはいえ、愛する夫の子供を産んだ女性、しかも未だに魘される夫の心の奥底に存在してる「キム」に逢いに行ったわけですから・・・。 いくらクリスを信じていても、仮にエレンがその「キム」とクリスとの事を軽く考えてたとしても、やっぱり平静ではいられないと思うので。 不安やショックを隠して平静を装って話そうとするけど、「キムの本気」や「夫の嘘」を目の当たりにして激しく動揺し、爆発しちゃう。 そんなエレンの感情が観えました。以前に観た時は高橋エレンが少し冷たく感じましたが、そんなこともなかったです。 あ、ラストですが、いつの間にかエレンがタムを抱きしめるようになってました。 最初の時はタムを見つめてただけだったような・・・でも、いつの間にか手を握ってたような・・・。 あ、岡ジョンの「はあっ?」、私のツボになってしまいました・・・。 石井さんとのバランスはなかなかよいです。でも、ちょっと冷たい感じがして苦手かも。。。 そして、さとしエンジニア。 まず、「アドリブ&小ネタ」集(?) 1.「生きのびたけりゃ」のシーン。いつも以上にうけてた気がします・・・。 その1.誇りだらけの紫のジャケットを着てガッツポーズした後。「アメーリカッ♪アメーリカッ♪」(しかも裏声)と言いながら両手を左右に振り、腰を振りながら踊る(?)さとしエンジニア。軽っ!(笑) その2。キムがとび込んできたとき、さとしエンジニアは「わっ!」と驚いて荷物を抱えたまま避けるんですが、前回観劇同様、そのまま腹ばいでした。 その3。タムを横に持ち替えた時、ちょっと斜めに持ってしまったせいか、タムの両手がだら〜んとバンザイ\(-o-)/状態に^^;面白かった・・・。 その4.下手での「ダイヤルする〜ハイ!ホーチミン!」のシーン。 「やあ!ホーチミン!」(ん?「やあ?」←私。)・・・「ヤッホーッ!」(客席に身を乗り出し、耳に手を当てている。) 客席は、どうしていいか困っていたかもしれません(笑) 2.2幕のバンコクの登場シーン。真っ暗な中ライトアップされたさとしエンジニアはビシッとグラサン姿。 「今日も一生懸命とばしますよ〜。宜しくお願いします!」 3.その続き。オーナーが「客はどうした!」さとしエンジニアは客席に手を向けて、「えっ、今日もそれなりに入ってますけど。 ・・・これって定番になってきてるの??(笑)市村さんもやってたと聞きますが・・・。 オーナー「バンバン客入れろ!」さとしエンジニア「バ〜ン!」(手で銃を撃つまね。)オーナー「うっ・・・(切り替えしの言葉が浮かばない様子^^;) 4.ジョンに再会した時の「あ”っ!!」・・・リアクション大きすぎやしませんか・・・(笑)←「生き延びたけりゃ」の「行くにゃビザがない〜!」の前の「あっ!」も同様(笑) と、非常に愉快なさとしさんではありますが。勿論それだけだったらエンジニアは成り立たないわけで。 その辺りも含め、ソワレの感想にまとめて載せたいと思います。 最後にカーテンコールですが。 最後に出てきたさとしさんは舞台の前まで出てきて雄叫びをあげながらガッツポーズしてました。 今まで私が観たさとしエンジニアのカテコの中で、こんなにハイテンションだったのは初めてでちょっとビックリしました。 そして、ふっと思い出したこと。あー、この公演「代役」だったっけ。 考えすぎかもしれないけど、「代役」のプレッシャーってやっぱりあるのかな?自分じゃない人目当てに来てた人沢山いるだろうし。 沢山空いてた周りの席をちょっと見ながら、勝手に胸が熱くなる私でした。 何回目かのカテコでは、正面の後ろから真っ先に、まるでギターを引きながら片足で床を蹴って飛び跳ねるように登場(?)してたし。 恒例の花束が舞台上に投げ込まれた時、投げ込まれた瞬間にさとしさんが一人下手から飛び出してきて花束に当りそうに・・・^^;避けてましたが。 その後は、新妻キムの肩を抱いてまるで「ツーショット」(周りに他のキャストの方々いますが)状態。ピースサインしてたような気が・・・。(新妻さんはかわいくお辞儀してました。) あー、来てよかった。この勢いで(?)ソワレに続く。 |