妖魔夜行リプレイ

『正義』


キャラクター
  風雅 岬 (ふうが みさき)
   外見は22,3の魅力的な女性
   京都の某大学の国史科の助手
   正体は鶴の妖怪 
  七海 琉 (ななみ りゅう)
   外見は15歳の美少年
   宝石商の女社長 七海 水鈴(ななみ みすず) の家に居候
   いつも填めているダイヤモンドの指輪が本体 


時は大正時代、第1次世界大戦の真っただ中。 大戦は日本にも様々な影響を及ぼ した。 GM:それでは、岬の方から始めよう。 今は平日のお昼前。 岬:なら講義中ね。 「〜というわけで、江戸時代後期の文化は…。 はい、そこ何やっている の? 噂話なら休み時間にしなさい。」 学生/GM:「すみませぇん。」 岬:「ええと、3215番の林さんね。 あなた、ちょっと成績のことで話したい ことがあるから、あとで研究室にいらしゃい。 では続きを始めます。 江戸時代後期の文化は…」 そうしてるうちに、講義時間は終りに近付いて来る。 岬:「そろそろ時間ね。」 この時代の時計って柱時計? GM:腕時計はまだ高級品だから…。 懐中時計じゃないかな? 岬:では懐中時計を見ながら 「少し早いけど、食堂も混みますし、ここまでにしましょう。 林さん、 ちゃんといらっしゃいよ。」 GM:覚えていたか。 岬:当然よ。 ちゃんとエンマ帳につけてるから。 GM:では昼食後、林は研究室にやって来る。 岬:「さて、何のお話してたのかしら?」 林/GM:「いえ、別に大したことじゃないんですけど…。」 岬:「あらそう? 何か楽しそうにお話してたけど?」 琉:嫌な講師…。 林/GM:「この頃、労咳で死んでる人がたくさんいますよね。」 岬:「労咳? たしかに最近増えてるわね。」 林/GM:「私の友達もそれで入院してるのでお見まいに行こうかと話していたん です。」 大戦により日本では工業製品の輸出が増えた。 それを支える労働力は、女性や年 少者による長時間低賃金労働であった。 苛酷な労働条件により、労働者達は次々と 死んでいった。 岬:「そう、あまり無理をしないように…と言うのは無理な相談ね」 林/GM:「ええ、お金のある所はいいんですけどね。」 岬:「あたしもね、かろうじて助手に就けたからいいようなものの…。」 林/GM:「そうですね。 先生の場合、前任者が徴兵で引っ張られて行ったから成 れたんですものね。」 岬:「失礼なこと言ってんじゃないわよ。 事情は判ったし、気の毒に思うけ ど、そういうお話は休み時間にやってね。」 GM:だが学生なんて授業時間中は喋るものなのだ。 岬:それは判ってる。 あたしもそうだったし。 GM:私は授業中にRPGやってた。 岬:それは強者ね。 GM:おや、やってなかった? 琉:いくらなんでも授業中はまずいでしょう? 岬:「とにかくあなた、最近集中力落ちてるみたいだから気を引き締めた方 がいいわよ。」 GM:「はい、以後気をつけます。」 と言って林は退室する。 岬:「学生も大変ね。」 と言いながら新聞を見る。 GM:新聞でも問題になっているね。 『ある工場では4,5歳の子供を働かせている。 こんなことでいいのか?』 岬:「全く、これから日本はどうなるのかしら?」
庶民が苛酷な労働に喘ぐ一方、上流階級では大戦景気により華やかな生活が送られ ていた。 水鈴/GM:「琉、今夜*も*パーティに呼ばれているから、準備しておきなさい。」 琉:「はい、御主人様。」 いわゆる成金が生まれたのもこの時代。 七海水鈴が経営する宝石店にも次々と成 金達が訪れ、大繁盛であった。 GM:琉、君が店番してくると、いかにも成金といった感じの代議士がやって来 る。 琉:「いらっしゃいませ。」 代議士/GM:小指を立てて 「君、コレに送りたいのだが、いいのがあるかね?」 琉:「そうですね。 贈物になさるなら、こちらがよろしいかと。 少々お高 くなりますが。」 代議士/GM:「ふむ、それにしよう。名前を入れてくれるかね?」 琉:「別料金になりますが、よろしいでしょうか?」 代議士/GM:「ああ、金などいくらかかってもかまわんよ。」 琉:「はい、では3日後にお届けにあがります。」 GM:ちなみにこのころから代議士の裏献金なんてのが始まるんだね。 琉:なるほど。 なら今のうちに殺ってしまえばこの国も良くなるかもしれま せん。 岬:誠実なだけじゃ政治は動かないのよ。 このときは冗談のつもりだったのだが…。 代議士/GM:「では宜しくたのむよ。 …あ、…いや、いい。」 と、何か言いかけた後帰っていく。 琉:何かあるのかな? でももう行ってしまいましたね。 GM:奥の方で、水鈴が新聞を見ながら 「最近物騒ねえ。」 と言っている。 琉:「御主人様、何かあったのですか?」 水鈴/GM:「最近上流社会に入ってきた方達がいるでしょ? 」 岬:成金ね。 水鈴/GM:「その何人かが次々と殺されてるんですって。 それも首をばっさり。」 成金が4人ほど首切り落とされて殺されている。 犯人はまだ捕まってい ない。 「昨日も1人被害者が出たそうよ。」 琉:「酷いですね。 御主人様も気をつけてくださいね。」 水鈴/GM:「アタシはそんな人に怨まれる様なことしていないわよ。」 岬:それは甘いわね。 水鈴/GM:「ところで、このお店ももう少し大きくした方がいいと思わない?」 琉:「そうですね。 お客さんも増えましたしね。 金払いもいい人ばかりで すしね。 大戦景気のおかげですね。」 水鈴/GM:「だから駅前に新しくお店を出そうと思うの。 そろそろ店は閉めてパー ティーの準備ね。 馬車を呼んでちょうだい。」 琉:この時代は馬車ですか。 「はい、承知いたしました。」 2人は馬車に乗りパーティーに向かう。 水鈴/GM:「資産家の方達が集まるわ。 しっかり宣伝してお客を増やしましょ。」 琉:「はい、御主人様。」 水鈴/GM:「ちゃんとエスコートしなさいよ。」 実に貧富の差の激しい時代であった。
GM:では夜になったけど、どうする? 岬:雪凍さんの喫茶店フローズンスノーで手伝いしてるわ。 雪凍/GM:「最近、物価が上がったわえ。」 岬:「そうね。 喫茶店も1人では大変でしょう? ときどきあたしも手伝って るけど。」 雪凍/GM:「河童の三太朗君も時々来てくれてるから。」 岬:「そういえばあの子にはあたしのノート貸しっぱなしね。 今度会ったら 早く現代史学のノート返せと伝えてくださいな。」 琉:まだ学生やっていたんですね。 もう10年以上になりますよ。 岬:もともと幽霊学生だから関係ないの。 雪凍/GM:「今の時期は、本当の学生の代わりに試験受けてるそうよ。」 岬:「あたしのノートのコピーも売り裁いてたし。 そうやって稼いでいるの ね。」 雪凍/GM:「河童も最近は大変みたいよ。 きゅうり1本30銭ですものね。」 岬:30銭? コーヒー1杯で65銭だから…。 GM:今助手の給料が12円くらい。 岬:そんなものね。 雪凍/GM:「畑の番人なんてのもやってるみたいね。 一晩30銭で、きゅうり1本貰っ て帰るそうよ。」 琉:以前は畑泥棒してたのに。 岬:「自分がやってたことなら手口なんかもよく分かってるわよね。 あの子 もしっかり生活してるわね。」 雪凍/GM:「ところで最近妙な事件が起こっていることご存知?」 岬:「妙な事件?」 雪凍/GM:「そう、最近成金連中が首ばっさりされてるの。 新聞にも載ってるわ。」 岬:新聞を見て 「酷いわね。 でも狙われてるのが成金連中ってのは分からなくもないわ ね。 あいつら気に入らない奴も多いし。 だからといって首落していい わけはないけれど。」 雪凍/GM:「変な話でしょ?」 岬:「そうね。 成金といえばそんな妖怪いたわね。」 雪凍/GM:「ええ、たしか宝石の。 あそこもかなり儲けているみたいね」 岬:「怨んでいる人も多いんじゃない?」 琉:単に有る所から取っているだけですよ。 岬:それは関係ないわ。 お金がある→羨ましい→恨めしい。 そんなものよ。 人間て。 「この時間なら社交界にでも出てるのかしらね。 ま、何か有ったらまた 来ます。」 琉:そのころ、馬車では 「御主人様、その髪飾り似合いますね。」 「そう? 50円程したけれど気にいったから買っちゃったの。」 岬:何て生活してるのよ。(怒) GM:それにしてもキャラクター間の落差がすごいな。 岬:現代ならそれほどでもないのにね。
GM:では翌日。 岬:七海さんの宝石店に行くわ。 琉:「いらっしゃい。 おや、岬さん。」 岬:「ちょっと相談が有って来たのだけど、お忙しそうね。」 琉:「いえ、別にかまいませんよ。」 岬:「そう、なら、雪凍さんの喫茶店にでも行きましょう。」 琉:「御主人様、ちょっと出かけてきます。」 水鈴/GM:「そう、琉、後でこれ見ておいてくれる? 今度駅前に新しく作るお店の 見取図。」 琉:「もう作られたのですか? …ここはもう少し広い方がよくありません?」 水鈴/GM:「そう? でも予算があるからね。 300円くらいまでなの。」 岬:300円ねえ。(嘆息) 琉:「一角に誕生石コーナーとか作るのですよね。」 水鈴/GM:「内装は後で考えるわ。 従業員も増やさないとね。 知り合いで雇って 欲しいって人いない?」 琉:「何人かに声かけてみます。」 岬:店を出てから 「あたしは遠慮するわよ。 いくら羽振りがいいからってあたしは嫌。 怨まれるのは御免よ。」 GM:喫茶店フローズンスノー。 琉:「今日は。」 雪凍/GM:「いらっしゃい。」 琉:「それで、相談って何でしょう?」 岬:「新聞御覧になった? 成金たちが次々と殺されているでしょう? 少し 気になるので調べてみようと思うの。 あなたの所のお嬢さんなんて危 ないんじゃない?」 琉:「御主人様は人に怨まれる様なことは為さいません。 …多分。」 岬:「気にしないで。 単なる厭味だから。 でも下手に他人^H^H一般大衆を 刺激しない方がいいと思うわ。 お店広げるとか」 GM:既に駅前にどーんとどでかい看板が。 駅前ビルの1階ワンフロア全部の 店の予定。 岬:「それは経営方針だから何も言えないけれど。」 琉:「御主人様は一度こうと決めたことは変えない方ですから。」 岬:「だから心配なのよ。」 琉:「それはともかく、どこから調べます?」 岬:「今の所調べようがないのよね。」 被害者の特徴って分かる? GM:成金ってだけ。 琉:職業は? GM:2日前殺されたのは紡績工場の経営者。 残りの被害者も何らかの工場主。 岬:「紡績工場主なんて星の数ほどいるわよね。 そんなこと分かってもしか たないわね。」 琉:「何故首を落したのでしょう? 単に殺すだけならそこまでする必要あり ませんね。」 岬:「現場に行ってみましょう。」
GM:現場はまだ警官がいてロープが張られている。 岬:やじ馬の振りしてして見てる。 警官/GM:「女子供の見る物じゃない。 行った行った。」 琉:そりゃ、首ばっさりですものね。 GM:もう死体はかたずけられてるけどね。 道端には血溜りが残っている。 琉:道端なんですか。 GM:山の中の道だ。 奥に行くと被害者の別荘があるらしい。 散歩中に殺ら れたのでは、とのこと。 岬:辺りを見て気付くことない? GM:周りの木の枝が2,3本切られているね。 人間の首の高さくらい。 岬:「周りの枝も切られている? ってことはピアノ線とかで切ったんじゃな いわね。 それだと首だけが切れるはずよ。」 GM:枝の切口を見ると、最後の方は千切れたみたいだ。 岬:「真空切りとかでもないわね。 そうなら一気にすぱっといくはずよ。」 琉:グレートソードでばっさり? 岬:「剣か斧の振り回す人間…か妖怪?」 琉:「首切り役人の亡霊?」 岬:「でもこの辺りに刑場が在ったって話しは聞かないわ。」 琉:「人間の首を一撃ってのはかなりの腕ですよね。」 GM:一撃じゃないかもしれないよ。 死体を見てないから分からないけれど。 死体は京都府警。 琉:辺りに何か落ちてません? GM:落ちていない。 落ちていたとしても、警察が拾っていっただろうね。 岬:それは警察で聞くしかないわね。 でもコネが無いと無理よね。 「あなたのお嬢様、警察にコネはないの?」 琉:「御主人様ならあるかもしれません。 でも忙しい方ですから。」 岬:「紳士録でも調べてみれば被害者のことが分かるかもしれないわね。」 琉:「そうですね。 後で調べてみます。」 岬:「山の中なら目撃者^H鳥がいるかもしれないわ。 でも夜だったから無理 ね。」 琉:「梟やミミズクがいたかもしれませんよ。」 岬:なら《鳥感知》。 GM:辺りにはブッポーソーが2,3羽…。 岬:ブップーソーってあまり頭良くないわよね。 話聞いたらかえって混乱し そう。 GM:雀がたくさん。 琉:そういえばこの間の《鳥寄せ》はすごかったですね。 GM:《鳥寄せ》雀:半径10kmってやつだな。 岬:嫌なこと思い出させないでよ。 どんな事態になったかは推して知るべし。 GM:普通は種族限定、範囲限定して使うね。 琉:《獣寄せ》とかに[全力のみ]の限定付けてたら大変でしょうね。 GM:それからミミズクがいる。 岬:物影に入ってから、範囲をぎりぎり絞って《鳥寄せ》ミミズグ。 GM:パタパタ。 パタッ。 岬:「ちょっと、頭に止まらないでよ。 髪がぐしゃぐしゃになるじゃない。 それはともかく、2日程前、あそこで人間が殺されたこと知らない? 琉:所詮は鳥頭です。 覚えているでしょうか? ミミズク/GM: 「何のことだろ? あれかな?」 岬:「あれって?」 ミミズク/GM: 「木がばさばさって音してた。」 岬:「何か見た子はいない?」 ミミズク/GM: 「私達は見てない。 でもイタチさんが黒い物見たって言ってた。」 岬:「イタチさん? でもあたしイタチさんとはお話できないのよね。代わり に聞いていただけない?」 GM:「分かった。」 1羽のミミズクが飛んでいく。 しばらくするとイタチがやって来る。 「おいらに何か用?」 ミミズクが通訳してくれる。 岬:「2日前に起こったことを教えて欲しいの。」 イタチ/GM:「教えたら何かくれる? この頃食べ物が減ってきてるんだ。 人間が蛇 とか採ってっちゃうから。」 岬:「食べ物? …生物学の研究室へ行ったら蛙でも分けて貰えるかしら?」 イタチ/GM:「蛙くれるんだな?」 岬:「ええ、いいわ。 だから何か見たことがあったら教えて。」 イタチ/GM:「人間が倒れたとき、何か黒い物が飛んでくのを見たぞ。」 岬:「飛んでいったの? 大きさは?」 GM:「こんくらい。」 と言ってイタチが両前足広げる。 岬:イタチが両手広げたくらいというと、50cmくらいかしら? GM:イタチはそれ以上広げられない。 岬:ならもっと大きいかもしれないわね。 「どんな形だったの?」 GM:イタチが地面に書き書き。 長方形みたいだね。 琉:器用なイタチ…。 GM:尻尾が2本に割れかかっている。 琉:天命数2ですか。 岬:「羽根とか足とかは無かったの?」 イタチ/GM:「暗かったのでよく判んない。」 岬:長方形ね。 …長方形といえば思い当たるふしがあるわね。 岬:「ありがとう。 後で蛙持ってくるわ。」 GM:「約束だぞ。 忘れたらとり殺してやるからな。」 と言って去っていく。 岬:懐中時計取り出して 「じゃ、そろそろあたし大学に帰るわ。」 琉:腕時計を見て 「そうですね。 こちらも御主人様が心配されるといけませんから。」 大学に戻った岬は、生物学の学生から、蛙を売っている業者を紹介してもらう。 岬:大学で飼育しているんじゃないのね…。 「すみません、蛙数匹売って貰えませんか?」 業者/GM:「うちは100匹単位でしか売ってないんだが。」 岬:「そこを何とか。」 業者/GM:「お姐ちゃん可愛いからサービスだ。 1匹10銭でいいかい?」 岬:「それでいいですわ。 じゃ5匹程下さい。」 ぼったくられてる様な気もするけれど。 GM:缶に蛙入れて渡してくれる。 琉:素直に採りに行った方が良かったのでは? GM:こういうときこそ河童の三太朗君に頼めば良かったのに。 岬:いいわよ、もう。 50銭で情報が手に入ったのだから良しとするわ。(泣) GM:だがきゅうりなら30銭。 岬:言わないでよ、もう。 山に行く。 GM:イタチが現われる。 岬:缶を渡すわ。 GM:尻尾で缶を掴んで器用に開けてる。 岬:この子、近いうちにあたし達の仲間に向かえることになるわね。
GM:喫茶店フローズンスノー。 岬:「お邪魔します。」 雪凍/GM:「あら、ちょうど良かった。洗い物が溜っているの。」 岬:皿洗いながら 「蛙って高いのね。」 雪凍/GM:「蛙? そうね。1匹3,4銭するわね。」 岬:やっぱりぼったくってたのね…。 雪凍/GM:「それに10匹単位くらいじゃないと売ってないでしょう?」 岬:人の足下見てくれたわね。(怒) 雪凍/GM:「それにしても最近お客の回転率が悪いわね。」 岬:「1杯で5,6時間粘る人とかいるのよね。」 雪凍/GM:「向こうのテーブルの人達なんて朝からずっといるわ。」 テーブルの上についたて立てて、ダイス振っている。(笑) 岬:「何やっているのかしら? 何か楽しそうね。」 洗い終ってから 「ところでね、あの事件、例の西洋カルタが関わっているみたいよ。」 雪凍/GM:「西洋カルタ…。 タロットってやつね。」 店の裏の無限に続く資料室から資料を持ってくる。 「また現われたのね。 数年ぶりね。」 以前、岬達は魔力を持つカードにより妖怪化した絵画と対決したのであった。 雪凍/GM:「物体を妖怪化させるカード。 カード本体が弱点だったわね。」 琉:3枚めですね。 岬:大アルカナは全部で22枚。 まさか小アルカナも入れて78枚ってことはな いわよね。 GM:剣を1〜10本持った妖怪が雑魚としてわらわらと。 岬:考えたくないわね。 「相手の正体が判ったって、何処にいるか判らなければしかたないのよ ね。」 一方琉は…。 琉:「御主人様、紳士録置いてませんでした?」 水鈴/GM:「紳士録? その棚全部そうよ。」 琉:多い…。 被害者の名前で索いてみます。 GM:同姓同名がいっぱい。 琉:職業/紡績工場経営者、住所/京都、年齢… GM:<知力>ロール。 琉:-3成功です。 GM:では17時間かかって被害者を見つけた。 岬:それは徹夜ね。 琉:や、やっと見つけました。 この人ですぅ。 GM:経歴とかが数行書いているだけ。 琉:役に立たない…。(泣) GM:本の順序はバラバラ。 琉:元に戻さなきゃ。 わ、崩れて来た。(悲鳴) 岬:その頃あたしはぐっすり。 琉:眠い…。
GM:翌朝。 岬さん、電話置いてます? 岬:そんな物無いわ。 GM:では電話のある家の人が呼んでる。 「大学からお電話ですよ。」 岬:「どうもすみません。 お電話代わりました。」 職員/GM:「うち学生の親が殺されたらしいよ。 今夜通夜をするから、職員は出席 して欲しい。」 岬:「誰が殺されたの?」 職員/GM:「2年生の久見って学生の父親だそうだ。」 岬:あたしその娘のこと覚えてるかしら? <知力>で-7。 GM:高そうな腕時計してたね。 岬:とにかく、喪服かかえて大学に行くわ。 学生の身辺調査書を見る。 GM:親は紡績工場主。 岬:「また紡績工ね。 いったい、目的は何かしら?」 琉:新聞を見ます。 GM:朝刊に新たな被害者が出たと載っているね。 『警察は今回も同一犯人の犯行と見ている。 被害者は、真直な刃物で切 られたと思われる。』 琉:「また被害者が。 調べなきゃ…。」 寝てないので既に思考停止しています。 「紳士録紳士録…。」 紳士録取ろうとして本棚からばさばさと落してしまって下敷になってま す。 水鈴/GM:「何やっているの? お得意さんが殺されたみたいよ。 今夜通夜があるか ら準備なさい。」 琉:「はい、御主人様。 でも少し眠らせてください。」 水鈴/GM:「何言っているの。 もう開店時間よ。」 琉:「はい…。(泣)」 GM:では夕方。 琉:「通夜にこんなダイヤモンドの指輪したままだったら目立ちますよね。 私の本体だからどうしようもありませんが。」 水鈴/GM:「琉、この包み持って行きなさい。 亡くなられた方が生前注文されてた 宝石よ。」 琉:では服を着替えて、喪章付けて行きます。 馬の中で 「どんな人だったのですか?」 水鈴/GM:「仕事熱心な方だったらしいわ。 事業拡大のためにかなり無理されてた そうよ。」 琉:「従業員も大変だったでしょうね。」 水鈴/GM:「給料は歩合制にしてたらいいわ。 それで無理して倒れる人もいたらし いわ。 死んだ人もいたんじゃないかしら?」 琉:それは怨んでいたひとも多そうですね。 GM:岬が職員達と通夜に向かっていると、馬車が追い越して行く。 岬:「あら、あの子も通夜に行くのね。」 GM:辺りには警察関係者らしい人もちらほら。 奥には偉そうな坊さんがいて 奥さんらしき人が応対している。 着てる服は豪勢だけど貧相な男の写真 がある。 岬:「本日は真に御愁傷様でございます。」 娘に向かって 「気を落しちゃだめよ。」 娘/GM:「ええ。 かなりの物を残してくれてますし、工場の方は叔父さんは引き 継いでくださるので生活がすぐに苦しくなる、ということはないのです が。」 岬:「仕事熱心な方だったそうね。」 娘/GM:「わたし、あまり父と話したこと無いんです。 家にいない人でしたから。 いつも工場でしたわ。 最後に父と話したのは1週間前です。」 岬:「工場、忙しいんでしょう?」 娘/GM:「昔は1日8時間だったけど、今は2交替24時間体制にしましたから。」 琉:従業員死にますよ。 岬:「そう、何か気になることがあったらいつでも相談に乗るわ。」 娘/GM:「そういえば、ここ数日、寝てるときにうなされていたと母が言ってま したわ。」 岬:「うなされてた?」 娘/GM:「寝言で 『わしは何もしていない。』 『わしよりも悪いことしてる奴はいっぱいいる。』 とか。 『わしは裁かれるいわれはない。』 とも言っていたそうですわ。」 岬:「裁かれる? 裁くといえばキリスト教かしら?」 娘/GM:「キリスト教といえば神父さんって言うんですか、黒い服着て十時架 ぶら下げた人がここ2,3日うちをのぞき込んでましたわ。」 岬:「神父ねえ。」 覚えがある様な気がするわね。 妖怪を作り出すカード。 謎の神父がそれを操っているらしいと以前の事件で判明 している。 しかし、神父の正体、およびその目的は全く不明である。 岬:「そう、それじゃまた何かあったらいつでもあたしの所に来てちょうだ い。 そうそう、明日の講義ちゃんと予習して来るのよ。」 もちろんこれは冗談よ。 琉:冗談に聞こえません。 岬:あたしは冗談で言ったの。 相手がどう取るかなんて知らない。 琉:お手伝いさんに、 「奥様にお渡しするものがあるのですが、取り次いでもらえませんか?」 GM:奥さんがやってくる。 琉:「こちら、御主人が奥さんにと御注文品です。」 奥さん/GM:「これはどうも。」 何もこんなときに、って顔している。 琉:顔合わせた瞬間に奥さんに《魅了》を使います。 岬:強引ね。 琉:強引なのは分かってますよ。 発動成功です。 GM:当然抵抗できない。 琉:「亡くなった御主人のことで伺いたいことがあるのですが。」 奥さん/GM:「はい、何なりと。」 琉:「ここは他に人もいるので、場所を換えていただけます?」 GM:奥の部屋に通される。 「どうぞ。」 琉:「ここ数日、御主人の様子で何か変わったことはございませんでした?」 奥さん/GM:「最近はかなり憔悴しておりました。」 琉:「働き過ぎですか?」 奥さん/GM:「祈祷師さんに診てもらったら、何かに憑かれているとか。」 岬:イタチよイタチ。 琉:「憑かれる様なことがあったのですか?」 奥さん/GM:「そんな覚えはなかったと思います。 でも夜、夢にうなされて夜中に 目を覚ましたりしておりました。 寝言で…」 内容は省略。 「夢の中で 『汝は悪事を行なっておろう?』 と詰問されているとか。 『汝の事業により〜人の健康を害し、〜人を死に至らしめたであろう。』 と問いつめられて、汗びっしょりになって飛び起きておりまりた。」 琉:「いつ頃からそんな夢を?」 奥さん/GM:「1週間くらい前からでした。」 琉:「その頃何かありました?」 奥さん/GM:「その頃から怪しい神父がうちを覗き込んでる様だと使用人がいってお ります。」 琉:「神父? その神父を見た人に話を伺えますか?」 GM:奥さんがベルを鳴らすと使用人がやってくる。 「奥様、何か御用でしょうか?」 「この人に質問に答えてあげなさい。」 「はい。」 琉:「怪しい神父を見たそうですけれど、どんな人か分かりますか?」 使用人/GM:「帽子を深々を被って顔はよく見えませんでした。 ここ1週間毎日来て は家の中を覗き込んでおりました。」 琉:「何時頃?」 使用人/GM:「朝の9時くらいでした。」 琉:「他に何か気付いたことはありませんか?」 使用人/GM:「最近近所を何か黒い物が飛んでいた様です。 50cmくらいの四角い物 らしいです。」 琉:「黒い物ですか。」 使用人/GM:「黒くて、光っていたそうです。 金属かガラスか、そんな感じの物だと か。」 琉:「どうもありがとうございました。」 GM:使用人は首を捻りながら去っていく。 岬:あたしが必死で情報を得ようと頑張っていたのに。 あっさりとあたしよ りたくさんの情報得てるじゃない。 琉:《魅了》は強力ですからね。 「どうも参考になりました。」 と言って帰ります。 奥さん/GM:しばらくして 「私何してたのかしら?」 岬:玄関で 「女の敵ね。」 琉:「何も悪いことはしてませんよ。」 岬:「まあ、いいわ。 で、何て?」 琉:「後ほど雪凍さんの喫茶店でお話します。」
雪凍/GM:「いらっしゃい。 また何かあったの?」 岬:「あたしの大学の学生の親が殺されたのよ。 それで、どうも例の神父が 動いているらしいのよ。」 と言いながら資料を探す。 GM:あなたが探しても出てこない。 「これ?」 琉:「今日は。」 岬:「来たわね、女の敵。」 琉:「やめてくださいよ。」 聞いたことを話します。 「〜ということです。」 ここまでに入った情報は以下の通り。 ・会社は労働条件か厳しくなり、死者も出ている ・何かに憑かれていたらしい ・何者かに裁かれる夢を見ていた ・近所を黒光りする物が飛んでいた ・怪しい神父が家を覗き込んでいた 岬:「例の神父に例のカード。 やっかいね。」 琉:「今回は何にくっ付いているんでしょい? この間は絵でしたけど。」 岬:「前回は被害者の手に絵が渡り、事件後その絵が消えていたんだったわ ね。 なら今回も何か移動している物があると思うわ。 聞いておくべ きだったわね。 …明日あの娘に聞いてみるわ。」
GM:翌朝、七海宝石店の扉を叩く音がする。 琉:「すみません、まだ開店前なんです。」 男/GM:「いえ、駅前店の工事を請け負っとるかすみ工業の者やねんけど。」 岬:かすみ興行? GM:それじゃ漫才師だよ。 「問題が生じよったんで、相談したいんや。」 琉:「問題?」 業者/GM:「大きな声じゃ言えへんねんけど、店の裏手に血痕が見つかったんや。」 岬:2人並んで幸せそうに…。 業者/GM:それは結婚。 「警察に届けると、工期が遅れよるけど、どうしまっか?」 琉:御主人様なら 『気にせずやっちゃいなさい。 うちには関係ないわ。』 とか言いそうですね。 でも届けないわけにはいかないでしょう。 …で もどうせ妖怪の仕業なんですから届けるだけ無駄かな? 岬:GM、CP払うから割り込ませて。 GM:じゃ、1CP払って。 岬、君は七海宝石店の前を通りかかる。 店の前で 琉と男が話している。 岬:「どうしたの?」 琉:業者に向かって 「すみません、ちょっと席外して貰えます?」 業者/GM:「じゃ、よろしゅう頼んます。」 琉:「〜というわけで血痕が見つかったんです。 昨日の事件現場の近くだし、 関係あるんじゃないでしょうか?」 岬:「じゃ、あたし見に行って来るわ。」 人気の無い所で鶴に成って現場に行く。 業者と相談する琉を残して岬は現場に向かう。 岬:「…そういえば、あのかすみ工業って手抜き工事で有名なところだった わね。」 岬:現場で今度は燕に成るわ。 どういう状況? GM:辺りにポタッ、ポタッと血痕がある。 岬:血痕を追っていくわ。 GM:ポタッ、ツー、ポタッ、ツーと血痕は路地に続いている。 しばらく行く と行き止まりだ。 行き止まりの塀に血がつたった跡がある。 岬:塀を越えてさらに先へ。 GM:何かの建物の裏手に出る。 何の建物かはここからじゃ判らない。 血痕 は建物の2階辺りにある通風孔に入っていく。 岬:通風孔って猫じゃないんだから。…ひょっとして、今回は自己移動する の? GM:通風孔の蓋は20cm四方。 何かにばりっと切り割かれたようだ。 岬:切り割かれた? GM:よく見ると、内側から破られたみたいだ。 琉:ここから出てまた戻っていったのでしょうか? 岬:燕の大きさなら入れるわね。 でも…。 GM:覗くと中は真っ暗。 岬:よね。 建物の表に廻る。 GM:京都府立博物館。 今は大欧州展をやっている。 開館は10:30だからまだ 開いていない。 岬:鳥目じゃなければ通風孔から入れるのに。 しかたないわね。 諦めて帰 る。 鶴に成って飛ぶ。 その頃七海宝石店では…。 水鈴/GM:「血痕? うちには関係ないわ。 やっちゃいなさい。」 岬:これぞ鶴の一声ね。 琉:「御主人様、それはまずいですよ。」 水鈴/GM:「何言ってるの。 信用第一なんだから開店遅れたらまずいでしょ。」 岬:信用第一の意味がずれてるわね。 琉:「遅れてもそれはうちの責任じゃありませんよ。」 言うだけ無駄でしょうね。 お嬢様育ちでわがままですから。 ま、どう せ警察に届けたって妖怪の仕業じゃ無意味ですからいいでしょう。
岬:今日の講義は午後からだから、フローズンスノーに行く。 「お早うございます。 モーニングください。」 雪凍/GM:「いいわよ。」 岬:「あ、自分でやるから。」 たすき掛けて、と。 雪凍/GM:「卵入ったから使っていいわよ。」 岬:「はいはい、卵ね。 …え、卵!?」 GM:気付いたか。 岬:どれがいいかな、と選びながらしばらくしてはたと気付く。 雪凍/GM:「どうしたの?」 岬:「…やっぱりハムとチーズにするわ。」 雪凍/GM:「あらそう? 私も朝ご飯にしましょう。」 卵を取ってコンコン、パカッ。 岬:「ああ。(泣)」 仕方のないことだけど…。 自分の娘が殺されている気分…。 GM:鶴の卵じゃないよ。 岬:それはそうだけど…。 冷蔵庫からハムとチーズを出す。 GM:冷蔵庫には鳥肉が。 岬:出来るだけ見ない様にして取り出すわ。(泣) 雪凍/GM:「捜査は進んでる?」 岬:「今京都府立博物館で大欧州展やってるでしょ? あの博物館から何か出 入りした跡があったわ。」 雪凍/GM:「府立博物館?」 棚からチケットを5枚取り出して来る。 「よかったら使って。 私はもう行ったから。」 岬:「5枚? 1枚は琉君にあげるとして…。 三太朗君に渡したらきっと転売 するから駄目よね。 何か気になる物はあった?」 雪凍/GM:「展示は中世の品が中心ね。」 岬:「50cmくらいの四角い物は?」 GM:パンフレット見ながら 「50cmねえ。 絵とか盾とか…。 いろいろありそうだけど。」 岬:「取り敢えず行ってみるわ。 講義があるから終ってからね。」 大学に向かう。 GM:出しなに雪凍さんの一人言が聞こえる。 「お昼はそぼろご飯にしようかしら。」 岬:「聞こえない、聞こえない。(泣)」 GM:大学の研究室。 学生の中には弁当に鳥肉入れている者もいる。 岬:皆菜食主義になりましょうよ。(泣) でも自分はハムを食べている。 琉:鶴って雑食ですよね。 虫とかは食べないですか? 岬:この外見で虫食べる姿って異様でしょ? GM:昆虫標本見てもの欲しそうにしているとか。 岬:そんなことしないわよ。 GM:では講義室。 学生達が騒いでいる。 岬:扉をガラガラっと開けて入って行く。 「出席を取ります。」 GM:久見は欠席みたいだね。 琉:そりゃ昨日親が死んだのですからね。 GM:授業中相変わらず林がしゃべっている。 岬:「それじゃ65ページの13行目から。 はい、あなた。」 林/GM:「はい、スラスラスラ。」 岬:「ちゃと予習はしてるのね。 でも私語は謹んでね。」 適当に切り上げて、 「では今日はここまで。」 GM:講義後、林が研究室にやってくる。 「あの、少しお話があるのですが。」 岬:「なあに?」 林/GM:「先生は悪魔とかって信じる方ですか?」 岬:「あたし? いると言われて驚く方じゃ無いけど?」 林/GM:「昨日殺された久見さのお父さんのことなんですけど、最近、久見さん の家の近所で黒い物が飛んでいたらしいんです。 四角くて、黒光りし ている物なんだそうです。 で、調べてみたんですけど、その正体が判 らないんです。」 岬:「それで悪魔じゃないかって?」 林/GM:「いいえ。 調べてみてもそんな悪魔はいないんです。」 岬:「そんなこと一体何処で調べてくるの?」 林/GM:「いろいろツテがありますから。」 岬:「どんなツテよ。 それでよく予習する時間があったわね。」 林/GM:「大丈夫。 一緒にやりますから。 ほら、2つのことを関連付けて覚え ると覚えやすいでしょ?」 岬:「どうやったら国史学と悪魔が結び付くのよ。」 林/GM:「えー、いろいろ関係あるじゃないですか。」 岬:「…。 まあいいわ。 それで黒い物について何か判ったの?」 林/GM:「その黒い物が、今度はうちのクラスの久賀さんの家の周りを飛んでい たらしいんです。」 岬:次の被害者ね。 「そう、教えてくれてありがとう。」 林/GM:「それであの…。」 岬:「はいはい。 何か判ったらあなたにも知らせてあげるわ。 気になるん でしょ?」 林/GM:「ええ。 それでは失礼します。…あ、そうだ。 さっきの講義、ここと ここ、間違ってましたよ。」 と言って出ていく。 岬:「え? ここは…間違っているわね。 でもここは…。」 GM:文献を調べると、確かに間違っている。 岬:「何処から資料見つけてくるのかしら。 …講義代わってもらおうかし ら。」 自信喪失する岬であった。 琉:馬車で現場へ。 GM:血の跡が点々と続いて塀の向こうへ。 琉:塀を《透視》。 GM:庭は広いので《望遠視》でも無いと何処まで続いているかは判らない。 琉:《透明視》,《闇視》ならあるんですが。 岬:大抵何でも見えるわね。 あと《オーラ感知》があれば言うこと無いのに。 琉:辺りに人はいます? GM:いない。 琉:塀を乗り越えます。 GM:血痕は2階の通風孔へ続いている。 琉:「おや、鳥の羽根が落ちている。」 これ以上先に進むのは無理ですね。 路地に戻って建物の表に廻ります。 GM:どの建物か判るかな? <知力>ロール。 岬:あたしは上から屋根づたいに飛んでいったからすぐ判ったけどね。 琉:±0で成功です。 GM:博物館の建物見て多分これじゃないかなと思った。 琉:「大欧州展…。 ここかな?」 もう開いています? GM:開いてる。 入館料10銭。 琉:入ります。 GM:3階全体に展示している。 琉:全体ぐるっと廻ってみます。 GM:一通り廻ると3時間くらいかかった。 出口に戻って来ると、岬が入って くる。 岬:「あれ? もう見当ついたの?」 琉:「いえ、一通りざっと見てきただけですので。」 岬:「そう、なら今度はじっくり見て廻りましょう。」 GM:途中て閉館時間になるぞ。 岬:通風孔は2階だったわね。 GM:でも通風孔は建物全体を通っているぞ。 岬:2階には何展示してるの? GM:展示物を全部言えと? 岬:それは無理よね。 黒光する物…。 鏡かしら? GM:鏡? アンティークの鏡はいっぱいあるよ。 そうして展示物見ていると、 奥の方で係員が騒いでいる。 「あれはどこにいったんだ?」 岬:何のコーナー? GM:中世の拷問具。 岬:拷問具? それは…。 なるほど、そんなものが無くなったのね。 確かに それ、四角いわ。 行き先はあそこね。 久賀さんの家に向かう。 琉:「どうしたのですか? 急に走り出して。」 岬:「狙われそうな所に行くの。 『犯人』の見当はついたから。」 あの大きさ、厚さの四角い物。 なんで思いつかなかったのかしら? GM:答えを聞けば判るというやつだね。 ところで家知っているのか? 岬:一度大学に行く。 教務室へ行って住所調べる。 「久賀…と。」 親の職業は? GM:造船業。 岬:急ぐわよ。 近く? GM:ちょっと遠い。 琉:なら馬車呼びましょう。
馬車に乗り2人は次の犠牲者となる可能性のある男の家へ。 岬:馬車の中で 「さて、どうやってあんなの倒せばいいのかしら?」 GM:ちゃんと弱点考えないと今回終っているからね。 琉:宣言されてしまいましたね。 「でもあれに弱点なんて在るのでしょうか?」 GM:弱点は在る。 どう利用するかは知らない。 岬:「多分<強迫観念>に支配されているのじゃないかしら?」 近所で降りる。 GM:大きな洋館だ。 岬:「ここで見張ってましょ。」 GM:<知覚>ロール。 岬:-2。 琉:-4。 <鋭敏視覚>の修正で-6。 GM:視界の隅を何かが飛んで行った。 琉:「岬さん、あそこ!」 岬:追いかける!。 辺りに人は? GM:周りの人はポカンとしている。 恐怖の表情浮かべている人もいる。 岬:そりゃそうよね。 あんな物が飛んで行ったんだから。 GM:走るよりずっと速い。 岬:人気の無い路地とかない? GM:探すならダイス振って。 -4? 見つけた。 岬:路地に飛び込んで燕に成る。 で、上空から追う。 <移動力>12。 GM:追い付けない。 こっちは36で飛んでいる。 岬:妖怪の姿に戻る。 これで<移動力>192! GM:博物館に向かっている様だね。 岬:人に危害を加えない限り離れて追っていく。 GM:路地を超低空飛行していく。 岬:姿見られてるじゃない。 GM:人目に付かない所を選んで飛んでいる。 でもよくよく調べてみると発狂 した人なんかもいた。 岬:今は手が出せないわ。 見てるだけね。 GM:予想通り、博物館へ入っていく。 岬:引き返すわ。 GM:例の物体は久賀さんの家の周りを一周して帰っていったらしい。 周りに はひきつっている人がいっぱい。 しばらくして、 「あれ? 夢だったのかな?」 岬:そうよあれは夢よ。 「明りがあれば通風孔に入っていけるんだけど。」 琉:「明りなら灯せますよ。」 岬:「なら博物館に乗り込みましょう。」 琉:「指輪に戻りますから運んでください。」 岬:燕に成って、指輪をくわえて飛んで行く。
GM:博物館裏。 琉:《幻光》発動。 岬:光る指輪くわえて通風孔に。 琉:この前の血痕が残っているはずですね。 GM:途中に布切れがある。 血を拭った様だ。 岬:いいわよ。 どうせもう行き先は判っているから。 拷問具の所へ行く。 警備員はいる? GM:<聴覚>ロール。 -9? 足音は1階の様だ。 岬:「琉君、光弱めて。」 通風孔から出る。 「琉君、道案内して。 ある程度は見えるんだけど。」 GM:では拷問具のコーナー。 岬:そいつは何食わぬ顔して座っているのね? GM:座っているというか…。 何食わぬ顔はしているが。 さて、問題。 この妖怪の形状は? GM:今戦っていいの? 琉:《透視》って使ったらばれます? カード本体の場所を調べたいのですが。 GM:抵抗することになるから判るだろうね。 岬:『彼』に対して最強の妖怪がいるんだけど。 『飛頭蛮』。 首が抜けて 飛んでいく奴。 琉:なるほど。 そいつなら『彼』は既に仕事の済んだ対象としか見ないでし ょうね。 しかし、いないのだからしかたありませんね。 岬:「あたし攻撃されたら避ける自信ないわ。 一発で首落されちゃうかも。」 10Dくらいまでなら一発ってことはないけど。 GM:首抱えて逃げて、あとで繋げれば。 岬:嫌よ、そんなの。 「それに、あたし、屋内ではほとんど妖術使えないの。」 戦闘系妖術は全て[屋外のみ]の限定だから。 琉:「それなら外で待っているしかありませんね。 出てきた所を抑えましょ う。」 GM:外で見張っているんだね? なら何事も無く夜が明ける。 琉:「1晩1回なんでしょうか?」 岬:「どうかしらね。 それはともかく、戦うなら《人払い》がいるわね。」 《天候操作》で局地的台風呼んで物理的に《人払い》なら出来るんだけ ど。(笑) 琉:確かに来なくなりますが。(笑) 岬:そういうわけにはいかないし。 誰か《人払い》出来る人^H妖怪いたかし ら? GM:いるよ。 雪凍さん。 岬:なら喫茶店に飛んで行く。 お客はいないわね? なら変身解いて…じゃ なかった、《人間変身》するわ。 琉:私も《分身》を出します。 岬:「雪凍さん、《人払い》の力貸して下さい。」 雪凍/GM:「《人払い》? 辺り一帯を-100℃まで《冷却》すれば人寄って来ないわ よ。」 岬:「それじゃあたしの《天候操作》と同じよ。 まっとうな《人払い》をお 願い。」 雪凍/GM:「半径10kmまでいけるわよ。」 岬:「1km…でも広いわね。 京都駅まで入っちゃう。」 GM:そうすると、電車の運転手が 『今日は京都駅に止まりたくないな。』 とかいうことになる。 岬:「もう少し狭く。 300mくらいでお願い。」 雪凍/GM:「持続時間は1時間ほどよ。」 正確には54分。 岬:「充分ね。 路地の端っこから掛けてくださいな。」 琉:「このまま戦っていいのでしょうか?」 岬:「大丈夫、あなたは指輪に戻れば首が無いのだから平気。 あたしは首落 されるかもしれないけど。」 琉:「私には填めている人を《庇う》力がありますよ。」 《庇っ》ている間はダメージは全て私に来ます。 追加HP100あるからそ う簡単には死にません。 「でも《庇っ》ている間は攻撃的な妖術が使えなくなりますが。」 岬:「足の指でもいい? あたし、妖怪に成ると手が翼に成るから。」 琉:「鳥の足の指ですか。 出来れば奇麗な指に填めて欲しいのですが。 ま あ、しかたありませんね。」 GM:なるほど。 そんな作戦もあるか。 岬:「危ないと思ったら抜け落ちてよ。 そうすればあなたは攻撃されないか ら。」
通風孔の前に足の指に指輪を填めた鶴がいる。 そこに『彼』は現われた。 岬:「お待ちなさい。 妖怪首切り。」 琉:首切り…。 もう少し名前なんとかなりません? 岬:いいのよ。 ギロチンなんだから。 断首/GM:「むう、よくぞ見ぬいた。」 岬:あれだけヒント出されたらね。 「あなたの方針は解らないでもないわ。 でもあなたの行為は許せない。」 断首/GM:「我が殺めるは悪人のみ。」 岬:「それが悪いことなの。 もっと他に方法があるでしょ。」 断首/GM:「我が力は首を切るのみ。」 岬:「殺す必要はないでしょ。」 断首/GM:「それが我に与えられし仕事。」 岬:「これ以上あなたが殺人を続けるというのなら、ここで始末させてもら うわ。」 GM:10レベルの<妖術抵抗>して。 岬&琉:10レベルじゃ無理。 断首/GM:「ふむ、汝らは悪人ではないのう。」 琉:《思考感知》ですか。 「夢を見せたのはあなたの力ですか?」 断首/GM:「我が力で罪を問うた。」 それがあの夢だね。 そのために1週間ほど家の周りを廻っていたわけだ。 「そしてその罪が死に値するならば罰を与える。」 岬:「だから、殺す必要があるのかと言っているのよ。」 断首/GM:「何10人も人を死に至らせ、何100人もの人の生活を脅かす罪人に対し死 刑以外の刑はない。」 岬:「それはあなたが勝手に判断しているだけでしょう?」 断首/GM:「我は判例に従い死刑に相当する者を裁いている。」 どこからともなく六法全集と判例集を出す。 岬:「でもあなたが鉄鎚を下す理由はないわ。」 断首/GM:「我はそのために作られた。」 岬:「だからと言ってあなたが一人立ちして動いていいわけないでしょう。 人間があなたに頼んだの?」 断首/GM:「それが我に与えられし使命。」 琉:「あながに与えられた使命は死刑と決定した者に対して執行することで しょう?」 断首/GM:「我は刑法に照らし合わせ死刑となる者に罰を与える。」 岬:ここから攻めても駄目ね。 それが彼の存在理由だものね。 「あなたが罪人として裁いたとして、残された家族はどうなるの?」 断首/GM:「家族への保証はしておる。 路頭に迷う家族が出ない様にな。」 久見さんの場合だって弟が家族の面倒見てくれる様になったでしょ? 琉:そんな能力もあるのですね。 …これがファンタジーだったら何の問題 もないのに。 岬:ファンタジーならあたしも 『いっしょに頑張りましょ。』 って言っているわ。 でも今の社会ではそれは悪なのよ。 琉:「ならあなたの力で法律を守らせる様には出来ないのですか?」 断首/GM:「罪は償われなければならない。 罪を償った上で更生するのはいい。 しかし、死刑に相当する罪を犯した者にその余地はない。」 岬:償罪の論理ね。 やっぱり考え方が根本的に違うわ。 「法律は絶対なの?」 断首/GM:「そう人間が定めた。」 岬:あと5年後なら治安維持法で苦しむことになったわね。 GM:そうなればこいつは 『我は正しいのか?』 と悩むことになっただろうね。 岬:5年間ほっといてやろうかしら。 …それはプレイヤー知識ね。 琉:「その人達を殺したってそれで苦しんでいる人が助かるわけじゃないで しょう?」 断首/GM:「新しい経営者の元で労働条件は良くなっている。」 ちゃんとフォローはしているわけだ。 琉:…フォローはしている。 でも何か違うのですよ。 岬:「それは人間が自分達で考えて改善していくことだわ。 あなたは人間の 進歩を阻害してるのよ。」 断首/GM:「あの工場は2交替制から3交替制になり、給料も上がった。 他の6件も そうだ。 子供も働かなくてすむ様になる。 これを進歩と言わずして 何と言う。」 岬:「だから、人間が見つけ出すべきものを、あなたは先に鉄槌を下しちゃ ってるの。 人間から判断する余地を奪っているのよ。」 断首/GM:「人間が法を定めた。 だが我が裁いた罪人は、より上の人間と癒着し法 の目を潜る者達だ。 それは許されざることだ。」 琉:「だけどそれを妖怪がやってはいけません。」 岬:「それはいつか変わるわ。 人間は自分達の力で変わることが出来る、あ たしは人間の可能性を信じるわ。」 琉:「もう少し時間を掛けて人間を見ることは出来ませんか?」 岬:「あなたのやり方性急過ぎるの。 …と言っても理解できないでしょう ね。 そういう風に生まれたのだから。」 断首/GM:「我との戦いを望むか?」 岬:「あなたがこのまま人間の成長を邪魔するのならね。 あたしの考えは決 まったわ。 琉君、あなたはどうする?」 琉:「人間は罪を犯すものだと思います。 私の大切な人達もいつか首を切 られるかもしれません。 ならば黙って見ているわけにはいきません。 だけど…あなたとは戦いたくありません。 他に方法はきっとあるは ずです。」 岬:「そう。 でもあたしは戦うわ。 法を信じて人を信じられないあなたを 許すことは出来ない。」 断首/GM:「罪無き者との戦いは我が本意ではない。 されど汝達が望むならばやむ を得まい。」
そして戦いが始まった。 GM:そちらが攻撃してくるまでこちらからは攻撃しない。 琉:だけど本当に戦っていいのでしょうか? まだ迷っています。 取り敢え ず《透視》します。 GM:刃の首に当る所にカードが張りついている。 岬:《風斬》発動。 3ターンかけて狙いをつけるわ。 GM:修正-4。 狙いをつけるなら-1まで上がる。 岬:当り。20点の切りダメージ。 GM:ちょっと抜けた。 琉:鋼の刃ですものね。 本体のカード狙わないとあまり効かないでしょうね。 岬:だけどあたしは狙いうちは出来ないの。 GM:刃が飛んでくる。 …攻撃失敗。 岬:《風斬》抜き撃ち。 精度レヴェル15だから抜き撃ちだと目標値7。 …駄 目ね。狙いをつけないと当らないわ。 GM:刃、避けて。 岬:避けられない。 GM:17点の切り。 岬:防御点8点だから13点のダメージね。 琉:…戦っていいのかは解りません。 だけど友人を見捨てるわけにはいきま せん。 《庇い》ます。 毎ターン刃が飛んでくる。 対してPC側は琉は《庇っ》ているために攻撃できない、 岬も狙いをつけないと当らないため、2ターンに1回の攻撃となる。 さらに当っても 岬の攻撃は防御点に阻まれてほとんど効かない。 GM:狙いをつけている間にダメージ受けると集中が途切れるよ。 琉:私が《庇っ》ているので岬さんにはダメージはいきません。 追加HP100あ るのでまだまだ平気です。 岬:さすがダイヤモンド。 硬いわね。 だが刃は確実に琉のHPを削っていく。 さらに…。 岬:あら、ファンブル。 妖術が仲間に当る。 御免なさい、22点の切り。 琉:18点のダメージ。 痛い…。(泣) 残りHP39。 GM:クリティカル。 生命力判定に失敗すると朦朧状態。 13点の切り。 琉:判定は成功。 でももうこれ以上《庇う》のは無理です。 妖力停止して抜 け落ちます。 しかしこれで琉は攻撃出来る様になった。 琉:では反撃です。 カード本体を狙って《光針》。 GM:[ピンポイント]の修正入れて-8。 琉:精度レヴェル26(!)ですから問題ありませんね。 当然当り。 9点の刺し ダメージです。 GM:それで終りだ。 こいつ追加HP無かったんだ。 刃の部分は厚いけど、本 体やられると厳しい。 琉:最初からピンポイントするべきでしたね。
岬:「雪凍さん、終ったわ。」 GM:刃には『正義』のカードが張りついていた。 岬:「やっぱり『正義』だったわね。」 琉:「これで3枚め。 残りの19枚はまだ例の神父の手の内でしょうね。」 残り75枚かもしれませんが。 GM:手に取ろうとすると火がついて燃え出す。 琉:火!? 火は嫌いです。 GM:刃はどうする? 岬:そのうち誰か見つけてくれるわ。 琉:「本当にこれで良かったのでしょうか?」 岬:「そう信じましょう。 あと何10年掛かるか分からない。 だけどあたし は人間を信じる。 いい世界になることを信じるわ。」
『正義』 1996/5/11 RPG-ML関西オフラインミーティングにて収録


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