アドヴァンスドファイティングファンタジーリプレイ

盗賊都市の地下迷宮の旅人


ヒーロー/ヒロイン
  シャラ=ピックル
    人間の女の子。旅の魔法戦士。
    決め台詞は「か弱い女の子に何させるのよ。」
  ケチャ
    狩人の若者。
    決め台詞は「百発百中!」
  ファラス
    優雅さと慈悲の神クーガの神官。
    決め台詞は「何かお困りですか?」


::: シーン1 酒場と神殿 ::: アランシアはシルバートンの町。 ディレクターは、画面をとある酒場にズーム アップします。 画面はそのまま、我らがヒロイン、シャラの前で止まります。 シャラ:あたしはシャラ=ピックル。 幼い頃、森に行ったときにモンスター に襲われたとき、危うい所で、通りすがりの魔法戦士さんに助けら れたの。 だから、自分もその人みたいになりたいな、と思って旅に 出たたの。 でもあたし、か弱い女の子だし、あの人みたいに成れな いかもしれない。 D:<剛力>に<両手剣>持ち、<素手戦闘>も得意なか弱い女の子です ね。 続いてディレクターは画面を酒場の入り口に移動させます。 扉を開けて入って きたのは、今回新登場するヒーロー、ケチャです。 ケチャ:名前はケチャ。 楽して財宝が手に入ればいいな、と思いながらダン ジョンに潜ってるが、大抵はそんなうまい話は無い、という教訓が 手に入る。 D:大儲けですか? ここから東に行った所に火吹山という山があります から、そこの洞窟に潜って魔法使いぶち斃せば金銀財宝が手に入り ますよ。 ケチャ:それは全然楽じゃないぞ。 D:そんなこんなでケチャはアランシア大陸北西部のシルバートンの町 へやってきました。 ケチャ:金が余り無いな。 馬小屋に泊まるか。 宿の主人/D:「馬小屋だと体力が回復しないぞ。 年は取らないが。 あんた、何 か芸はできるかい? 泊まり客を楽しませてくれたら只で泊めて やるよ。 そうそう、芸といえば、この間、綺麗なお姉ちゃんが、 金貨を蝶に変えるってのを披露してくれたんだよ。」 シャラ:嫌な思い出を…。 ケチャ:「俺の弓は百発百中だ。」 宿の主人/D:「そいつはすごいな。 大抵は36発に1発は外すからな。」 一同笑。 ケチャ:「俺は外さん。」 D:しかし、宿の中では弓の腕は披露できませんね。 これが投げ短剣と かなら、ダーツができそうですけど。 ケチャ:「何か仕事は無いか? できればダンジョン潜るようなのがいい。」 宿の主人/D:「ダンジョンか。 うーん、今の所無いな。」 ケチャ:さて、どうするか。 狩りは得意だが、町の中じゃできないしな。 ファラス:町中で狩りというと、親父狩りとかですね。 GM:ガールハントかもしれませんね。 ケチャ:そんなもの、弓でどうやって狩るんだ。 宿の主人/D:「少し前ならダークウッドの森の中にある魔法使いのダンジョンに 潜入する、って仕事があったんだが。」 シャラ:「その仕事なら完遂したわよ。」 宿の主人/D:「ああ、あんた、あのときの芸人さんか。 ほら、この娘がさっき 言ってた金貨を蝶に変えるって技披露してくれた娘だよ。」 シャラ:ぴくぴく。 ケチャ:「ほう、それは見てみたい。」 シャラ:「あれは一発芸なの。」 宿の主人/D:「あれは素晴らしかったよ。 俺も思わず銀貨投げちゃったし。」 シャラ:金貨6枚が蝶に変わって、銀貨6枚貰ったのよね。 D:そんなやり取りをしていると、表から、身なりのいい若者や入って きます。 シャラは知っていますが、前回依頼を受けた商人の番頭で す。 「シャラさん、貴女に頼みたい仕事があるのですが。」 シャラ:「またお金はいくらでも出す、ってお仕事?」 番頭/D:「そんなことは申しません。」 シャラ:「でもご主人はそう言ってるでしょ?」 番頭/D:「今ご主人様は錯乱しておられますので、正気に戻られればそんな ことは申されません。」 シャラ:「あなたも大変ね。 で、結局どうなったの?」 番頭/D:「お嬢様は未だお目覚めになられません。 このままでは、店の方も いつ潰れるか分かりません。」 シャラ:それは思わず頷いてしまうわ。 番頭/D:「そこで、ダークウッドの森の南に住む大魔法使いヤズトロモ様の 所へ向かって欲しいのです。」 シャラ:「そういうことなら引き受けたわ。 でもあたし、か弱い女の子よ。 番頭/D:「では一緒に依頼を受けていただける腕の立つ方はいらっしゃいま せんか?」 シャラ:「この間一緒に行ったメンバーは、2人とも何処かへ行っちゃったし。」 番頭/D:「そうですか。 あのお2人もかなりの腕利きと聞いていたのですが。」 シャラ:「魔法に関してなら、教会に行ってみたら。」 番頭/D:「そうですね、これから訪ねてみることにいたします。 では後程 屋敷の方へ来ていただけますか。」 番頭は宿に張り紙の出して去っていきます。 シャラ:ヤズロトモについての情報を集めたいわ。 宿の主人/D:「ダークウッドの南に住む大魔術師だろ?」 シャラ:「優れた魔法使いなのね?」 宿の主人/D:「この辺りじゃ、ポートブラックサンドに住んでるニカデマスと並 んで群を抜いてるな。 あと1人誰だかを加えて白の3人と呼ばれて るとか。」 シャラ:前回登場したゾルドと比べると、能力的にどれくらい差がある? D:ゾルドはせいぜいオークやゴブリン程度を従えるくらいの小物です。 今までは森に篭って大したこともしてこなかったので、退治されずに 放っておかれました。 シャラ:体力考えずに魔法使って自爆した奴だものね。 「じゃ、ちょっと行ってくるわ。」 宿の主人/D:「気をつけてな。」 ケチャ:張り紙を見るが、儲け話か? D:娘を無事目覚めさせれば報酬は望むままというのを線で消してあって、 その上に綺麗な字で報酬は金貨50枚に訂正してあります。 ケチャ:それは興味が沸くな。 よし、行ってみるか。 さて、画面は一旦酒場からズームアウトし、今度は町の一角にあるクーガ神殿 にズームインします。 神殿には、もう1人のヒーロー、ファラスがいます。 ファラス:私は旅の神官戦士のファラスです。 困った人、特に美しい女性に救 いの手を差し伸べるために旅をしています。 今まで助けた人の数を ノートに正書いています。 D:そういう信仰であれば、優雅さと慈悲の神クーガの神官になるでしょ うね。 困っている人には慈悲を、美しい女性には優雅さを以って接 するわけです。 ファラス:それほどお金があるわけじゃありませんから、神殿でお世話になって います。 D:ファラスがクーガ神殿で働いていると、番頭がやってきます。 「どなたか、魔法に造詣が深い方はいらっしゃいませんか?」 ファラス:「何かお困りですか?」 D:番頭は事情を説明します。 彼は、とある商人の下で番頭として働いています。 あるとき、商人の1人娘サリッサが、ゾルドという魔法使いに攫われました。 商人は、シャラを初め3人の冒険者を雇って助けに向かわせました。シャラ達は、 首尾良く魔法使いを退治し、サリッサを取り戻します。 しかし、帰ってきたものの、サリッサは眠ったまま目覚めません。 番頭/D:「おそらく、何かの呪いをかけられたのでしょう。」 ファラス:その手の魔法に心当たりはありますか? <魔法>-2成功です。 D:相手を眠らせる、という呪いはわりとメジャーです。 大抵は、眠ら せている間に何かするためにかけます。 ファラス:「話を聞いただけでは何とも言えませんが、それは確かに呪いの可 能性が高いですね。」 番頭/D:「魔法にお詳しいのですね。」 ファラス:「いえ、まだまだ駆け出しです。 しかし、お困りとあればできる限 りお力添えいたしましょう。」 番頭/D:「ありがとうございます。 無事にお嬢様をお目覚めさせることがで きれば、それなりの報酬はお支払いいたします。」 ファラス:「報酬は必要最低限の物で結構です。 残りは困っている人のために お使いください。」 番頭/D:「それが慈悲の神クーガの教えなのですね。」 ファラス:「神の教えは『汝の為したいように為すが良い。』です。」
::: シーン2 屋敷 ::: ヒーロー達がやってきたのは、とある商人の屋敷です。 先代の主人は、小売だった店を大商店まで上げました。 その後、代変りして今 の主人になってからは、ちょっとずつ売上が落ちてきています。 娘が成長して経営に加われるようになった最近は少し持ち直してきているので すが。 シャラ:だからお嬢さんが早く目覚めてくれないと店が潰れるわけね。 D:フォレスは番頭と一緒に屋敷へとやってきました。 「どうだ、ヤズトロモの所へ行ってくれる冒険者は見つかったか、見 つかったか、どうなんだ、見つかったのか? ええい、さっさと答 んか、娘を助けてくれる冒険者は見つかったのか?」 シャラ:やっぱりそうなるのね。 番頭/D:「こちらの神官殿が手助けしてくださるそうです。」 ファレス:「できる限りことはさせてもらいます。」 主人/D:「できる限り、じゃ困るんだ。 必ず娘を助けると言ってくれ。」 ファレス:「言うだけなら言いますが、保証はできません。」 主人/D:「保証してくれないと困るんだ。 もし娘がこのまま目覚めなかった ららどうする。」 ファレス:「物事には絶対ということはありません。 こっちが6ゾロ振ったり向 こうが1ゾロ振ったりすることもあるのです。」 主人/D:「そんなこと言わずに必ず娘を助けてくれ。 わしの娘はだな、美し くて、優しくて、聡明で、気立てが良くて、上品で…。」 ケチャ:「ずいぶんと大声だな。 依頼の張り紙を見てきたんだが。」 D:「あんたも娘を助けてくれるんだな? 娘を目覚めさせてくれたら金 ならいくらでも出す、望みは何でも叶えてやる。」 「ご主人様、契約では金貨50枚です。」 「そんなことを言って断られたらどうするんだ。 いいか、わしの娘 は、可愛くて、誠実で、賢明で、明るくて、気品があって…。」 ケチャ:なんだかな。 シャラ:「こんにちは。」 主人/D:「あ、あんたも助けてくれるんだな? 頼む、娘の命がかかってるん だ。 娘と言ってもただの娘じゃないぞ。 美人で、暖か味があっ て、賢くて、爽やかで、優雅で…。」 シャラ:「落ち着いて。」 主人/D:「あんた、他人だからそんなことが言えるんだ。 娘が眠ったままな んだぞ。」 ファレス:「落ち着いてくれないと、事件は解決しませんよ。」 主人/D:「落ち着けば解決できるんだな? 約束できるな? わしの娘を目覚さ せられるんだな? よし、落ち着いたぞ、落ち着いたから、娘を助 けてくれ。 早く助けれくれ。 助けてくれと言ったら助けてくれ。」 シャラ:この親父がいたら、冷静に話できないから、店の人に頼んで別室に連 れて行ってもらうわ。 ファレス:酒飲ますなり後頭部殴るなりして大人しくさせてもいいですよ。 D:使用人達が宥めすかしながら主人を退室させます。 シャラ:「まさか、あの人をヤズトロモさんの所へ連れて行かないわよね?」 主人/D:「ご主人様は、あまり長旅に耐えられる方ではございませんので。」 ケチャ:娘のためとなるとバーサークしてくれそうだな。 主人/D:「ご主人様は武器など握ったことはございません。」 シャラ:とりあえず分かってるのは、主人は絶対連れて行っちゃ駄目ってこと ね。 あの人を連れて行ったら、まとまる話もまとまらなくなるわ。 商人の娘サリッサが目を覚まさないのは、首に掛けられていた怪しい首飾りが 原因で無いか、と思われます。 そこで、その首飾りをヤズトロモの所へ持って いって調べてもらって欲しい、と依頼されます。 ファレス:「その首飾りを見せてください。」 どんな物か分かりますか? D:<魔法>を振ってください。 ファレス:-6成功。 D:首飾りから邪悪な波動を感じます。 娘を目覚めさせるには、単に首 飾りを壊すだけでは駄目なようです。 シャラ:それどころか、最悪、壊したら2度と目覚めない可能性があるわね。 ケチャ:魂を吸い取っているのか? シャラ:「どこまですれば金貨50枚なの?」 番頭/D:「お嬢様を目覚めさせるまで、です。」 シャラ:「よくある御伽噺では、魔法使いに頼み事をすると、引き換えにクエ ストが出されるの。」 番頭/D:「そんな無茶を言う方ではないと聞いてます。」 ファレス:「いざというときの連絡手段はありますか?」 番頭/D:「伝書鳩でしたら用意できますが。」 つれていくならもちろん、道中鳩の世話が必要です。 シャラ:鳩と戯れながらの旅って、乙女にはぴったりね。 「分かったわ。 この仕事引き受けるわ。」 番頭/D:「ではお役に立つかわかりませんが、この力の薬をお持ちください。」 ファレス:「ありがとうございます。」 主人/D:「話は決まったのか? では出発するぞ。 ああ、娘よ、待っていてく れ。」 ケチャ:「あんたは娘さんの傍にいてやってくれ。」 主人/D:「何を言う、娘の危機なんだぞ。 父親であるわしが行かなくてどう する。」 シャラ:「お父さんが傍についててあげないと、娘さんが可哀想よ。」 主人/D:「そ、そうだ、わしは娘の傍にいなくては。 頼むぞ、必ず娘を目覚 めさせてくれ。」 ファレス:「魔法使いに頼みごとをするなら、手ぶらよりは何かお土産を持って いった方がいいでしょう。」 D:<世界の知識>か<技術点>-2を振ってください。 シャラ:1ゾロよ。 D:聞くところによると、ヤズトロモは大変な甘党だそうです。 ファレス:じゃ、旦那さんを連れて行けばいいんですね。 シャラ:確かに甘いわよね。 娘に甘い、考えが甘い。 主人/D:「甘い物を持っていけば娘を助けてくれるんだな? よし、町中のお 菓子を買い占めるんだ。」
::: シーン3 ヤズトロモの塔 ::: ヒーロー達は荒野を1日ほど歩き、“運命の森”ダークウッドの森の南にあるヤ ズトロモの塔の前までやってきます。 真っ暗な森を背景に聳える塔は、いかにも 魔術師が住んでいそうな雰囲気を漂わせています。 D:塔の入り口の階段には、子供くらいの人影が座っています。 ファレス:「こんにちは。」 ホビット/D:「こんちは。」 ケチャ:「君は?」 ホビット/D:「おいらは玄関番だよ。 あんまりどうでもいいことで御主人様の手 を煩わせないようにしてるんだ。 おじさん達、ここに何か用?」 ファレス:「できればお兄さんと言って欲しかったのですが。 呪いを掛けられ た娘さんがいるので、ヤズトロモさんに力を貸していただけないか、 と思ってやってきたのです。」 ホビット/D:「御主人様に会いたいの? うーん、御主人様って、莫迦なの嫌いな んだ。 おじさん達、頭いい?」 ファレス:「人並みには。」 ホビット/D:「じゃ、おいらが出すクイズに正解できたら通してやるよ。 おいら には姉さんが2人いるんだけど…。」 ファレス:「美人ですか?」 ホビット/D:「うん、美人だけど。」 ファレス:「それは良かったな。」 ホビット/D:「ありがと。 で、クイズだけど、おいらには姉さんが2人いるんだけ ど、おいらの母さんが産んだ子供は2人だけさ。 どういうことだと 思う?」 ケチャ:まともに考えるなら、父親が同じ姉弟だな。 シャラ:なんか、あまりにも簡単過ぎて疑っちゃうんだけど。 ファレス:そのまま言っていいんでしょうか? シャラ:実はこの世界、重婚があるとか。 ファレス:あるいはお父さんが産んだのかもしれません。 「養子ですか?」 ホビット/D:「おいらと姉ちゃんは血繋がってるよ。」 ファレス:では義理の姉弟という線も消えますね。 シャラ:「不潔。」 ホビット/D:「何だよ、いきなり。」 シャラ:「お父さんが外で産ませた子供でしょ? 不潔。」 ホビット/D:「違うやい。 父さんが大きい姉さんを連れて、母さんと再婚した後、 小さい姉さんとおいらが産まれたんだい。」 シャラ:「やっぱり不潔よ。」 ホビット/D:「どうしてそうなるんだよ。 そんなこと言うんだったら、もう1問答 えないと通してやらない。」 ケチャ:「どんな問題だ?」 ホビット/D:「おいらの小さい姉さんの年齢は、おいらの年齢のちょうど何倍かな んだ。 で、大きい姉さんの年齢は、小さい姉さんの年齢のちょう ど何倍かなんだ。 大きい姉さんの年齢とおいらの年齢を足すと 92。 じゃ、小さい姉さんの年齢は? 言っておくけど、おいら子 供じゃないからね。」 ケチャ:ちょうど何倍か、に1倍も入るなら、同い年というのもありだな。 「それぞれ23,23,69だ。」 ホビット/D:「うん、よく分かったね。 小さい姉さんとおいらは双子なんだ。 そ れじゃ、通してやるけど、失礼の無いようにするんだぞ。 御主人 様は偉い魔法使いなんだからな。 部屋の掃除以外なら、御主人様 できないことは無いんだぞ。」
ヒーロー達は、ヤズトロモの塔に通されます。 塔の中は、何に使うのか分から ない品が雑然と積み上げられ、その間を獣道のように通り道が作られています。 いえ、下手すると獣道どころか、歩幅に合わせて転々と物を置いてない空間があ る、という状態かもしれません。 ヤズトロモ/D: 「わしに何か用かの?」 ファレス:事情を説明します。 ヤズトロモ/D: 「どれ、その首飾りとやらを見せてみい。 ふむ、こいつを何処で手 に入れた?」 シャラ:「ゾルドという魔法使いがその女の子の首にかけていたの。」 ヤズトロモ/D: 「じゃがこの首飾りに込められた魔力は、ゾルド程度の者に作り出せ るものでは無い。 おそらく、あやつの師匠スランが手を貸したの じゃろう。 大方、ゾルドが師匠の一筆を使ったのじゃろうな。」 シャラ:「その呪いを解くには? 呪いを掛けられた娘さんのお父さんが、娘 が起きてくれないと仕事も手につかない、娘を目覚めさせてくれる ならどんな願いでも叶えてやる、という状態で大変なの。」 ヤズトロモ/D: 「いい親ではないか。」 ファレス:「ですが、少々親莫迦の度が過ぎていまして。」 ヤズトロモ/D: 「ふむ、それはともかく、呪いを解くには呪いを掛けたスランを斃す しか無いかもしれんのう。 ゾルドはともかく、スランはそこそこ 腕が立つ奴じゃ。」 ファレス:スランという名前に覚えは? -7成功です。 D:そういう名前のネクロマンサーがいる、という噂を聞いたことがあ ります。 「そう言えば、ポートブラックサンドに住んでいるわしの友人のニ カデマスという男が、スランを追っおったのう。」 シャラ:「そうそう、お父さんからこれを、と。」 菓子折りを渡すわ。 ヤズトロモ/D: 「ほう、中々気が利くではないか。 そうじゃな、魔法使い相手なら あの指輪が助けになるじゃろう。 さて、あの指輪は何処に置いた かのう。」 と言って散らかった部屋の中を見回します。 ここでディレクターは、『タンタロンの12の難題』を取り出してきます。 この本は、絵に隠された12の謎を解く、という一種のパズル本です。 どの謎も、 一捻りしてあり、題名に偽り無しの難題です。 ディレクターが示したのは、絵の中に隠された指輪を探せ、というページ。 ちなみに、本の舞台となっているのは、アドヴァンスドファイティングファン タジーと同じタイタン世界の旧世界大陸にあるガランタリア。 ファレス:こんな物を持ってきましたか。 用意がいいですね。 ですけど、私こ の本持ってます。 D:ではすみませんが、ファレスは答えないでください。 「どうして置いたはずの物物が無くなるのかのう?」 ファレス:「そういうときは、どうしても無くしてはいけない物だけを、小さな 箱に入れておくんです。」 ヤズトロモ/D: 「それはいい考えじゃ。 さて、何を入れるか。 あれは大切だし、こ れも貴重じゃ。 とても全部入りきらん。 そうじゃ、箱の中に4次 元空間を作れば全部入れられるのう。」 シャラ:それって、問題が部屋の中から箱の中に移るだけだと思うけど。 ヒーロー達は、雑然と道具が詰まれた部屋の中を指輪を求めて探して回ります。 シャラ:実は指に填めている、ってオチじゃないわよね。 そして約10分後…。 シャラ:「あ、これ?」 ヤズトロモ/D: 「おお、そうじゃ。 こんな所にあったのか。 まったく、誰じゃこん な所に置いたのは。」 ケチャ:あんたしかおらんだろうが。 ヤズトロモ/D: 「この指輪は、1回だけ魔法を跳ね返せるのじゃ。」 シャラ:「相手が《死》を使えば、向こうは即死するわけね?」 ヤズトロモ/D: 「そうじゃ。 うまく挑発して、強力な魔法を使わせることじゃ。 そ れから、ここにある品で欲しい物があれば売ってやるぞ。」 ディレクターは、『運命の森』でヤズトロモが売っている魔法の品を提示しま す。 ここでヒーロー達は、万能薬と鼻用フィルターを購入しました。 シャラ:「万能薬って、治るのは病気?」 ヤズトロモ/D: 「基本的に病気じゃが、毒や魔法による悪影響にもある程度効果があ る。 親莫迦は治らんが。」 シャラ:「ネクロマンサーなら、ヴァイパイア従えてたりする? もしそうな ら、大蒜玉も買っておきたいけど。」 ヤズトロモ/D: 「わしの知る限りでは、スランにそこまでの実力は無いはずじゃ。 せいぜい、腐れか墓歩き当たりがいいところじゃろう。」
ヒーロー達は、ニカデマスに会いに“盗賊都市”ポートブラックサンドに向か うことにします。 ポートブラックサンドに入るのは通行証が必要です。 そこでヒーロー達は、一 旦シルバートンに戻り、馬車を仕立ててもらって商人の護衛のふりをして潜入す ることにします。 シャラ:ポートブラックサンドでの注意点を訊いておくわ。 ポートブラックサンドは、盗賊都市の名に相応しく、治安は良くありません。 港には海賊船が堂々と留まっていますし、町の衛兵も、事あるごとに難癖つけて 金を巻き上げようとしてくる連中ばかりです。 町へ続く街道には、盗みの罪で捕 らえられた者達の死体が木から吊り下げられています。 この恐ろしくも魅力的な町を支配しているのはアズール卿という海賊上がりの 男です。 ケチャ:30秒に1回掏りに遭遇したりするんだな。 ファレス:町に入ること自体がそもそも危険みたいですね。
::: シーン4 ニカデマスの小屋 ::: 画面が切り替わって、“盗賊都市”ポートブラックサンドが映し出されていま す。 町に入る門の前にいるのは我らがヒーロー達です。 おや? ヒーロー達が顔を顰めていますね。 画面の向こうにいる皆さんに匂い が伝わらなくて幸いです。ポートブラックサンドの住民は、ゴミを川や下水まで 持っていかず、通りの真中にある溝に投げ捨てる習慣があります。 ブラックサン ドを訪れる者は皆、この甚だ心地よくない匂いにどっぷり浸からねばならないの です。 門番/D:「ほう、護衛が3人か。 それじゃ、護衛税を払ってもらおうか。 1人 当たり金貨5枚だな。 ファレス:「最近、商売も苦しいもので。」 <口先>で負けてくれるように交渉します。-6成功。 門番/D:「なら1人当たり金貨2枚に負けてやるよ。」 ファレス:では3人分渡します。 D:門番は受け取った金貨をそのまま自分のポケットに入れます。 シャラ:そんなことどうでもいいから、さっさニカデマスさんの所に向かうわ。 画面は、ポートブラックサンドの町並みを映し出していきます。 市場通りを抜 け、マーケット広場に入ります。 もう少し時間があれば、この町で住む人々の様子をじっくりと映したいところ です。 しかし、今回はヒーロー達の活躍劇であり、ドキュメンタリー番組ではあ りません。 ディレクターは、涙を飲んでそれらをカットすることにします。 D:ニカデマスは、町を東西に分断するナマズ川に掛けられた橋の下の小 屋に住んでいます。 ファレス:扉をノックします。 ニカデマス/D: 「押し売りならお断りじゃ。」 シャラ:「ヤズトロモさんに紹介されて着たの。」 ニカデマス/D: 「ほう、あいつがわしに仕事を回すとは、それなりの事件なのじゃな。 この間も ファレス:事情を説明します。 ニカデマス/D: 「スランの呪いか。 最近、地下で大人しくしてるかと思えば、弟子 を使ってそんなことをしておったのじゃな。 油断のならん奴じゃ。」 もっとも、ネクロマンサーが油断のならん奴なのは当たり前じゃな。 あやつらは、混沌の勢力に組しおる人間の敵じゃ。」 ファレス:「スランの居場所は?」 ニカデマス/D: 「あやつはこの町の地下に潜んでおる。 この町が古代都市カーセポ リスの上に作られたのは知っておるかの? その古代都市跡を利用 した下水道があるんじゃが、これが迷路のように入り組んでおる。 潜むには最適な場所というわけじゃ。 最近は、何処からか連れて きた魚人共を手懐けておるようじゃの。」 ファレス:「地下への入り口はありますか?」 ニカデマス/D: 「港の水門からなら下水道に入れる。 昼間は見回りの衛兵がおるが、 夜なら問題無く入れるじゃろう。」 シャラ:「魔法使いなら、何かの力の源があったりしない? 弟子のゾルドは 壷割ったら弱くなったんだけど。」 ニカデマス/D: 「あるかどうか分からぬし、あったとしても巧妙に隠しておるじゃろ う。」
ヒーロー達は、夜になるまで待つことにします。 シャラはニカデマスを拝み倒 して《技術回復》の魔法を教えてもらいます。 ファレスは、町の中を散歩するこ とにします。 D:町をぶらぶら歩いていると、塀の向こうから 「刺せ。」 「殺せ。」 「盗め。」 とかいう歓声が聞こえてきます。 ファレス:闘技場か何かですか? 覗いてみます。 D:塀の向こうは、100m四方くらいの広場になっていて、ヒューマノイド が20人ほど騒いでいます。 ファレス:どんな生き物ですか? 技術点-7成功です。 D:彼らは、ベイという生き物です。 今彼らがしているのは、“ベイの 球技”と呼ばれるスポーツです。 1チーム9人で、守り側がボールを 投げて、攻め側が木の棒で打ちます。 片方のチームは虎縞の服、も う片方のチームは背中に昇り龍が描かれた服を着ています。 ファレス:タイガースとドラゴンズですか。 ケチャ:乱闘でも起きるんじゃないか? D:試合を見ていると、ファレスの方にボールが飛んでくる。 ファレス:打ち返します。 <竿状武器>-5成功です。 D:虎縞の服を着た方が、 「あんた、助っ人になってくれないか?」 と誘ってきます。 ファレス:「助っ人というと、困ってるんですか?」 ベイ/D:「そうなんだ。 見てくれ、今3点差だろ? ここで打たないと負けち まうんだよ。」 ファレス:「そういうことでしたら、お手伝いしましょう。」 急遽虎チームのピンチヒッターとして借り出されたファレスは、ボールを塀の 向こうまで飛ばします。 ベイ/D:「やった、逆転満塁サヨナラホームランだ!」 ファレス:虎チームが勝つと何となく嬉しいかもしれません。 ベイ/D:「あんたのおかげで勝てたよ。 130試合ぶりの勝利だ。」 シャラ:やっぱりそういうチームなのね。
::: シーン6 港 ::: 夜になると、ヒーロー達は港へとやってきました。 夜なので、画面が少々暗い でしょうけど、じきに慣れますから、しばらく我慢してください。 D:水門に近付いていくと、前方に何人かの人影が見えます。 船乗りっ ぽい感じの人相の悪い男達が、木箱を運んでいます。 ファレス:もしかして、私達が入ろうとしてる水路の中に運んでいるんじゃあり ませんか? D:そうです。 彼らが海の傍に近付くと、海面から魚人が顔を出します。 魚人が彼らに何か指示すると、男達は水門に向かっていきます。 シャラ:彼らから服を貰って変装する、って手があるわね。 でもあたしか弱 い女の子だから、すぐばれそうだけど。 ケチャ:向こうの人数は? D:3人です。 魚人は海に潜っていきました。 ファレス:それは襲え、と言ってますね? ケチャ:不意打ちをかけるか。 海賊達に忍び寄ったヒーロー達は、不意打ちをかけることにします。 D:不意打ちは+4のボーナス付きで判定、成功すれば通常ダメージか、1 点だけダメージを与えて気絶させることができます。 ファレス:では気絶させましょう。 6ゾロ以外成功ですね。 シャラ:(コロコロ) あら、1ゾロ。 D:それは即死ですね。 シャラが殴った相手は首の骨が折れています。 残りの2人は気絶です。 シャラ:あたし、か弱い女の子なのに。 とにかく、変装するわ。 ファレス:彼らが持っていた木箱の中は? D:1つは薬類、もう1つは武器類が入っています。 ファレス:では木箱を抱えて水門に入っていきましょう。 D:下水道の中には、魚人が数人待っています。 「コッチヘ運ベ。 ツイテ来イ。」 ケチャ:えっちらおっちら運ぶ。 D:下水道に入ると、すごい匂いがします。 これから匂いになれるまで、 <技術点>-1です。 シャラ:鼻用フィルターを付けるわ。 でも効果が切れるまでどれくらい時間 があるかが問題よね。 ファレス:付けずに行って、戦闘が始まりそうになる直前に付けたらいいのでは? シャラ:あ、そうだ、<技術点>が下がったのって、《技術回復》で治るわね。
::: シーン7 下水道 ::: ヒーロー達は、魚人に案内されて下水道の中を進んでいきます。 画面の向こう の皆さんには少々お見苦しい場面かもしれません。 しかし、我らがヒーロー達は、 視覚に加えて、猛烈な臭気とぬるぬるする感触に耐えて頑張っているのです。 ど うか目を逸らさず、じっくりとヒーロー達を見守ってあげてください。 D:<感知>を振ってください。 シャラ:-2成功。 D:下水道の横の管から、カチャカチャ音を立てて大きなムカデが出てき ます。 シャラ:魚人達はどう反応する? D:お互いトライデントをぶつけ合ってカチャカチャ音を鳴らします。 すると、ムカデは動きを止めます。 ファレス:では私達も同じようにカチャカチャ鳴らしましょう。 D:鳴らしている間は向かってきません。
D:前方に、青白い人影がぼーっつと浮かび上がります。 それを見た魚 人はパニックを起こして逃げていきます。 シャラ:ゴースト? 物理攻撃は効きそうにないわね。 D:人影は手招きしています。 ファレス:それに応えて行ってみたい気もします。 ゴースト/D:「今晩は。」 ファレス:「今晩は。」 応えたら瓢箪に吸い込まれたりしませんよね。 ゴースト/D:「すみませんが、わしの話を聞いてもらえませんかのう。」 ファレス:「お困りですか?」 ゴースト/D:「そうなのですじゃ。 助けてくださると嬉しいのですが。」 ファレス:「何をすればいいのですか?」 ゴースト/D:「バラバラにされてしまったわしの骨を集めて、何処かに埋めて欲し いのですじゃ。」 ファレス:「お墓を作って欲しい、というわけですね? 詳しい事情を教えてく ださい。」 ゴースト/D:「わしはポートブラックサンドを訪れた旅人でした。 ある宿に泊まっ 朝起きてみると、縛られていた上魚人に取り囲まれていたのですじゃ。」 ケチャ:「攫われて殺されたわけか。」 シャラ:「いつぐらいのこと?」 ゴースト/D:「さて、こんな姿になってから、時間の流れがよくわからなくなりま して。 1年は過ぎていないと思いますがのう。」 ファレス:「お名前を教えてください。」 ゴースト/D:「わしはルーゴンという。 ファング出身の引退した鍛冶屋じゃ。」 ファレス:その名前に覚えはありませんよね? D:ファング出身じゃないなら知りません。 シャラ:「スランって魔術師に関して何か知らない?」 ゴースト/D:「スランかどうかは知りませんが、この奥に魔術師らしい男がいます。」 シャラ:「案内してくれると嬉しいんだけど。」 ゴースト/D:「わしはこの辺りからあまり離れられないんですじゃ。」 ケチャ:自縛霊か。 シャラ:「魔術師がいる方向は?」 ゴースト/D:「わしが知っているのは、この下水道を奥に行って、向こうに見える 横穴を右に入る、ということまでですじゃ。」 ファレス:「いえ、それだけ教えていただければ充分です。 あなたがそんな姿 にされたのはこの近くなのですか?」 ゴースト/D:「はい、この壁の向こうです。」 ケチャ:付近の壁を調べてみる。 <罠の知識>-6成功だ。 D:隠し扉を見つけました。 ケチャ:聞き耳だ。 D:扉の向こうに複数の生き物の気配がします。 シャラ:扉を蹴り開けて不意打ちね。 ケチャ:海賊のふりをする、という手もあるが。
     ■■■■■■■      ■     ■■      ■ ハイダナ ■      ■○ 神殿  □      ■      ■      ■     ■■  ■■■■■■■$■■■■■■■     下水道  ■■ ■■■■■■■■■■■■  ムカデの巣穴
::: シーン8 ハイダナ神殿 ::: GM:扉の向こうは神殿らしく、祭壇があってその前に魚の姿をした像が ある。 像の前では、3人の魚人達が跪いている。 杖を持った魚人が 体と、三叉矛を持ったのが2体です。 シャラ:距離的に不意打ちは厳しいわね。 ケチャ:狙撃はできるだろう。 俺の弓は百発百中だ。 D:弓なら3人とも射程内です。 魔法は一番近くの戦士になら掛けられま す。 ケチャ:なら杖持ちを弓で狙う。 (コロコロ) 1ゾロ。 クリティカルだ。 D:心臓に命中、即死しました。 いきなり出しますか。 せっかく色々魔 法を使おうと思っていたのに。 シャラ:一番危ない奴を倒せたわね。 ファレス:戦士に《骨抜き》。 4点下げました。 D:魔法使いを一撃で斃されたのでは、この戦いあっさり終わりそうです ね、 シャラ:切り込むわ。 D:<技術点>を4も下げられては…(コロコロ) おや、クリティカル。 シャラを気絶させました。 シャラ:ちょっと、何よ、それ。 ファレス:《体力増強》です。 シャラ:危なかったわ。 「痛い、か弱い女の子になんてことするのよ。」 両手剣で3点のダメージ。 危ないシーンもあったももの、ヒーロー達は魚人達を撃退します。 ケチャ:神殿の中を調べる。 D:祭壇には、水晶玉と剣、液体の入った黄金の杯が置かれています。 ファレス:骨はありませんか? D:部屋の一角には、人間のものらしい骨が詰め込まれた薄汚れた壷が並 んでいます。 シャラ:どれがお爺さんの骨か、お爺さんの霊に聞いてみるわ。 ゴースト/D:「これじゃ、これがわしの骨ですじゃ。」 ファレス:丁寧に袋に詰めます。 「これは外に出たらお墓を作って埋めます。」 ゴースト/D:「できれば日の当たる場所にしてくれると嬉しいですじゃ。」 ファレス:「わかりました。」 ファレス:魚人が祈っていた像は何の像ですか? D:水の神ハイダナです。 シャラ:祭壇に置かれた杯を調べるわ。 D:中には水が入っています。 ファレス:普通の水ですか? 火を付けると燃えるとか、色付きとか味付きとか。 D:海水の匂いがする無色の液体です。 味を知るには舐める必要があり ますが、舐めますか? ファレス:きっと海洋深層水ですね。 ハイダナを祭る儀式で剣や水晶玉を使い ますか? D:ファレスは神官戦士でしたね。 では判定してください。 ファレス:(コロコロ) クリティカル。 シャラ:絶妙のタイミングで出すわね。 D:まず杯ですが、これは神像を清めるための水を入れておくために、ハ イダナの司祭が祝福した物でしょう。 シャラ:聖杯ってやつね。 D:ハイダナの武器は三叉矛ですので、剣はハイダナとは無関係だと思わ れます。 また、ハイダナと水晶玉が関係ある、という話は聞いたこ とがありません。 シャラ:剣はいい剣? 手にとって見るわ。 ケチャ:呪われていないか心配だな。 D:触れてみても取り立て何も起きません。 鋭い剣ですが、所々曇って います。 シャラ:ならとりあえず予備武器として持っておくわ。 D:<素手戦闘>持っているなら、武器は持たない方が強いのでは? シャラ:<両手剣>じゃ使えないのね? でも呪いさえ掛かってなければいい わ。 魔法でもかかっているかもしれないし。 ファレス:水晶玉を持っていきます。 ケチャ:俺は杯を持っていこう。 D:杯に手を伸ばすと、神像の目が赤く光ります。 シャラ:それは手を出さない方がよさそうね。 ケチャ:<罠の知識>で何か分からないか? D:機械的な罠は無さそうです。 ケチャ:神様自身が怒ってるのか? なら手を出さないことにしよう。
::: シーン9 スランの隠れ家 ::: D:前方から、何者かが走ってくる音が聞こえてきます。 「た、助けてくれ。」 ファレス:「どうしました?」 D:海賊風の男が走り寄ってきます。 「奴め、荷物を運べば金を出す、なんて言いながら、骸骨をけしかけ てきやがった。」 ファレス:「他の人は?」 海賊/D:「み、皆殺されちまった。」 その後ろから、骸骨が追ってきます。 シャラ:両手剣を抜いて骸骨の前に立ち塞がるわ。 ケチャ:骸骨に射撃。 2点だ。 D:どうもダメージが1点しか通っていないようです。 ケチャ:でも効くことは効いているんだな? ならそのまま射撃だ。 ファレス:《骨抜き》です。 D:効かなかったみたいです。 シャラ:アンデッドには効果が無いのね。 ファレス:ではモーニングスターで殴りにいきます。 (コロコロ) すみません、 クリティカルです。 D:クリティカル? 骸骨は粉々に砕け散りました。 「お、恩に着るぜ。」 ファレス:「もうこんなことからは足を洗った方がいいですよ。」
D:下水道から上にあがる通路があります。 その先には扉があって、扉 の前に骸骨が3体います。 シャラ:2匹はあたしが引き受けるわ。 D:(コロコロ) おや、クリティカル。 シャラ、気絶してください。 シャラ:また? ケチャ:1ターンだけなら俺が3匹引き受けてやる。 <体力度>21あるから、 クリティカルさえ出されなければ耐えられるはずだ。 ケチャが勇敢にも骸骨3体の猛攻を引き受け、その間にファレスがシャラに《体 力増強》をかけます。 D:ケチャに2点のダメージです。 ケチャ:それくらいなら問題無い。 どうも刃の付いた武器だとダメージが減 るみたいだな。 次から素手でいこう。 (コロコロ) おや、クリティ カルだ。 シャラ:むくっと起き上がるわ。 「またか弱い乙女の肌を傷つけてくれたわね。 激しい戦いの末、ヒーロー達は、骸骨を粉砕します。 D:そのとき、左右の通路から、骸骨の群れが近付いてきます。 シャラ:そのまま正面突破よ。 正面の扉を開けて、中から閉めるわ。
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::: シーン10 中庭 ::: D:扉の向こうは、庭のような感じです。 かつては空が見えていたので しょうが、今は枯れ木が積まれているだけです。 庭の中央には、白 い物が渦高く積もっています。 ファレス:人の骨ですか? D:もっと大きいです。 ファレス:トロール? D:もっと大きいです。 ファレス:ドラゴン? D:そんなものです。 皆さんが近付くと、骨がむくっと起き上がります。 これは骸骨暴竜、ティラノサウルススケルトンです。 ファレス:説得が効きそうな相手ではありませんね。 近付く前に全員に《体力 増強》をかけておきます。 シャラ:13点もダメージ受けてるから、魔法で治すのはリスクが大きいわ。 ここは力の薬ね。 ファレス:アンデッド相手だと、《骨抜き》は効きませんね。 神官戦士なのに、 対アンデッド用の魔法がありません。 ケチャ:モーニングスターは対骸骨用の武器よ。 ファレス:私の武器は護身用です。 シャラ:<竿状武器>11あって護身用は無いんじゃない? ファレス:ですが、私が前出て戦うより、後ろから《体力増強》掛ける方がいい でしょう? シャラ:じゃ、前衛はあたし1人? か弱い女の子に何させるのよ。 ケチャ:後ろから援護してやる。 俺の弓は百発百中だ。 D:骸骨暴竜の攻撃回数は3回です。 ケチャ:なら仕方ない、俺も前に出て攻撃1回を引き受けよう。 シャラ:流石ファイティングファンタジーと言うだけあって戦いだらけね。 ヒーロー達と、骸骨暴竜との戦いが始まります。 骸骨暴竜は、<技術点>11と <体力点>25を持ち、1ターンに3回の攻撃をしてくる強敵です。 しかも、刃の付 いた武器だと与えられるダメージが1点減ってしまう上、《骨抜き》《恐慌》《心 話》《石化》《死》の魔法は効果ありません。 D:ケチャに4点ダメージです。 シャラ:流石に強いわね。 ケチャ:大丈夫だ、まだ15点ある。 D:戦闘中運試しを使えば、ダメージを上下できますよ? シャラ:こんな所で運を使いたくないわ。 D:こんな所、ですか? 非常に高い戦闘能力を持つ骸骨暴竜相手にヒーロー達は苦戦します。 特に、接 近戦能力の低いケチャは、この戦いで大きなダメージを受けてしまいます。 ケチャ:大丈夫だ、俺は<体力度>は高いんだ。 シャラ:そんなこと言って、もう半分以上削られてるじゃない。 ケチャ:まだ6点残っている。 奴のダメージはマックス5点だから、一撃では やられない。 そんな中、シャラが、アンデッドなら炎に弱いはず、ということに気付きます。 シャラ:《火炎》よ。 D:骸骨暴竜に<運点>はありませんし、<回避>も持っていません。 シャラ:ならダメージは…出たわ、マックスの6点。 以降、シャラは至近距離からの《火炎》に切り替えます。 《火炎》は骸骨暴竜 の<体力度>を確実に削り、ついにはとどめを刺したのでした。 ファレス:《体力増強》で回復させておきます。 シャラ:回復役はやっぱり複数要るわね。 燃え続ける骸骨暴竜をバックに、ヒーロー達は決意の表情を浮かべて奥の扉へ と向かいます。
::: シーン11 スランの部屋 ::: D:扉を開けると、書斎です。 机に老人が1人座っています。 シャラ:見覚えは無いわね? D:会ったことは無いはずですから知りませんね。 ケチャ:「お前がスランか。」 スラン/D:「いかにも。 こんな所まで押し入ってくるとは、どういうつもりじゃ?」 シャラ:「あんたの弟子の不始末を取ってもらいに来たのよ。」 スラン/D:「ゾルドか。 たかが小娘1人の誘拐すら最後までやり通せないとは、 情けない奴じゃ。 わしが時間を割いて、眠りの首飾りを初め色々 手を貸してやったというのに。」 ファレス:「娘さんに掛けられた呪いを解いて貰えませんか?」 スラン/D:「それはできん。 その娘はわしの偉大なる計画の糧となって貰わね ばならん。 そうじゃ、お前達もわしの部下とならぬか?」 ファレス:「骸骨の部下ですか?」 スラン/D:「骸骨が嫌なら、墓歩きや腐れでもいいぞ。」 ファレス:「アンデッドは今ひとつ好きではありませんのね。」 スラン/D:「では《畜生落とし》で好きな動物に変えてやろう。」 ファレス:「“汝の為したいように為すが良い”というのが我が神の教えですか ら、人に仕えるのは宗旨に反します。」 スラン/D:「人に仕えると思わねばいい。 世界を支配する偉大なる王に仕える のじゃ。」 シャラ:「それって、あんたのこと?」 スラン/D:「そうじゃ。 近い将来、このアランシアはわしのものとなる。 シャラ:「ふぅん、弟子は単なる莫迦だったけど、師匠は莫迦な上誇大妄想狂 なのね。」 スラン/D:「何じゃと?」 シャラ:「あんた程度の実力で世界征服なんてできるわけないじゃない。 ど うせ、魔法だって禄に使えないんでしょ?」 スラン/D:「ほう、ではその身を以って我が力を味わうがいい。 好きな動物を 言え。」 ファレス:「ハムスターなんていかがです?」 スラン/D:「そうか。 よし、そこの小娘、お前はこれから実験用の鼠となるが いい。」 スランはシャラに《畜生落とし》を掛けます。 念のために聞きます けど、魔法反射の指輪は填めてますよね? シャラ:もちろんよ。 魔法使いが、シャラに向かって杖を振りかざすと、 杖の先から黒い光がシャラ 目掛けて飛んでいきます。 画面にスローモーションがかかり、シャラが指輪を掲げて堂々と黒い光を迎え 撃つ姿が映し出されます。 指輪が激しく光り、飛んで来た黒い光とぶつかります。 黒い光は、一瞬だけ均衡し、元の方向、つまり杖を構えた魔術師の方へ押し戻さ れます。 画面が中央で左右に分割され、会心の笑みを浮かべるシャラと、自分に目掛け て飛んでくる黒い光を驚愕の表情で見つめる魔術師の顔がアップになります。 D:魔法はスラン自身に跳ね返りました。 スランの姿が消え、彼のロー ブの中で小さい鼠がもがいています。 シャラ:踏みつける。 「えい、えい。」 D:鼠が人間に踏まれたら確実に潰れますね。 ぷちっと音がして、ロー ブに赤い染みが広がっていきます。 ケチャ:嫌なシーンだ。 虫ならともかく、哺乳類だしな。 D:鼠を潰した瞬間、首飾りが音も無く崩れ去ります。 シャラ:これで呪いは解けたわね。 じゃ、後は部屋を物色して帰るわ。 D:呪文書がありました。 中には禍々しいルーン文字が並んでいます。 シャラ:これはニカデマスさんかヤズトロモさんに渡した方が良さそうね。
::: シーン12 港 ::: D:下水道の外では、海賊達が心配そうに待っています。 「おお、無事だったか、兄弟。」 シャラ:「片付けてきたわ。」 海賊/D:「そうか。 あいつにはすっかり騙されたな。」 ファレス:「人間、甘い言葉を信じてはいけないのです。」 海賊/D:「そうだよな。 やっぱり海賊たるもの、船に乗ってこつこつ沿岸の 村を襲うべきだよな。」 シャラ:やばいこと吹っかけちゃったかしら?
::: シーン13 ニカデマスの小屋 ::: ヒーロー達は、ニカデマスの小屋へと戻ってきます。 実は小屋に戻る前に、ヒーロー達は公衆浴場で汚れを落としてきたのですが、 ディレクターは入浴シーンをカットします。 これはあくまで冒険活劇なのですか ら、そんなシーンは不要なのです。 第一、そんなシーンで客を呼ぶなら、前半部 分に置かなければ意味無いではありませんか。 シャラ:呪文書を渡すわ。 ニカデマス/D: 「こいつは中々危険な品のようじゃな。 できればわしに引き取らせ てもらいたい。」 シャラ:「それは構わないわ。 あと、剣と水晶玉も拾ってきたんだけど。」 D:剣は<剣>の技能に+1の効果がある魔法の剣です。 水晶玉は、コマ ンドワードを唱えると水が湧き出してきます。 コマンドワード1回で、 風呂桶1杯分くらいです。 シャラ:一介の冒険者にはあまり役に立たないわね。 ケチャ:いつでも水浴びできるのは便利じゃないか? ファレス:砂漠とか、日照りで困っている村に持っていけば役に立ちますね。 それから、これを魚人に渡せば、彼らと友好関係を結べるかもしれま せんね。
::: シーン14 屋敷 ::: ヒーロー達は、シルバートンへと帰ってきました。 主人/D:「おお、帰ってきたか。 ありがとう、ありがとう、あんたらは命の 恩人だ。 あんたらは世界を救ってくれたんだ。」 シャラ:もう突っ込むのも疲れたわ。 主人/D:「さあ、宴会の用意ができているぞ。 いくらでも食べてくれ、好き なだけ飲んでくれ。 なんなら町中の食料を買い占めるぞ。」 ケチャ:娘の反応は? 娘/D:「お父様、そこまでする必要はありません。」 番頭と2人で、左右から主人を抑えています。 シャラ:先代が亡くなったのって、つい最近よね? この状態が5年続いたら、 店が潰れてるわ。 主人/D:「娘が無事だったんだ。 店くらい潰れたっていいじゃないか。 おお、 そうだ、領主様に頼んで、今日をシルバートンの休日にして貰おう。 “娘の日”にするか、“救出記念日”がいいか、それとも“冒険者 感謝の日”でいくか。」 ファレス:この人が眠ってた方が平和だったのでは?
かくしてヒーロー達の冒険は無事終わりました。 画面にはスタッフロールと共に、それぞれのヒーローの名シーンが映し出され ます。 シャラ:ケチャの名シーンといえば、やっぱり魚人の魔法使いを一撃で仕留め たところよね。 ケチャ:俺の弓は百発百中だからな。 スタッフロールが終わる頃、画面はシルバートン近郊の丘を映し出します。 ファレス:約束通り、お爺さんの骨を日当りのいい丘に埋めます。 「お爺さん、ゆっくり眠ってください。」 ファレスの祈る姿を最後に、画面はフェードアウトしていきます。
盗賊都市の地下迷宮の旅人 2001/10/27 羊の館にて収録


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