国連「障害者権利条約」の批准条件は外国籍無年金障がい者の救済

 
国連の「障害者の権利条約」が08年5月3日に発効した。この条約は2006年に国連総会で可決、これまでに128ヶ国が署名し25ヶ国が批准しているが、日本は昨年9月に署名したものの、批准に至っていない。
 
同条約の批准には、難民条約批准の国内法整備で「国民年金」に外国籍住民が加入できるようになったことで明らかになったように、国内法で「障がい者差別」に当たるものを削除もしくは改正しなければならない。
 
ここで、一番問題にすべきは「外国籍無年金障がい者」の存在だ。国民年金に加入していることが条件の「障害福祉年金」は、発足当時20歳以上だった日本人は、加入していたとみなす、いわゆる「みなし制度」で給付されたが、外国人住民が国民年金に加入することができるようになった1982年当時2O歳以上だった外国籍住民にはこの「みなし制度」という救済策は講じられなかったので、制度的に在日コリアンの無年金障がい者が創出された。

 
外国籍住民が国民年金に加入できるようになり、法律が改正されたとき、当時の厚生官僚は意識的に救済措置を取らないことを「付則」のなかに盛り込んだ。そのため82年当時20歳以上だった外国籍障がい者は現在も推定6000人が受給していない。この状態を解決しない限り、「障害者の権利条約」の批准はありえない。

 
無年金状態を創出した厚生官僚は差別者である。かつて日本国籍をもたされていた大日本帝国臣民として戦争に協力させられ、戦後一方的に日本国籍を剥奪されて、国民年金制度から排除され、無年金状態を制度的に創出したことは、許されることではない。
【2008/05/09】(I)