中央華封神リプレイ

若仙呼春 親子再開


  これより語られまするは央華の大道に導かれし若き仙人様の物語。 完壁山万
能洞と呼ばれる洞で修行をしていた5人の若き仙人様が、さらなる徳を積まんが
ために、修行の旅に出ることになさいます。
  それではまずは旅立たれます仙人様達を紹介申し上げましょう。

  叔 独君(しゅ どっくん)
    この方は風水卜占の仙人様でございます。
    いかにも仙人という風貌のご老人でございます。

  典 召凍(てん しょうとう)
    この方は召鬼の仙人様でございます。
    聡明そうな青年でございます。 散文がご趣味だとか。

  侯 璃鐘(こう りしょう)
    この方は魘魅魘勝の仙人様でございます。
    人当たりのいい方でございます。

  姫 蘭花(き らんか)
    この方は巫蠱の女仙様でございます。
    中々気の強いお方でございます。

  源 紫流(げん しりゅう)
    五遁水行の仙人様でございます。
    男とも女ともつかぬ妖しい美貌を持っていらっしゃいます。


さてさて、ここから先を語りますには、若き仙人様のお師匠様である、完壁山 万能洞の女仙様のことを御説明しておかねばなりますまい。 さすれば簡単では ございますが、女仙様の逸話を御紹介いたしましょう。 完壁山万能洞は八種の洞統すべての仙人を育成するいわば仙人養成所。 まあ、 多少、うさんくさいとも言われておりますが、そこに入門した(させられた)者 たちは、それなりに日夜、修行に励んでおりました。 さて、洞長と呼ばれるその洞の長は、年齢不詳、正体不明の女仙さまでいらっ しゃいました。 なんでも、完壁と呼ばれる壁に向かって8年もの間じっと瞑想を するという修行をなさったとかで、8年経って女仙さまが初めてその場をお動き なさったときには、壁にはくっきりと女仙さまの影がうつっていた、と申します。 まあ、その話が本当か嘘かは誰にも分からないのですが、この洞の名前はそのと き女仙さまがお向かいになった壁の名前をとってつけられた、ということでした。 しかし、女仙さまは、昔そんな荒行をなさった方とはとても思えないほど、眼 光は穏やかで、ふくふくとした微笑をいつも口元にたたえていらっしゃるお方で した。 おっとりした、お優しい方で、その仙力のほどは微塵も表には表わされず、 年月とともに、ますますそのおっとり度は度合を深めてゆき、近頃は、ぼんやり、 の域に片足をつっこみかけていらっしゃいましたが、それでも、不思議と、洞の 者に女仙さまの悪口を言う者は、おりませんでした。  蘭花:それにしても洞の名前、なんとかならないのかしら? こんなに怪 しげな名前じゃ、恥ずかしくて名乗れないわ。
GM:とりあえず自己紹介をどうぞ。 独君:わしは叔独君。 風水卜占を学んでおる。 外見は90歳じゃ。 召凍:私は典召凍。 洞統は召鬼です。 起ったことを散文に書くのが趣味 です。 紫流:リプレイにするとか? 一同笑。 召凍:普段は見えませんが、私の背後には鬼が5人ばかり憑いています。 璃鐘:俺は侯璃鐘。 魘魅魘勝だ。 蘭花:あたしは姫蘭花。 巫蠱よ。 4つの使役獣達を連れているわ。 まず [緑蝗]の愁(しゅう)ちゃん。 そして[黒蝦蟇]の舞(まい)ちゃ ん。 それから[奇余]の鳳(ほう)ちゃんに[白蛇]の崇(すう)ち ゃん。 紫流:わらわは源紫流。 五遁水行の術者じゃ。 独君:1人称が“わらわ”なんじゃな。 紫流:1人称単数が“わらわ”、1人称複数が“わらわら”じゃ。 一同笑。 GM:わらわらのお姉様。 紫流:お姉様? 蘭花:おねにぃ様と呼ぶといいわ。 男か女か分らないんだから。 紫流:それは止めてたもれ。 それならまだお姉様の方がましじゃ。
さてさて、御紹介も終わられた様ですし、仙人様達の修行の旅の様子をご覧に いれましょう。 おお、大事なことを忘れておりました。 何人かの仙人様は、以前から旅に出ておられます。そのときの出来事につきま しては、こちらに簡単ではございますが御紹介させていただいております。 まずはこちらを見ていただけると、よろしいかと存じあげます。
GM:今回の話は完壁山万能洞のある一室からです。 蘭花:洞の名前は言わないでよ。 恥ずかしいから。 完壁山万能洞の主である女仙様は1人お籠りになり、水鏡を覗き込んでいらっ しゃいました。 紫流:世界で一番美しいのは誰じゃ? GM:それはもちろん女仙様…ってそんなことは言いません。 女仙様は じっと水鏡を見つめ続けます。 紫流:今にも身投げしそうに? GM:水鏡って、せいぜい洗面器くらいです。 紫流:あの方ほどの仙人ともなれば1滴もあれば充分身投げできるぞえ。 いつもおっとりとした微笑みを浮かべていらっしゃる女仙様でございますが、 今はその口元は引き締められ、その瞳は悲しみを湛えていらっしゃいました。 やがて小さな声である少女の名前を呟かれます。 「桃花…。」 そして、心をお決めになった様についとお顔をお上げになると、部屋を出て近 くにいた洞の修行生を呼び止めなさいました。 女仙様/GM:「独君さん、ちょうどいいですわ。 召凍さんと紫流さんと来てい ただける様にお伝えください。 あなたも来てください。」 独君:「了解いたしました。」 では[仙魚]のマンボウに乗ってふよふよと。 「紫流殿、召凍殿、女仙様がお呼びですぞ。」 召凍:「分かりました。 書き物が終わればすぐに参ります。」 紫流:「それにしても師兄の仙魚は変っておるのう。」 独君:「わしの乗騎でな、満膨という名じゃ。」 一同笑。
女仙様/GM:「独君さん、あなたには何度もお世話をおかけして申し訳ないので すが、桃花さんがとても大変なのです。」 独君:「桃花ちゃんが? 何が起ったのですかな?」 女仙様/GM:「それをあなたに助けていただきたいのです。 紫流さん、召凍さ んもお願いします。」 独君:「今から追い掛けて間に合いますかな?」 召凍:「わたしの[飛来椅]ならすぐです。」
その頃、桃源郷で桃花という少女を助け出した2人の仙人様は山脈と森林地帯 を抜け、桃花の故郷である春来邑へと向かっておられました。 季節は春の初め頃。 桃源郷の中は暖かくて過ごし易かったのでございますが、 外に出ると寒風が吹きすさみ、冬真っ盛りという感じでございました。 本来な ら、もう少し暖かくてもいいはずなのでございますが。 GM:南へと向っているんだけど、寒くなる一方です。 そこへ独君達が 合流します。 独君:「蘭花殿〜。 完壁山万能洞の蘭花殿〜。」 蘭花:「止めて〜。 洞の名前は言わないで〜。」 GM:ここは山の中なので声は木霊となって響きます。 「完壁山」 「完壁山」 「完壁山」 「万能洞」 「万能洞」 「万能洞」 一同笑。 蘭花:「言わないで、お願い。」
GM:合流してからさらに南に歩いていくと、やがて少し大きな邑が見え てきます。 蘭花:村の様子は? GM:人気はありません。 蘭花:「師兄、[七星剣]を見てよ。」 独君:「どれ…。」 GM:陰気で曇ります。 独君:「ああ、曇っておるのう。 ふぉっふぉっふぉ。」 紫流:「師兄、笑っておる場合ではないじゃろう?」 蘭花:「桃花ちゃん、あなたの邑の様子って、いるもこんななの?」 桃花/GM:「わたしは小さい頃他へ移されたのでどんな邑なのかは良く知らな いの。 でもこんなに寒いところではなかったと聞いているの。」 蘭花:「あたしは偵察に行ってくるわ。 紫流、桃花ちゃんをお願い。」 紫流:「承知したぞえ。」 蘭花:「璃鐘、一緒に行きましょう。」 璃鐘:「ああ。」 GM:歩いていきます? 蘭花:愁ちゃんに乗って飛んで行くわ。 璃鐘:鶴でも折って飛ぶ。 《似鳥 等空飛》だ。
GM:村には明らかに活気がありません。 蘭花:妙ね。 紫流:《命水行為鏡 映》で師姉らの様子を観てるぞえ。 GM:近付いてくると、村人が4人ほど、ふらふらと出てきました。 そし て、2人を見つけると、一瞬立ち止まって2人を見たあと、座った目 をして襲い掛かってきます。 蘭花:あたし達飛んでるんだけど? GM:邑人は空にいるあなた達をじっと見ると、石を拾って投げつけてき ます。 璃鐘:「落ち着け、俺達は何もせんぞ。」 蘭花:「あたし達はこの邑の桃花って娘を連れてきたのよ。」 桃花という名前を出して反応はある? GM:ひらすら石を投げてきます。 流石に飛んでるあなた達には当りま せんが。 蘭花:あたしまだ《鎮心丹》は使えないのよね。 《正心丹》じゃ<精神 値>が減ってしまうし。 なら《睡眠丹》よ。 GM:では1人寝ました。 蘭花:片端から眠らせていくわ。 GM:2人目を眠らせたところで、[風火輪]に乗った仙人が現れます。 「おい、君達、この人達は何者かに操られてるだけだ。 傷つけて は駄目だ!」 蘭花:「だから眠らせてるのよ。」 仙人/GM:「おお、そうか! 何て君は賢いんだ!」 一同笑。 蘭花:頭かかえてるわ。 仙人/GM:「私も手伝おう。 《睡眠丹》を貸したまえ。」 蘭花:1つ渡すわ。 GM:では邑人達は全員寝ました。 で、改めてやってきた仙人を見ると 見覚えがあります。知る人ぞ知る万能洞の先輩仙人、天舞道士です。 外見は20くらい。 赤毛でヒーロー顔のお兄さん。 独君:マフラーも赤なんじゃな。 天舞/GM:「人々の難儀を救わんがため日夜暗躍する正義の味方、天舞道士と は私のことだ!」 独君:暗躍しておるのか。 蘭花:頭かかえつつ 「天舞先輩は何が起ったか知ってるの?」 天舞/GM:「はっはっは。 よく分からん!」 蘭花:「何故操られてると分かったの?」 天舞/GM:「はっはっは。 薬種仙人様が教えてくださったのだ。 あの方より、 こちらに事件が起ってるので正義のために力を尽くす様に頼まれ たのだ。」 蘭花:つまり使いっぱしりね。 天舞/GM:「はっはっは。 君達は2人だけでここへ来たのかね?」 蘭花:「女仙様の使いでね。」 天舞/GM:「はっはっは。 大丈夫、私は君達の先輩だ。 私を信じて全て話し てくれたまえ。」 蘭花:教えたら引っかき回されそうな気がするわ。 でもあたしは“孝を 尊び、親子の情をないがしろにすべからず。おのが生んだものを子 と思い慈しむべし。されど、おのが親なりとて、それを盾にとり、 子を苦しめるべからず。”という戒律を取ってるのよね…。 「この邑で生まれた少女をつれてきたのよ。 でも邑の様子がおか しいのであたし達が先行して調べに来たの。」 天舞/GM:「おお、そういえば邑の手前に何人かいたな。 はっはっは。 では 合流しようか。」 と飛んで行ってしまいました。 ひゅーん。
紫流:「天舞師兄がこちらに来る様じゃな。 隠れた方がいいかのう。」 独君:「隠れてもしかたありますまい。」 紫流:「しかし相変わらずじゃのう、天舞師兄は。」 蘭花:水鏡で見られてるのね。 GM:見られてるのに気が付いたら天舞道士ならカメラ目線でポーズ取る かもしれません。 独君:それはともかく、[羅盤]で地脈の流れを見てみましょうかの。 GM:陰の気の方に傾いた状態で滞ってます。 召凍:《祈願 見気顕正》を使ってみます。 GM:自分の[使鬼]がいるのが見えるだけです。 紫流:それは実際に邑に行ってから視なければならんじゃろ。 水鏡越し には無理だと思うぞえ。
GM:天舞道士 「はっはっは。 私が天舞道士だ!」 召凍:「敵ですか?」 天舞/GM:「敵ではない。 私は正義の味方だ! 君達が正義ではなく悪だとい うのなら私の敵だが。」 紫流:「相変わらず熱いのう、師兄は。」 天舞/GM:「む、紫流か。 水行はどうも苦手だ。」 蘭花:「紫流、[水幕扇]で扇いでよ。 熱くてたまらないわ。」 紫流:「クスクス。 では扇いでやろうぞえ。」 天舞/GM:「止めるのだ。 熱く燃えるハートが消えてしまうではないか。」 紫流:「師兄は少し冷やしたくらいでちょうどいいのじゃ。」 天舞/GM:「うう、やはり水行は苦手だ。」 召凍:「水行が苦手なのではなくて、それが紫流だから苦手なんじゃない でしょうか?」 紫流:「クスクス。」 天舞/GM:「そ、それはともかくだな…おお、そこにいるのがこの邑の娘だな?」 蘭花:小さい子に天舞先輩を見せるのは教育上良くないと思うわ。 GM:桃花は面白そうな兄ちゃんだな、と興味しんしん。 蘭花:桃花ちゃんの興味を他に移すのよ。 璃鐘、何が芸できない? 璃鐘:鶴折って、それを本物にして飛ばす。 桃花/GM:パチパチ。 「璃鐘兄ちゃん、手が器用なんだね。」 蘭花:この間に天舞先輩をどこかへやるのよ。 天舞/GM:「さぁ、仲間達よ、邑へ行こうではないか!」 そう言うとずんずんずんずんと歩いて行きます。 蘭花:フォーメーションを決めておきましょう。 桃花ちゃんを真ん中にし て。
仙人様達は桃花を連れて邑に向かわれます。 小半刻ほど歩いたところで邑の 入り口に付きました。 邑の入り口では先ほど眠らせた村人達がまだ寝ています。 天舞/GM:「おお、これは気の毒なことをした。 家の中に運んでやらねばな るまい。 よっこいしょ。」 紫流:家が何処か分かるのかえ? GM:手近の家の放り込んでいる様です。 召凍:「師兄殿、他人の家に放り込んではまずいのではないでしょうか?」 天舞/GM:「おお、それもそうだな。 しかしこのまま放っておくわけにもい くまい。」 召凍:「風を遮る木陰に寝かせておけばいいのではないでしょうか?」 天舞/GM:「よし、そうしよう。 よっこいしょ、は〜どっこいしょ、あ〜ど っこらしょ。」 邑の中は閑散としていました。 ときどき、ふらふらと出歩いている邑人がい ましたが、皆おかしな目をして、仙人様達に襲いかかってきます。 天舞/GM:「おい、《睡眠丹》だ、《睡眠丹》をくれ!」 蘭花:眠らせるわ。 …ついでに天舞先輩を眠らせたくなったけど。 召凍:眠っている邑人に《祈願 三尸探心》です。 邑人/GM:『お腹空いた〜。』 蘭花:お腹空いたからって襲いかかるの? 邑人/GM:『寒い〜。』 独君:[照妖鑑]で診ますが妖は憑いておりませぬな? GM:妖は憑いていませんが、気のバランスが変です。 蘭花:《鎮心丹》を作っておけば良かったわ。 《正心丹》は使いたくないし。 「天舞先輩、何かできる?」 天舞/GM:「私か? はっはっは、何もできん!」 召凍:「眠っている邑人のために暖めることならできるのではありません か?」 天舞/GM:「はっはっは。 よし、暖めてやろう。 私はときどき勢い余って火 事にしてしまうのがな。」 召凍:「それは責任感の問題でしょう。」 天舞/GM:「はっはっは。 そうだな。 では炎のサクリアを送り込んでやろう。 行くぞ! ファイヤー!」 召凍:「上空で火を炊けば邑全体を暖められますよ。」 天舞/GM:「はっはっは。 上空からだな。」 上から焚き火やって暖かいのかな? 召凍:赤外線が出るでしょう? GM:でも流石に1人では邑全体を暖めるのは無理。 召凍:天舞師兄には多少無理してもらいましょう。 あの人はちょっと疲 れたくらいでちょうどいいですから。 邑人/GM:『寒い〜。』 召凍:「師兄、まだ寒いみたいですよ。」 天舞/GM:「はっはっは。 もっとか? よし、ファイヤー! ファイヤー!」 独君:「火の粉が降って来ませぬかな?」 紫流:「心配要らぬぞ。 わらわが[水幕扇]を準備しておるゆえ。」 GM:では莫迦は放っておいて話を進めましょう。 紫流:莫迦と言い切ったのう。 蘭花:誰でもそう言うと思うわ。
GM:邑の入り口でそうやって大騒ぎしていると、1人の女の人が出てき ます。 20代後半くらいの白髪の美しい女性です。 紫流:20代で白髪なのかえ? 蘭花:桃花ちゃんを守れる位置に立つわ。 女性/GM:「これはいったい、何の騒ぎですか?」 璃鐘:「飛んでる奴なら気にしなくてもいいぞ。」 天舞/GM:「はっはっは。 ファイヤー! ファイヤー!」 璃鐘:「そこの邑人も寝てるだけだ。 心配要らん。」 女性/GM:「寝ている? 彼らをこんな目に会わせたのはあなた達なのですか?」 蘭花:「襲ってきたから眠らせたの。 何かに取り憑かれているみたいね。」 女性/GM:「そうですか。 それはご迷惑をおかけしました。」 蘭花:「納得したみたいだけど、何故こんなことが起こったのか何か知っ てるの?」 女性/GM:「今年はもう春が来てもいいはずですのに、いつまで経っても寒い 風が吹き荒れて、邑にはもう食べる物がありません。 そのため、 邑人達は、通りすがりの旅人を襲ったり、邑人同士で争う様にな ってしまったのです。」 璃鐘:「邑人の様子はかなり変だったぞ。 自らの意志で動いてる様には見 えなかった。」 女性/GM:「どうしてこうなってしまったのか、わたくしにも分かりません。 食べ物さえあればこの様にはならないですむのではないかと思う のですが。」 独君:「ところで、あんたはどなたじゃな? わしは独君じゃ。」 女性/GM:「独君さんですか。」 独君:「独君さん、ではなく、独君、とお呼びくだされ。」 女性/GM:「わたくしはこの邑の邑長の娘で、翠伶と申します。」 独君:「ほう、では邑長殿は?」 翠伶/GM:「父と母は先年流行り病で他界いたしました。」 独君:「それでは今はあんたが邑長なのかの?」 翠伶/GM:「父の代わりはわたくしがしておりますが、正式に継いだわけでは ありません。」 蘭花:「春が来ないというのは今年だけなの?」 翠伶/GM:「ええ、そうです。 この邑は春来邑というその名の通り、春の真 っ先に来る邑なのですが、今年はまったく春が来なくて春来邑ど ころか春不来邑になってしまっているのです。」 蘭花:土地神の様子見に行った方がいいかもしれないわね。 召凍:「この邑の土地神様を祀った祠はどちらに?」 翠伶/GM:「裏山にございますが。」 召凍:では様子を見に行きましょう。 天舞/GM:「おお、綺麗なお嬢ちゃんが出てきたではないか。 どうだ、暖か いか?」 召凍:「まだ寒いですよ。」 天舞/GM:「よし、ならば炎のサクリアをたくさん送り込んでやろう。 ファ イヤー! ファイヤー! ファイヤー!」 召凍:「春が来るくらい暖めてください。」 天舞/GM:「それはいくらなんでも無理だぞ。」 召凍:「やってみなければ分かりませんよ。」 蘭花:「これも正義のためよ。」 天舞/GM:「おお、そうだな。 ファイヤーッッ!!!」 召凍:「さ、行きましょう。」 紫流:「召凍は中々口がうまいのう。」 GM:翠伶が桃花に気付きました。 「この娘は?」 蘭花:「この娘は桃花と言うの。 この邑で生まれたそうよ。」 翠伶/GM:「桃花? 桃花というのですか?」 翠伶は桃花に駆け寄り、抱きしめます。 「桃花、わたくしはあなたの母さんですよ。」 蘭花:母親? 年齢は? GM:女に歳は聞く物ではありません。 まぁ、桃花は12,3才。 翠伶は27,8。 「帰ってきてくれたんだね。」 蘭花:「あたし達の師匠から、その娘をこの邑に連れてくる様に言われた のよ。」 翠伶/GM:「お師匠様というのは完壁山万能洞の女仙様ですか?」 蘭花:「洞の名前は言わないで〜。」 翠伶/GM:「昔、この娘を女仙様にお預けしたのです。」 紫流:「それはまたどうしてじゃ?」 翠伶/GM:「実は…。」 召凍:「待ってください。 他の邑人がやってくるかもしれません。 ここ で話すのは危険です。」 翠伶/GM:「わたくしがいれば邑人は襲いかかっては来ないと思います。」 蘭花:「分からないわ。 もしかすると何者かが操っているのかもしれな いから。」 翠伶/GM:「ではわたくしの家においでください。 桃花、おうちに帰りまし ょうね。」 召凍:「天舞師兄、疲れていませんか?」 天舞/GM:「はっはっは。 正義の味方は疲れなど感じないのだ!」 召凍:「ではもう少し頑張っていてくださいね。」 天舞/GM:「おう! ファイヤー!」 召凍:「さ、翠伶さん、行きましょう。」 GM:天舞ってなんか可哀想。
GM:翠伶の家の門をくぐった所には、大きな桃の木があります。 召凍:桃の木に鬼はいますか? GM:精霊がいます。 綺麗な男です。 苦しそうにへたりこんでます。 召凍:「皆さん、先に行っててください。」 独君:「ではここは召凍殿にまかせるといたしますかな。」 召凍:「もしもし、そこの精霊さん。」 精霊/GM:「私に…何か…ご用でしょうか?」 召凍:「かなりお疲れの様ですが?」 精霊/GM:「私は…この様に…力を使い果たしまして…気の流れも…滞ってし まって…。」 召凍:「どうして滞ったのですか?」 精霊/GM:「私は…大地から春の力を…吸い上げていたのです。 ですが…こ の15年ほどの間に…たしかに、私に罪があったのかも…しれませ ん。 私が春を呼ばねば…この地に春は来ません…。」 召凍:「私達にお手伝いできることはありますか?」 精霊/GM:「春の力を…取り戻すことができれば…地中深く眠る春の力を私の 代わりに取り出していただければ…春は来るでしょうし…人々も あんなに争わなくなるでしょう。」 召凍:「どうして春の力を吸い上げられなくなったのですか?」 精霊/GM:「私の力が無くなってきたせいです。」 蘭花:どちらが先なのかしら? 精霊の力が弱くなったから春が来なくな ったのか、春がこなくなったから精霊の力が弱くなったのか。 GM:まず精霊の力が弱くなったの。 1度そうなると後は悪循環。 召凍:「力が無くなったことに心当たりは?」 精霊/GM:「それは…。」 召凍:「あなたの力を戻すためにはどうすればいいのですか?」 精霊/GM:「春が来れば…。 私は春の力を大地から吸い上げて生きてきたの です。」 召凍:[伝声鬼]で五遁レッドのお兄さんを呼びましょう。 「天舞師兄、あなたにしていただきたいことがございます。 こち らに来ていただけないでしょうか?」 天舞/GM:「はっはっは。 何だ?」 召凍:かくかくしかじか。 「〜というわけで桃の木の精霊が春の力を吸い上げられなくなって いるのです。 暖めてやればあるいは精霊は力を取り戻すのでは ないかと。」 蘭花:それは危険よ。 天舞/GM:「だが、この木、燃えそうだぞ。」 召凍:「木の周辺を暖めたらどうでしょう?」 天舞/GM:「飛び火するかもしれないぞ。」 蘭花:火行の仙人なら[保温玉]持ってないの? GM:持っていない様です。 召凍:「直接暖めるのではなくて、そこの瓶の水を暖めて湯にして撒いた らどうでしょう?」 天舞/GM:「はっはっは。 湯にするのだな? よし、ファイヤー!」 召凍:「適度に暖まったら撒いてください。」 天舞/GM:「水撒きはあまり好きではないのだがこれも正義のためだ。」 ザバーッ。 召凍:「これでどうですか?」 天舞/GM:「はぁ…少し楽になった様な…。」 召凍:「師兄、多少効果がある様ですよ。」 天舞/GM:「よし、効果があるのだな? ならばもっと撒いてやろう。」 召凍:「では頑張ってくださいね。」 GM:天舞は水を暖めては撒いてます。 「しかし、こんなに撒いては根腐れするのではないか? まぁいい、 考えるのは私の性に合わん!」 召凍:「師兄、撒き過ぎですよ。」 精霊/GM:「はぁ…苦しく…なってきました。」 紫流:わらわを呼んでたもれ。 水ならわらわがなんとかするゆえ。 召凍:家の中へ紫流さんを呼びにいきます。 紫煙:「まったく、天舞師兄は考え無しに水を撒きおって。」 《以水行操水 舞》じゃ。 余分な水は押し出してしまうとしようぞ。 精霊/GM:「はぁ…少し楽に…。」
天舞/GM:「はっはっは。 働いたので腹が減ったぞ。」 蘭花:材料があればあたしが作るわよ? GM:この邑には食べ物はありません。 天舞/GM:「何もないのか。 では霞を食ってくるとしよう。 仙人とは霞を 食うものらしいからな。」 と飛んでいってしまいました。 蘭花:そのまま帰ってこないでくれると静かでいいんだけど。
GM:翠伶は桃花に自分の昔来ていた着物を着せてあげたりしています。 召凍:「話を聞かせていただけますか?」 翠伶/GM:「それは…桃花が眠ってからお話します。」 召凍:「それでは表の桃の木の話はお願いできますか?」 GM:桃の木、と聞くと翠伶ははっとした顔をします。 「それも桃花が眠ってからお話します。」 蘭花:やはり桃花ちゃんとあの桃の木は何か関係あるのね。 GM:さて、今はまだ昼間。 桃花が寝るまで時間がありそうです。 蘭花:母娘水入らずの邪魔をしたくないわね。 独君:しかし2人だけだと危険かもしれません。 蘭花:[白蛇]の崇ちゃんを翠伶さん母娘の側に置いておくわ。 独君:[照妖鑑]で2人に妖が憑いてないか確かめたいですな。 蘭花:それは失礼じゃないかしら? 独君:[照妖鑑]は素人目にはただの鏡じゃから問題無いじゃろう。 翠伶/GM:「あ、ちょうどいいですわ。 この鏡、お貸しください。 桃花の髪 を梳してあげましょう。」 翠伶も桃花も特に何も憑いてはいない様です。 独君:ならば[照妖鑑]はそのまま貸しておくとしましょう。 さてわし は桃の木の周辺で[太極小図]を開くとしよう。 ここら一帯春に なるのじゃ。 対処療法じゃから根本的な解決にはなっておらんが の。 召凍:冷害から作物守るときはゴムタイヤ燃やして暖めるそうですよ。 蘭花:《金丹》を水に溶いて撒いてみるわ。 でもこれで治るのは肉体的 な傷よね。 多分魂が疲弊してるんじゃないかしら? GM:少しは良くなった様です。 蘭花:でも所詮は一時しのぎね。 GM:そうしてると莫迦が帰ってきます。 「霞は腹が膨れん。」 紫流:「それは修行が足りんせいじゃ。」 召凍:「もっと食べたらどうですか?」 天舞/GM:「そうか。 ではもう1回食べてくるとしよう。」
召凍:裏山の土地神の祠へ行ってみます。 紫流:わらわも行くとしようぞ。 GM:土地神の祠に来ました。 奥に土地神が祀った祭壇があります。 こ この土地神は女性です。 どことなく翠伶に似ています。 「ほほ。 お客さんとは珍しい。 さぁさぁ、上がっていきや。」 召凍:「わたしは典召凍と申します。」 土地神/GM:「ほほ。 ま、お茶でも飲んでいきや。 ここのお供えの饅頭が… ああ、でもこれは1年前のやな。 でも仙人はんやっらた大丈夫や ろ?」 召凍:「饅頭はともかく、最近お困りになってることはありませんか?」 土地神/GM:「困ってること? うち、寂しいてなぁ。 あんたら、話相手してく れると嬉しいで。」 召凍:「では邑長の家の庭に生えている桃の木話を。」 土地神/GM:「あの桃の木はこの邑の護りの木や。 うちの先代の土地神はんの 頃から生えててんで。 あの木があるからここに人が住みつきだ したんや。」 召凍:「ならあの木が枯れると大変ですね。」 土地神/GM:「大変や。 招春が春を呼ばへんと、いつまで経っても春が来ぃへ ん。 招春というのは桃の木の精霊やなんけどな、これがごっつ うええ男でな、うちも後10年若かったら…。」 召凍:「その招春さんが、今にも倒れそうなんです。」 土地神/GM:「そうなんや。 美人薄命とはよう言うたもんや。 あれは春の力が 無いと生きていけへんからなぁ。」 召凍:「地中から春を吸い上げるにはどうすればいいのですか?」 土地神/GM:「うちは知らへん。 招春に聞いた方がええで。」 召凍:「ところで、邑長の娘さんのことをお聞きしたいのですが。」 土地神/GM:「翠伶か? ほほ、なかなか美人やろ? あれはうちの子孫の中で一 番うちに似てるんや。」 召凍:「その娘さんの桃花ちゃんは?」 土地神/GM:「可愛い娘っ子やけど、あまりうちに似てへんな。 あれも気の毒 な娘や。」 紫流:「どう気の毒なのじゃ?」 土地神/GM:「父親が人間やないからなぁ。 あれは小さい頃に何処ぞの仙人に 預けられたそうや。」 紫流:「父親とは?」 土地神/GM:「父親か? ここだけの話やで。 誰にも言うたらあかんで。 実は な、あの娘の父親は招春なんや。」 蘭花:予想通りね。 土地神/GM:「翠伶も美しい娘やろ? ほんま、うちによう似たわ。 あれがな、 恋に落ちたんや。 まぁ羨ましい話やな。 ほんま、うちもあと 10年若かったらなぁ。 そやけど、相手が悪かったで、 なんぼ奇 麗な男や言うても桃の木の精やからな。 招春の方も恋に落ちた わけや。 ほほ、まぁ翠伶はあれだけの美人やから当然といえば 当然やな。 で、桃花が産まれたわけや。」 紫流:「ところで、翠伶が髪の毛が白いのは何か理由があるのかえ?」 土地神/GM:「あれは招春と恋に落ちてからやな。 そやけどそれはしかたない。 相手は普通の人間やないからな。」 召凍:「桃花ちゃんは春を呼ぶことはできるのですか?」 土地神/GM:「招春の血を引いておるんやからできるかもしれへん。 あの娘も 大きうなったら別嬪になるで。 うちもなぁ、生前は邑一番の美 人と言われて皆に放っておかれへんかったんやけどな。 今は誰 も来ぃへんので寂しうてならんのや。」 召凍:これは紫流さんに相手してもらいましょう。 紫流:わらわに押し付ける気かえ。 土地神/GM:「そっちのおなごはんも中々別嬪やな。」 紫流:「わらわのことかえ?」 土地神/GM:「おなごはやっぱりいつも奇麗にしておらんとな。」 紫流:「そうそう、毎日の肌の手入れは欠かせぬの。」 土地神/GM:「うちも生前は毎日大変やってんで。 まぁまぁ、お茶でも飲んで いきや。 300年ほど前のやけど、仙人はんやったら大丈夫やろ?」 召凍:「いえ、そろそろおいとまします。」 土地神/GM:「まぁそう言わんと。 300年間熟成したお茶やからきっとうまいで。 100年前のお神酒もあるで。」 召凍:「いえ、そう長くもいられませんので。」 土地神/GM:「そうなんか。 なら今度来るときは饅頭持ってきてや。」
GM:召凍と紫流が帰ってくるのは夕方になります。 紫流:「おや、もうこんな時間かえ。」 蘭花:竜宮城みたいね。 「何か分かった?」 召凍:「ここで話していいものか…。」 天舞/GM:「はっはっは。 私は考えるのは苦手だ。 それは諸君らに任せたぞ。 正義の味方は休むべきときは休むのだ。」 召凍:「天舞師兄、邑人のために食事を調達してきていただけませんか?」 天舞/GM:「おお、そうだな。 [風火輪}で往復すれば1日あれば調達できる だろう。 誰か手伝ってくれ。」 召凍:「では[飛来椅]を持っていってください。 これに食糧を積めば 大量に運べます。」 天舞/GM:「よし、では行ってくるとしよう。」 紫流:天舞師兄が行ったところで皆に土地神の話をしてやろうぞ。 ただ し、要約せずに小母さん口調そのままじゃ。 クスクス。 一同笑。 独君:同じだけ時間かかるわけですな。 紫流:あれだけ苦労して聞いてきたのじゃから、皆にも味わってもらわん とな。 ま、5分くらいその調子で話したらあとは要約して話そうぞ。 「かいつまんで言うとこういうことじゃ。」
GM:夜になりました。 食べ物が何も無いのでお湯だけ出されます。 「おもてなししたいのですが、何も無いもので…。」 独君:「いえいえ、おかまいなく。」 召凍:食事はともかく、水浴びしたいですね。 身を浄めたいのです。 紫流:水浴びか? なら《以水行操水 舞》じゃ。 後ろを向いて余計なも のを見ない様にして術を使うとしよう。 蘭花:間違えて《以水行為流刃 切》使ったりして。 GM:「さぁ、桃花、母さんと一緒に寝ましょうね。」 「うん。 でも静かに寝るのも寂しいよね。」 と楽器を取り出す。 「母様、今晩は思いっきり賑やかにしようよ。」 蘭花:絶対に演奏させちゃ駄目よ。 桃花ちゃんは音痴なんだから。 独君:《我知世理静音》ですじゃ。 GM:桃花は口をパクパクしてますが声はでません。 独君:「桃花ちゃん。今日はもうおやすみなされ。」 GM:桃花は不満そうにしますが、やがて翠伶に抱かれて眠ります。 蘭花:桃花ちゃんには[白蛇]の崇ちゃんをつけておくわ。 独君:「さて、話していただけますかな?」 翠伶/GM:「全てわたくしがいけなかったのです。 ことの起りは15年前、わ たくしあの桃の木の精霊招春様に恋をしたのです。 人と精霊が 恋をするなど許されざること。 わたくしがこの様に白髪になる ことなどかまわないのですが、招春様の方も15年前から少しずつ 衰えなさっているのです。 招春様が春を呼べなくなったのはわ たくしのせいなのです。」 蘭花:「それは違うわ。 恋をしたのは悪くは無いわ。」 独君:「何故桃花ちゃんを女仙様にお預けしたのかを話していただけます かな?」 翠伶/GM:「桃花が産まれて、1日1日大きくなるにつれ、招春様の衰えが1日 1日進んでいくのです。 だからわたくしは桃花を女仙様にお預け したのです。 そんなことをするのは母親として失格なのかもし れませんが。」 召凍:「桃の精の力を桃花ちゃんと分けてしまったということですか?」 翠伶/GM:「そうではないかと長老がおっしゃったのです。」 独君:「なればこそ引き離さずに共にあるべきではないですかな?」 翠伶/GM:「そうだったかもしれません。 しかし、桃花を側に置いておけば、 あの娘は日に日に招春様の力を吸い取ってしまいます。 ですの であの娘遠いところにやることにしたのです。」 蘭花:「引き離しても結局衰えたのよね。」 璃鐘:「仮に桃花が力を吸い取るとしても、距離は関係無いということだ な。」 翠伶/GM:「そうなのかもしれません。 ですが、もしそんなことが長老の耳 に入れば、桃花を殺してしまえと言うかもしれません。」 独君:長老と邑長は別なんじゃな。 長老は15年前から代っておらんのか? GM:村一番の年寄りが長老と呼ばれるのです。 紫流:長老が死ぬと、その息子が翌日から長老になるのじゃ。 蘭花:「女仙様が桃花ちゃんを連れていきなさいとおっしゃたのよ。 必 ず皆が幸せになる道があるはずよ。」 召凍:「桃花ちゃんはあるいは春を呼ぶ力を受け継いでいるのかもしれま せん。 明日にでも春を呼ばせてみてはどうでしょう?」 翠伶/GM:「桃花にですか? そうですね、そうかもしれません。」
GM:翌朝になりました。 独君:邑人は入ってきませんでしたかな? GM:家の中にまでは入ってきません。 独君:「桃花ちゃん、よく眠れたかの?」 桃花/GM:「うん。 昨日は母様と一緒に寝たの。」 召凍:「ところで桃花ちゃん、桃花ちゃんは季節は何が好きですか?」 桃花/GM:「春。 どうしてこの辺りは春にならないの?」 召凍:「なら桃花ちゃん、春よ来いって祈ってごらんなさい。」 桃花/GM:「春よ来い来い春よ来い。」 召凍:「一生懸命お祈りすればきっと春が来ますよ。」 桃花/GM:「やってみる。 春よ来い来い春よ来い。 春よ来い来い春よ来い。」 召凍:招春の様子を視てみます。 招春/GM:「お早うございます。」 召凍:声はかけずに視てるだけです。 招春/GM:「お早うございます。」 召凍:何も変化は無い様ですね。 招春/GM:「お早うございます。」 紫流:声をかけるまで延々挨拶してそうじゃな。 独君:「翠伶殿、桃花ちゃんには本当のことを言った方がいいのではない ですかな? 本当のお父上に対面させてあげるべきかと。」 翠伶/GM:「招春様とですか? この邑で招春様のお姿を視ることができるの はわたくしだけでしたが、桃花なら視ることができるかもしれま せん。」 璃鐘:だがすぐ別れることになるのじゃないか? 召凍:今の状態ではまだ会わせるべきではないかもしれません。 GM:そうやって話していると、入り口が騒がしくなります。 蘭花:崇ちゃんを偵察に出すわ。 GM:虎の背に乗った少年がいます。 虎のおたまちゃんと新米土地神の 虎牙です。 「よう、邪魔するぞ。」 独君:「お主、またこんな所をふらついておるのか?」 蘭花:「また遊びに来たの? 虎牙/GM:「蘭花姉ちゃん、今日は遊びに来たんじゃねぇんだ。 薬種仙人様 が蘭花姉ちゃんに来て欲しいってさ。」 蘭花:「薬種仙人様が? それは行かなきゃね。」 GM:ここから薬種仙人の所までは往復で1日くらいかかります。 蘭花:[飛来椅]ならもっと早く行ける? 独君:今はありませぬぞ。 虎牙/GM:「早く来てくれってさ。」 独君:「蛇を置いておいたらいかがですかな?」 蘭花:「崇ちゃんとの感覚共有は10丈までなのよ。 何かあったら[伝声 鬼]で連絡してね。」
蘭花様はバッタの愁に乗り、薬種仙人様の所に向かわれます。 GM:半日かかって洞に着きました。 洞では薬種仙人様が碁盤を前に考 えこんでます。 蘭花:「薬種仙人様?」 薬種仙人/GM:「むむ…。」 独君:碁に夢中で聞いてない様ですな。 蘭花:なら石を取って次の手を打つわ。 GM:ではいい手が打てたか<精神値>で振ってください。 蘭花:裏返して19。 反動は<精神値>が6日間1ポイント低下。 薬種仙人/GM:「おお、その手があったか。 おや、わしの囲碁の師匠ではないか。 そうそう、そなたが困ってると聞いての、ま、知らぬ仲でもない し、手を貸してやろうと思うての。」 と奥から液体の入ったお椀を持ってきます。 蘭花:「これは?」 薬種仙人/GM:「精霊に飲ませてやるといい。 それからじゃの、いいか、覚えて おけよ。 精霊に、『道を開け』と言うのじゃ。 その後はなんと かなるじゃろ。 ま、頑張ってくれや。」 蘭花:「ありがとうございます。」 薬種仙人/GM:「礼なら今度また囲碁を打ちに来てくれや。」 蘭花:「では7日後にまたお伺いします。」 薬種仙人/GM:「おうおう、楽しみにしておるぞよ。 よし、ここに7つ印を付けて おくとしよう。」 蘭花:7日後なら<精神値>が回復してるわ。 充分勝ち目はあるはずよ。 GM:さて、お椀をこぼさずに運べるでしょうか? <器用>で振ってく ださい。 蘭花:1ゾロ! 裏返すしかないわね。 22よ。 反動は特に無し。 GM:反動無いの? つまんない。
GM:翌日、蘭花が帰ってきます。 独君:その前に五遁レッドが帰ってくるのではないですかな? GM:天舞はまだ帰ってきません。 独君:食糧調達に手間取ってるのですかな? 蘭花:調達じゃなくて徴発してたりしなけりゃいいけど。 GM:でもいきなり邑に行って食糧調達するのは難しいでしょう。 召凍:採取すればいいのですよ。 GM:天舞はそんなこと気付いていません。 人に頼んで食糧集めて貰って います。
蘭花:「薬種仙人様に薬を貰ったわ。 これを精霊に飲ませればいいんで すって。」 翠伶/GM:「わたくし達はどうすればいいのでしょう? 桃花と招春様をお会 わせするのでしょうか?」 独君:「いえ、それは蘭花殿が帰ってくるまで待ってください。」 召凍:では《祈願 付霊鬼肉》です。 GM:招凍が実体化します。 蘭花:「これを飲んでください。」 招春/GM:「はぁ…。 こくこく。 …少し力が湧いてきました。」 蘭花:「では道を開いてください。」 招春/GM:「分りました。 開きましょう。」 桃の木の根本がうろの様に開きます。 蘭花:「その道には何があるの?」 招春/GM:「道の一番奥に春の湧き出ずるところがあります。 あるいは扉の 様か、あるいは泉の様か、貴方達にはどう見えるかわかりません が、門を開いていただければいいのです。」 蘭花:「扉はあたし達で開けられるの?」 招春/GM:「さあ。 今まで私以外の者が開けたことはありません。」 紫流:「あるいは桃花でないと門を開けられないかもしれんぞえ。」 蘭花:「その可能性もあるわね。」 召凍:「天舞師兄が帰ってくるのを待ちません?」 蘭花:「引っ掻き回されるだけよ。」 召凍:「いえ、[飛来椅]さえ返してもらえればいいんですが。」 一同爆笑。 召凍:「桃花ちゃんに[飛来椅]に乗って待機してもらっていれば必要な ときに呼べます。」 蘭花:「じゃ、[飛来椅]呼べば? 天舞先輩に[伝声鬼]で事情伝えて。」 GM:では[飛来椅]が帰ってきました。 急拵えのおにぎりがいくつか 乗せられています。 召凍:おにぎりは翠伶さんに渡しましょう。 「とりあえずこれだけ確保しましたので、邑人に分けてください。」 GM:おにぎりといっても、お皿1皿だけですけど? 蘭花:「これだけなら出さない方がいいわ。 返って暴動を巻き起こしそ う。」 召凍:「お粥にすればいいのですよ。」 翠伶/GM:「分りました。 ではわたくしはお粥を作るとしましょう。」 蘭花:「あたし達は今から春の扉を開けに行くの。 もしかしたら、桃花 にしか開けられないかもしれないわ。」 翠伶/GM:「桃花を連れていくのですか?」 召凍:「いえ、桃花ちゃんはこちらの椅子に座っていてください。」 GM:「いらっしゃい、桃花。」 「はい、母様。」 召凍:「さぁ、私達は道に潜りましょう。」 蘭花:ここに[奇余]の鳳ちゃんを残していくわ。 「鳳、桃花ちゃんを守ってなさい。」 GM:そういえば招春は実体化していましたね。 「あの綺麗なお兄さんはだぁれ?」 召凍:「お母さんにお聞きなさい。」 翠伶/GM:「話してもよろしいんでしょうか?」 独君:「話しておやりなさい。」 翠伶/GM:「桃花、あの方はお前のお父さんですよ。」 そして皆さんは親子感動の対面を後ろに潜っていきます。
GM:道の入り口は人間が屈んで入れるくらいです。 独君:では[仙魚]の尻尾に捕まって入るとしましょうかの。 璃鐘:つっかえるのではないか? 紫流:かえってつらいと思うぞえ。 なんならわらわの[奔走雲]に乗る かえ? 蘭花:マンボウより雲の方が狭い所に入れそうね。 GM:入り口は屈まないと入れませんが、入って2,3m進むと立って歩け る様になります。 で、ひよひよと飛んで行くと、道が2つに分かれ ています。<知覚>で振ってください。 召凍:21です。 GM:右が正しいと思いました。 召凍:では右に行きます。 GM:右に進むとまた左右に分かれています。 では<知覚>で振ってく ださい。 独君:22じゃ。 GM:左が正しいと思いました。 紫流:[羅盤]で何か分からぬかえ? 独君:[羅盤]を取り出して診てみましょう。 陽気の溜まっている所は ありますかな? <知識>で19ですじゃ。 GM:何も分かりません。 独君:しかたありませんな。 とりあえず思った方向にすすみましょうかの。 仙人様達はその後、何度か分かれ道に差し掛かります。 紫流:むう、次はどちらに行けばいいのじゃ? 蘭花:次は左よ、左。 今まで右,左,右,左と交互に来たでしょ? GM:左へ行くと分かれ道。 <知覚>で22以上出さないとどちらか分か りません。 蘭花:そんなの、6ゾロ出さないと無理よ。 さっきは左だったから今度は 右。 GM:右に進むと、少し開けた場所に出ます。 何かいる様です。 紫流:何がおるのじゃ? GM:もぞもぞと動く大きな百足です。 蘭花:それ、相当強敵よ。 GM:見たのなら<恐怖判定>です。 目標値19。 蘭花:まずいわ。 今は<精神値>下がってるのよ。 でも19で成功よ。 紫流:わらわは-2で失敗じゃ。 一瞬の放心、直後の判定-2修正。 召凍:-4失敗です。 放心状態、強制され、自動失敗するまで行動不可です。 独君:わしは-6失敗じゃ。 1日の恐怖症、さらに老化1年じゃ。 GM:では虫恐怖症になりました。 今回は戦闘できなくなります。 独君:「おお、怖い怖い。」 GM:百足は襲いかかってきます。 蘭花:まずいわね。 風水が戦えないとイニシアチブが取れないわ。 これ は勝てないかもしれないわ。 紫流:しかしこの先に扉があるかもしれぬのじゃから退くわけにはいかん の。 蘭花:<精神値>永遠に1下げる覚悟があるのなら《正心丹》使うんだけど。
仙人様達は、桃の木に巣くう大百足と戦いなさいます。 風水の使い手であり ます独君様が戦えませぬが、まずは仙人様達が機先を制されました。 蘭花:まずはバッタの愁ちゃんに巨大化を命令、そしてあたしは召凍を正 気に戻すわ。 「召凍、しっかりしなさい!」 ペシッ。 召凍:では正気に戻って攻撃しますが自動失敗です。 紫流:「よくもわらわに恐れをいだかせてくれたな。 後悔するか良い!」 《以水行為流刃 切》じゃ。 -2修正がついて13じゃ。 GM:かかっていません。 紫流:「ふん、今のは単なる小手調べじゃ。」 璃鐘:[眉目飛刀]で13だ。 GM:当たりました。 瑠鐘:11点のダメージ。 そして連続攻撃は11。 GM:それは<受け>ました。 璃鐘:今度は自分で殴る。 14だ。 GM:それも<受け>ました。 蘭花:百足だから複数回<受け>ができるのね。 GM:では百足の攻撃。 まずはバッタの愁に。 蘭花:裏返して<受け>るわ。 反動は特に無し。 GM:では2回目の攻撃。 目標は紫流に。 紫流:わらわは後ろにいるのに当たるのかえ。 蘭花:当たったら死ぬわね。 愁ちゃんに割り込ませるわ。 <受け>失敗。 GM:では14点のダメージ。 蘭花:愁ちゃんでなければ死んでたわね。 GM:それではそちらのターン。 蘭花:まず[黒蝦蟇]の舞ちゃんに命令してしょうちゃんの治療をさせる わ。 そして…しかたないわ。 《正心丹》よ。 独君:「パクリ。 よし、もう平気じゃ。」 《我知空理崩守》の符じゃ。 裏返して17じゃ。 反動は特にありま せぬ。 蘭花:仙術で裏成功とは勇気あるわね。 独君:早めに決着をつけないと危険そうですからな。 紫流:「百足め、今度こそわらわの術を受けるがよい。」 《命水行湧熱泉 噴》じゃ。 これをかわせるかえ? 16じゃ。 GM:かかりました。 紫流:12点のダメージじゃ。 GM:まだ生きてます。 蘭花:それでも天命は削れたはずよ。 璃鐘:[眉目飛刀]で15、それから自分で16。 GM:[眉目飛刀]は<受け>成功、璃鐘の攻撃はくらいました。 璃鐘:ダメージは11点。 GM:もうふらふらです。 召凍:そこに[護法一撃符]です。 当たってダメージは11点。 GM:それで百足はばっさりと切られました。
紫流:ここに扉はあるのかえ? GM:どうもここには無い様です。 紫流:「やれやれ、無駄足じゃったか。」 独君:「戻って他の道を探しますかな。」
仙人様達は他の道を行ってみることになさいます。 GM:この道は段々細くなってきます。 <体格>が5以上ある人は通れま せん。 紫流:問題無いのう。 わらわの<体格>は1じゃ。 蘭花:まず[白蛇]の崇ちゃんを送りこんでみるわ。 GM:にょろにょろ進んでいくと、どうも何かありそう。 開き扉という か、蓋というか、そういう感じの物があります。 蘭花:そこの入れる大きさは? GM:<体格>2以下の人なら入れます。 独君:では老い先短いわしが行ってみるとしますかの。 蘭花:「行くの? ならこの《機敏丹》を持っていきなさい。」 璃鐘:《依導引 招幸運》をかけてやろう。 独君:それでは入りますじゃ。 もぞもぞ。 仙人様達の中で一番身体小さい独君様は1人、細い道を通られて扉の前にたど り着かれます。 GM:<仙骨>で振ってください。 独君:裏返して21じゃ。 反動は無し。 GM:では扉を開けることができました。 開いた扉からは気持ちのいい 暖かい気が流れ込んできます。 この気を受けるとさっきの年齢ダ メージは回復しました。 独君:「ああ、若返る。」 91才の爺いじゃったのが90才の青年に戻りましたぞ。 一同笑。 GM:もっと若くなりたいと願います? 独君:いや、わしはこんなもんでええじゃろ。 GM:今回何かダメ−ジ受けてました? 独君:《正心丹》で<精神値>が下がっとりますぞ。 GM:ではそれも戻りました。 独君:「なんだか頭がすっきりしてきましたな。」
扉が開かれたことにより、辺りには春の気が満ちて参りました。 仙人様達が 戻ってこられたときには、桃の木は満開の花を咲かせておりました。 GM:招春もすごく生き生きしています。 そこへ虎牙がやってきます。 「邪魔するぜ。 蘭花姉ちゃん、薬種仙人様が碁の相手して欲しい そうだぜ。」 蘭花:「分かったわよ。 行けばいいんでしょ。」 虎牙/GM:「それからこれを精霊に飲ませろってさ。」 と薬湯を差し出します。 薬種仙人様が作られたというその薬湯を招春が飲むと不思議なことに、招春は 人間になったのでございます。 それにつれて、翠伶の髪も黒く若返っていった のでございました。
こうして仙人様のご活躍により、春来邑に春は戻ってきたのでございました。 めでたしめでたし…そうそう、あの方のことがまた戻っておりました。 天舞/GM:「はっはっは。 遅くなってすまん。 私が秘密仙隊五遁ジャー、五 遁レッドの天舞道士だ!」 蘭花:…帰ってきたわね。 天舞/GM:「はっはっは。 桃源郷の邑人から饅頭をたくさん貰ってきたぞ。」 蘭花:「なら今夜は宴会ね。」 天舞/GM:「はっはっは。 宴会か? よし、皆に饅頭を配ってまわろう。」 召凍:「天舞師兄、裏山の祠にも持って行ってください。」 天舞/GM:「祠に供えるのだな? よし、行ってこよう。 ファイヤー!」 天舞道士様は祠に饅頭を持っていかれました。 その後しばらく、誰も天舞道 士様のお姿を見かけることはなかったそうでございます。 紫流:当分帰してもらえんじゃろうな。 クスクス。
若仙呼春 親子再会 (若仙春を呼び 親子は再会す) 1998/4/18 RPG-ML関西オフラインミーティングにて収録


Rerurn to ...
RPGについてあれこれ
Magician's Room Top Page

このページのご意見,ご感想はこちらにどうぞ。
takasi-i@ex.ee.kindai.ac.jp