溺れるアヒル

The Case of the Drowning Duck 1942年

ペリイ・メイスンの事件は、何年何月の事件なのか詳しく書かれていないのが多いんです。
その点で、この『溺れるアヒル』には明確に書かれています。
それは次の部分です。(引用はハヤカワ・ミステリ、信木三郎訳、初版)

16ページ「一九二四年一月、第一級謀殺罪で刑を宣告され、一九二五年五月、処刑されました」
17ページ「十八年前の殺人事件か」
186ページ「一九四二年に(中略)審理した結果、一九二四年の殺人事件が解決できるとしたら」

ということで、この事件は出版された1942年の事件なんですね。
さらに何月なのかも記述されています。

75ページ「六月に卒業すると」
75ページ「しかし、来月はまだ三週間先だ」
123ページ「月曜日の朝」

5月初旬になるようです。

1933年の『ビロードの爪』から1969年の『すばらしいペテン』まで36年が経過しています。
事件はそれぞれ出版された時期に起こっているのかも知れませんが、ペリイたちは同じ年齢のままに見えます。
ヒーローはいつまでも若いままという法則があるのでしょうねえ。



トップページへもどる


2001年1月15日作成