オリジナルブレイブサーガSS
「コワレタユメ」

 

 

「ゲイルフェニックス!」
 フェアリスの祈りと共に聖魔法獣が呼び出され、ロードの鎧となるが如くに包み込みスーパーリンク合体する。
スーパーリンク、ヴァルロードッ!!」
 赤き魔法騎士がフェアリスを中に取り込んで、翼を広げた。

「待たせたな!」
「ロード、その姿は?」
「まぁ、話せば長くなる。」
 先行したライナーズとバラストネイサーに追い付いたヴァルロード。
「この姿の時はヴァルロードと呼んでくれ。」
「それより、」
(それより?!)
 ナイトライナーの気にした様子もない口調に表情には出さないが驚愕するロード。
「さっきの戦闘でアイアンライナー――円さんとはぐれてしまった。貴方さえよろしければ、我々の指揮をとってくれまいか?」
「私が……?」
 躊躇っているとナイトライナーがビシッと敬礼をする。
「これから我々ライナーズはロード司令官の指揮下に入ります!」
「え〜 ナイトライナーがそういうなら、僕もロードの部下になるの〜?」
 ライナーズリーダーの言葉にソニックライナーが頭の後ろに手を組んで疑問の声を上げる。
「ロード司令官か。良い響きだな。」
 どこか愉快そうにロードの肩を叩くバラストネイサー――テイト。
「さぁ、早速指示を。ロード司令官!」
(……とりあえず私をヴァルロードと呼べ。)
 なんてことは口が裂けても言えないロードだった。

「……って、夢見たんだけど。」
「そう言われてもな……」
 神代沙希(かみしろ さき)にそう聞かれて、ロードは困ったような返事をした。

 

 爆発が信哉(しんや)とヴェイルに襲いかかる。
「信哉!」
「だ、大丈夫…… でも……」
 爆発で生じた破片が腕輪を直撃していた。腕輪がひしゃげ歪んでしまっている。
「このままではまずい。信哉、合体の指示を!」
「うん、分かった! シェルヴェイティアス!!」
 …………
 …………
「あれ?」
「信哉……?」
「シェルヴェイティアス!!」
 …………
 …………
「そんな! もしかして腕輪が壊れちゃったの?!」
「大丈夫! 私にお任せ下さい!」
 状況を全く無視していきなり一人の少女の声が聞こえて来た。イベントモードに入ったのか、敵の攻撃はしばらく無いので安心(笑)
 現れたのは白衣に伊達眼鏡を装着した空山(そらやま)リオー……
「いえ、この姿の時はマッディ・リオリオと呼んで下さい♪」
 訂正。現れたのはマッディ・リオリオだった。
「こんなこともあろうかと!」
 どういう事態を想定していたのか聞きたくなる定番のセリフを言って、マッディ・リオリオが無い胸(でも飛鳥は大好き)を張る。
「これをお使い下さい!」
 と、背中に隠していた一本の長細い物を取り出す。
 先端が星形で、ハートが中に入っていたり、全体がピンクだったり、電飾(?)があちこちについていたりと、いかにもファンシーなステッキだった。アニメならきっとクルクル回ったりするのかも知れない。
「これにシェルヴェイティアスの合体データを組み込みました。これに特定のコードを入力すると合体できるようになります!」
 キラキラと目を輝かしながらマッディ・リオリオがステッキを信哉に手渡す。
「えっとぉ……」
 こう、もの凄くひね曲がった意図が感じられて、思わず一歩後ずさる。しかし、そろそろイベントモードが解除されて戦闘シーンが始まるようだ。
「信哉!」
「分かったよ……」
 半ば諦めが入った表情でステッキを手にする信哉。
 いつの間にかにフリフリのフリルが沢山ついた「いかにも」という姿に変わっている。泣きたくなった。
「ぴ……」
 言わなきゃならないんだろうか? いや、きっと今はそうしないとダメな世界なのだろう。
ピピルマピピルマ プリリンパ パパレホパパレホ ドリミンパ
 アダルトタッチでシェルヴァイティアスにな〜れ☆
 ステッキから光の盾が現れて……

「……なんて夢を見たんだけど。」
「ほのかさん、その後ろに隠しているのは何?」
 自他共に認めるショタコンの空山ほのかに聞かれて、道野(みちの)信哉は冷や汗をたらしていた。

 

「くっ…… このままでは。」
「諦めるな兄貴!」
 秋沢飛鳥(あきざわ あすか)と雫(しずく)の兄弟が駆るシャインサイザーとバーンレイバーは窮地に陥っていた。
 敵はいささか不明だが、ピンチなのは間違いない。
「こうなったら、あの手しかないか。」
「あの手とは?!」
「まさかレイバー……」
「手があるのか!」
 レイバー→雫→サイザー→飛鳥と次々と口を開く。人数が多いとなかなか面倒だ(何)
「私――バーンレイバーとシャインサイザーは合体してライジングレイバーになることができる。」
「しかし…… 一度闇に落ちた俺には……」
「不可能ではありません。
 しかし……」
 唐突にリオーネの解説が入る。
「闇の力を一時的に得たサイザーが合体のシステムにエラーを起こしています。合体自体は可能ですが、誰かの記憶が失われてしまいます。」
『俺たちもかよ!』
 ピタリとハモる秋沢兄弟。さすが双子。
「全員の記憶が無事な可能性は…… 25億分の1です。」
『低すぎるだろ!』
 秋沢兄弟にサイザーレイバー兄弟まで見事なハーモニーを見せる。
「いえ、でもファイヤージェイデッカーで5万分の1ですよ? その倍ですから、二乗しても何も問題がないのでは?」
『おおありだろ!』
「ボク達は勇者だ…… 負けるわけにはいかない!」
 背広を改造したような服と、短パンをはいたほのかがいつの間にかに2体の足下に立っていた。
『ちょっと待てぇっぇぇっ!!』
「ボクはみんなを信じるよ……
 ブレイブアップコール! ライジングレイバーっ!!
 制止の声も聞こえなかったように、ほのかが手帳サイズの何かを掲げて叫ぶ。手に持った物が光を放つと、いきなり合体フェイズが始まった。
 シャインサイザーがバラバラのパーツに分離すると、バーンレイバーの各部に装着され、背中に9色の翼が広がった。ゆっくりと合体したライジングレイバーが着地する。
「ここは……」
『何処だ?!』
 4人が同時に首を傾げる。
「あ〜 なるほど。逆に4人とも記憶を失う可能性が同じく25億分の1でしたね。」
 淡々と解説するリオーネ。
「やりやがった! 主たちは25億枚のカードからたった1枚のカードを引きやがったぜ!」
 無駄にアースフォートレスが興奮していた。

「……って夢見たんだけど。」
『知りません。』
 斎賀纏(さいが まつり)の言葉に秋沢兄弟は声をハモらせた。

 

「くっ……」
 ゼルビートこと不知火誠(しらぬい まこと)。トリニティのロボット兵と熾烈な戦いの末、全て撃退したものの、腕のブレスがスパークを散らしていることに気付いた。戦闘中に損傷したらしい。
 とりあえず通信機能はアウト。変身解除したものの、次に変身できるのだろうか?
 ゼルビートの力は精霊から与えられた物で、普通のテクノロジー(飽くまでも「勇者」レベルだが)では無い。修理どころか、調整も出来るのか……
「一つだけ手がないわけではありません。」
 何の脈絡もなく現れた田島謙治(たじま けんじ)
「ブレス自体を修理するには時間がかかります。でもとりあえずゼルビートの力を使う、ということなら何とかできるかもしれません。」
「そうか…… なら頼む。」
 ブレスを謙治に預ける不知火。
 休息のために自室に戻る不知火には謙治が三日月のような笑みを浮かべていることには気付かなかった。

 敵だ。
 ブレスの代わりに受け取ったバックルを手に不知火が走る。
 それを腰に当てると、ベルトが伸びて腰にしっかり装着された。
 ゼルビートのデータが納められたカード(図柄はバッタ)をバックルに挿入すると、変身待機音(謎)が鳴る。
 左手を前に伸ばす。右手を半円を描くように回し、同時に左手を脇に下げていく。
「変身!」
 右手の平を見せながら前に突き出して、素早く心臓のしたあたりまで引っ込める。そして、バックルのレバーを引いた。バッタのカードがそのホルダーごと反転した。
――turn up
 バックルからカードの文様のような光線が出て、その光線が不知火を通過すると、その姿をゼルビートへと変身させる。
「行くぞ!」

 一通りザコを倒して、中ボスクラスのロボット兵だけが残った。普通に倒すのは難しいだろう。
「…………!」
 と、不意に右腕に装着された装置が光を放った。
「使えるというのか……?」
 ゼルビートの言葉に反応したように光が強くなる。ビシッ、とゼルビートが敵ロボット兵に指を突きつけた。
貴様に相応しいカードは決まった!
 腕の装置が扇状に展開し、カードホルダーが現れる。そこから3枚のカードを抜いた。
「秩序を求むる比類無き疾走、シンノスケマッハ
 愛を貫く正義の拳、サクヤラッシュ
 そして、適当なのが無いので人気投票ナンバーワンからツキノエレメント。」
 カードを次々とスラッシュバイザー(?)に通す。
――mach ――rush ――element
――beat broken

 3枚のカードの映像がゼルビートの周りに展開すると、それらが全て取り込まれる。
 手に光が集まり、一気にダッシュして間合いを詰めると、輝く拳をロボット兵に叩き込んだ。
 爆発。
 倒れたロボット兵のバックル(?)が開き、ゼルビートがカードを……

「……って夢見たんだけど。」
「俺に何を求めているんだ?」
 神崎花乃(かんざき はなの)に言われて、不知火は渋い顔を見せた。近くに謎のバックルを持った奴が隠れていたら一発殴ろうと思いながら。

 

「夢魔の仕業でしょうか?」
『なんでやねん!!』
 夢の研究者である小鳥遊(たかなし)の言葉に、艦内が今一つになった(謎)。