西成公園をめぐって、行政から動きが起きています。今後、その経過をこのページで報告していきます。
1月30日、靱公園・大阪城公園で野宿者のテントを強制撤去する行政代執行が強行されました。
それとほぼ同時刻の早朝7時、西成公園でも、ゆとりとみどり振興局はこれまでの話し合いの確認を反古にして抜き打ちで公園工事を開始しました。(掲示では、1月27日から3月31日まで)。
天王寺公園事務所はこの件についての「工事説明」を一切していません。公園の労働者が抗議の声をあげるなか、当局・業者は阿部、井上、南など20数名で公園南東部を完全に閉鎖する形で金網のフェンスを張り巡らせました。南東部でテントを張っている仲間は、壁や元々のフェンスとの一人がやっと通れる狭い隙間を残されただけで、今後公園での生活すら困難な状態です。中央や西部の仲間も、出入り口が一つにされ、重い段ボールを積んだリヤカーなどの出し入れがたいへんになりました。
←フェンスで囲われたテント。
←テントから出るにはフェンスに沿って大回りをしなければならなくなった。
翌日からも、朝の現地事務所見回りに抗議し、井上らは天王寺公園事務所に増員を要請してきました。阿部ら15名の見回りにも抗議を行ないました。
2002年に野宿者ネットワーク・公園労働者が行政に対して確認した事項(公園工事など新たな動きについては労働者と話し合い労働者の意見を聞いてことにあたる等)について、ゆとりとみどり振興局課長代理・千坂は2005年7月7日の公園労働者との話し合いで「これらの確認事項は現在も生きている」と明言しています。今回のフェンス設置は、公園労働者と交わしたこの確認を破っています。しかも、上のようなフェンスの設置は、公園での生活自体を困難にするものであり、事実上の公園からの追い出し攻撃と言えます。靫公園・大阪城公園の仲間の生活を破壊した行政代執行と完全に連動した西成公園におけるこうした態度は許されるものではありません。
2月7日、「西成公園労働者一同・西成公園よろず相談所・野宿者ネットワーク」として、 大阪市ゆとりとみどりの振興局長・天王寺動植物公園事務所長宛てに抗議・申し入れを行ないました。
午前中、公園労働者と集まり、公園近くの現地公園事務所に向かい下の「抗議・申入書」の手渡しを求めました。現地事務所にはアルバイト職員しかいません。その場で現地事務所責任者の井上に電話連絡し、「抗議・申し入れに来たので、こちらに来て欲しい」と言うと、井上の答えは「会議があり、その後も打ち合わせがあるのでいつになったら行けるか分からない」。「何日に来れるのか」と聞くと、今度は「集団での交渉には応じない」と言ってきました。
「そもそもそちらがフェンスを張り巡らせて、こちらの生活を破壊してきている」「当事者が来て意見を言っている。それを聞くのは行政の当然の姿勢だろう」と言っても、態度は変わりません。最後には、曖昧なことをしばらく言ったあと「会議中なので電話を切ります」と一方的に話を打ち切ってきました。その後、公園労働者の藤井さんが「抗議・申入書」をその場で読み上げ、アルバイト職員に受け取らせました。公園に帰り、みんなで経過を確認し、長くなるだろう今後の行政との交渉を団結を持って戦い抜くことを確認しました。
従来、西成公園の労働者は、工事のたびに行政と話し合い、テント生活の場所を移動してでも工事に協力するということを何度も繰り返してきました。しかし、今回、行政は「集団での交渉には応じない」という強硬な姿勢を露わにしています。靫公園・大阪城公園の行政代執行をはじめ、仙台でも行政代執行が進行していると言われています。また、釜ヶ崎近辺でも口実にした路上・公園からの排除が続発しています。西成公園での今回の動きは、この全国的な流れと会わせて考える必要があるでしょう。
抗議・申し入れ書 大阪市ゆとりとみどりの振興局長殿 天王寺動植物公園事務所長殿 1月30日、ゆとりとみどり振興局は、西成公園におけるこれまでの話し合いの確認を反古にして、抜き打ちで公園工事を開始した。当局・業者は早朝7時前後から、公園南東部を完全に閉鎖する形で金網のフェンスを張り巡らせた。南東部でテントを張っている仲間は、壁や元々のフェンスとの一人がやっと通れる狭い隙間を残されただけの形となった。中央や西部の仲間も、出入り口が一つにされ、重い段ボールを積んだリヤカーなどの出し入れが困難な形である。天王寺公園事務所は「工事説明」を一切していない。さらに、30日のフェンス設置は、靱公園・大阪城公園の強制代執行の陰に隠れて狡猾に強行されたものである。 西成公園で02年工事にあたって確認した事項、1,強制排除はしない。4項目確認を守る(強制排除はしない。テント生活を維持する労働者の意思を尊重する。シェルター入所を強要しない。公園工事など新たな動きについては労働者と話し合い労働者の意見を聞いてことにあたる等)について、ゆとりとみどり振興局課長代理・千坂は2005年7月7日の公園労働者との話し合いで「これらの確認事項は現在も生きている」と明言している。今回のフェンス設置は、公園労働者と交わしたこの確認を破る行為である。しかも、上に述べたようなフェンスの設置は、公園での生活自体を困難にするものであり、事実上の公園からの追い出し攻撃である。行政は、生活支援を口にしながら、公園内の下水施設の放置がそうであるように、公園労働者の生活を破壊する行為を続けている。靫公園・大阪城公園の仲間の生活を破壊した行政代執行をわれわれは許さない。そして、この行政代執行と連動した西成公園におけるこうした態度をわれわれは許すことができない。 したがって、以下を要求する。 ゆとりとみどり振興局、天王寺公園事務所は、公園労働者の生活を破壊するフェンスをただちに撤去せよ。 予告した工事についての話し合いの場を公園内において早急に持て。 2006年2月7日 西成公園労働者一同 西成公園よろず相談所・野宿者ネットワーク |
10月20日、西成公園よろず相談所と野宿者ネットワークのよびかけにより、西成公園労働者集会が午後5時から公園中央で行なわれました。
12日に救急搬送ののち病院で亡くなった松本さんへの追悼に始まり、よろず相談所、野宿者ネットワーク、そして西成公園を代表して藤井さんの挨拶、大阪城公園とうつぼ公園の仲間からの報告ののち、藤井さんにより集会決議案が読み上げられ、決議が認められました。
そののち、公園から労働者3人が発言し、いったん集会をしめたあと、差し入れの焼酎やジュースでしばらくみんなで語り合いました。
決議文は以下の通りです。
西成公園労働者集会 集会決議
2005年10月7日、大阪市ゆとりとみどり振興局と天王寺動植物公園事務所は、西成公園野宿労働者すべてに「退去して下さい」と書いた印刷物を配布した。
私たち西成公園野宿労働者は、この大阪市による不当な追い出し攻撃に対して、一致団結して闘っていくことをここに決議し、宣言する。
(1)
西成公園では、現在、70名を越える労働者が野宿生活を営んでいる。
大阪市は、公園全域での「工事」を名目に、公園南東部で野宿生活を営む労働者に対しては「10月31日」を期限に、また公園内の南東部以外で野宿生活を営む労働者に対しては「至急」と言い放ち、追い出しをはかる暴挙にでた。我々は断じてこれを許すことはできない。
今夏、西成公園労働者と大阪市の2回にわたる交渉において、大阪市は「強制排除はしない・行政代執行はしない」と確約した。大阪市は、この確約を守るべきである。
そもそも、大阪市は「自立支援策」なるものをもって公園工事を強行しようとしているが、西成公園野宿労働者との「話し合い」をも強硬に打ち切り、「話し合い」の場においても大阪市が言う「自立支援策」をまったく西成公園労働者に提示もしないままに追い出しをはかろうとしている。これを不当と言わずして何というのだろうか。
野宿労働者が、長年にわたって野宿を強いられてきた現実こそ、行政の責任にある。大阪府・大阪市が、仕事がなく野宿に追い込まれた労働者に、真っ当な「対策」を行っていれば、我々は公園で野宿せずともよかったのである。
現在の行政の「対策」、すなわち「自立支援センター」にしろ「居宅保護」にしろ、多くの労働者が、再び野宿に戻らざるを得ない実情を、我々は知っている。
にもかかわらず、大阪市が追い出しをはかるのであれば、西成公園労働者は一同に団結して、この大阪市の暴挙と断固闘い抜いていくのみである。
(2)
西成公園での野宿労働者の闘いは、10年を越える歳月を経た。
1995年の強制追い出しから始まった西成公園での闘いは、その後、97年からは公園を「広域避難場所」として指定し「公園工事」を名目に排除をせまる大阪市と対決、大阪市に労働者の公園内移動を認めさせ、「代替地」を獲得した。
また、2001年の「シェルター」建設をめぐる闘いにおいても、「強制排除はしない」「テント生活を維持する労働者の意思は尊重する」「シェルター入所を強要しない」「公園工事など新たな動きについては労働者と話し合い労働者の意見を聞いてことにあたる」という「四項目確認」を大阪市に確約させた。
さらに、02年「工事」をめぐっては、「四項目確認を守る」「労働者が納得のいく野宿しなくてもよい対策がでるまで公園から排除しない」という内容を骨子とする「五項目確認」をも大阪市に確約させてきたのだ。
大阪市は、こうした西成公園労働者との確認を守る義務があるはずである。
(3)
大阪で、そして全国で不当な追い出し攻撃と闘う仲間の皆さん! 野宿を強いられながらも懸命に生き闘っている仲間の皆さん! 西成公園に限らず、大阪市内の各所で今、追い出し攻撃が強められている。我々は、仲間と結びつき団結して闘っていきたいと願っている。
全国の仲間たち! 西成公園野宿労働者の闘いに、注目と支援を心から要請します。
共に団結してガンバロウ!
2005年10月20日
西成公園野宿労働者一同
野宿者ネットワーク通信 西成公園版105号 2005.8.9
西成公園の仲間たち!
不当な追い出し攻撃を許さず、団結してたたかおう!
西成公園の仲間のみなさん!
いよいよ行政が動き出しました。10月7日(金)に、天王寺公園事務所と大阪市ゆとりとみどり振興局は、西成公園の仲間たちに「公園から退去してください」と書いたビラをまきました。断じて許すことができません。公園南東エリアを「第1工区」として「11月から工事着工」、公園中央から西側全域を「第2工区」として「第1工区に続き着工」というこの攻撃は、満足な対策も示すこともないままの不当な追い出し攻撃です。
7月と9月に行われた行政との「話し合い」で、大阪市は「強制排除はしない」 「行政代執行はしない」と西成公園の仲間たちの前で明言しました。この大阪市の発言を守らせねばなりません!
そもそも、工事などをめぐる問題について、行政は「話し合いで解決する」と西成公園の仲間に約束してきました。にもかかわらず、この間の2回にわたる「話し合い」を打ち切ったのは行政です。また今回のように、西成公園の仲間に「退去」を一方的に強いるやり方は、当然にして、この間の確認を反古にする不当極まりないやり方です。その行政の責任を断固追及していかねばなりません。
こんな行政の姿勢を、そしてこんな行政が言う「自立支援策」をいったい誰が信用できるというのでしょうか。
西成公園の仲間たち!
これまでもそうであったように、行政の不当な排除攻撃に対しては、仲間が団結してたたかうことが唯一の道です!
野宿者ネットワークは、西成公園の仲間たちとの話し合いを深めて、一層団結を打ち固め、この行政の攻撃に全力で立ち向かっていきます。共に一人の仲間も不利になることのないように、全力でたたかい抜いていこうではありませんか!
不当な排除攻撃を 団結の力で打ち砕こう!
行政のとの第2回「話しあい」に向けて、公園の仲間との話し合い 2005.8.21
行政との「話しあい」の第2回が近々あると予想されます。
今後、行政とどのように話していくか、どのような内容で「話し合い」を進めていったらいいか、公園の仲間と野宿者ネットワークとで話し合い、意見の交換を行ないました。
西成公園 夏のつどい 2005.8.20
毎年恒例の「夏のつどい」を野宿者ネットワーク主催で行ないました。
5時から開始し、公園労働者を代表して藤井さんの挨拶に始まり、野宿者ネットワークの挨拶、行政の話し合いについての報告、そして今年亡くなっていった仲間への黙祷を行ない、乾杯のあと、用意した焼き肉などの料理やお菓子をみんなで食べました。
今年もトゥーヌマーヌの演奏があり、公園からも藤井さんたちが熱演しました。その後、はじめての試みとして、公園内での映画上映をしました。映画は「少林サッカー」。荒唐無稽なコメディですが、映画が終わったあと拍手が起こり、好評のようでした。
野宿者ネットワーク通信 西成公園版105号 2005.8.2
西成公園の仲間のみなさん
夏真っ盛りになってきました。現在のところ、行政から、第2回の「話し合いの場」を開く連絡は入っておりません。
野宿者ネットワークのとり組みスタンスは、野宿を強いられている仲間が、無事、野宿解消をはかってもらいたい、というところにあります。
もともと、野宿という状態はあってはならないことで、行政の「野宿対策」の無策ゆえに、野宿を強いられているのだから、その行政に、野宿解消のための対策をきちんとさせていく、それが、西成公園でこれまでやってきた闘いの主軸です。たび重なる「公園工事」に際しても、きちんと野宿解消のできる対策が出せないうちは、不当に公園から追い出すな、を旗印に闘ってきました。いまも、「就労対策」面は、とくに不備であり、就労での自活を望む仲間は、まだまだ、公園での生活を足場にしながら、行政に対して闘っていかなければならないと思います。
したがって、闘いの中心は、あくまで、公園・路上などで野宿せんでもいい対策をきっちりやらせる、というところにあります。
「話し合いの場」でも、この「対策」面を、中心課題として取りあげ、行政にやらせていかなければなりません。
もともと、そういう趣旨で、野宿者ネットワークが出した要求書に、行政が応ずる形で、「話し合いの場」がもたれているので、その中身は、やり通さなければならないと思っています。
他方、公園内には、長い間の野宿生活に疲れて、野宿解消を願っている仲間や、病気を抱えている仲間など、それなりの数おります。最近、NPO釜ヶ崎福祉部の協力も得て、個人(穴沢)として、野宿解消の相談に乗った仲間は4人おります。
この中には、「巡回相談」を待っていた仲間もおりましたが、現在のところ、「巡回相談」はやらせないようにしています。早く、「話し合いの場」で、行政の「自立支援策」(野宿解消策)を出させ、それに対して労働者の声をぶつけて、きちんとした対策をさせていく、そういったことを経た上で、工事に無関係の医療・福祉に限定した「巡回相談」を実施させていく。そのことをとおして、行政に、野宿の責任をとらせ、労働者に対して血の通った仕事をきっちりさせていかなければなりません。
現在、「話し合いの場」「巡回相談」も成されていない中では、困っている仲間は、個人的にでも相談に乗るようにしたいと思います。
また、仲間が野宿解消に到っても、出来るだけ関係を持ち続けて、サポートをさせてもらいたいと思っています。本当は、野宿解消後からがむしろ大変だと思います。
われわれでもそうですが、それぞれの置かれている位置で、人生を終えるまでどのように暮らし、何をしていくか、ということは大きな問題です。その辺も視野に入れて、たんに公園からの野宿解消だけではなく、そのあとをどうやっていくか、そこも真剣に考えなければならない大きな課題といえます。
これから、暑さが一段と厳しくなりますが、体調に気をつけてがんばりましょう。
野宿者ネットワーク通信 西成公園版104号 2005.7.16
第1回「話し合いの場」の報告です
西成公園の仲間のみなさん。
7月7日に第1回の行政との「話し合いの場」を持ちました。ビラでの報告が遅くなり、申し訳ありません。
参加した仲間のみなさん、ごくろうさんです。
ポイントのみ報告します。
行政からは、大阪市ゆとりとみどりの振興局の千坂課長、健康福祉局の梶原課長、天王寺公園事務所の安部課長、そして、あと10人ほどの役人。
こちらは、公園の仲間、支援、とくに、外から、西成公園に関心を持つ支援が沢山来ました。
司会は、野宿者ネットワークの穴沢が担当しました。
行政は、参加した大勢の前で、「大阪市として、強制排除、行政代執行は行いません」と明言しました。このこと自体、画期的なことで、大きな成果といえます。野宿者ネットワークとしては、これで、本題−−行政の口から「自立支援策」を言わせて、それに対して労働者からの意見・問題点をあげ、それをもとに行政に実行させていくーーに入ろうとしたのですが、支援から、「言葉だけではダメだ、文書化しろ」という声が上がり、それに対して、行政が、「文書化できません」と答えると、さらに、「文書化できないなら、その理由を言え」という声が上がり、騒然とした中で、しばらく膠着状態が続きました。
間に、行政に検討させる時間をはさんでも、事態は前に進まず、結果的に、次回への持ち越しとなりました。最後に、公園の仲間から、「困っている労働者が、公園現地事務所に行けるようにしてほしい」との意見が出ました。行政も、当然、それは、「来てください」と応じました。
公園の仲間が主役、次は前へ陣取ってください!
今回の、行政の「話し合いの場」は、野宿者ネットワークの要求書に、行政が応ずる形で開かれたものです。要求書の核心は、「工事説明」より先に、労働者の野宿解消策をきちんと出し、その場で労働者の声をよく聞け。それによって、いま、困っている労働者には手厚い支援を行い、まだ公園で引き続き生活しながら野宿解消策をみつけていく労働者には、その時期が来るまで公園で居れるようにしろ、というものです。
このことを、きちんと、「話し合いの場」に乗せていくのが、野宿者ネットワークの役割です。そういう目的を持って、行政を労働者の前に立たせることになります。したがって、「話し合いの場」は、公園の仲間が主役になって、要求書にかかげた問題について、やりあうことが本筋といえます。ともすると、外から来た支援の声ばかりが大きくて、肝心の公園の仲間が後ろに引っ込む形になる、ということであってはならないと思います。つぎの「話し合いの場」では、公園の仲間は、支援よりも前面に陣取ってください。
万全に近い野宿解消策を行政にやらせていこう!
仲間のみなさん(ここが一番大事です)。
野宿者ネットワークとして、これまでの行政交渉は、「工事」がらみの時のみで、普段から、野宿解消策についての交渉をしてこなかったことは、率直に反省します。
いま、現実問題として、西成公園では、長い間の公園での野宿生活に疲れて、野宿解消を願っている仲間や病気を抱えている仲間など、公園にはそれなりの数おります。そういう労働者に対して、万全の野宿解消策を行政にやらせていく場をつくっていくことが、支援として長い間関わってきた野宿者ネットワークの責任ともいえます。いま、これをしっかりとり組み、その道筋を作っていくことは、将来、野宿解消が必要になる(現在の対策では野宿解消など考えられない)仲間にとっても、大事なことといえます。
困っている仲間は、「公園現地事務所」に相談に行かれたらいいと思います。現地事務所で何か問題があった場合、あるいは、行きづらい仲間は、野宿者ネットワークに相談ください。主な担当は穴沢です。毎週火曜日には公園にいます。NPO釜ヶ崎福祉部にも協力してもらいながら、解決に向けて、取り組みます。
がんばっていきましょう。
7月7日の行政との「話し合いの場」の報告
「話し合いの場」には、公園事務所の他、健康福祉局からも出席しました。公園労働者の他、「失業と野宿を考える実行委員会」「釜ヶ崎キリスト教協友会」などから様々な支援団体や支援者が参加。
司会は野宿者ネットワークが担当。内容はすべてビデオ録画済み。
最初に2人の公園労働者からのアピール。そして行政側の全員の自己紹介。
最初に、西成公園で02年工事にあたって行政に対して確認した事項、
1,強制排除はしない。4項目確認を守る(強制排除はしない。テント生活を維持する労働者の意思を尊重する。シェルター入所を強要しない。公園工事など新たな動きについては労働者と話し合い労働者の意見を聞いてことにあたる。)
2,西成公園野宿労働者の「自立」は西成公園から目指す。
3、02.03年工事は、今後の野宿労働者の状況を見ながら考える。
4,公園内に移動する場所がなくなった場合、工事は進められないと考えている。
5,移動した後の再度の移動は求めない
を現在も引き継いでいるかを(ゆとりとみどり振興局課長代理)千坂に確認。
千坂は「これらの確認事項は現在も生きている」と明言。
更に、「大阪市として、強制排除はしない。行政代執行は行なわない」と明言せよ、との要求に、しばらく曖昧なことを言った末、千坂は「大阪市として、強制排除はしない。行政代執行は行なわない」と明言しました。
この後、現場から「それを文書化しろ」「長居公園でも役人は言葉では強制排除はしないと言ったが、実際にはやってきた。だから文書にしろ」「(天王寺公園事務所施設担当課長)安部は『私は代執行もやったたことがある』と恫喝していた、信用できない」との声が挙がりました。
文書化を行政に求めましたが、行政はそれだけは頑として行ないませんでした。「なぜ文書にできないのか、その理由を言え」との声にも、まともな理由はいっさい口にしません。
ここで交渉は膠着し、司会から「口頭でも、強制排除はしない、行政代執行は行なわないと言わせたということは大きな意義がある。文書化にこだわっているといつまでもこのままなので、次の内容に進めてはどうか」と提案しましたが、現場は「いくら時間がかかっても文書化を求めるべきだ」という声が大きく、しばらくこの点をめぐって行政とのやり合いが続きました。
司会の提案で、10分間中断し、行政側が議論を持ち帰り検討に入りました。
しかし、再開後も行政はやはり文書化を拒否。
そこで、今回はここで終了し、次回を設定した上で、その場でこの点についてあらためて回答することを要求しました。
現場から、「こちらから、要求内容を文書にして行政に出そう。それについて、行政は文書によって答えろ」と声が挙がり、現場で賛同を受けました。
「要求文書を出すから、それについては文書で回答するか」と行政に聞くと、「その文書を見てから判断します」という言い方で、行政は文書による回答を確約しませんでした。この点について再びやりとりが続きましたが、最後まで行政はそれ以上のことを口にしないという態度でした。
行政が帰ったあと、みんなで「口頭でも、強制排除はしない、行政代執行は行なわないと言わせたことは大きい。今後もみんなで団結してねばり強くがんばっていこう」と確認しました。
次回の日時はまだ未定です。
野宿者ネットワーク通信 西成公園版102号 2005.7.5
行政が「話し合いの場」を7月7日にもちます。
西成公園の仲間のみなさん
先日の、2日に予定されていた交流会が雨のため流れ、残念でした。
また、できるだけ早く行うことにします。
7月7日の午後2時から、行政が「話し合いの場」をもちます。
前回の公園版101号にも書いたように、今回の、行政の「話し合いの場」は、野宿者ネットワークの要求書にも関係しているので、われわれとしても、責任をもって関わっていこうと思っています。
「話し合いの場」で不利にならない状況をつくりだしていこう。
7日の「話し合いの場」が、今回の「公園工事」を巡っての、実質的なスタ-卜になります。これから、できるだけ公園の仲間すべてが結集してほしいと願います。
前回のビラでは、「今は全部に問題がふりかかっているとき」、と見出しに書きました。
どのように、問題がふりかかっているのか?
@今回は、全面工事だから、全部に立ち退きが迫られています。
Aこれまでの工事のように、公園内移動場所など、最初から問題外といえます。
B「公園はとにかく居座れるところ」、として、行政と全面対決になると・最悪
の事態も予想されます。蹴散らされる可能性は大きいといえます。
野宿者ネットワークが、西成公園に関わりはじめて10年、支援としての柱は、行政が労働者に公園・路上で野宿を強いることは許さない、そして、野宿を解消できるきちんとした対策を行え、それがないうちは、公園からの不当な追いだしを許さない、というものでした。つまり、万全な野宿解消策を行政にださせ、それによって、全員が、無事、公園から野宿解消をはかれるまで公園の仲間とともに闘う、というものでした。
ですから、あらためていうと、野宿者ネットワークとしては、公園の仲間全員が、いずれかの日には、無事、公園から野宿解消をはかっていくことが願いです。
その意味で、中途半端に公園から蹴散らされるわけにはいかない。
いま、行政が「話し合いの場」を持つといっているのだから、これは、いい機会になります。こういうときこそ、どんどんものを言っていって、こちらが不利にな
らないような状況を作りだしていかなければならないと思います。
野宿者ネットワークのスタンスは、西成公園には居続けることを支援するのではなく、野宿を強いられている仲間の野宿解消に向けての支援です。
そのことから、まず、
・いま困っている仲間、野宿解消をはかりたいと思っている仲間は、野宿解消をはかっていったらいい。行政にきっちりと、二度と野宿に戻させない内容で、サポートさせていきましょう。
そして、今の時点で野宿解消策がみつからない仲間は、公園で、野宿解消をはかれる時期がくるまでがんばったらいい。そういう仲間は、野宿解消の時期がくるまで、生活しながら闘いを続けていける方法を行政に迫り、やらせていきましょう。
万全な野宿解消策を、粘り強く、行政に必ずや実行させ、野宿解消をはかっていこう。絶対、負ける(=野宿解消にいたることもなく蹴散らされる)わけにはいかないのです。
がんばっていきましょう。
全員の野宿解消に向けて、粘りづよくがんばろう。
「はなし合いの場」にはみんな集まろう!
野宿者ネットワーク通信 西成公園版101号 2005.6.28
西成公園の仲間のみなさん。
「工事説明」の前に、野宿解消についての「労働者との話し合い」を開け、という野宿者ネットワークの要求書に対して、昨日、行政が、開きます、と回答してきました。とはいえ、本来、これは、行政自らが率先して開かなければならないはずのものです。
あらためて、要求項目を再確認してみます。
【要求項目】
1.まず、「工事説明」の前に、公園労働者の野宿解消にむけた、行政の「支援策を説明」する場をもち(個別説明ではなく)、同時に、その場で公園労働者とよく話し合いをもつこと。
2.行政自らが、前向きに、公園労働者の前に出向いてきて、上記の場をもつこと。
3.上記の場において最低限やるべきことして、早期に野宿解消を希望する労働者には、手厚い支援の方法を示し、まだ野宿解消策がみつからない労働者には、話し合いの上、納得できる解決策のアウトラインを確認すること。
4.前記3の項目をもとに、具体的な対策が行われていき、それに一定目途がつくまでは、「工事説明」は行わないこと。
というものでした。
行政が、「工事説明」よりも先にやらねばならないのは、野宿解消策(行政のいう「自立支擬策」)の説明と労働者との話し合いです。
話し合いの場では、まず、行政の、「自立支援策」がいかなるものか、よく聞いてみましょう。「工事」が前提とはいえ、行政のいう「自立支援策」が、つけ刃的にうち出されたものなのか、本当に労働者の立場に立ってやってくれるのか、それを、
確かめましょう。簡単に野宿に後戻りするような「自立支援策」をさせてはならない。
行政の「自立支援策」に不備なところがあれば、どんどん指摘し、労働者の意見をとりいれさせていきましょう。
とにかく大事なことは、行政にきっちり、野宿の責任をとってもらい、中途半端でない万全の野宿解消策をきっちり行わせ、労働者が納得して公園から野宿解消をできるよう、汗をかいてもらわなければならない。肝心なことは、労働者自らが納得して野宿解消を図る、その意志を尊重させることにあります。つまり、今の野宿対策では野宿解消をはかりがたい、もっと自分にあった野宿解消策が見つかるまでがんばる、という労働者に対しては、自分の意志で野宿解消を図るまで、決して、公園内から追い立てるようなことさせない、ということです。
いまは全部に問題がふりかかっているとき、話しあいの場にでよう
仲間のみなさん
今回の、行政の「話し合いの場」は、野宿者ネッ卜ワ-クの要求書も関係しているので、われわれとしても責任をもって関わっていこうと思っています。この「話し合いの場」には、これから、できうる限り公園の仲間全員の結集を求めます。
いま、全部に問題がふりかかっているときなので、いま、仲間のみなさんに求められているのは一人一人がはっきりした形で自分の身の振り方を考えなければならない局面といえます。と同時に、公園内の仲間のこともお互いに考えあわせながら、力を合わせてやっていきましょう。
「話し合いの場」が、実質的なスタ-卜になります。いま、ここぞというときです。粘り強くいきましょう。
これから、ビラもできるだけ出しますので、目を通すようにしてください。
野宿者ネットワーク通信 西成公園版100号 2005.6.22
西成公園の仲間のみなさん
昨日、下にあるような要求書を、大阪市健康福祉局長、ゆとりとみどりの振興局長、天王寺公園事務所長あてに出しました。
「工事説明」より、まず、野宿解消策の説明と話しあいが先です。また、聞きに来い、ではなく、行政の方から、労働者もとに出向いてくるべきです。
要求を受けいれるか否かの返事は、後日、行政から連絡が入りますが、すぐ、仲間の方におしらせします。
行政が、こちらの要求に応じて、話し合いの場をもったら、まず、行政の「自立支援策」が、どれぐらい労働者の立場に立って野宿解消を考えているものなのか、よく聞き、それから、不備な点、また、こうすべきだという意見をどんどん出して、とりいれさせていきましょう。
とり急ぎ、行政に要求書を出した報告です。
身体に気をつけて、がんばっていきましょう。
大阪市ゆとりとみどりの振興局長殿
天王寺動植物公園事務所長殿
2005年6月21日
野宿者ネットワーク
要 求 書
6月14日は、工事説明のみを前面に出し、しかも、公園現地事務所前に聞きにこいという行政のやり方に、公園の労働者は一人も応じなかった。伝えるべき相手が目の前にいない状況は、「説明会」の不成立と破綻を意味している。
もともと野宿などしたくもない労働者が、やむなく公園で野宿することになったのは、行政の野宿対策の無策ゆえである。この、行政の責任をふまえず、これから工事する、聞きに来いでは、誰が行くとでもいうのか。やむをえず野宿状態に置かれてはいても、がんばって自活している生身の人間に対して失礼極まりない態度であろう。
行政は、まず、野宿対策の不備ゆえに労働者に野宿を強いている責任をよくふまえ、労働者の野宿解消に全力をあげることから取り組んでもらいたい。
行政は「工事説明」の前に、公園の労働者の野宿解消に向けて、行政として可能な様々な支援策について話し合う場を真っ先に開いてもらいたい。その場で、行政が、労働者に誠意を持って「自立支援策」を伝えるとともに、労働者の声もよく聞いて、それを取り入れてもらいたい。
こういう丁寧なやり方を経て、いま困っている労働者には、無事、野宿解消をはかれるよう支援し、まだ自らの野宿解消策が見つからない労働者には、納得できる解決策を提示して、それが 具体的に目途がついた段階で、「工事説明」を開始すべきである。
【要求項目】
1.まず、「工事説明」の前に、公園労働者の野宿解消に向けた、行政の「支援策を説明」する場を持ち(個別説明ではなく)、同時に、その場で公園労働者とよ〈話し合いを持つこと。
2.行政自らが、前向きに、公園労働者の前に出向いてきて、上記の場を持つこと。
3.上記の場において最低限やるべきことして、早期に野宿解消を希望する労働者には、手厚い支援の方法を示し、まだ野宿解消策が見つからない労働者には、話し合いの上、納得できる解決策のアウトラインを確認すること。
4.前記3の項目をもとに、具体的な対策が行われていき、それに一定目途がつくまでは、「工事説明」は行わないこと。
以上
野宿者ネットワーク通信 西成公園版99号 2005.6.15
芝生に向かって話し出す大阪市
行政が開催しようとした「工事説明会」
一人の参加者もなく破綻
西成公園の仲間のみなさん!
昨日6月14日に大阪市ゆとりとみどり振興局・天王寺公園事務所が、西成公園労働者を仮事務所前広場に呼びつけて開催を強行しようとした「工事説明会」は、ものの見事に破綻しました。
当然のごとく午後2時になっても公園労働者は1人も集まらない! この現実こそ、満足な対策ももたず、充分に労働者と協議を行おうともしないで、まさに工事を進めるためにのみ「説明会」を強行しようとする大阪市への不信と怒りの表明であり、行政は肝に銘じるべきことなのです。
しかしあろうことか行政は、誰もいない芝生に向かって話し始めようとする茶番を演じる始末。フェンス前に集まって抗議する仲間たちの声と共にネットワークも行政に対して、「『説明会』が成立していない現実を認めろ」「工事の説明ではなく、労働者との対策の協議が先だ」と問いつめましたが、振興局公園施設担当課長・千坂、公園事務所施設管理担当課長・阿部は、「ていねいに(巡回相談を)まわる」と応じるのみで、あとは沈黙。
この過程で阿部は私たちの抗議を打ち切るように「只今より開始します。
集まって下さい」と言い放つ暴挙にでたのです。断じて許せません!
結局、行政は3時まで机を出していましたが、参加者のないまま「説明会」なるものは破綻し、行政はすごすごと仮事務所に引きあげる有様でした。
この日のゆとりとみどり振興局や天王寺公園事務所の姿に、現在の大阪市行政の野宿を強いられる仲間に対する人を人とも思わない姿勢がはっきりと見てとれます。長期におよぶ野宿を仲間が強いられてきた現実こそ、行政の責任です。その責任を顧みず、工事を強行するためだけに一方的に「工事説明会」なるものを設定して労働者の追い出しをはかるというやり方を、仲間の団結で打ち砕いていかなければなりません。
今後・天王寺公園事務所は、「巡回相談」を強めてくると思われます。
しかし、「説明会」なきままの一方的な「巡回相談」は、まさに工事に向けて立ち退きを強引に労働者に迫るものです。「巡回相談」に名をかりて行政が「工事説明」をしようものなら、ただちに抗議をしてください。また、行政とのトラブルなどもネットワークに連絡をください。現在ネットワークは、平日には連日、何時間かでも公園に待機する態勢を継続しています。
行政の追い出し攻撃が強まる中で、西成公園の仲間のみなさんも大変だとは思いますが、こういう時こそ、仲間の団結を強めて闘っていきましょう! 団結ガンバロウ!
野宿者ネットワーク通信 西成公園版98号 2005.6.14
「工事説明会」の中止を大阪市に申し入れる
西成公園の仲間のみなさん!
大阪市は、6月14日に「西成公園整備工事説明会」なるものを開催しようとしています。 しかし、この「説明会」は、野宿解消に向けた対策を労働者と協議しようとするものではなく、「工事」を一方的に西成公園労働者に通告しようとする内容となっており、またこれまで西成公園で行われてきた「現地説明会」とは異なり、行政が出向いてくるのではなく、仮事務所前に労働者を呼びつけるという失礼極まりないものとなっています。断じて認めることはできません。
よって、野宿者ネットワークは、昨日、右の「申入書」を大阪市に提出し、「説明会」中止を求めました。
西成公園の仲間たち! 団結して、追い出し攻撃にやり返していこう!
申 入 書
天王寺動植物公園事務所長殿
大阪市ゆとりとみどり振興局、天王寺動植物公園事務所は、2005年6月14日に「西成公園整備工事説明会」なるものを開催するという「お知らせ」を、西成公園労働者に配布しようとした。
しかしながら、この「お知らせ」なるものは、西成公園労働者に対して、大阪市行政が、いかに誠意をもって野宿解消に向けた対策を行っていくかについて、一言なりとも言及されていない。
また、旧来、西成公園で行われてきた「現地説明会」とは異なり、開催場所についても、西成公園仮事務所前広場として、西成公園労働者を呼びつけるという言語道断なものである。
ここには、「工事」に関して西成公園労働者に、協力・理解を求めるという姿勢のかけらも見られず、大阪市が一方的に西成公園労働者に「工事」を通告するごときものである。
よって、私たち野宿者ネットワークは、こうした「工事説明会」を断じて認めることができず、この「6月14日工事説明会」の中止を申し入れる。
さらに、大阪市は、真に野宿解消に向けた対策を、西成公園労働者・支援団体と協議する場を早急に設けることを、強く申し入れる。
2005年6月13日 野宿者ネットワーク
6月から、基本的にすべての平日、野宿者ネットワークメンバーによる公園の「昼周り」を始める。
野宿者ネットワーク通信 西成公園版97号 2005.5.29
西成公園の仲間のみなさん
先日、24日に、大阪市と事務折衝を行いましたので、それの報告を行います。
結論から先に言いますと、こちらの要望が伝わらなかったので、もの別れという状況になりました。
行政は、今回の公園全面工事に際して、きめの細かい「自立支援策」を用意したということのようですが、それでも、今の段階で野宿解消に踏み切れない仲間が出てくることは事実です。それに対して、われわれとしては、暫定スペースのような形で、自分にあった野宿解消策が見つかるまでいまのくらしを維持しながらやっていける居場所の公園内確保を要望したのですが、行政の立場としてはそれを用意することはできないと言うことでした。しかし、「自立策」が見つからず公園にとどまる人に対しては、何らかの柔軟な対応を考えたいという含みもあるようですが、しかし、居場所については、はっきりした形で示されないと、野宿を強いられる仲間にとっては不安が解消されたことにはなりません。
野宿者ネットワークとしては、やはり、公園の仲間が、無事、最善の形でそれぞれの野宿解消をはかってもらいたいと思っています。その意味で、行政と全面対決の形になって、最悪の状況を招くことはさけたいという立場から、これまで、数度にわたる事務折衝の形で、公園の仲間が不利にならないための解決策の糸口を探ってきました。
いま、実質的に、行政ともの別れの状況になったわけですから、後は、行政が自らの業務として、公園工事を進めることになるわけです。行政自らの業務として、工事説明会を行い、巡回相談を行うことになるわけですが、そうすると、公園の仲間が、それぞれの判断で行政と直に相対することになります。仲間一人一人が、自らの野宿解消の意志をしっかり持って、行政にしっかりそれを伝え、最終的には最善の形で野宿解消をはかっていただきたい。
巡回相談などで、不利な状態がありましたら、すぐ野宿者ネットワークに連絡してもらえるようにこちらも体制を整えます。不利な状態が出てきたら、必ず、野宿者ネットワークに連絡してください。一緒に解決していくという支援は、今までどおり責任を持ってやっていきます。
本日はビラのみにてのとりあえずの報告ですが、近日中に、公園交流会を開いて、報告の機会を持ちたいと思います。
3月15日のアンケートの集約結果です。
今回の公園工事計画に対しての西成公園労働者、野宿者ネットワークがどう闘ったらいいか検討するために、3月15日に、仲間の率直な声をアンケートの形で聞き取らせてもらいました。協力してくれた仲間はごくろうさんでした。
この日一日限り、限られた時間だったので32人の仲間にしか聞けませんでした。
聞き取りの主眼は、野宿解消を考えるとき、就労希望なのか、生活保護希望なのか、施設・入院希望なのか、そして、まだ、どのようにしたらいいのかいいのかわからないのか、といったいったような、各人の身の振り方を聞いておきたかったということがあります。
集約結果は
生活保護希望の仲間 15人
就労希望の仲間 11人
その他(意思表示なしも含め) 6人
でした。
就労希望の仲間
@就労の形は
・常用の形を希望 ・建設関係しかやってこなかったので、それで希望 ・スーパー店員 ・将来も失業しない安定した仕事などの希望があげられていました。
A収入は
・最低7万 ・最低10万 ・家賃+10万 ・12万〜13万 ・15万 ・17万 〜18万 ・20万 など、様々でした。
生活保護希望の仲間
@収入の目途は
・アルバイトで ・特掃とアルミ缶 ・新聞集め ・現金仕事 ・ガードマン
といったように、やはり、アルミ缶・新聞集め、そして、アルバイトによる収入を考えているようです。
しかし、他方、・アルバイトをみつける自信がない ・体調がよくない ・イヌが居て迷っている。 といった仲間もいました。
身の振り方を決めてない仲間
・気持ちは就労、現実は公園 ・公園に居りたいと心から思わない ・公園は気楽
・公園は他人を気にしないで暮らせる、自由に暮らせるといった声がありました。
その他として
・とにかく生活を安定させたい ・公園に居りたくないがどうしていいかわからない。 ・生活保護はずっともらえるのか不安 ・どこか公園に移ろうかな ・巡回相談は医療のことや支援センターなど言っててくるが、見通しが立たないので拒否している。
などの声がありました。
5月21日(土)西成公園交流会
4月2日、西成公園交流会の中で、アンケートの報告と生活保護についての簡単な学習会を行なう。
野宿者ネットワーク通信 西成公園版96号 2005.3.22
西成公園の仲間のみなさん
先日、3月17日に、われわれ野宿者ネットワークは、大阪市、天王寺公園事務所と事務折衝をもちました。
最初に、行政は公園労働者の「自立」にむけた支援策をいろいろだしてきました。
たとえば、就労面については、これまで同様、自立支援センターの活用を軸にして、そこに、退所後に失業した場合のサポートとか、生活面のサポートとかだされています。
また、居宅保護についても、区役所、公園事務所、巡回相談員が連携をとって、ていねいなサポートをおこなったり、年齢の若い人でも居宅保護がとれるよう調整したり・・・と、いろいろ対策上の工夫はなされています。
が、われわれの目からみて、野宿解消をはかるうえでは万全なものといえず、基本的に不備なものであることには変わらない、という印象はあります。よって、あらためて、行政に検討をもとめています。
ですが、とりわけ生活保護のサポート面ではていねいになっているので、行政の現段階での対策をつかって、この機会に、野宿生活がしんどくなっている仲間は、野宿解消をしていったらいいと思います。しかし、就労対策の面などはまだ整備段階のようなので、納得できない仲間は、今あるくらしを継続しながら、対策の整備がすすむのをまってもいいのではないかと思います。
いま、とにかく、行政が全面立ちのきを迫っている状況では、万全で、仲間が納得できる野宿解消策をだしてもらうしかないですね。
工事説明会がおこなわれれば、中途半端な対策のままで、公園からの立ちのき強制などが急速に進められていきます。そういうことをさせないためにも、万全な野宿解消策を軸に、事務折衝でカバーできるところはやっていきたい。したがって、しばらくのあいだ、われわれ野宿者ネットワークにまかせていただきたい。そこのところを、よろしくご理解ください。
大事な局面です。ともにがんばっていきましょう。
次回交流会は、4月2日を予定しております。
このとき、先日、アンケートという形で仲間からきかせてもらった声も、全体をまとめた形でおしらせします(もちろん、一人一人の個人情報は、われわれがきちんと管理し、外にでることがないので、ご安心ください)。
3月12日、西成公園交流会で今後の行政交渉の方向について意見交換を行なう。
野宿者ネットワーク通信 西成公園版95号 2005.3.12
野宿しなくてもいい対策を行政に行わせることが闘いの主軸です
2月26日の交流会は雪の降る寒い日でしたが、公園の仲間34名が集まりました。
いつもの通り、藤井さんの熱のこもった挨拶に続いて、野宿者ネットワークから、先日行なったみなさんへの聞き取りの結果や、生活保護の問題点などについて報告しました。
公園の仲間からの聞き取りでは、公園を立ち退くと、仕事と生活も奪われる。公園に居続けることを前提としたい、という声をよく聞きます。
確かに、これまでの工事を巡る闘いでは、公園の他の空き場所に移動できる(公園にいる)ということが前提の闘いでした。しかし、今回は公園の全面工事が予告されています。つまり、”公園に居られない”ことを前提として突きつけられているので、そこから問題を組みたてていかなければなりません。
行政の対策の不備ゆえに、やむなく、この公園で野宿を強いられた仲間も多いと思います。いま、公園に居られないというなら、では、出ていくためにどのような対策が用意されているのか、というところが闘いの主軸になっていきます。
今ある「対策」で野宿解消ができる人は、公園から出ていくことが可能になります。しかし、どうしてもいまの「対策」では野宿解消できない、つまり、いまの野宿者対策に乗っかってもまた野宿に戻ることが目に見えている、と身をもってわかった人は、いままで作り上げてきた生活の場(公園)で、さらに、納得できる対策を求めて闘いを継続していくしかないですね。
公園の仲間の求めている対策はどのようなものか。先日も聞かせてもらいましたが、また、あらためて詳しく聞かせてもらいたいと思います。その中で、まとめることができるものはみんなでまとめ上げて、行政に突きつけていく闘いが必要になります。
そのために、野宿者ネットワークのメンバーでみなさんのところを回って、どのような対策が望ましいか、アンケートの形で聞いていきたいと思っています。また、そのときに、巡回相談員からどのようなことを言われているかも、詳しく教えてください。
巡回相談員には、自分が求める野宿解消の対策をはっきりいおう
巡回相談員が毎日のようにみなさんのところに来ていると思います。そこでは、自分が野宿解消ができるために、行政にどういう対策を求めているか、はっきりいうことが大切だと思います。
巡回相談では、一人一人をねらって、現状の不十分な対策のレールの上に乗っけていこうとします。
何となく公園におりたい、だけでは道理が通らないので切り崩されやすくなります。
いまは、基本的に、一人一人が、自らの野宿を脱出する手だて、対策をはっきりさせ、それを行政に突きつけて闘わなければならないときだと思います。そのうえで、まとまれるところはまとまれば、大きな力になると思います。
がんばりましょう
2月26日、西成公園交流会で20日の聞き取りの結果報告と質疑応答を行なう。
野宿者ネットワーク通信 西成公園版94号 2005.2.26
聞き取りからわかった野宿解消の条件
西成公園の仲聞のみなさん。
先日、西成公園の仲間に、一人一人の野宿を解消するための条件について、聞きとりをさせてもらいました。
38人の仲間から聞きとりができましたが、大きくは、3つの条件になったと思います。 @仕事があればいい。具体的に、希望収入額をあげた仲間もいます。
A福祉(生活保護)を希望する。
B条件が整わなければ公園でがんばるしかない。
本日の、交流会では、この、仲間から聞きとった内容にもとづいて、問題点を出しあい、話しあってみたいと思います。大事な局面です。多くの仲間が参加してください。
行政の対策からの野宿解消の道筋は
いま、行政が打ちだしている野宿者対策は、たとえば、自立支援センターへの入所・生活保護の適用、病院・施設への入所などがあります。
たとえば、生活保護に限っていえば、60才以上の、高齢者対象生活保護と、60才以下対象の一般生活保護があります。
高齢生活保護に関しては、家賃滞納をしさえしなければ打ち切られる心配はあれません。
一般生活保護は、いわゆる就労努力が求められますから・職安での求職活動・
毎月一定の収入を得て申告する、ということをしないと打ちきられてしまいます。このあたりのことについて、仲間からの不安を聞きとれました。本人の就労努力は当然ですが、問題点として、アパートに居ながら収入をあげるためのアルバイトなどの仕事がみつかりにくいといったこともあり、その面の対策も(アルミ缶集めも仕事として認めさせる、とか、仕事を開拓させるとか)の条件整備もさせていかなければなり ません。
今回の聞きとりで、仲間が不安に思っている中身も少し浮かびあがってきましたが、そこを整備させたら、公園からの野宿解消ができることにもつながります。
公園にいるため最後までがんばるという仲間もいますが、がんばる中身に道理があるか、ということが問われます。これまでのように、黙ってても公園に居続けることができるほど状況は甘くはありません。居続けるためには、世間にも文句をいわせないような道理ある理由が必要ですし、また、公園を立ちのくからには、行政に何をさせなければならないかを、必死で考え、させていかなければならない局面といえます。
みんな一緒にやらないと切りくずされます。
いま、西成公園は90人ぐらいの仲間がいますが、これぐらいの人数がならまとまれないことはありません。個別では、切りくずされます。
現実的には、われわれのような支援の入っている公園は、行政もうかつに手をだせません。西成近辺でも、支援の入っていない公園は、ことごとく追いだされていることは、仲間もよく存じているだろうと思います。その意味で、大いに、野宿者ネットワークを使ってもらったらいいと思います。ともに、まとまって乗りきりましょう。
聞きとりからわかったこと、そして、その問題点 その1
全体の38人中
仕事希望 14人 (37%)
生活保護希望 8人 (24%)
公園におりたい 9人 (24%)
答えなし 7人 (18%)
仕事希望の仲間たちの平均年齢は55才、生活保護希望の仲間たちの平均年齢は55才、公園におりたい仲間たちの平均年齢は68才でした。
仕事希望の仲間と、生活保護希望の仲間をあわせた22人のうち、60才以上は3人、60才未満は16人です。つまり、8割以上が60才未満です。
なぜ、こういう区分けをしたかというと、生活保護でみますと、60才以上は高齢者対象の生活保護、60才未満は、一般生活保護です。このビラの表面にも書いたように、一般生活保護は、いわゆる就労努力が求められる生活保護で、就労努力をしないと、たいてい3〜6ヶ月で打ちきられます。ハローワークで求職活動をし、毎月少しでも収 入をあげると、不足分を生活保護で補う、いわゆる「半福祉半就労」です。
長居公園でもそうでしたが、行政は、公園からの追いだしを図るため、生活保護を武器にしてきます。
その意味では、60才未満対象の一般生活保護の部分について、きちんと問題点を整理し、対策をさせていかなければなりません。
一般生活保護でも、就労努力をきちんとしていれば打ち切りの問題はないわけですが、問題は、就労努力をしなかった場合の問題点です。
就労努力というのは @ハロ一ワークにいって求職活動をする。
A月に何万円か収入をあげる。
具体的に考えて、生活保護を受けて、アパートに入って、月に2〜3万でも収入をあげることを考えてみます。どのように、収入の上がる仕事を探すか。公園にいる間はアルミ缶集め、赤もの集めもできましたが、いま、行政は、アルミ缶集めなど廃品回収は仕事として認めていません。すると、アルバイトなどをみつけなければならなくなります。これがみつけられないなら、収入はないわけですから、生活保護打ち切りにつながっていきます。
そうさせないためには、どうしたらいいか、みんなで考えていきましょう.
アルミ缶などの廃品回収を仕事として認めさせていく(アパート以外に作業場所必要)、毎月一定の収入の確保できる仕事を提供させる、なども要求項目の一つとして考えられると思います。
なによりも当事者である仲間の方からの知恵が必要です。こうした防衛策を出しあって、対策を迫るところはやらせていきましょう。
野宿者ネットワーク通信 西成公園版93号 2005.2.20
今のところ行政からの連絡はありません
行政の動きに注意しながら団結を打ち固めていこう
西成公園の仲間のみなさん!
年度末(04年度)から新年度(05年度)にむけて大阪市が、西成公全域での工事を想定しているという件について、その後、本日までに行政からの連絡は一切ありません。もし連絡などがありましたら、仲闇にはすぐに知らせますので、どっしりと構えていきましょう!
ただし、あいかわらず、役人は動き回っています。2月12日の定例交流会でも西成公園の仲間から報告があったように、「巡回相談」などでは「ここ(西成公園)にいられるのは夏ぐらいまで』 (各エリアによっていい方を変えているようですが)と言いながら西成公園の仲間たちの間をまわっているようです。「工事が始まる」や「〜ごろまでしかいられない」というようなことを言いながらの「回相談」は、「相談」という範囲をこえて、工事のために労働者の追い出しを狙っているものとしか思えません。役人たちが不当な立ち回りをしたらただちに抗議をして下さい。またまわりの仲間も一緒に声をあげて下さい。行政の狙いは、一人一人をバラバラにして、ひとつずつ公園のテントを減らそうということです。
根本的な対策を要求するために 仲間の声を聞かせて下さい
行政が、公園工事を行いたいというならば、西成公園の野宿労働者に対して、野宿を解消できる対策をきっちりと提案すればよいのです。もちろん、その対策は、再び野宿にまいもどってしまうような不十分なものであっては納得がいきません。
すでに訴えてきたように、正念場を迎えた西成公園のたたかいは、不当な追い出し攻撃を撃ちかえすのみならず、根本的な対策を行政に要求していくたたかいとなります。
本日、野宿者ネットワークのメンバーが、公園内をまわって西成公園の仲間のみなさんと話し込んでいきます。
野宿を解消するための根本的な対策とは何か、就労の問題や住居の問題などについて仲間のみなさんから意見を聞き、行政に対する要求作りの土台としたいと思いますので、よろしくお願いします。
西成公園の仲間のみなさん! いま、一番大切なことは、やはり仲間の団結をしっかり固めていくことだと思います。西成公園のこれまでのたたかいもそうであったように、その団結を力に、行政に根本的な対策の実施を迫っていこうではありませんか!
▼2月12日・西成公園交流会で天王寺公園事務所との話の報告を行ない、交流会に参加した公園のみんなと今後の対応について意見を交換。
野宿者ネットワーク通信 西成公園版92号 2005.2.8
行政が「説明会」開催を求めるも「持ち帰れ」「再検討を」と反論
西成公園の仲間のみなさん!
年度末を迎えて、いよいよ行政が動いてきました。天王寺公園事務所から連絡があり、2月3日に会いました。
行政よりの話の内容は以下のとおりです。
年度内(3月末まで)に、少年野球場の南側(公園南東部の工事がまだ行われていない区域)の工区に着工、さらに4月以降には次年度(2005年度)工区として公園中央から西側の全域を複数の工区に分けて継続的に工事を行っていきたいという意向が明らかにされたのです。そして、今まで通り、公園労働者に対する「工事説明会」を行いたいとの申し入れがありました。
今回の工事は公園全域が対象
しかしまともな「対策」なし!
今回の工事は、公園内の部分的な工事ではなく、西成公園全域を対象としたものであり、西成公園野宿労働者全員に対して立ち退きをせまるものです。したがって、その上で大阪市が「工事説明会」を開きたいというのであれば、当然、きちんと野宿を解消できる対策を労働者に提案できるのかが焦点となります。
この点を問いただすと、居宅保護・医療支援・自立支援という回答はあったものの、その中身たるや、これまでの行政の「対策」とまったく変わりばえのしない内容でした。とくに「自立支援」 (これは就労対策を意味することですが)は、今まで通り「自立支援センターの活用」にとどまるもので、はっきり言って就労対策は一歩も前進していないことが明らかになりました。このことは、野宿者対策を誠意をもって行うのではなく、はじめから追い出しを意図したものと言ってもよいでしょう。
このような段階で「工事説明会」を開くというのは、まったく納得がいきません。野宿者ネットワークとしては、「事説明会」を開くのであれば、労働者が検討し納得がいく「対策」を考えてから行うべきだと反論、持ち帰って再検討するように主張しました。
市側も、「持ち帰り再検討」ということで当日のやりとりは終了しています。
なお、西成公園仮設避難所(シェルター)の撤去工事を、2月10日からはじめるとのことですが、このシェルター撤去工事は直接公園のテントにかかわることにはならないということでした。 (万一問題が生じた時は、すぐにネットワークに連絡をください。)
根本的な対策を求め団結してたたかおう!
もとより、大阪市が常に公園工事を進めたい意向であることは明らかでした。しかし、これまでの西成公園労働者と大阪市行政との交渉の経過があります。
強制排除はしないなどの「四項目確認」 (行政は今後もこれは守るとは言っています)があります。また2003年の交渉の中で、市に「公園内に移動できる場所がなくなった場合は工事を進められない」「西成公園で生活する労働者の「自立」は西成公園から(直接)自立をめざす」「移動した場合再度の移動は求めない」などを明言させてきました。
「持ち帰り再検討」とはいっても、行政は必ず動いてきます。さらに、あの手この手をつかって、立ち回ってきます。すでに一部のエリアでは、「近々工事が始まる」ということをほのめかせて市の職員が立ち回っているという報告もあります。
西成公園では、排除に抗して労働者が身体を張ってたたかってきた10年の歴史と底力があります。だから、あわてることなくどっしりと構えて、行政に立ち向かっていこうではありませんか!
今後とも動きがあった場合、ネットワークは、西成公園の仲間にきっちりと報告を行っていきます。
正念場を迎えていく西成公園のたたかいは、仲間がしっかりと団結して不当な排除攻撃を打ち返し、根本的な野宿労働者対策を行政に要求していくたたかいとなります。
野宿者ネットワークは、西成公園労働者の仲間たちとしっかり結びついてたたかいます。
団結してガンバロウ!
野宿者ネットワーク通信 西成公園版91号 2005.1.29
公園での現地説明会がスタートです。
西成公園の仲間のみなさん
日頃こうした通信を出せなくて申し訳ありません。
さて、今、西成公園の仲間の間で、公園工事をめぐっていろいろなうわさが出ております。昨年暮れ、西成公園内シェルターが閉鎖になり、2月からは取り壊しになるようですが、それに伴って工事も一気に進めてしまう、といった内容のうわさです。
工事については、今のところ、大阪市、公園事務所から正式な話しとしては出ていません。ただし、シェルター閉鎖に伴って、行政が工事を進めたい意向であることはまちがいありません。
工事が実際にはじめられるとすると、今までどおり、必ず、野宿者ネットワークに話しがあります。そして、それをもとに、公園現地で行政の説明会を開かせ、行政の口から直に仲間に伝えてもらいます。このように、公園での工事など、何かあったときには、これまでもそうしてきたように、行政の公園現地説明会が一番最初に行われることであり、そこからスタートになっていきます。
野宿者ネットワークも、現地説明会を、公園の仲間とともに、闘いのスタートとして位置づけています。
説明会で、行政の説明を直に聞き、それに対して、納得がいかなければ、野宿ゆえに困っている実情をぶつけ、おかしい点はどんどん追及していきましょう。
名古屋白川公園の行政代執行
すでに聞いていると思いますが、名古屋の白川公園では、23日に行政代執行が行われ、テントの労働者8名全員が強制排除されました。明らかに、愛知万博がらみの追い出しです。西成公園の場合、これまで10年にもわたって、幾度かの公園工事に対し、公園の仲間が身体をはって行政に対抗してきた歴史があります。この、積み重ねられた闘いの重みの前に、行政はうかつなことなどできるものではありません。
根本的な野宿者対策をめぐっての正念場
いずれにしろ、今後、工事の話が出てくるとすれば、これまでのように、公園内移動の形で部分解決ということよりも、本当に野宿せんでもすむ根本的な解決をきちんとやらせることをせまっての対決になります。
あらためて、2003年に行われた西成公園工事において、その年の1月24日、第4回工事説明会にて、大阪市(ゆとりとみどりの振興局、蜂谷課長)が明言したことをかかげます。
@労働者から出された4項目は確認している。追い出し・強制排除はしない。
A公園で生活している方はここから自立していただく。そうでないと移動先がない。
B平成15・16年度工事についても計画はあるが、対策が出て、その状況を見ながらやる。自立につながる対策が出ない限り、公園からの追い出しは考えない。
C公園内に移動する場所がなくなったら、工事を進めるつもりはない。
D移動していただいた後の再度の移動は求めない。
というものです。これからしても、公園の仲間が納得した対策を行政が出せるか否かが重要になってきます。
腰をすえて闘おう!
仲間のみなさん。
これまでの闘いでもそうしてきたように、納得できる野宿者対策が出るまで、中途半端にたちまわることなく、腰をすえて闘いましょう。
野宿者ネットワークは、これまで、西成公園の闘いに10年の関わりをもたせてもらいましたが、これからも、公園の仲間の不利が続く限り、仲間とともに闘わせてもらいます。
ともにがんばっていきましょう。