天保十二年のシェイクスピア

作:井上ひさし
企画監修:鴻上尚史
演出:いのうえひでのり

(CAST)
上川隆也 沢口靖子  古田新太 池田成志 阿部サダヲ 橋本じゅん 西牟田恵 村木よし子
  高橋礼恵 栗根まこと 山本 亨  小林勝也 森塚 敏   熊谷真実  川原正嗣  前田 悟  他

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赤坂ACTシアターにて2002.3.16観劇。席は24列36番。センターブロック以外は席が斜めに作られていて、
舞台の真中を見るようになってました。

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いきなり大音量のバンド演奏と歌で幕を開けたこの舞台。
江戸時代天保の頃、清滝村のお話。
清滝の老婆(熊谷)は、いろんな姿に変わり、各場面に登場し、狂言回しの役目を果たしています。

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江戸時代天保の頃、下総国清滝村。鰤の十兵衛小林)経営の二軒の旅籠があった。
十兵衛には、お文村木)、お里西牟田)、お光沢口)の三人の娘がいた。
 三人の娘に身上を譲ろうと考えた十兵衛(実はお光に譲りたかった)、お文、お里は要領よく答えるが、
可愛いいお光は、きれい事が言えない。お光に刺激を与えようと、「出て行け」と言う十兵衛の言葉に素直に
従い、お光は出て行ってしまう。
(自分の事を一番大切に思っている娘に譲るから、どれだけの思いがあるのか言ってみー、と十兵衛は言う。
お文お里はとても要領よく答える。独り言芝居のように、心の言葉と(スポットライトが薄暗くなる)実際に
口から出る言葉を瞬時に切り替え、演じています。「このくそじじーが!」と言ったかと思うと、「おとっつあんの
為なら・・・」としおらしく頭を下げたり。腹黒さ満載(爆)。)

 3年の月日が流れ、この地に左足を引きずったせむしで顔に火傷のある無宿者・佐渡の三世次上川)が
現れる。
その頃、お文には紋太橋本)の弟・蝮の九郎治池田)が取り入り、お里には用心棒・尾瀬の幕兵衛
古田)が取り入っていた。お文の甘言に惑わされ、九郎治紋太を殺してしまうが、お文幕兵衛の仕業
だと言いふらす。

お文
お里にすべてを与えた十兵衛だったが、ふたりに疎まれ、ひどい目にあい続け、やっとお里の家に
たどり着いた途端、これもお里の甘言で花平を殺そうとした幕兵衛に、花平粟根)と間違われて殺されて
しまう。
お里九郎治の仕業だと言いふらし、両家は険悪な関係になる。

 ある日、幕兵衛は不思議な老婆熊谷)に「花平一家の親分になる」と予言される。そこに居合わせた
三世次
は、老婆に自分の将来も占って欲しいと言う。老婆三世次に、「お前は、この清滝村の宿を一手に
握って、出世街道まっしぐらだが、ひとりでふたりの女に気を付けないと畳の上で往生できない。」と予言
する。
 さて、花平に愛想をつかしたお里は、ついに幕兵衛花平を殺させ、老婆の予言通り、幕兵衛は花平一家
の親分となる。そこで、三世次お里に自分は役に立つと売り込み、今、花平を殺したのは紋太一家の仕業だ
と大声で言いふらし、新しい親分・幕兵衛の身内となる。(「ことばのどく」を歌う上川さん、ぞっとしました。)

 その頃、飯岡の助五郎のところにいた紋太一家の跡取り・きじるしの王次阿部)が、父・紋太の訃報を聞いて、
清滝村に帰ってきた。(すんごい派手な衣装で、ロックコンサートかのようなはじけっぷりで歌う姿はすごかった。)
王次は女郎屋で、父・紋太の亡霊と会い(実は三代次が仕掛けたにせ亡霊)、母・お文と叔父・九郎治
陰謀で、父が殺されたことを知り、復讐を誓い、きじるしを装う。
長い棒の先にひとだまのついた物を右手に、左手には金で雇った亡霊に読ませる台本を持った三世次が下に
居て指示、柳を背負った亡霊(?)がそれを読み上げる。読みながら「そーなんですかー!」と思わず言って
しまうと、王次には「おとっつあん、俺の台詞まで取るなよ」と突っ込まれ(?)三代次にはひとだまでバシッ!と
叩かれる(爆)。)

ぼろ安
森塚)の娘・お冬高橋)は、そんな王次を気遣うが、
王次
は「尼寺へ行け」と言い、隠れてふたりを伺っていたぼろ安を(叔父と間違えて)殺してしまう。

 十兵衛に追放されたお光は、女賭博人に変身しており、お文九郎治のいる賭博場へ現れ、いかさまを暴く。
「風の噂では、おとっつぁんを随分邪険に扱ったそうだね。」お光はそれが許せず、この村に帰ってきたのだ。
お文お光の変身ぶりに驚くも、「お光十兵衛の実の子供ではない。捨て子さ」と打ち明ける。
だから、義理だてる必要なないのさ、と・・・。
しかし、「それでもおとっつあんにはかわりない」と(逆にお文とは血がつながってないのが分かって、切り易く
なっちゃった!とお光は言っていた:笑)
そしてそこに居合わせ、助太刀をしてくれた王次と恋に落ちる。
血はつながって無くても、叔母と甥。しかも仇と仇。しかし、のー天気な愛の言葉を交わし合うのであった。
(おばかっぷり満載の爽やかな2人;爆「どうしてあなたは王次なの?」「どうしてって言われてもおとっつあんが
つけたんだもん!」・・・今さっきまで大勢相手に戦っていたはずだが。。。)

・・・こうして三世次の書いた筋書きに操られる人々。三世次のよこしまな夢は一歩一歩近付いていく。

※実は、お光は双子の姉妹で、もう一方のおさちは、心優しい代官に拾われ、新しく清滝村に代官として赴任
する土井茂平太山本)の妻となっていた。

 この間、お光おさちの間違い騒動があり、三世次お文を、茂平太九郎治王次を殺すこととなる。
このすべてを見ていた三世次は、あの予言のひとりでふたりの女とは、このことだと気づくが、時すでに遅く、
恋に落ちてしまう。自分が惚れたのは、お光なのかおさちなのかもわからないまま・・。


 紋太一家とのもめ事もなくなり、お光お里一家の身内になっていた。お里は、優しい女に変身し、病に臥した
亭主の尾瀬の幕兵衛に尽くしていたが、野望を抱く三世次は、最近腕を上げてきた河岸安お里の中を
幕兵衛
に誤解させ、幕兵衛お里を殺し、自らも命を絶った。(このシーンはかなり過激、というか西牟田さん
がすごすぎました。愛し合っている(と少なくともお里は思っている)最中、絶叫の中、幕兵衛はそのままお里
刺し殺してしまうのだから。)
その後の跡目選びで、三世次河岸安を褒め倒し(たフリして「お里と出来ていた」と何気に誤解させる。)、
親分衆の票を集め、まんまと後継者となることに成功する。

 三世次はついに欲しいものはすべて手に入れたが、惚れたお光だけは思う通りにならなかった。
三世次はついにお光にせまり、強引にものにしようとしたが、頑なに拒否され、思い余って刺し殺してしまう。
しかし、離れた所にいた双子の姉妹・おさちには、その情景がはっきりと見えた。
しかも、殺した後にも係らず、そのお光を辱める三世次の姿までが・・・。(汗)
三世次は代官所へ捕らえられるが、手付がバシバシ叩くと小判を次々に出し、誘惑する。手付たちは三世次に
のせられ、解放してしまう。そして三世次は逆に代官・茂平太を殺してしまう。
そこに現れたおさち。怒りのあまり、仇を取ろうとするが、三世次の巧みな話術に引っかかったのか、それとも
何か考えがあったのか(それは後で分かる)「殺せない・・・」と逆に三世次に抱きつく。

その後がまの代官となり、おさちを女房にすることになった。ただし、おさちは、肌を許していない。
三世次が代官になってからというもの、年貢の取立てが厳しく、百姓達は不満一杯だった。
そんなある日、小判を数えている三世次おさちがやってくる。
「やっとその気になったのか」と喜び、おさちのそばによる三世次
そこに、手付達が慌てて飛び込んでくる。「百姓達がが騒動を起こしている」と。
(手付達、すでに矢が沢山刺さってる状態で(笑)、「百姓達の気が立ってます〜」とかなんとか訴えると、
三世次はことごとくその雰囲気(おさちにせまる)を中断されていらいらし、「こっちもたってるんだー」とか
なんとか(汗)叫び、物を投げつける、というやり取りが続く)。
 するとおさちは、「あなたに見せたいものがあります。」とおもむろに立つと、部屋中鏡にする。
(壁とか開くと全て鏡に。)
醜い三世次を部屋中の鏡に写し、「あなたの心はもっと醜い」と言い放つ。
あなたが好きで女房になったのではない。復讐の為だ。」と。
三世次は逆上し、狂ったようにのたうちまわって鏡を割る。(すごい迫力だった!)
その姿をあざ笑って見ていたおさちは、その破片で咽喉をついてしまう。
その時、百姓隊がやってきて、三世次は揉みくちゃに。そして、真っ白な(ずっと真っ赤な着物だった)着物姿で
吊るされ、三方から竹槍で刺され、(大量の出血!)殺される。

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記憶違いがあったら、ごめんなさいね^_^;
最初から最後まで音楽が常に使われ、(しかも生音)BGMだけではなく、何箇所も歌い踊るシーンもありました。
(ミュージカルのようだ・・・。)
チラシをもらった時、「どうして歌詞カードみたいなチラシまであるんだろう?」と思いましたが(笑)成る程。
「すべての値打をごちゃまぜにしてはじめて俺は生きられる」と歌う上川さん、すごくぞっとしましたが、
かっこよかったです。(醜い格好のはずなのに。)赤がすごく似合う方です。
部屋中の鏡の中でのたうちまわってるシーンはなんだかちょっと可哀想な気がしてしまった。
あと、小林さん。存在感あります。笑っちゃうような台詞回しと重みのある台詞回し。さすが。
皆さん、それぞれがすごい迫力と存在感があって素直に「すごいなー」って思っちゃいました。
残念なのは、もう少し、音楽の音しぼってくれないかなあ(苦笑)ってこと。後ろの方だったのに、がんがん響いて
少し割れて聞こえて、尚且つ歌や台詞が聞き取りづらい所もあったので。
あ、カーテンコール一回ありました。会場が明るくなったあとも拍手が続いて、上川さん&沢口さんが再び
登場されてました。

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おまけ(笑)ぴあのHPに上川さんのインタビューがありました。
http://www.pia.co.jp/hot_play/kamikawa/

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