だ〜れだ

公園でベンチに座り 午後の一時を楽しむ二人 霧香は何かを思い出したように立ち上がる

 霧香 「・・飲み物買ってくるね・・・」

小走りに遠ざかっていく霧香を微笑みながら見送るミレイユ
しばらく待っているとふいに背後から目隠しをされる

ミレイユ「っ!」
 霧香 「・・・だ〜れだ・・」
ミレイユ「・・・・・・・・・あんたねぇ・・・何やってるのよ」
 霧香 「・・・・・ミレイユ・・当てて・・・」
ミレイユ「当てるも何も・・・霧香でしょ?」
 霧香 「・・うん・・・」

霧香は微笑むと手を離す
ようやく自由になったミレイユは振り返るとあきれたように霧香を見上げる

ミレイユ「気配を消して背後に立たないでよ ソルダかと思ったじゃない」
 霧香 「・・・あ・・・ごめんね・・ミレイユ・・・」
ミレイユ「いいわよ で さっきのあれは何だったの?」
 霧香 「・・・前に・・ここで恋人同士がやっていたの・・・」
ミレイユ「それで 自分もやってみたって訳ね」
 霧香 「・・うん・・・」(恥ずかしそうにうつむく)
ミレイユ「・・・あのね 霧香 そういう恋人達の事をなんて言うか知ってる?」
     (顔を横に振る霧香)
ミレイユ「バカップルっていうのよ」
 霧香 「・・・え・・ばか・・・?」
ミレイユ「そう バカなカップルって意味」
 霧香 「・・・・・私も・・なの・・・?」
ミレイユ「あんたがバカなのは前からでしょ?」
 霧香 「・・・・・・・うん・・・・」
ミレイユ「そういえば あんた飲み物買いに行ったんじゃなかった?」
 霧香 「・・・あ・・・うん・・・そこのベンチの上に置いてあるの・・・取ってくるね・・」


霧香が両手にコップを持って戻ってくるとミレイユの姿が無い

 霧香 「・・・ミレイユ・・?」(キョロキョロと辺りを見まわしていると突然視界を塞がれる)
ミレイユ「だ〜れだ」
 霧香 「・・・え・・・・ミレイユ・・?」
ミレイユ「当たり やっぱりすぐに分かっちゃうわね」
 霧香 「・・・あの・・・なんで・・?」
ミレイユ「・・?」
 霧香 「・・さっき・・こういう事をするのは ばかだって・・・」
ミレイユ「たまにはバカになるのも悪くないんじゃない?」
 霧香 「・・・・うん・・・」(嬉しそうに微笑む)
    「・・・・・ミレイユ・・・・もう一度・・やってもいい・・?」
ミレイユ「目隠しを?」
 霧香 「・・・うん・・・・」
ミレイユ「・・・いいわよ」

コップを置いてからミレイユの後ろに行き 少し背伸びをすると優しく両目を塞ぐ

 霧香 「・・だ〜れだ・・」
ミレイユ「・・・霧香よ」
 霧香 「・・・・当たり・・・」(手を外し 後ろからミレイユを抱きしめる)
ミレイユ「・・・・・・・ほんとに・・バカね」
 霧香 「・・・うん・・」
ミレイユ「・・・・・・・・私もね・・」(小声で囁く)
 霧香 「・・え・・・?」

体にまわされた霧香の腕に そっと自分の手を重ねるミレイユ

ミレイユ「バカも悪くないって言ったのよ」
 霧香 「・・・うん・・・・そうだね・・・」

ミレイユの髪に顔を埋めると霧香はゆっくりと目を閉じた




管理人より

バカップルぶりが素敵だよっ、姐さんっ
と思わず叫ばずにはいられません。(阿呆)
霧香がとてもシアワセそうで、こころがホンワカしてしまいます。

霧香にとってミレイユと一緒にいることが、彼女の幸せなんだろうなぁ。
それがささやかなモノだったとしても。
とか思ってみたり。

匿名希望様へ
心ホンワカSS、ありがとうございました。