− 運命の日 −


伊豆シャボテン公園へ行った次の日から調子がよくなく、熱が上がったり下がったりしていましたが、
前もって風邪薬はいつも多めに貰っているので飲ませて様子を見ることにしました。
むやみに病院に行く事は、他の病気を貰ってくる可能性もあるため、出来るだけ避けたかったんです…
風邪を引きやすいこの時期は、人ごみをなるべく避けたり、風邪をうつされないようにしてました。
スーパー行く時でもマスクをさせて外出していました。
ちょうど口内炎がひどくて、薬を塗ってもすぐに
自分でいじくってしまい、何度も血を出していました。


1月23日
朝、熱が38度もありましたが、その日はちょうど2週間おきの心臓の検査のため病院へ行くので、
一緒に風邪も診てもらう事にしていました。
熱のせいか少しボーっとしていましたが、いつもの朝と同じように着替えて
車に乗りコンビニで朝食のおにぎりとタマゴのサンドイッチを買い、
約2時間30分かかるC県のK病院へ向かいました。
その日は食欲も無く、やっとサンドイッチを1つだけ食べられました。
いつもは熱があっても食欲はあまり落ちない方だったので、変だな〜って思いつつも…
いつもの様に車の中でおかぁさんといっしょのTVを見て、病院に着くまでの時間は
寝てると言うパターンでしたが、その日はなかなか眠らなかったんです。

あと30分ほどでK病院に着くと言う時に…
突然吐いたんです…

そのあと気を失ったかのように白目を向いたまま…
ショック状態で意識がない…。
パパは車を脇に止めて病院にTEL…
救急車で来るように指示されて、高速の脇で車を止めて待っていました。
ママは吐いたものを喉に詰まらせて窒息してるんじゃないかと思って息をしているか…
脈はあるか気にしてみても自分ではどうしていいのかわからなかった。
おろおろするばかり…。

救急車が来るまでがとても長く感じました。
救急車に乗ってる時も何度も息をしていない…と隊員さんに訴えていましたが、
何の処置もしてもらえなかった。
ただ酸素マスクだけあてられました…。

病院に着いてベットに寝かせたあと、すぐウワ〜〜〜ン
と泣いてくれたので、ママは少し安心する事が出来ました。
その時熱が40度もありました。
先生から「どこか連れて行かなかった?」と聞かれて…
そう言えばここの所色んな所に連れて行っていました。
血液検査をしてもらいその日は安静のため入院…
熱は解熱剤をつかっても下がらなかったのですが、病院にいると言う事で
私たちも安心してしまったんだと思います。

どうしてショック状態になったのか…
原因不明のままでしたが、入院の荷物をとりに家に帰ることにしました。
その夜の鈴はいつもの鈴…?
「いつもの風邪の時よりは元気がないみたい…」
「きっと風邪をこじらせてしまったのかな…?」
「そうだねー、いつもよりもたくさん外出してたもんね…」
と帰りの車の中でパパとこんな話しをしていました。
ママもパパもただの風邪だと思ってしまい
病院が完全看護と言う事もあり、その日は家へ帰ってしまいました…。


1月24日
朝、自宅を出て車で病院へ向かう途中に病院からTELがはいり
(血圧が下がりました。落ち着いて病院まで来てください)
と言われました。病院までの道のりはとても気がきじゃありませんでした。
病室に着くと、昨日とは違う雰囲気の中、先生も看護婦さんも慌ただしく、治療をしていました。
色んな機械がたくさん入ってました。

鈴の顔が昨日とは違う…
顔中あざみたいな内出血したようなものが出てきていました。
それは時間がたてばたつほど体中、足、手…
あちこちに広がっていきました。
唇から血が出ていたので、また口内炎をめくってしまったのかな?と思い血を拭こうとしたときに
舌の色がぶつぶつとまるでイチゴの粒のようになっているのに(赤く)気が付きました。
先生や看護婦さんに聞いてもわからないと言われてしまったので、それ以上聞く事が出来ませんでした。

点滴をたくさんつけていたせいなのか…
何故か鈴は何度も起き上がろうとしているけれど、
自分の力ではベットから起き上がる事が出来ませんでした。
何度も何度も「ママー抱っこしてよー」って泣くけれど、
まるで体をベットに縛られているように手も動かなかったんです…

それでもしきりに
「抱っこしてよー」
「ぶーがのみたい…ぶーだよ!ぶーっ!」
「じーじかくよ!」
「ヨーグルト食べたい!」
「とうもろこし食べる!」
「バナナ食べたい」
「おそば食べるよー!」
ってママに訴えていたので

看護婦さんに水分を取って言いか聞いたんだけど「今は無理です」って言われたので
「元気になったらたくさん抱っこしてあげるからね」ってママが言ったら、
今度はパパにお願いしていました。
パパは何度も血圧を確認していましたが、そのうち病室の隅に座り込んでいました。
先生から昨日までわからなかった菌が培養した結果…「A郡溶血性レンサ球菌に
かかりとても重症です。
これからICUに移ります。血小板が減少してるので、輸血も必要です…」と言われました。
そんな病名聞いた事ないけど病院にいればきっと助かる…と思いました。
まさか命が危ないなんてその時は思いもしませんでした。

ICUに移りました。どれだけ時間が過ぎたのか…
看護婦さんからも(鈴ちゃんはきっと大丈夫ですよ〜)って何度も
励まされました。先生に呼ばれてICUの中の鈴は何故か眠っている様に見えました。

再度待合室で待たされ次に呼ばれた時は
(呼吸が苦しいので挿管しようとしたところ、心臓停止になり、今蘇生してる所です…
 出来る限りのことをしています。もう少し待っていてください)
と言われました。

ママは(えっ?何で心停止?)と言ったあとはその先の言葉は出てこなかった。
ママはただ泣く事しかできなかった…
(やだよー絶対やだー)
パパは(俺だってやだけど覚悟決めなくちゃ…)って
気がつくとパパも泣いてました。
そして再びICUに入り鈴の小さい体に先生が一生懸命マッサージしてました。
(そんなに強く押したら鈴が壊れちゃうよー)
って、心の中で叫んでいました。そして、その場所にはとてもいられませんでした。
何分かして先生から、心臓マッサージを1時間続けていますが、自力で心臓を動かす事はむずかしい…
と言われました。

パパが…(もういいです…もうダメなんですよね…)
あまりにも突然の事でした…

そのあと鈴に会ったときは、綺麗にお化粧してもらって
ピンクの口紅して、髪の毛を結んでもらって、顔、体中にあざがあったけど、
眠っているかのようにとてもいい顔していました。
(鈴はよく頑張ったね…たくさんたくさん鈴は偉いよー!
 おうちに一緒に帰ろうね。抱っこしてお家帰ろうね。)

鈴はどうして死ななくてはいけなかったのか…?
その時病名を聞いて説明されても理解できませんでした。

死因は、劇症型溶血性レンサ球菌感染症(溶連菌感染症)にかかり敗血症で亡くなりました。
病院から色んな先生・看護婦さんに見送られました。
ママはやっと鈴を抱っこできました。
ずっしりととても重たくなっていきましたが
寝ている顔にそっくりでした。
本当に死んでしまったの?

すずのために買い換えた車でお家まで帰りました…
車の中でもしかしたら目が覚めるんじゃないか…
車に揺られているせいか、顔の表情が変わっているように見えたり、
口が動いているように何度も感じました。
「ママー、よくねたよー」って、いつものように起きてくるような気がしてなりませんでした。


平成14年1月24日午後5時12分
可愛い娘は天国に旅立ちました…
2歳4ヶ月…あと5日で5ヶ月だったね…


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