レイファルスの魔法教室

 

 というわけで講師のレイファルスです。
「助手のシャランです。」
 ちなみに何故私がこのようなことをやらなければならないのだ?
「それは作者の人がソードワールドの世界観を使っているからって魔法の解説を全くしなかったからでしょうね。」
 作者の手抜きと見通しの甘さが原因か……
「そうですね。」
 仕方がない……
 じゃあ、まずは魔法の系統だな。
「はい。」

1.魔法の系統

 魔法には幾つかの系統がある。大きく分けると3+1個だ。
「3+1個?」
 そうだ。まずはミル達が使う精霊魔法。シャランが使う古代語魔法。レベッカが使う神聖魔法。これにミルがたまに使う呪歌だ。
「最初の三つと呪歌には何の違いがあるのですか?」
 簡単に言うと、精神力を使うか使わないかの差かな? 最初の三つは大なり小なり精神力を消耗するので使いすぎると魔法が使えなくなってしまう。しかし、呪歌は理論上無限に使えるが、それ故に効果も限られるがな。
「なるほど。」
 それでは各魔法の特色を詳しく説明しよう。

1−1.精霊魔法(サイレントスピリット)

 精霊魔法はミルとシャランとエレナが使う魔法だ。実際は魔法ではないが私の使う力も精霊魔法と言っていいだろう。更に言えば第一話の名前の無かった爺さんも精霊魔法を使えるようだ。他に第三話のフェルミナも昔は使えたようだ。
 精霊に呼びかけてその力を借りる魔法で、精霊魔法の使い手を一般的に精霊使い(シャーマン)と称する。
 精霊魔法を使うには以下の制限がある。

1.鉄を身に帯びていてはいけない
2.片手を空けていなければいけない
3.言葉を発する事が出来なければいけない
4.周囲に使う魔法の精霊力がなければならない

 1は精霊が鉄を嫌うことに起因する。武器程度なら問題ないが、鉄製の鎧を身につけてはならないのだ。ちなみにミルは魔法銀(ミスリル)製の鎧を服の下に着ているし、エレナは皮鎧。そういえばシャランは?
「あ、私は小妖精(ピクシー)サイズの普通の服です。ちょっと魔法がかかってますけど。」
 ま、そういうわけだ。
 2は片手で精霊をあらわすサインを描かなければならないのだ。これにもちょっとした設定があってミルが右手を上に、エレナが右手を斜め前に、シャランが……
「私は右手を前に、それに左手を添えます。古代語魔法を唱えるときの動きが混じったんですね。」
 まあ、そんな風に唱え方に差があるわけだ。またミルは私を右手で支えているときは左手で描くこともある。
 3は簡単だな。呪文が唱えられないと魔法を使うことが出来ない。ちょっと細かいことだが、ミルは使う精霊の名前を言うが、シャランとエレナは精霊の名前を呼ばない。これは単純に癖や憶え方の差である。
 4は重要だ。風の吹かない室内で風の魔法は使えないし、石畳で舗装された上では土の魔法を使うことができないわけだ。ちなみにミルは私を背負っている関係上、いつでも氷の魔法を使うことができる。ただ、そういう状況が少ないため、氷の精霊魔法はあまり知られていないのだがな。
 自然の力を扱う魔法が多いのが特色だ。更に人の精神も精霊の働きなので、精神を操る魔法が多いのも特徴だ。状況は限られるが強力な魔法だ。それに意志ある精霊に呼びかける魔法なので、普段の行いが問われるわけだ。

1−2.古代語魔法(ハイエイシェント)

 メインキャラではシャランが使う魔法だな。
「はいそうです。あとは第一話のお爺さんとフェルミナさんが使ってました。」
 そうだ、ここの説明はシャランがやった方がいいかな?
「そうですね。それでは僭越ながら私がご説明いたします。
 古代語魔法は世界に存在するマナという力を変化させて使う魔法です。古代語魔法の使い手を一般的に魔術師(ソーサラー)と呼びます。
 魔術師には師弟制度やギルドが存在し、いろいろ保護や規制がされています。私の場合は小妖精ということで例外が多いのですが、ギルドにも所属していますし、師匠にあたる方もおります。
 古代語魔法を使うには以下の制限があります。

1.両手が自由に動かなければならない
2.言葉を発する事が出来なければいけない
3.発動体を手にしてなければならない

 1は両手で大きな動きをしなければいけないため。ですから服は動きやすい物でなくてはいけません。鎧でしたら布製か、柔らかい皮製の物でなくてはいけません。油で煮た固い物はダメです。ミスリル製の糸を編んだような魔法の鎧なら使えるとのことですが……
 あとは両手を正確に動かさなければならないので、発動体(後述)を以外の物を持っていてはいけません。
 2は精霊魔法と同様に、呪文を唱えなければならないからですね。
 そして3で言った発動体ですが一般的には杖の形をしていて、他には指輪や剣の形をしている物もあります。これがないとマナの集中が出来なくなります。高位の魔術師になれな何とか発動体なしでも呪文も使えるようですが、不安定で暴発し易いそうです。
 ちなみに私は人間の方が使う指輪の発動体を腕輪として使っています。
 また、簡単なキーワードを唱える事によって古代語魔法と同じものを発動させることができる「コモンルーン」というものも存在します。ただ、悪用を避けるために魔術師ギルドで厳重に管理されています。
 古代魔法王国の方々が生み出した強力な魔法。性質上、エネルギーや物体を扱う魔法が多いです。そして攻撃的な魔法も多いですね。
 まだ世界には先人たちが残した失われた魔法(ロストマジック)も沢山あるそうです。魔術師は魔法の使い手であると同時に知識の探求者でもあります。知識として魔法を知るのはよいことですが、善も悪もない魔法の力を扱うのは結局は人です。悲しみを生み出す道具にはならないで欲しいものです。」
 そうだな。強い力を持つものは強い心も持っていなければならない。自分の力に潰されないように、振りまわされないようにしなければならないわけだ。
 私のマスターは大丈夫かな?
「ミルなら何があっても大丈夫ですよ。」
 その根拠は?
「え〜と…… ミルですから。」
 分かったような分からないような答えだな。でも何故か納得できてしまうのが不思議だ。
「そうですね(クスッ)。」

1−3.神聖魔法(ホーリープレイ)

 これはレベッカが使う魔法だ。本編中でまだ登場していないがな。簡単に言うと神の力を借りる魔法である。
 神聖魔法の使い手を一般的に神官(プリースト)と言う。
 神聖魔法には使用制限が少なく、

1.言葉を発する事が出来なければいけない

 これだけで使用することができる。
 まあ、便利と思われるだろうが、それ故に精霊魔法や古代語魔法に比べるとバリエーションに欠ける部分もあるが、決してどちらかが優れているというわけでもない。それぞれに短所・長所があるわけだ。特に装備などの制限が無いため、重装甲の戦士でも使うものが多い。特に神官戦士と呼ばれる武器と魔法の両方に長けた者たちもいるからな。
 更にいえば神聖魔法は治癒・防御に関する魔法が多い。更に死にきれない者たち、いわゆるアンデッドと呼ばれる存在に対する魔法もある。
 まあ、強いてあげるなら一番の制限は「神」というものを信仰しなければならないことだろうか。我々は目の前で神聖魔法の力を見ているから「神」が存在している事を知っているが、私のような精霊や「精霊」を「神」のように信仰しているエルフ社会に育ったものには使うことは叶わない。
 まあ…… 本人たちは全く気にしていないからいいのだがな。
 神の力を借りる神霊魔法。神は自分を慕う者に力を貸し与える。そして人はその力を行使する。
 神はちゃんと人を見ています、とレベッカは言ってたな……

1−4.呪歌(バードソング)

 ミルが時たま使う奴だ。
 楽器の旋律に上位古代語の歌詞をのせ、その相乗効果で魔法的効果を生み出すものだ。
 歌い手はこの歌詞の意味を知らずに歌っているのだが、その歌が自分の望んだ効果を生み出す事は知っている。その性質上、呪文の言葉が人によってバラバラなのは仕方の無いことだ。
 この力ある歌を使うものを吟遊詩人(バード)と呼ぶ。
 ちなみに、

1.演奏できる楽器を持っていること
2.歌を歌えること

 が使用条件である。
 1に関しては自分の得意な、というか使いなれた楽器を使うこと。やっぱりある程度高度な演奏技術が必要なので、なんでもいいってわけではなさそうだ。ちなみにミルは小さな竪琴を使っている。更にいえば演奏も魔力の補助になるため、音階のない楽器では出来ないそうだ。
 2は当然のことながら歌を歌わないとならないから当然のことだ。ちなみに呪歌の一部には歌無しでも出来るものがあるらしいが、その場合は管楽器などでも出来るのだろうと思われる。
 この魔法の特徴は、歌の聞こえる範囲に効果が及ぶというものだ。逆に言うと聞こえなければ何も影響を受けないし、効果を及ぼす相手を選択することもできない。更に発動に時間がかかったり、限られた効果しか及ぼさないという欠点もある。
 ま、もともとは吟遊詩人の歌から始まったものなので、その魔法的効果が主ではないのだ。
 これが上記三つの魔法と大きく違うところである。
 もう一つ言わせてもらえば優れた吟遊詩人は呪歌に頼らずとも、人の心を動かすことができるのだ。

2.作品中に実際に登場した魔法。

「大変ですね、作者の方も。」
 まあ、あんまり話が多くないから調べるのも楽だろう。
「そうですか?」
 一応、各魔法の種類ごとに低位の物から順番に書いていくものとする。更に呪文の言葉があればそれも併記し、各魔法の説明をする予定だ。
「それでは頑張りましょう。」

2−1.精霊魔法

魔法:風の声(ウィンドボイス)
登場:第三話・「風を奏でて」一周年記念贈り物SSより。ミル・シャランが使用。
呪文:自由なる風の乙女エルフよ。遠きに風を運びたまえ。風に声をのせたまえ。声にあたしの心をのせて、あの人の元へ
 風の精霊を介して遠くに声を運ぶ魔法だ。
 これの魔法を使うと遠くにいる人と会話する事もできる。

魔法:惑い(デストラクション)
登場:第一話より。ミルが使用。
 混乱の精霊レプラコーンを使って、目標の心を一瞬惑わせる魔法。

魔法:転倒(スネア)
登場:第三話より。名前だけ登場
 大地の精霊ノームに干渉して地面を盛り上げる魔法。これに引っかかると転んでしまう。

魔法:光の精霊(ウィル・オー・ウィスプ)
登場:第三話より。シャランが仕様。
 光の精霊ウィル・オー・ウィスプを召喚して、しばらくの間使役する魔法だ。
 ウィル・オー・ウィスプは周囲に光をもたらすが、それと同時に衝撃に弱くたやすく破壊される。しかし破壊されると同時に衝撃を与える。よってこの魔法はその二つの目的で使われる。

魔法:闇の精霊(シェイド)
登場:第二話より。エレナが使用。
呪文:小さき闇の住人、恐怖を司る者よ。我が呼びかけに応じてこの地に来たれ
 闇の精霊シェイドを召還して、しばらくの間使役する魔法だ。
 シェイドは周囲に闇をもたらすが、それと同時に衝撃に弱くたやすく破壊される。しかし破壊されると同時に精神的な衝撃を与える。よってこの魔法はその二つの目的で使われる。

魔法:精霊使役(コントロールスピリット)
登場:参考。シャラン・エレナが使っている。
 下位精霊を何かに封じ込め、自分の手元に置いておく魔法だ。
 その精霊と会話できたり、実際は精霊力の存在していないところでも魔法が使えるようになる。
 例えば風の精霊シルフをコントロールしていたら室内でも風の魔法を使うことが出来るようになる、という感じだ。

魔法:拘束(ホールド)
登場:第三話より。名前だけ登場。
 大地の精霊ノームの力で地面から巨大な手が出てきて、目標を動けなくしてしまうもの。移動が出来なくなる。

魔法:氷縛(アイスホールド)
登場:第三話より。ミルが使用。「氷縛」の名前は出ていない。
呪文:凍てつきし氷の少女フラウよ、我が眼前の者に雪娘の抱擁を、凍てつきし冬の戒めを
 氷の精霊フラウに干渉し、氷の表面から巨大な手を生み出して目標を動けなくしてしまうもの。移動が出来なくなる。一般的には知られていない。

魔法:透明(インビジビリティ)
登場:第一話・第三話より。ミル・シャランが使用。
呪文:小さき精霊スプライトよ。汝の心を我がもとに、汝の孤独を我がもとに。寂しい心をあたしにあずけて
 羞恥の精霊スプライトの力で自らの姿を消す魔法。集中していなければならないため、戦闘行動や魔法などを使うことは出来ない。シャランも使っているが、ピクシーはスプライトと親密な関係にあるため、そんなに意識しなくてもこの魔法を使うことが出来る。

魔法:沈黙(ミュート)
登場:第一話より。ミルが使用
 風の精霊シルフの力で目標から発せられる音をすべて消す魔法。魔法使いにかければ魔法が使用できなくなるし、隠密行動をとるときにも使える。

魔法:治癒(ヒーリング)
登場:第三話より。シャランが使用。
 名も無き精霊の力で目標の体力や傷を全快させる魔法。目標に接触しなければならないし、女性にしか使えないという制限もあるが、神聖魔法以外では数少ない治癒魔法である。

魔法:恐怖(フィア)
登場:第二話より。ミルが使用。
呪文:漆黒の住人シェイドよ。闇の恐怖を忘れた愚か者に夜の裁きを与えたまえ
 闇と同時に恐怖を司るシェイドの力で、目標の心に恐怖の感情を生み出させる魔法。
 この魔法の効果を受けた者は術者に恐怖を抱き、可能な限り逃走しようと試みる。

魔法:療治(レストアヘルス)
登場:第三話より。ミルが使用。
呪文:優しき生命を司る名も無き精霊よ。汝の抱擁をかの者に、慈しむ心をかの者に与えたまえ
 名も無き精霊の力で、目標の病気や毒などを癒す魔法。その他に関してはヒーリングと同様である。

魔法:睡眠(スリープ)
登場:第一話・「風を奏でて」一周年記念贈り物SSより。ミルが使用。
呪文:眠りを誘いし者、サンドマンよ。安らぎを求めし者の目に静かなる砂をまきたまえ
 眠りの精霊サンドマンの力で目標を眠らせるもの。呪文が解除されない限りずっと眠りつづける。

魔法:水上歩行(ウォークオンウォーター)
登場:第三話より。名前だけ登場。
 水の精霊ウィンディーネの力を借りて、水の上の普通の地面と同じように歩くことのできるようにする魔法だ。ただ、波立った水面では歩くのは難しくなるだろう。

魔法:静寂(サイレンス)
登場:第二話より。おそらくミルが使用。
 風の精霊シルフの力で特定の空間内に沈黙の場を作る魔法。この効果範囲内ではあらゆる音が失われ、魔法が使えなくなっていしまう。

魔法:絡み付き(バインド)
登場:インターミッションより。ミルが使用。
呪文:人の心を惑わし森の娘ドライアードよ。汝が腕を優しき束縛の網に変えたまえ
 植物の精霊ドライアドの力で周囲の植物を操り、目標を絡みとるもの。相手はほとんど動けなくなる。

魔法:魅了(チャーム)
登場:第二話より。名前だけ登場。
 ドライアドは植物の精霊であると同時に恋心を司る精神の精霊である。その力で異性の目標を魅了する魔法だ。一週間くらい効果が続くが、ミルが…… いや、なんでもない。

魔法:矢そらし(ミサイルプロテクション)
登場:第二話より。ミルが使用。
呪文:自由なる風の乙女シルフ。我らに向かう憎悪を優しき空の心に抱きたまえ
 風の精霊シルフによる壁を作って小さな飛び道具をそらす魔法。岩などの大きな物や魔法の飛び道具、また強力過ぎる飛び道具はシルフの守りも破ってしまう。

魔法:戦霊槍(バルキリージャベリン)
登場:第三話より。
 戦いと勇気の精霊バルキリーが放つ光の槍。威力は高い。
 ただ、バルキリーは男性のみ使うことが出来る精霊なので、我々には使う機会が無い。

魔法:氷槍(アイシクルランス)
登場:第三話より。レイファルスが使用。「氷槍」の名前は登場していない。
 つららを作って打ち出す魔法。威力はバルキリージャベリンと遜色無い。ただ、実際は私が使った力である。一般的に知られていない。

魔法:精霊壁(スピリットウォール)
登場:第二話より。おそらくミルが使用。
 精霊を集めて作った壁を立てる魔法。いくつかの種類があり、使う精霊により効果が異なる。
 作品中に登場したのは風の精霊シルフの壁で、ありとあらゆる飛び道具を止めて、進入しようとするものを跳ね返す効果がある。壁を作る魔法なので、一度立てた壁を動かす事は出来ない。
 ちなみに「風を奏でて」一周年記念贈り物SSで私が作り上げたものは当然ながら氷の壁だ。強固な氷壁でありとあらゆるものを防ぐ事が出来る。

魔法:完全精霊使役(フルコントロールスピリット)
登場:参考。ミルが使っている。
 コントロールスピリットに似ているがそれの上位魔法である。使役できる精霊は下位精霊に限るところは同じだが、その精霊の全ての力を用いることが出来る。ただし、その精霊の存在に反する命令をするとたやすく消滅してしまう。
 ミルがセラと呼んでいる風の精霊がそうだ。普段は髪を乾かすのに使ったりしているが、非常時はかまいたちで何かを切り裂くこともできる。

魔法:竜巻(ウィンドストーム)
登場:第二話より。ミルが使用。
呪文:風の王ジンよ。かりそめの精霊の契約により我が声に応じよ。一陣の風と共に現れ、疾風と共に消えよ
 風の上位精霊ジンに働きかけて竜巻を生み出す魔法。生み出された竜巻はしばらくその場に留まり続け、中にいるものを鋭いカマイタチで斬り裂く。さすがに規模が大きいので屋内では使わない方がいいだろう。

魔法:炎嵐(ファイアストーム)
登場:第二話より。ミルが使いかけた。
呪文:業火の守護者イフリートよ。破壊の時は来たれり。炎をまといて眼前の全てを焼き尽くすために来たれ
 炎の上位精霊イフリートに働きかけ、炎の竜巻を作り上げる魔法。竜巻の発生は一瞬だが、その劫火に全てが焼き尽くされる。

魔法:氷嵐(アイスストーム)
登場:第二話より。名前だけ登場。
 氷の上位精霊フェンリルに働きかけ氷の猛吹雪を作り出す魔法。効果は一瞬だが、その冷気と氷の刃が効果範囲内の目標を殲滅する。

魔法:氷棺(アイスコフィン)
登場:第二話・第三話より。レイファルスが使用。
 氷の上位精霊フェンリルの力で目標を氷の塊に封じ込める魔法。相手が生物なら氷の内部で仮死状態となる。実際には私の使用した力となるのだが、同じ効果を魔法として生み出すことも可能だ。一応ミルも使用可能なくらいの魔法だ。

魔法:凍結(フリーズ)
登場:第二話より。レイファルスが使用。
 氷の上位精霊フェンリルの力で目標の肉体を瞬時に凍り付かせる魔法。生物なら即死である。ゴーレムのような魔法生物やアンデットモンスターのようにすでに死んでいるものでも動きを完全に封じることが出来る。

「さすがにたくさんありますね。」
 そうだな。さすがに精霊使いが三人もいると使う頻度が高いな。
 ええと、次は古代語魔法だな。
「そうですね。」
 ここもシャランが説明するか?
「分かりました。出きる限りやってみます。」

2−2.古代語魔法

魔法:眠りの雲(スリープクラウド)
登場:第一話・「風を奏でて」一周年記念贈り物SSより。シャラン・敵の魔術師が使用。
「空気を変質させて魔法の雲を作る魔法です。この雲を吸った生物は眠ってしまいます。」

魔法:解呪(ディスペルマジック)
登場:第二話より。シャランが使用。
「効果時間のある魔法を解除する魔法です。相手の魔力を上まらないと解除できないので、レイファルスの力を解除するのには苦労しました。
 ただしこの魔法で魔法の道具を破壊することは出来ません。」

魔法:明かり(ライト)
登場:第一話より。シャランが使用。
「魔法の明かりを作り出す魔法です。効果が長いのと、場所だけでなく物体にかけて持ち運びもできるのでなかなか便利な魔法です。」

魔法:解錠(アンロック)
登場:第一話より。シャランが使用。解錠の名前は登場せず。
「普通の鍵なら無条件で、魔法の鍵なら相手の魔力をうち破れたら解除出来ます。」

魔法:魔化(エンチャントウェポン)
登場:第二話より。敵が使用。コモンルーン。
「一部の魔法的モンスターの中には魔力を帯びた武器しか通用しない事があります。そのときこの魔法を武器にかけると魔力が付加されて威力が増すと同時に、そのようなモンスターにもダメージを与える事が出来ます。レイファルスの身体に通常の武器は効果が無いので、山賊たちが使ったようです。
 コモンルーンとしても存在するので、結構重宝がられる魔法です。しかし、魔法の武器にはこの魔法が予めかかっているようなものなので、更にこの魔法をかけても意味がありません。」

魔法:落下制御(フォーリングコントロール)
登場:第三話・インターミッションより。シャラン・フェルミナが使用。
呪文:万物の根源たるマナよ。大地に縛りつけし不可視の綱を今ひとときの間だけ断ち切りたまえ
「物が下に落ちる力に干渉して、落下速度を制御する事ができる魔法です。
 落下速度をある程度加速することもできますが、大抵は落下速度を減少させるために使う魔法です。
 物体にかけた場合は術者が落下速度をコントロールできますが、生物にかけた場合はかかった側がコントロールすることになります。」

魔法:隠身(コンシールセルフ)
登場:第三話より。フェルミナが使用。
呪文:万物の根源たるマナよ。姿がないのもまた姿。我に姿無き姿を。見えなき光景を与えたまえ
「精霊魔法のインビジビリティと同じ効果の魔法ですが、精霊が姿を消してくれるのではなく周囲の空間を歪めて、自分の姿が周りから見えなくなるようになっています。」

魔法:使い魔(ファミリア)
登場:なし。参考まで。
「猫やカラス、蛇などを使役する魔法です。感覚を共有しているので、使い魔の見聞きしているものは術者も見聞きすることができます。後は精神力を肩代わりしてもらったりと自分の分身のようなものです。しかし使い魔が傷つけられると本人も傷つくのでその辺は注意が必要です。
 私も使えるのですが…… 私よりも小さい動物を探すのが大変ですので使い魔は持っておりません。」

魔法:雷撃(ライトニング)
登場:第一話より。シャランが使用。
「直線状に伸びる電撃を放つ魔法です。目標が一直線に並んでいたら貫通しながら電撃が進みます。
 ただ…… 使わずにすむなら使いたくない魔法ですね。」

魔法:飛行(フライト)
登場:第三話より。フェルミナが使用。
呪文:万物の根源たるマナよ。今こそ大空を我がものに。龍の翼、鷹の羽を我が背中、我が両腕に貸し与えたまえ
「空を自由に飛びまわる魔法です。自分にしかかけることのできない魔法なので、私には使う機会がありませんが……」

魔法:麻痺(パラライズ)
登場:第一話より。敵の魔術師が使用。
「相手の神経を麻痺させて、身動きをとれなくさせる魔法です。相手を傷つけたくない場合などに使うといいでしょう。」

魔法:嘘発見(センスライ)
登場:第二話より。シャランが使用。
呪文:万物の根源たるマナよ。この者を囲む偽りの壁を打ち破りたまえ
「他人が嘘をついているかどうか見極める魔法です。ただし、相手がその事実を嘘だと思っていなかったり、いわゆる『嘘は言ってない』相手を見破る事はできません。飽くまでも『嘘をついている』ことを見破る魔法です。」

魔法:火球(ファイアボール)
登場:第二話・第三話より。シャラン・敵の魔術師が使用。
呪文:物質の根源たるマナよ。破滅の火、爆炎となりて全てを焼き尽くせ
「導師以上にならないと教えてもらえない、ギルドでも禁忌にされている魔法です。火球を生み出し、炸裂させるものです。威嚇に使うか、効果を弱めてでないと使おうとは思いません。」

魔法:瞬間移動(テレポート)
登場:「風を奏でて」一周年記念贈り物SSより。シャランが使用。
呪文:万物の根元たるマナよ。扉よ開け。我と我の望む者に遠きに至る旅路を。我らは時の支配より放たれし者なり
「自分の知っている場所、又は直接・間接的に見える場所へ瞬間的に移動する魔法です。
 行き先の条件さえ満たしていれば、どれだけ距離が離れていようとも関係無く、瞬間で行く事ができます。さすがに高位の魔法なので精神力の消耗は激しいです。」

魔法:刃の網(ブレードネット)
登場:第一話より。謎の爺さんが使用。
「単体の目標を刃のように鋭い網で包み込む魔法です。黙っている分には問題ありませんが、少しでも動こうとすると網の一本一本が刃のように目標の身体を切り裂きます。
 残念ながら私には使うことのできない魔法です。そういえばあのお爺さん、結局どなただったのでしょう?」

 意外とあるものだな。
「そうですね。登場した敵の方にも魔術師がおりましたから。」
 次は…… 神聖魔法か。
「あれ? でも確か……」
 そうなんだよな。

2−3.神聖魔法

 登場してない。

「……ですよね。」
 そうだな。レベッカも登場したばかりだし、他に神聖魔法の使い手がいなかったし。

2−4.呪歌

魔法:好奇心(キュアリオスティ)
登場:第二話より。ミルが使用。
歌 :不思議の扉 魔法の小箱 魔女の水晶玉 秘密の秘密の虫眼鏡
   近づいてごらん 見においで ラフィル・エレム・ラウ・テューラ
 この歌を聞いてしまうと、演奏している人を見たくなるという(ある意味はた迷惑な)歌だ。街中で演奏して注目を浴びるための歌なのだろうが、外で歌って周囲にモンスターがいたら大変な事になるだろう。
 隠れている人を探すのには使えるだろうが。

「これだけでしたっけ?」
 あんまり使うことのない魔法だからな。それにミルもそんなに沢山の呪歌を知らないし。
「そうなんですか。」
 今後、話が進んだときに追加で魔法とかの説明をしていこうと思う。
 作者がいつ続きを書くかは知らないがな……
 それでは今回はこの辺で。
「それでは皆さん、さようなら。」