2014年2月22日・和泉市立信太中学2年生18人対象に釜ヶ崎フィールドワークとレクチャー(西成公園の坂本さんと)
3月7日・和泉市立信太中学校2年生への授業
感想文


○釜ヶ崎フィールドワークに行って
◆私は、ホームレスの人にたいして偏見をもっていました。正しいこと、現状を知らずに勝手に「怖い」といった印象をもっていました。だけど、詳しいことやその本質を知っていくと、だんだん自分の浅はかさに気づきました。今回のフィールドワークで、その本質を知り、環境に触れることで、数多くのことを知ることができました。私たちが「怖い」という考えの裏には、ホームレスの人たちの温かさがあり、お話をうかがったホームレスの方は、ホームレスの人の方が優しく親身になってくれると言っていました。この状況でも、屈せずに明るく振る舞う方もいらっしゃいました。みんな自ら望んでホームレスになった訳でがないのに、社会から蔑まれ過酷な環境の下での生活を強いられている。それは、子どもも例外ではなく、親の影響で学校に行けずに、働く子どももたくさんいる状態である。同じ日本とは思えない現実がそこにはあらわれていました。ホームレスの方は「自分の非も否めないけど。」と、こんな状態が続いているのは、現実を正しく理解していない社会にも非があると思う。」とおっしゃっていました。すぐそばに、少し首を上に向ければ、あべのハルカスが望めるところ。私たちが向き合うべき現実は、すぐそばにあるのだと思いました。

◆たくさんの野宿者の方がいました。けれど、人においていかれて何十年もたったような街、というのが釜ヶ崎の印象でした。ホームレスがいる所というと、汚いイメージでしたが、まったくそんなことはなかった。建物が古かったのは確かなのですが、人もいるしきれいなのに、どうしてそんな印象を受けたのだろうと、今回の体験を思い直してみました。説明を聞きながら街を回っていると、何人か野宿者の方が声をかけてくれました。私たちが釜ヶ崎を見て回ることに対して、「俺たちは見世物じゃない」と不快に思う方もいると事前に聞いていました。だけど私たちに話しかけてくれた方は、優しい人ばかりでした。「社会学習か? ご苦労様です。」「どこから来たんか知らんけど…、ご苦労様」などと、ねぎらいの言葉をかけてくださいました。「ニイハオ」と呼びかけられて驚きました。その中である方が言ってくださった言葉が、強く心に残っています。「笑えよ。歌えよ。泣くなよ。」 きっとその方は、そうやって超えてきたんだろうなと思いました。私たちには想像もできないような経験をしてきたであろうその方の言葉は、とても重かったです。その後、西成の公園で何年も野宿をしている坂本さんにお話を伺いました。聞くと、ホームレスの方たちは、優しい人が多いということでした。例えば、公園で誰か1人が食料を手に入れたときは、みんなで分け合うというように。みんな苦しい中を生きているからだと坂本さんが言っていました。また、「今は、1人で食べていけるぐらいには仕事があるから」と、おっしゃっていました。それは、私には今のままで(つまり、家がない状態で)いいのだというように聞こえました。あまりにも欲がなさ過ぎじゃないかと思いました。けれど、親元でぬくぬくと暮らしている私だから言えることかもしれません。欲のないホームレスの方が暮らす街だから、最初にあんな印象をもったのだと。多くの人が買い物に来る街はにぎわっていて、活気があります。人が何かを買うときは、したいことがある、食べたいものがある、というように何かしらの欲があるときです。半日、釜ヶ崎を回ってみて、お話を聞いて、ホームレスの方は他人にはどこまでも優しくなれるのに、自分のためにそれをもつことができないように思いました。いろいろ大変なことがあって、多くのことを望まないようになってしまったのでしょうか。けれど、欲があるというのは人間として自然なことだから、それができない状態になってしまった人がいるということを残念に思うし、そうさせてしまった社会や府に怒りを感じました。国民のための機関であり、国や府にはすべての人が幸せになれる社会をつくって欲しいし、私もできることがあればやっていきたいです。

○生田さんへお礼の手紙
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◆ホームレスのことを勉強することで、私自身にもあった偏見はうすれ、むしろ真面目に聞かない人や偏見をもってこうだと決めつける大人(私の場合、父がそうでした)や子どもにすごく腹が立ちました。私も、1人でも多くの方にこの事実を知ってもらいたいと思います。
◆私は実行委員でしたので、2月にも生田さんに釜ヶ崎を案内していただきました。今回ビデオの中で、「死んでも悔いはない」とおっしゃっていたおじさんをとても寂しく思いました。先日、坂本さん(西成区でテント生活をされている野宿している方)にお話をうかがったときにも、同じように思ったのですが、お2人ともまだ人生に残り時間があるのに、やりたいことなどがないのだろうかと考えてしまいました。きっと、ちゃんと家があって暮らしがある人ならやりたいことがあるし、死にたくないはずなのにと。今の社会は、ホームレスの方にとって希望をもてない社会になってしまっている気がします。生田さんに、ホームレスの問題について教えていただいて、いろいろ考えることができました。すぐにホームレスの方のために活動することはできないですが、身の回りの人との関係から改めてみようと思います。
A
◆お話を聞いて、ホームレスの人々の実態がよくわかりました。どんな人がホームレスになり、ホームレスの人たちの事情というのもよくわかりました。襲撃の話も心に残りました。話してはいけないとか、近づいてはいけないとか、そういう偏見がホームレスの人々を悲しませている気がします。もっと、ホームレスの人々と接し方を考えるべきです。
◆正直、「ホームレスの人たちは、少し怖いんじゃないかなぁ…。」と、勝手な偏見をもっていました。だけど、事前学習や生田さんのお話を聞いて、自分の知らなかったこと、知りたかったこと、分からなかったことを見たり聞いたりして、考えは全然違ったものになったし、そんなことを考えていた自分がいやになりました。
B
◆ホームレスの人権学習でホームレスの印象が少しですが変わりました。最初は、ホームレスの人のほとんどの人が、自分で仕事を辞めたのだと思っていました。でも、お話を聞いて、仕事がなくなってしまったり、家の事情でホームレスになってしまったりした人がいて、ビックリしました。自分が何かできるかわからないですが、こういう話を聞くことや、人のことを理解する必要さが分かりました。
C
◆今日の講演で、ホームレスの人々への見方が180°変わりました。今までは正直、公園で寝ている人を見ると、「汚い」「怖い」とか思ったことがありました。ホームレスの人々のDVDを見て、ぼくが想像しているより何倍もいろいろなことをしていることを知りました。襲撃事件の話は、とても生々しく感じられました。多分そんなことをする人は、他の人を襲うことはないと思います。それも差別No1綱のではないかと思います。
◆私自身“ホームレス”と聞くと、家がなくてダンボールに住んでいるような、あまりいいイメージではありませんでした。ホームレスの人たちのことも、きたないとか、怖いだとか、勝手な想像ばかり頭にありました。今日のお話を聞いて、ホームレスの人たちは一生懸命に仕事をして、その中にもいろんな人がいて、大変な環境の中でがんばって生きているんだと感じました。そして、生田さんのようなホームレスを支援する人たちも、ボランティアとしてたくさん助けていることを知り、自分も何かできることがあるんじゃないかと思いました。
D
◆私の今までのホームレスの人たちへの印象は、「怖い」「汚い」などでした。でも、今日の生田さんの話を聞いてホームレスの人たちは、怠けてホームレスになってしまったんじゃなくて、いろいろ大変な事情があってなってしまったんだと分かりました。
◆襲撃事件はニュースや新聞で知っていましたが、野宿者本人の話などは会ったことがないので知りませんでした。だから今日、DVDを見たり、お話を聞いたりして、野宿者さんたちへの思い込みがなくなりました。DVDを見ていると野宿者さんたちは悪い人たちばかりじゃないことが分かった。何もしていないんじゃなくて、病気などでしたくてもできないことや、しているけれど私たちの見えないところで一生懸命働いていることが分かりました。だからこそ、襲撃事件はおかしいと思うし、ホームレスの人たちへの差別はなくしていくべきだと思いました。そのために自分は、変な思い込みをしている人に本当のことを教えることから始めたいと思います。
◆ホームレスの人が増えているのは知っていましたが、生田さんの話を聞いて、その中でも女性や若者が増えていることに驚きました。虐待にあっている若者がホームレスになることも知りました。ホームレスの人たちに対する若者たちの一方的な暴力があることを伝えていき、安心して眠れないホームレスの人を少なくしていきたいです。
◆私は、「ホームレスの人たち」について何も知りませんでした。今日のお話や今までの授業で、少しずつですが「ホームレス」という言葉の感じ方が変わりました。今までは、怖い人たちというイメージが強かったけれど、ホームレスの人たちが子どもを襲うことはほとんどなくて、逆に、子どもたちや中高生がホームレスの人たちを襲うことを知ってびっくりしました。ホームレス襲撃の内容を聞いたら、火をつけたりエアーガンで撃ったりひどすぎることばかりでした。今日のお話を聞けていなかったら、私はいつまででもホームレスの人たちに対して考え方が変わらなかったと思います。
E
◆今回、初めて分かったこと、改めて分かったこと、より深く分かったことなど、たくさんのことが知れました。特に、ホームレスの人が「別に死んでしまってもかまわないと思っている。悔いはない。」とおっしゃっていたことが、一番心に残りました。はじめはなんでそんなことを言うのだろうと思いましたが、後の映像で1日ずっと歩き回って、少量のお金を稼ぎ、2個90円のラーメンを食べて1日を過ごし、寝ておきるを繰り返す…。確かにこんな生活では生活することに意味があるのかと考えてしまうのかもしれません。でも、「生きていれば、楽しい生活を送れるかもしれない」という考えで、日々悩みながら過ごしているのではないかと考えました。
◆お話を聞いて、ホームレスの人たちが亡くなったとき、遺体はどこで処理されているのだろうと思いました。そして、誰が見つけるのだろうと思いました。きちんと火葬してくれる場所はあるのだろうかと思いました。お金を本当に少しずつ少しずつためても、1人だと寂しいのではないでしょうか。お金と食べ物だけを支援してもらっても、最後は1人なのだと思うと、なんだか空しくなりました。
◆この聞き取りで、想像の中だけだったホームレスやホームレス襲撃の事件が、すごく身近に感じられるようになりました。私はホームレスの人たちを見たことがなく、想像もしにくかったので、ホームレスの人たちへのイメージは、「お金も家もなくなった人」というだけでした。でも、生田さんのお話を聞き、「いろいろな事情がある中で、仕方なくホームレスになり、毎日苦労し、夜もまともに寝ることができない」というように考えることができるようになりました。ビデオの中で「夜は恐ろしくて、まともに寝られない。特に雨の日は、傘でダンボールを刺す人がいる。」と言っていたことに、驚きました。ホームレスの人たちは、遊びまくってホームレスになったのではなく、事故や病気、さまざまな理由でホームレスになり、毎日苦労していることを知ることができました。
◆私の中のホームレスのイメージは、汚くて怖いイメージ。でも、今日のお話を聞いて、興味をもったし、少し悪いイメージがとれたような気がします。ホームレスの人たちが襲われる、しかも中学生や高校生が・・・。本当に心が痛くなりました。私もいつかホームレスになるかもしれない、自分に何が起こるかもしれない、誰もがホームレスになる道・未来があると改めて感じました。夜回りも1度参加したいと思いました。
◆普段、考えることのないホームレス。どこにホームレスの方が多いということも知りませんでした。ホームレスの方の被害。死亡してしまうほどのことがあったことは知りませんでした。子ども夜回りがあることも、まったく知りませんでした。こうして考えてみると、ホームレスについて知らないことばかり。深く考えることなんてしてませんでした。生田さんのお話を聞き、ホームレスについて深く考えることができ、知らなかったことを知るということは、とても大切なことだと思いました。
F
◆私は、小学校高学年の時、福祉について学んだり、障害者やホームレスについて学んだりしました。それでもやっぱりホームレスについて、「怖い」「変な人」などのイメージを最近までもっていました。でも、今日のお話やビデオを見て、ホームレスの方への見方や考え方が変わりました。
◆ぼくは今まで、ホームレスの実態については、知らないことばかりでした。ホームレス問題での一番の問題は、ホームレスの人たちがいることよりも、それを襲撃する人がいることだと思いました。さまざまな事情があって仕方なく、自分たちの生活の何倍も苦労し、それでも生活に余裕がないのだから、まずはそういう人たちを応援するべきだと思いました。応援できなくても、必要以上の苦労をさせるのは違うと思いました。社会に貢献する気持ちがある人が見放され、そうでない人がなんとなく苦労なく生活しているということは、おかしいと思いました。ホームレスの人々を襲う、それをどうしてもしてしまう環境があり、それによって自分を守るとする考えがあることもおかしいと思いました。ホームレスの実態は社会の問題で、襲撃は現代の人間の心の問題だと思いました。
◆私もホームレスの人たちを悪く思う1人でした。あまりよくないイメージでしたが、ホームレスになる理由を知ったら、その人はあまり悪くないと思い直しました。DVDを見て、仕事が見つかった人の笑顔がとても心に響きました。また、子どもたちとしゃべっている時の声の明るさもよかったです。子ども夜回りに、私も参加したいと思いました。
◆私が思っていたホームレスの人は、怖いイメージしかなかったです。子どもがホームレスの人を襲っているって聞いたとき、すごくビックリしました。私は逆だと思っていたので、すごくビックリしました。ビデオを見て、みなさん、すごくいい人なんだって思いました。襲われても「恨まない」って言葉は、すごくビックリしました。なんでそんなこと言えるんだろう?って!!。子ども夜回りの子どもたちもすごく必死で!!。やってみたいなと思いました。心が優しくなれそうで!。
◆私は、ホームレスの人たちについての話を聞いて、イメージと全然違ったので驚きました。ホームレスの人たちが受けている被害についても驚きました。授業で、殴られたりしているのは知っていたけれど、油をかけて火をつけたりするのは知らなかったです。それを知ったときに、とても悲しくなりました。私の心に残ったことは、ホームレスの人に暴行をしている人たちの話です。いじめられたことがある人は、いじめられたときどんなに悲しくて苦しいかを知っているはずなのに、それと同じぐらいかそれ以上のことをするなんて、信じられませんでした。

○HR実行委員会の感想
◆フィールドワークとかやっていくうちに、普段は絶対に関わることのないことに触れられて、いい体験ができたと思います。これから、社会で起こっているいろいろなことに積極的に知っていきたいと思いました。また、こんなことをする機会があれば、していきたいです。
◆HRをとおして、いろいろなことを学ぶことができました。実際に、釜ヶ崎に行ったり、ホームレスの方から話を聞いたり、講演会を聞いたりすることで、自分のホームレスの方に対する印象や考え方が変わり、今まで気づかなかったことにも気づくことができました。修学旅行の実行委員もこの経験を活かしたいと思います。


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