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賀崎漁業組合には 2013年現在で 60隻弱の底曳き漁船と 数隻の 一本釣り漁船が 所属している

底曳き漁船は 小型底曳き船で 朝 出港して 晩に 寄港する 沿岸漁業だ。
乗組員は 船長だけの一人乗り または 親子や 兄弟が乗り合う2人乗り。

和初期の雑賀崎は 一本釣りの漁業基地だった

雑賀崎の一本釣り漁師は 沿岸で漁をすることもあるが
魚を追って 旅をする 旅の漁師だった。
南紀白浜はもちろん 遠くは 八丈島や 千葉の方まで 漁に出かけたという。
雑賀崎集落のおよそ9割が 何らかの形で 漁業に恩恵を受ていたらしい。

「艪(ろ)」って わかる?
昔は これで 船を動かしていた。
艪を操るには ちょっとしたコツがある。
櫂とは 動かす原理が違うみたい。

もちろん 今は 一本釣り漁船にもエンジンがついている。  


の後
大きな設備投資が必要だが水揚げ効率の良い 底曳き漁が主流となった。

雑賀崎の最盛期には 100隻以上の底曳き漁船があったが
現在では 全国的な漁業不振 地方経済の衰退 漁業者の高齢化等で 
廃業する人が増えて 漁船数が減ってしまった。

現在では 漁業とは無関係の仕事に就いている人口の方が ずっと多い。



雑賀崎では通年 開口板を使った 板こぎ漁ができます。

海で 泳ぎ回る魚 鯛・ハモ・アジ・カマス・サゴシ・ウボゼ 
また タコ イカ 小えびなどを曳きます

10月中旬から 5月中旬までは ケタ漁をすることもで
きます。 海の中を熊手のようなもので 

引っかきながら網をやるので 
海底に潜っているような魚 ヒラメ類 足赤エビなど
捕ることができます

 漁の休日
 火曜日・土曜日・祝前日は 定休
 新正月(一週間ぐらい) 旧正月(15〜20日ぐらい)
 節句休み(旧暦3月3日) 
 ご誕生日休み(5月20日をはさんで 5日間)
 お盆休み(8月15日をはさんで5日間ぐらい)
 祭り休み(旧
 お天気悪い シケの時
 船長の親が亡くなった時
 事故があったとき 等 その他 底曳き船主会で決まった休み
 
 漁の時間
 夏時間(5月末〜10月中旬) 朝10時出漁 晩9時ごろ寄港
 冬時間(10月下旬〜5月中旬) 朝4時出漁 午後3時ごろ寄港

 水揚げされる魚
 夏 主に 鱧・小エビ その他 魚ラインアップ
 冬 主に足赤エビ・甲イカ・赤舌平目 魚ラインアップ2

 仲前(なかまえ)
 雑賀崎の底曳き漁師は 3つのグループに分かれてる。

もともとの船長が住んでいた地域によって
 西ノ丁・池ノ丁・中+東ノ丁(中の丁と東ノ丁は漁師数が減って合併しました)に分かれる

 仲前と呼ばれる このグループは 事故などがあって船にトラブルが起きたとき 
 再び出漁できるように助け合うグループだ。
 また 組合役員などをその中から選出する 政治的な単位でもある。


 
 漁師の家計簿

 雑賀崎の漁師には シロ という考え方がある。
 
人間一人が一シロ。
 エンジンが 一シロ。
 船が一シロ。
 
 例えば 一人で船に乗っている人は 三シロ。
 親子二人で乗っている人は 四シロです。
 
 一週間の水揚げから 出荷経費を引いた金額は 毎週水曜日に振込まれる。
 手取りを シロ数で割って 
 エンジンシロは 数年で交換するエンジンのための貯金に
 船シロは 網や その他船の道具を買うための貯金に。
 人間も 一シロもらって 生活費に当てる。
 
 一シロで家族が生活できるだけ 水揚げがあるときは いいのですが
 昨今は 水揚げが落ちて 船シロやエンジンシロまで食べてしまうのが
 今の 漁師の家計簿の現実だ。

   
  
 大漁旗

 雑賀崎では 大漁旗は 漁で大漁だったとき上げるわけではない
 主に 旧暦お正月に 旗を掲げる。
 大漁旗は 自分で作るものではなく 船を作ったとき 親族や友達から贈られる。
 大漁旗は オーダーメイドだが 旗を作ることを「旗をキル」という。


 

 
  早船 

  漁船が行方不明になったりしたら 漁師仲間が 捜索に出かける。
  この 捜索船を出すことを 「早舟」を出す という。
  早舟を出すような事故は やはり 数年に1度 忘れた頃にある。
 
 潮直し
 
 シケなどが続いて 出漁出来ない日が続いたとき 
 気分を入れ替えて頑張りましょうという意味で 酒宴が開かれる。
 その 酒宴を 潮直し という。
 
 気晴らし

 身内に不幸があったときや 入院 事故 など 何か悪いことがあったとき
 その後 近しい人々が 励ましの酒宴を開く。
 その酒宴を 「気晴らし」という。


 顔つなぎ

 役員交代など メンバーが変わったとき 顔合わせの酒宴が開かれる
 その酒宴を 顔つなぎ という
 顔合わせ という意味かな。

 


 
 漁師言葉

 方言の部分もあるけれど 漁師言葉で 全国どこでも 同じような表現す るものもある。

 船尾=艫(トモ) 船首=おもて 
 船に流入した水=アカ(語源は aquaだって!?)
 波=ナグラ 
 船の前進=ゴウエ(語源は Go ahead!?) 後進=ゴスタン
 沿岸=ナラ
 隣り合わせた船をつなぐこと=もい合わす
 長さの単位 両手を広げた長さ(約1.5メートル)=ヒロ
 大漁のこと=マシ (房総では 大漁をまあまあ って言うんだって!!)

 音が似ているもの 表現方法が似ているものなど 共通点があって面白い


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