『殺人狂時代』

作:鐘下辰男   演出:流山児祥

キャスト
みのすけ(ナイロン100℃)/塩野谷正幸/大内厚雄(演劇集団キャラメルボックス)
  保村大和/若杉宏二/小川輝晃/関根靖晃/中谷政男
  谷 宗和/甲津拓平/里見和彦/大谷亮介/観世榮夫【特別出演】 

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STORY

古い倉庫の一室。
老人(観世)が男達を案内する。
そこに数人の男たちがひしきあっている。彼らは皆傭兵である。つまり金で雇れた兵、「ソルジャー」である。
起こりは小さな新聞広告だった。
ある日、新聞の求人欄の片隅に「戦場委員会」という名前で、傭兵募集の広告が出ていたのである。
ここに集まっている男たちは、皆その広告にひかれてやってきた男たちだ。広告にはこうあった。
「平和ボケした日本を脱出し、戦場へ行こう」「あなたも人を殺してみませんか」
それぞれの思いから、その広告に残りの人生を懸けた十数人の男たちが、今、ここにいるのだ。
皆、この倉庫ではじめて顔を合わせ男たち。リストラされたサラリーマンもいれば、小学校の教師もいる。
自衛隊出身者いれば、地方公務員もいるようだ。
皆、目隠ししされてここに連れられてきたために、ここがどこなのかも知らない。
ただ時折海の音が聞こえることから、どうやら港町であることほ確かなようだ。

しかし、その「戦場委員会」の話は、日本を変える為に、日本でクーデターらしきものを起こすというものだった。
舞台は「日本」なのだ。
男達は、そんな(戦場委員会の)若者が論じていたばかげた話にのれるかと、はなっから「一致」で
断るつもりだった。
念のため、この話にのる奴はいるかと問うた所、予想外に1人手を挙げる。
「?!」
そこから、倉庫の一室に閉じ込められた12人の男達は、いろいろと話し合いを始めていくが、それが
やがて亀裂を生み、話し合いが、激論となり、喧嘩となり、殴り合いまで始まってしまう。
12人の意見が「一致」しないとここから出られない、それが益々男達の狂気を生む。
まさに「イカれた12人の男達のバトルロイヤル」。

そんな中、痺れをきらした3人が脱出を試みる。瞬間、発砲の音が響く。
あの老人が、銃を構えている。撃ち殺された3人以外に「おめでとう」と伝える。
皆が恐怖の中、恐る恐る老人と握手をする。
しかし、最後の一人の男が反論する。いかなることがあろうとも、自分の意志に従うと。
こんな人殺しには参加しない、と。
老人は人数分の銃を出し、他の男達に命令する。「殺せ!」と。
老人に背を向ける形で、堂々と座るその男。その目の前に、一人、また一人と銃を持ち構える
男達。
最後まで躊躇し、呆然としていた男(みのすけ)もついには銃を手に取る。
8人がその反発した男を囲み、一斉に銃を向ける。その後ろには、仁王立ちの老人。
「殺せ!」

激しい銃音が響く。瞬間、暗転。
(この内容は、前半は「あらすじ」を元に書きましたが、中盤以降は自分自身が観劇した中で内容を思い出して
書いています。少々異なる点があるかも知れません。御了承ください。)

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2002.6.7(金)下北本多劇場にて観劇。 座席E列2番

 みのすけさんが御出演ということで、早速初日に行って来ました。

最初から最後まで同じ「倉庫」の中で繰り広げられる物語。
皆さん、それぞれキャラが濃くって、かっこよくイカれて(?)おりました。
なんだか、圧倒されてしまいました。
で、そのまま血まみれた中の結末があまりにも私としては衝撃的で、正直、ボー然としてしまい、
拍手をするのも暫く忘れてしまったのです。(周りの反応も戸惑いが感じられた気がする。)
だって、その銃口は本当にその「裏切った」男に向けられたのか、どうなったのか、分からないんだもの。
私はずっと心の中で「その銃でその老人をうってしまえ!!」と願ってたのだけれど。
お、終わっちゃったの・・・?という感じで。
あの銃口は誰に向けられたの?とかあの後どうなってしまったの?とかいろいろ混乱・・・。
まさに、「イカれる12人の男達のバトル・ロイヤル」でした。

最初は、「そんな話にのれるかよ」って笑っていたのに、一人が「反論」したことから、どんどんいろんな政治的
不満や、いろんな考えが飛び出してきて、大変な状態になる。
まさに、内容が「リアルタイム」。私達を取り巻く事件や、出来事、天皇についてまでが盛り込まれ、それが
次々に男達の言葉となって溢れ出す。
所々、笑ってしまうシーンはあったけど、基本的には緊張感の中終わってしまった、という感じでした。
ロビーに出ても、暫くボーっとしてしまい、胸はドキドキしてしまい、苦しかったです。
なんだか、不思議な感覚でした。