アンダーソン (L.Anderson 1908-1975 申年 蟹座)

この作曲家の音楽は楽しい!
1900年代といえば前衛的な難しい音楽が幅を利かせてくる時代なのに、アンダーソンはジャズの要素を取り入れ一貫してユーモアと機知に富んだとても親しみやすい作品ばかり書きました。
ほとんどポピュラー音楽のジャンルに入れてもいいような曲なので、ガリガリのクラシック・ファンからはおそらく軽く見られている作曲家ではないかという気はしますが、徹底的に聴き手を楽しませるエンターテイナーぶりは見上げたものです。
しかし親しまれている作品の割には、出ているCDはあまり多くありません。
フィドラー−ボストン・ポップスO、ピンカス・スタインバーグ−ケルン放送SO、スラットキン−セントルイスSOといったところしか知りません。
キーワード「エンターテイナー」


Jazz Pizzicato ジャズ・ピチカート

30才の作品。
アンダーソンが作曲家として開花し始めたのはこの頃で、フィドラーに認められたいわば出世作、以後ボストン・ポップスとの深いつき合いが続き次々と曲を発表しています。
後の作品ほどではないけれど、アンダーソンの洒落っけが生かされた曲。


Jazz Legato ジャズ・レガート

30才の作品。
タイトルからも分かるように「ジャズ・ピチカート」の姉妹曲。
レガートなのでもちろんこちらの方がゆったりした大人し目のジャズ、ちょっともの足りない感じはします。


The Syncopated Clock シンコペイテッド・クロック

37才の作品。


Promenade プロムナード

37才の作品。


Fiddle-Faddle フィドル・ファドル

39才の作品。
ギャロップ風の活き活きした弦の動きにウキウキ、ジャズの要素もふんだんに入ったこの曲はほんとに楽しい!
アンダーソンの作品の中でも特に良くできた曲だなと思っています。
イージーリスニングの分野でウェルナー・ミュラー(リカルド・サントス)楽団が大分昔この曲を演奏していて、それを初めて聴いてなんて素敵だろうと思った曲です。
今となってはそのCDが出ていないので聴くことはできませんがどんな演奏だったのかなぁ、意外と良いかも知れません・・・というのは現在出ているCDは本格的(?)な大編成のオーケストラのものばかりなので響きがシンフォニック過ぎてちょっと重たい感じがするからです。


Serenata セレナータ

39才頃の作品。


Sleigh Ride そり滑り

40才頃の作品。


Sarabando サラバンド

40才の作品。


A Trumpetter's Lullaby トランペット吹きの子守歌

41才の作品。
良く知られた人気曲、聴いた中でのトランペット・ソロはスラットキン盤が一番うまいです。
これに比べてフィドラー盤に起用されたジャズ・トランペッターのアル・ハートの演奏はかすれた音でイマイチ。


Burgler's Holiday トランペット吹きの休日

42才頃の作品。
3本のトランペットが大活躍のこの曲を聴いたことのない人はいないはず、そして聴いたことあるけど憶えていないという人もいないはず。
それほど一度聴いただけで耳に残る軽快で躍動的な曲、私も大好き。


The Typewriter タイプライター

42才の作品。
その時代の文明の利器タイプライターを音で描いたアンダーソンならではのユーモアが発揮された曲、いかにもタイプライターを打っている様子が彷彿とされます。
でもワープロが普及しきった現代では若い人がこの曲を聴いてもイメージできないのではないかなぁ。


The Waltzing Cat ワルツィング・キャット

42才の作品。


Bell of the Ball 舞踏会の美女

43才頃の作品。
アンダーソンの作品の中では風格のあるスケールの大きさを感じさせる曲。
美女が舞踏会で踊っている姿をイメージしたもので原題は「Bell of the Ball」、「美女」をわざわざ「Bell」としたのはたぶん洒落だと思います。


The Phantom Regiment ファントム・レジメント

43才頃の作品。


The Penny Whistle Song ペニー・ウィッスル・ソング

43才の作品。


Blue Tango ブルー・タンゴ

43才頃の作品。


Horse and Buggy 馬と馬車

43才頃の作品。


The first day of Spring 春が来た

46才頃の作品。


Plink,Plank,Plunk プリンク・プレンク・プランク

46才頃の作品。
プリンク・プレンク・プランクとは物がカタン、ポトンと落ちる音のことだそうです。
辞書には「Plunk」はそういう意味で載っていましたが「Plink」「Plank」は無かったです、動詞の活用形でもなさそうなので意味不明ですスラングかも知れません。
曲は全編ピチカートが使われ弾けるような軽快感、実演ではコントラバスをクルッと回転させて見た目にも楽しさを演出しています・・・さすがエンターテイナー・アンダーソン。


Forgotten Dreams 忘れられた夢

46才頃の作品。
とても愛らしく美しい曲です、スタインバーグ盤では前奏のメロディにフルート・ソロを使っていますが、スラットキンはチェレスタでの演奏です。
どちらがスコア通りなのかは分かりません、フルートはオプションなのかも知れません。どちらがいいかは好みだと思いますが私としてはチェレスタ、いかにも「夢」という感じがします。


Sandpaper Ballet サンドペーパー・バレエ

46才の作品。


Clarinet Candy クラリネット・キャンディ

54才の作品。


Balladette 小さなバラード

54才の作品。


Arietta アリエッタ

54才の作品。


Home Stretch ホーム・ストレッチ

54才の作品。
ホーム・ストレッチという言葉から我が家で羽を伸ばすことかなと勝手に思っていたら全然違っていて、これは競馬用語でゴール直前のラスト・スパートのことでした。
ギャンブルは全然やらないとはいえ無知ですねぇ。
ともあれ音楽はギャロップの軽快で楽しい曲・・・なるほどギャロップが使われている訳だ。


The Girl in Satin サテンを着た女


The Golden Year ゴールデン・イヤー


Classical Juke Box クラシックのジューク・ボックス

その時代の文明の利器を音楽で表現しているのは「タイプライター」的、曲のタイトル通りクラシックの名曲が数珠繋ぎで顔を出します。
中でもアンダーソンらしい洒落が利いていて面白いのが、グノーの「ファウストのワルツ」でジュークボックスが針飛びを起こして同じ個所を何度も繰り返すところ。
この辺のユーモアも「タイプライター」と同じようにCDしか知らない世代の若者には理解できないかも。