「欲望という名の電車」  2001.9.8(土)青山円形劇場にて観劇。

CAST(主な人物を抜粋して載せてます)

役名 出演者
ブランチ 篠井英介
スタンリー 加勢大周
ステラ 久世星佳
ミッチェル 田中哲司
スティーブ 石橋祐

この日の夜、「欲望という名の電車」を観た。
初めて行った「青山円形劇場」は、本当に円形で(笑)とても小さく一番後ろだったとしても、エリザでいうところの一番前で見てるくらいの距離だった。
しかも、中央の舞台だけが舞台ではなく、客席の後ろにあるあちこちの扉、通路も含め、全部が「舞台」だった。

始まりとともに、何にも置いていない舞台に出演者の方々が楽しげに椅子やテーブル、お酒・・・いろんなモノをセットしていく。
そして、「物売りの男」が何やらあやしい(?)フランス語らしき台詞を歩きながら繰り返す。
昨年の「欲望・・・」にはなかった始まりだ。ただ、昨年、所々で同じように確か黒い衣装を着た物売りの女性が歩きながら台詞を繰り返していた。(気がする)
そして、物語が始まった。
当たり前のことながら、同じ作品だから、同じ内容である。
なのに、終わった後の「気分」が全く違っていた。

篠井英介風ブランチは、陰の思いを持ちつつも、どこか可愛さを感じてしまった。
独特の台詞まわし、会話でポロっとしかもタイミングよく微笑みながらついてしまう悪態(?)が度々会場の爆笑(?)を誘っていた。
それはブランチに限ったことではないけど、作品そのものが、その当時を再現、というよりは現代的な空気を感じ、昨年とは全く違う印象を持った。
とにかく、私にとっては「にくめないブランチ」だった。

加勢さんのスタンリーは、基本的にイメージはきっと内野スタンリーと似た感じだとは思う。声を荒げて、粗暴で、ステラにべたぼれで(笑)
ただ、私の欲目もあるかも知れないが、加勢スタンリーはちょっとさわやかすぎた(笑)
私だけかも知れないが、スタンリーなんだけど、「加勢さんだ」という気持が最後まで消えなかった。うまく言えないけど。
そして、加勢さんには申し訳ないけど、内野スタンリーが恋しくなってしまった。
だって、内野スタンリーは最後まで「スタンリー」で。内野さんだーなんて思う意識を持たなかったから。

昨年は見終わった後、正直苦しく、ずーんと重い石を飲み込んだかのような辛い気分だった。(それは、相方も同じ気持ちだった。)
でも、この「欲望・・・」にはそういうきつい思いはあまり感じなかった。
ただ、私は最後の最後でじんわり泣きそうになった。

愛しい人の迎えをまっていたブランチの前に現れたのが、見知らぬ男(医師)。
最初は「違う!」と暴れるけど、「いつも見知らぬ人に頼ってきました」と
静かに言うと、真っ直ぐ前を見つめ、誇り高い表情で去っていくブランチのその表情に心をうたれた。

そして、ブランチが去った後、その辛い空気を変えるかのように、スティーヴが、カードゲームを始め、その後、飲み物を取りに行って、ふと振り返り、スタンリーを見つめる。その表情は目が潤んでいて、悲しげに微笑んでいた。
私は、そのなんとも言えない表情に涙目になってしまった。

同じ作品なのに、全く違う印象・・・。
驚いた。

余談だけど、やっぱり舞台慣れしてる人とそうでない人の台詞回し、タイミングや空気のつかみ方が全然違った。
「しょうがない」と言われればそれまでだけど、聞いててなんとなく気持悪くなる
一瞬ってちょっと気になる。
私は、背筋がピン!となってしまう緊張感がとても好きだから、それが薄れるとちょっと・・・。

感想になってないかも知れないけど、複雑は思いがあるというのが正直な感想。
全く(昨年とは)別の作品だって、切り離さなければいけないのは分かっているんだけどね(苦笑)
でも、チャンスがあれば是非、観てほしいと思う作品には違いない。私の中では。

篠井ブランチ、かなり魅力的でした。

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